マネージャー採用のアプローチ
小田中育生
あらたま・いくおのマネジメントRadio。
Makoto Arata
この番組は、事業とエンジニアリングのマネジメントを探求する2人のEMが、雑談多め定期でお届けするポッドキャストです。
小田中育生
はい。では、あらたま・いくおのマネジメントRadio、いよいよ第7回までついにやってきました。
Makoto Arata
意外と順調に伸ばしてますね。記録を。
小田中育生
記録伸ばしてきた第7回やっていきたいと思います。
前回はですね、マネージングアップというテーマで。
Makoto Arata
上司への働きかけをどのようにしていくか、あるいはどのように働きかけてもらうか、みたいなところで視点を変えながらね、お話をしてまいりましたけれども。
小田中育生
そうですね。で、今回はじゃあ何を話そうかって考えた時に、そもそも新しくマネージャーを採用する、自分たちの仲間としてマネージャーを迎え入れるっていう時に、
今すでに存在、この組織にいる方にお願いするパターンと、社外から採用してくるパターンっていうのがあると思うんですよね。
Makoto Arata
内部登用するか、採用してくるか。
小田中育生
そうです、そうです。といったそれぞれのアプローチがある。片方のアプローチだけ取っている会社もあれば、両方やっている会社もあると思うんですが、
改めてじゃあそれぞれの良い点とか気にをつけなきゃいけない点って何だろうねっていうところを話していきたいなと思います。
マネージャー育成の現実
Makoto Arata
はい。面白そうなテーマ。
面白そうなテーマですよね。
実はこれはリスナーの方からお寄せいただいたテーマのリクエストで。
小田中育生
リクエストテーマのだから一発目ですよね。
Makoto Arata
そうですね。ありがとうございます。こんな感じでお待ちしてますんで、ぜひハッシュタグあらたまいこうでね、こういうのを聞きたいなーって言っていただけたら本気で考えます。
小田中育生
すごい、それを言うともうラジオが終わってしまいそうですが。
Makoto Arata
今から始まりましょうね。
小田中育生
はい。いただいたテーマ一発目と言ってやっていきたいと思うんですけど。
私自身の話を先にすると、両方経験してるんですよね。今所属している会社はスタートアップということもあって、
今すでにどこかでマネージャーをやっている方を採用プロセスを経てマネージャーとしてお迎えしたりとかっていうことが多いんですが。
Makoto Arata
なるほど。それって初日からマネージャーですか。
小田中育生
初日からマネージャーのパターンもあれば、やっぱりまあまあハードル高いので。
Makoto Arata
一回プレイヤーで。
小田中育生
そう、一回プレイヤーでだったりとか別な役割で入っていただいて、チームと信頼関係築いてからマネージャーになっていただくっていうパターンもあるかと。
前職の時はマネージャー採用は明確にしてなかったんですよ。基本的にプレイヤーとして入ってきたメンバーたちが実績を積んでいくっていうところと、
あとですね、前職特徴的だったのが、いわゆる管理職みたいな、管理監督権限がある役割に対しては、まず現職のマネージャーから推薦されていることと、
推薦された方が研修を受けるんですよね。
Makoto Arata
いいですね。マネージャーとは何かっていうのをちゃんと知った状態で権限移情がされていく。
小田中育生
そうなんですよ。そこの研修も1回につき丸2日間合宿って結構ボリュームがあるのを8回やるんですよ。
Makoto Arata
すごいな。それ終わらないとマネージャーになれないですか。
小田中育生
なれないです。
Makoto Arata
それって1年に生まれるマネージャーの数を大きく制限されることになりそうですよね。
小田中育生
されます。
Makoto Arata
それが組織の成長のキャップになっても大丈夫な状況だった。
小田中育生
すごくいい質問で、逆で要はマネージャーっていう冠つけても、その研修での知見とかを得ている、またはそれに類するスキルや能力持っていないと、そういう人がマネージャーになってもワークしない。
Makoto Arata
それはそうかもしれない。
小田中育生
ちょっと声のトーンが変わりましたけど。
Makoto Arata
いやいや、現実問題そこまでマネージャー育成に対してコストとファッションをかけられるような会社ってそう多くないけど、人が増えてきたらマネージしなきゃいけない。
マネージできるような立場の人を置く方がワークするよねっていうことで、マネージャーを置くっていう会社は多いと思うんですよ。
でも大した研修もなく、今日からマネージャーよろしくみたいな。
全然ありますよね。
小田中育生
全然ありますよね。だから全職は本当にそこが手厚かったなっていうところと、やっぱりいろんな研修受けるんですよね。
マネージメントってそもそも何なのっていうところとか、あとその研修の枠組みだけじゃなくて課題図書も出されてですね。
Makoto Arata
いいですね。
小田中育生
もうマネージャーって聞いたらみんなが浮かぶピーター・ドラッガー、マネージメントだったりとか、さまざまな本、コトラのマーケティングの本だったりとか、
エンジニアリング畑からマネージャーになるときにマーケティングの本とかってそんなに読まなかったりするんだけど、そういうマネージャーというものに対して必要なものを総合的にインプットする課題図書が与えられたりですと。
Makoto Arata
大事だなあ。
小田中育生
そうそう。で、PLBSみたいなところ。
Makoto Arata
在馬書評。
小田中育生
そうそう。そこに関しての基本的なところを座学で教えてくれるし、演習の中で実際作ってみたりっていうのがあって、本当にすごい、今思うとめちゃくちゃ手厚かったです。
Makoto Arata
ですね。
小田中育生
で、それってある程度やっぱり会社のビジネスが安定してるというか、人材育成にコストを避ける状態っていうのがあるので、今まさに成長し続けているスタートアップとかがそういうことをやるのが現実的かっていうと、それはそうではないかなと思うんですが、そういった世界もあるよっていうのは一つ話せておくという。
マネージャーの期待とサポート
Makoto Arata
その場合、それと対比するような形になってしまいますけど、そうやってマネージャーを育成する余裕はさすがにないなってなると、どちらかといえば外から採用してくる方が筋がいい、そういったスタートアップにとっては筋がいい一体になってくるんですかね。
小田中育生
一つそれは答えではありますよね。スキルがあるっていうところ。
Makoto Arata
そうですね。とはいえマネージャーって言っても、そのマネージャーって一口に言っても、そのマネージャーの仕事って置かれた状況によって多様に変わるじゃないですか。
プロジェクトをうまく活かすことをマネジメントとして強く求められているところもあれば、ピープルマネジメントを強く求められているような現場もあって、っていう中で、自分のマネジメントの性質が本当にその組織に合うのか、その組織の今のフェーズに合うのかみたいなのって、なかなか面接の過程で見極めるみたいな、お互いに大変だよねって思うことあるんですよね。
小田中育生
ハイパー、ウルトラ、スーパー、そうですねっていうところで。でも今の話で言うと、あらたまさんは少なくともそのマネージメントに対して求められるものが様々な種類ありますよとか、現場組織によって求められる方と違いますよってご存知じゃないですか。
Makoto Arata
はい。ご存知ないこともあるよね。
小田中育生
そうそう。なんでその知ってて、ここは自分得意だなとか、ここ苦手だなっていうのが分かってたら全然良いんですよ。それはなんで、自分で認識できてるところなので、あそこはじゃあ自分違うなっていうふうに合うところを探すこともできれば、自分まだこれできないけどできるようになりたいなって意識的に鍛えることができる。
知らないことが全然ある。今まで自分が育った環境で、たまたまそこではコンテキストに合うマネージャーとしてやることができる。マネージャーの仕事がイコールそれだったら、ピープルマネージメントが自分の仕事だとなったときに、求められてるところにフィットしたら全然良いんですよね。
Makoto Arata
そうじゃないとミスマッチになってしまうし、これってお互いにそれを開示してないと、ピープルマネージメント特化型ですっていうことを、マネージメントどっちかっていうとピープルというより、プロジェクトマネージメントとかテクノロジーマネージメントを求めていますっていうときに、ピープルマネージメントだけを得意としているっていう人が入るとミスマッチになっちゃう。
小田中育生
投与するときは求めてるマネージメントのスタイルって何なのっていうところを少し詳細化しておくっていうことは大切なのかな。
Makoto Arata
それは企業側が。
小田中育生
企業側が、なぜなら求めている人物ですよね。
Makoto Arata
いや、そうなんですよね。何となく人を置こう、マネージメントっていうロールを置こう、よし採用だみたいになってJDR開けちゃうと、そういうミスマッチすごく大きいなと思っていて。
あとは、例えば5人のエンジニアがいました。で、ここからもう5人採用しようと思います。1人目のマネージャーを採用しようってなったときに。
じゃあマネージャーに何を求めるかっていうと、人のある種管理ができるようになることだけじゃなくて、きっと同じようにプレイヤーとしても手を動かせることを期待してしまうと思うんですよね。
なぜならそういう人しか周りにいなかったから、これまで。その尺度でしか物を測れないみたいなこともあると思っていて、これはどうやってギャップ埋めたらいいんだろうな。
小田中育生
それでいうと、何だろう、求めている役割とか、解決するべき課題、こなすべきタスクは何かっていうところをちゃんと描くっていうところなんですよね。
漠然と、人増えてきたからマネージャー入れよとか、開発するもの増えたからフルスタックエンジニア入れよっていったら、そうすると何が起こるかっていうと、漠然としてるので全然マッチしない方が来てしまう。
Makoto Arata
なんとなく話が弾んだので採用みたいな。
小田中育生
こいついいやつだよみたいな。っていうこともあるし、でもそれより辛いなって思うのが、ジョブディスクリプションがすごいドリーミングなものになる。
なります。全部入り。スーパーマン欲しい、以上みたいなね。
すごいなんかマシマシ、ゼンマシみたいなのがある。
Makoto Arata
ジロー。
小田中育生
ジロー。ジローのゼンマシみたいなジョブディスクリプションを書いてしまう。いもたれしちゃうじゃないですか。
Makoto Arata
ちょっとね、今自分で喋ってて、自分の本にこれ書いたなって思い出しました。
小田中育生
やりましたね。
Makoto Arata
エンジニアリングマネージャーお悩み相談室、パート4に記載がありますのでよかったらみなさんご覧ください。
小田中育生
パッと出てくるのすごいね。
Makoto Arata
ありがとうございます、まだ出したてなんでね。
じゃなくて、話戻すと、もう外部から投与するってなった時には、お互いに期待をすり合わせる。
その候補者となるマネージャー自身も自分ができること、得意としていること、不得意としていることっていうのに自覚的になりましょうと。
で、その外側にも求められ得るケパビリティがあるということを認識しておきましょうっていうのがまず1かなと。
で、マネージャーのマネージャーじゃない、企業、欲しいと思っている企業の側も、今自分たちがどういう状況にいて、今後どうなっていく予定で、だからこういうマネージャーに来てほしいんだっていうのをちゃんとまとめて、ジョブディスクリプションの形に落とし込みましょう。
小田中育生
そうですね。入り口はまずそれすごい大事ですし、であと、じゃあそれでマッチする人来たねって言ったらバンザイで、あとはデイワンからバキバキによろしくねって言うと、それもやっぱ違う。
Makoto Arata
そうですね。
小田中育生
私好きなのはシチュエーショナルリーダーシップ理論っていうのがあるんですけど、これも普段のマネージャー候補者研修で知ったものなんですけど、
それはレディネスっていう、要は準備できてるかどうかっていう概念があって、どこかで熟達していた人も新しい環境とか新しいスキルに対してはレベル1から始まります。
なので、周囲の手助けとか動機づけが必要な状況から始まります。
Makoto Arata
そうね。
小田中育生
でもそれって確かにそうだな。自分の身で考えたら、例えば転職した時分かんないことばっかりだなって思うじゃないですか。
でも自分のチームにどこかで経歴ピカピカな人が来たら、デイワンから、
Makoto Arata
あれもこれもやってもらおう。
小田中育生
無限の成果を発揮してくれるようになると思いがちなんだけど、最初はその状態に早く到達するかもねってありつつ、
つまりオープンワールドにパッと放り出して、ほら働け、ほら成果出せって言っても、まず何を成果出せばいいかとか。
Makoto Arata
何が成果とこの環境では呼ばれているのか。
小田中育生
そうそう。っていうのがわからないじゃないですか。なので採用の時にしっかり求めてる人物を伝えていくのと、
その求めてる人物とに見合った方と話していくってすごく大事なんだけど、それと同じくらい入った後のサポートっていうところすごい大事。
Makoto Arata
オンボーディングと呼ばれるやつですね。
小田中育生
特にマネージャーって言われる仕事って、もちろんその方のスキルとかもあるんだけど、スキルと同じくらい大事なのが信頼関係。
Makoto Arata
前回第6回でも信頼関係で出てきました。
小田中育生
第6回でも出てきましたけど、マネージャーが組織にいる方々と関わって意思決定したり行動していくときに、
その抽象的な話をすることってどうしても多いじゃないですか。抽象的だったり、今短期的に取り組んでいることと違う中長期的なところへの働きかけをしていくときに、
信頼関係ある冗長だったら、じゃあ確かに誰々さんが言うならきっと大事だろうからやりましょうかってなるんだけど、
内部登用の重要性
小田中育生
突然やってきたマネージャーが、例えば極論で目標設定の方法を今までMBOでやっていたのを、
Makoto Arata
オーケアルにしましょう。
小田中育生
俺前の現場でオーケアルやってて、マジ超成果出たからオーケアルやるっしょ。
Makoto Arata
口調。
小田中育生
口調の問題もあるんだけど。
っていうテンションで来たら、それってあなたが得意なのを押し付けてるだけですよねっていう風に映っちゃう。
もしかしたら本当にうまくいくのかもしれないんだけど、今この場で培われてきたコンテキストを無視して、
自分の成功体験をぶつけると、それはなかなかうまくいかない。
それは信頼関係がないってこともなんですけど、その行為ってマネージャー側が現場を信頼してないってことでもあるんですよね。
これまでそこで培われてきたものが、結局それが積み重ねたものが今のチームの成果だったりとか、
文化を作ったよねっていう敬意を払っていたらいきなり自分のベストプラクティスぶつけはしないんですよね。
そこをまずちょっと観察していく。
Makoto Arata
しろうとすること。
小田中育生
そうそう。なので、雇う側はオンボーディングするっていうサポートも必要だし、
雇われた側もいきなり自分の過去の必殺技を使わない。
Makoto Arata
とはいえ、雇われた側としては、何か早く成果を出さないとみたいな焦りが生まれることもあると思うんですよね。
それでそういうこと言っちゃうとかも全然あると思うし、
もちろん受け入れる側としては、あんまり早くに成果を上げてもらうことって期待しないようにしている。
そうするとね、大変だからしないようにしていて、ゆっくりでいいよみたいなことを言ったりもすると思うんですけど、
逆に言うとそれが期待されていないことみたいに、新しく入った人が捉えちゃうと結構悲しいなって思っていて、
なのでクイックインとか言ったりしますけど、ちっちゃい成功を積み上げていって、このペースで上っていけば大丈夫なんだっていう、
そのペース感覚みたいなのをお互いに揃えるっていうのはすごく大事だなっていうふうに思いますと。
研修と選考プロセス
Makoto Arata
その中でちょっと遡って、自分の話っていうよりは、ちょうど同じぐらいのタイミングで転職した別の会社の人の話なんですけど、
エンジニアリングマネージャーとして転職しました。なんだけど、初めの半年はプレイヤーとしてやってもらう、ドメインとシステムのキャッチアップをしてもらうために、
半年はキャッチアップの期間っていうふうに置いてるので、半年間はプレイヤーとしてやってくださいっていう主体で入ってきましたと。
で、でも自分自身の認知としては、エンジニアリングマネージャーとして成果を出すっていうことをその会社でやりたくて来たわけじゃないですか。
ってなると、早くマネージャーとして成果を上げたいのに、半年も待たされるみたいになるよねって思って。
なんかここの擦り合わせ超むずいなって思ったんです。どっちの気持ちもわかるから。
小田中育生
そうですね。そのパターンはやっぱりあるなっていうのはありますけど、でもそれってあなたなんでエンジニアリングマネージャーやりたいんですかっていうのが一つ問いなのかなって。
別にロールがエンジニアでも、エンジニアリングマネージャーに求められるチームをまとめていくだったりとか、
中長期的な姿勢でロードマップを提案していくとか、そういったことで別にできるじゃないですか。
名は伴わないけど、エンジニアリングマネージメントに資することは全然できて。
Makoto Arata
実質そういうポジションになっていくように動いていけばいいじゃないと。
小田中育生
そうですそうです。前回のマネージングアップの話とかちょっと通じるんですけど、
マネージャーやりたいのにマネージャーの仕事をやらせてくれないじゃなくて、それって何だろう、その会社にとっては恐らくこれまであったことからいきなり任せるよりは現場見てもらった方がいいよねっていうのがあるはずなんで、
一辺なんでその帽子をかぶって、その中で自分がやりたいこととか、自分がここなら成果出せるって自信持ってるところでアプローチしていくっていうのがすごく大事なんじゃないかなって思いますね。
Makoto Arata
なるほどな、それはそう。じゃあ外からの投票の話をずっとしてきたので、内部投票の話をしましょうか。
小田中育生
内部投票に関して、先ほど冒頭の方で話したように、僕が前いた組織は本当に内部投票に対してかなり手厚いプロセスが。
たくさん研修して、それなんか試験とかあるんですか。
試験っていう形じゃないんですけど、
Makoto Arata
終了することが条件。
小田中育生
そうですね、ちょっともう今所属してない会社の話をどれくらいしていいかわからないけど、まあいいか、どの会社とも言ってないし、毎回クォーターに1回ぐらいあるんですよね。
それが全8回なんで足掛け2年やるんですけど、毎回人入れ替わるんですよ。
で、毎回新しくマネージャー候補に適してるねって人が現れたら、その人が上院するんだけど、人数の定義が決まってるので、一旦ちょっとこの研修まだ早かったかなっていうと外れる。緊張感めちゃくちゃある。
Makoto Arata
やばいですね、それ。ドキドキする。それを適してるかどうかみたいなのっていうのは、研修の中のその人が出した成果とかで測られるってこと?
小田中育生
そうですね、っていうところの振る舞いだったりとか、実際に出してきた成果とか、総合的に観察されてっていうところがありますね。
Makoto Arata
すごいな。見極める方もられる方も緊張感でいいですね。
小田中育生
緊張感ある。で、1回でもそこから外れたらダメかっていうと、復活性は全然あるので、あくまでそこは今時点でどうかっていうところをシビアに見てるだけではあるんですけど、っていうぐらいシビアにやってました。
で、そこまであれとは言わないけど、内部登用するなら、組織が求めてるマネージメント何?っていうことの言語化とか、ただマネージャーって全部言語化するのは難しいので、
こういうコンピテンシーを期待してるよみたいなところだったりを示していくっていうのはやっぱり大事なのかなと。
あと、せっかく内部にいるんであれば、いきなりポンって任せて、任せといてダメだった例はあまりにも辛いので。
そうですね。
一つの手段がさっき言った研修っていう方法もありますし、他の方法としてはお試し期間みたいな感じで、マネージャーとして3ヶ月ぐらいちょっとやってみるみたいなのも全然あると思うんですよね。サポートする前提で。
Makoto Arata
部分的な権限異常だったり、明確に役割を分けて、マネージャーと例えばリーダーみたいな関係性で一部マネージャーの仕事を異常していくみたいなことをやっている会社は結構多いですね。
小田中育生
この時にポイントなのは、どうしてもそのマネージャーを登用する側って、その登用する対象がマネージャーに適してるかっていうところにフォーカスしがちだし、それが一番大事なんですけど、絵手してそういう登用される人って優秀なんですよね。
なので、その人が今までやっていた仕事が穴が来ますよね。そこどうすんのっていうところのケアがないと難しくなる。
Makoto Arata
なるほど。その人が手を離してちゃんとマネージャーのはしごに飛び移れるかどうかは、その人がもともと持っていた仕事をちゃんと剥がせるかどうかにかかっている。
小田中育生
そうなんです。
Makoto Arata
それはね。
本当にそう。本当にそう。今あるものを持ったままマネージメントもよろしくねっていうのは、それはね、カワハラですよ。
小田中育生
ちょっと強い言葉が出ましたが、それってマネージメントという仕事に対しての解像度がものすごい低いよねって。
Makoto Arata
あ、片手間にできると思ってるから、そうやって渡しちゃうってこと?
小田中育生
片手間にできる、ないし、なんかわからないけどうまくいくよねっていう。それまでいた人たちが頑張ってうまくいかせた結果、まあでもなんかできるっしょみたいな感じでやっちゃうと。
Makoto Arata
勢い。
小田中育生
でもね、優秀な方々が選ばれるとね、なんとかなっちゃうことがバーマンあるのが問題を複雑化してるから。
Makoto Arata
なるほど。それが成功例としてなってしまうと、雑に振ってもマネージャーって育つんだっていうよくない成功体験がマネージャーを投与する側に積み重なっていってしまうと。
マネージャーに求められる役割
小田中育生
で、実はこれ、マネージャー投与する側もそこのアップデートしてほしいなって気持ちもあるんですけど、一番の副作用はメンバーとか組織に対しての影響で、
もともとやってた仕事にマネージャーの仕事も付加されると、労働時間はどうなりますか。
Makoto Arata
長くなりますね。
小田中育生
長くなりますよね。
きっとね。
ですよね。で、開発、まあ例えばエンジニアであれば開発をしますと。で、開発の上にマネージメントもしますって言うと、大変になるじゃないですか。
Makoto Arata
大変になる。
小田中育生
で、そういうマネージャーの顔はだんだん暗い表情になり。
Makoto Arata
なるほどね。
小田中育生
誰よりも早く来て、誰よりも遅く帰り、表情も暗くっていうマネージャー、マネージャーがそういう人ばかりな組織において、君をさあ次のマネージャーにしようと思ってるんだけどって言われたら。
Makoto Arata
あの人と同じ仕事なんて絶対できませんってなっちゃうんでね。
小田中育生
そうなんです。だからこれ組織を徐々に弱らせていく得になるんだと思う。
Makoto Arata
間違いない。
小田中育生
なんでね、マネージャー自身はそういう意味では常にご機嫌でいて、でもご機嫌でいるにはいろんな理由があって。
Makoto Arata
そうね、相談されやすくするとか。
小田中育生
されやすくするとかもあるんだけど、マネージャーっていう仕事ってやりがいあるんだな、楽しいんだなって思ってもらう。実際楽しいしやりがいあると僕は思ってるんですけど。
そういうふうに思ってもらう空気を作るのも大事なんだけど、マネージャーがそういう空気でいられるようにするのは、組織の力学っていうのがすごく作用するなと。
Makoto Arata
そうね。マネージメントの、その時必要なマネージメントっていうものがどこからどこまでの何なのかっていうのが、多分投与する側もマネージャーになる人も解像度低いまま走り出してるケースがそれなのかなって思ってて。
だから、なんかわかんないけどやたら忙しいし、やたらカレンダーが埋まるし、自分がやらなきゃと思っていた作業が全部夜に押し込められてしまうみたいなことが起きちゃう。
小田中育生
そうなんですよ。
Makoto Arata
過剰にマネージメントの仕事をやりすぎているかもしれないし、マネージメントをやっていたら絶対に持てないようなプレイングの仕事もやっているかもしれないし、それはかもしれない以上のことはそのタイミングで言えなくて、それをちゃんと棚卸ししようねっていうのもすごく大事だなって。
小田中育生
そうですね。本当おっしゃる通りで。ただそういう状況って全然起こりますよっていうのと、ない方がまあまあいいかどうかで言ったらスムーズですねなんだけど、どうしてもやっぱり規模が限られていたりとか、
特にスタートアップだと状況がめちゃくちゃ変わってくるじゃないですか。変わってくる中で急激にマネージメントが必要になったりとか局面があったり、一方でプレイングも必要になるねっていう時に、本当は歪みであるものを受け入れなきゃいけない瞬間があって、その時にでも形として美しくないから、しっかり分けよう、しっかり分けようって言って、
本当はやって欲しい人じゃなくて手が空いてる人に適当に当てたりするともっと悲しいことになって。 なんで一時的にこれは歪んでるよっていうのは意識しながらも、一旦そのリスクをとるって判断をして、かつじゃあいつまでに解決したいかって。
Makoto Arata
までが大事なんだよね。
小田中育生
解決で解決したいって願うだけだと、短冊に書いて願うのとレベル変わんないんで、何がギャップで今その状態になってるんだっけっていうのをしっかり見極めて、
そのギャップ、解消するためにはどんなアクションが必要か。それこそ採用かもしれないですし、採用って言うとマネージャー採用かもしれないし、エンジニアだったりメンバーかもしれないし、
今あるメンバーたちの状況を変えてあげることで、今プレイングで2足のわらじ履いてる人を1足脱がせてあげられるかもしれないっていう、
そこを考えていくっていうのがポイントなのかな。なので、アンチパターンに陥るのを怖がるというよりは、それを避けるのは停滞させてしまうので、
アンチパターンを受け入れつつ理解しつつ、抜け出す出口戦略を描いていくっていうのが、内部投与で発生する歪みではすごい大事なんだ。
Makoto Arata
それが組織マネジメントをする人に求められる役割というか、特にその規模が大きくなっていく過程で、マネージャーをどんどん投与していこうっていうことになってくると、
もともといたマネージャーと同じことをやってくださいとは役割が違ってくる可能性もあるんですよね。っていう時に、今のこのタイミングでマネージャーに求めるのってこういうことだよね。
今、プロダクトとか事業のこういう状況だから、こっからここの部分をお願いしようと思っていて、でも未来に対してこういう幅があると思うから、そこをあなたが考えて、あなたが自分から提案して埋めていってほしいみたいな、
マネージャーの役割と期待
Makoto Arata
期待を明確にしていくっていうことがすごく大事だなと思っていて、その期待を伝えるためには、その全体像が見えてないと期待って伝えられないんですよね。
そのチームがどうじゃなくて、チームを取り巻く環境だったり、事業状況だったり、それこそ資産、資金が残っているかどうかみたいなところも密接に関わってくるわけで、
そういったところを支援に行って、より広い情報を見た上で、あるべき組織の形っていうのを決めていくっていう役割の人がいてほしいですね。
小田中育生
そうですね。状況によっては外部投与が最適解なフェーズと、その内部投与が最適解なフェーズと、その両方っていうのはあるので、
それはフェーズだけで決まるものでもなくて、文化とか目指している組織作りっていうところ。
Makoto Arata
やっぱりコンテキストを持ったまま、そのポジションが変わるっていうのはすごくショートカットできますからね。
外部から投与するとどうしてもその組織に馴染むっていうところに一定の時間がかかってしまいますし。
小田中育生
そうなんですよね。特にやっぱりマネージャーが職務を遂行する上で重要な信頼貯金っていうのがあると思うんですけど、
やっぱり現場にずっといました、現場で実績上げましたとか、いろんな人とコミュニケーションとなってきましたっていう、
その実績としての信頼貯金ってやっぱりめちゃくちゃ強いので、例えば新卒でその会社に入社しましたっていう方が、
5年ぐらいすごいいろんなところで活躍して、信頼関係築いて、満を持してマネージャーになりますっていうと、
おそらく先輩とか同期はそれなりに応援してくれるし、そういう文化がその組織にあるなら、
初めてマネージャーやった内部登用の人がこけるのも分かってるから、最初失敗するよねっていうのも、組織側も受け入れてくれる。
Makoto Arata
たしかにサポートしやすい。その人の人となりが分かるからサポートもしやすいっていうのはありそう。
小田中育生
そうなんですよね。内部登用の場合はその人の成長プロセス自体に組織が責任を持っているので、
だからその人が今バリュー出せないのを組織が自分たちに責任を落とし込めるんですよね。
で、外部登用だと信頼の問題とかもあるんだけど。
Makoto Arata
どっちが原因なんだっていうのが見えづらいのか。
小田中育生
いや誰々さん結構なんかコミュニティだとブイブイ言わせてるけどワークしないなみたいなのって全然起こる。
でもそれって本当にその人がフィットしないとか、その人が求めてるもの足りてないことも全然あり得るけど、
一方で組織側も足りてないっていうのも全然あり得て、でもその時に組織側はジャッジする力を持ってるじゃないですか。
ってなると多くの場合、あの人マッチしなかったので、組織を改善するきっかけには使わないことがまあまああって、それはもったいない。
Makoto Arata
もったいない。そうね。そうならないように。そうならないように気をつけられることは何かな。
それは。組織自体に感性の法則をできるだけ働かせないようにするっていう、心がけ。心がけって言うとすごい弱いけど。
小田中育生
心がけにはなっちゃうけど、まあなんか客観的な目線で見てあげるってところとか、定点観測するみたいなところって。
Makoto Arata
そういう意味でその外部から顧問を呼ぶみたいなの一個手ですよね。
一つ手だと思います。
フラットに評価してもらうっていう。
小田中育生
一つ手だし、なんかちょっと統計的に見てあげて、例えば外からマネージャーを取ってますっていう時に、
取る人がたとえば10人取って9人ワークしました、1人ワークしませんでしたっていう時には、もしかしてその人がたまたま会わなかったっていうのは確率としてそれなりにありそうじゃないですか。
Makoto Arata
ありそう。ありそう。
小田中育生
一方で10人取りました、5人ワークしませんでしたって言ったら、結構これ組織側に何か、少なくとも外から人を受け入れられるケーパビリティないんじゃないかみたいなのが想像ついて、
それはよしよしじゃなくて、現実問題組織どういう状態なのっていうのは、実績から見てあげるというのが一つ。
検査。
はい、検査。適用!ってね。
Makoto Arata
あの、スクラムの。
小田中育生
検査、適用!ってね。
ちょっと会議室なんで控えめに叫びました。
Makoto Arata
はい、というところ。
そうですね、今日も第7回のところで、そのEM外から取るか内から取るかっていうところを話してきましたが、そこの周辺のところも含めて、割とモダ的に話せたんじゃないかなと。
一貫して大事なのは、期待を明確にするっていうのと、そこで発揮されるべき特性っていうのが何かっていうのをお互いに知っておくこと。
で、その人が輝くように周りがちゃんとサポートしましょうねっていう。
この3つであることを考えたときに、順番の前後とかはあると思うんですけど、内部投票の場合も外部から採用する場合も、そこまで大きくは変わらないのかなっていうのが個人的な感想です。
小田中育生
投票したときにスキルが備わっているかどうかみたいなところとか、信頼貯金みたいなところっていう、スタート地点のオフセットは両者違うんだけど、見るべきものは一緒だろうな。
Makoto Arata
二項対立ではなかった。
小田中育生
ということですね。
Makoto Arata
はい、では今日は以上にしましょうか。
はい。
ありがとうございます。感想やご意見は、ハッシュタグあらたまイクオでどしどしお寄せください。ありがとうございました。
ありがとうございました。