森の冒険の始まり
朗読.月のしずくの森🐰🌿✨
しょーこ.さく/アポロ絵
月のしずくの森、優しい夢が降る森で、小さなうさぎが見つけたぬくもりの物語。
昔々、遠い山のふもとに、ふんわりとした霧に包まれた小さな森がありました。
この森には、夜になると月のしずくが降ると言われています。
月の光が葉っぱに落ちると、きらきらと輝くしずくになり、それを飲んだ動物たちは優しい夢を見ることができるのです。
森の外れに小さな丘がありました。
そこには、ふわふわの白い毛をした元気なうさぎのぽぽが暮らしていました。
ぽぽは好奇心いっぱいのうさぎです。
昼間は丘の上をぴょんぴょん跳ねたり、花の香りを嗅いだりして過ごしていました。
でも、夜になるといつも月を見上げて不思議に思うのです。
お月さまの光ってどこへ行くんだろう?
ある晩、ぽぽはお月さまに導かれるようにそっと森の奥へと足を踏み入れました。
僕も月のしずくを見てみたいなあ。
森の中は夜の静寂に包まれていました。
でも怖くはありません。
風がそよそよと葉を揺らし、小さな虫たちが静かに歌っています。
足元のふかふかの草はまるでお布団のようです。
ぽぽはぴょんぴょんと跳びながら森の奥へと進んで行きました。
やがて大きな湖のそばにたどり着きました。
湖にはまるくてやさしい光のお月さまが映っています。
ぽぽはそのほとりにちょこんと座って静かに待ちました。
しばらくするとぽつんぽつんと銀色に光るしずくが森の葉っぱに落ち始めたのです。
夢の中の出会い
月の光がつくる不思議な夜のしずくです。
ぽぽはそっと前足を伸ばして葉っぱのしずくをひとつぺろりとなめてみました。
するとほんのり甘くてやさしいぬくもりが体の中に広がってゆきます。
ぽぽは湖のそばで寝ころびました。
水面には星がゆらゆらと輝いています。
風がやさしくぽぽの耳をなで、草の上では小さな花たちがそっと眠るように閉じています。
ここにいるとなんだか安心するな、ぽぽのまぶたはだんだんと重くなっていきました。
やがてそっと目を閉じてふんわりとした夢の中へと入ってゆきました。
夢の中のぽつんぽつんと銀色に光るしずくが森の葉っぱに落ち始めたのです。
そっと目を閉じてふんわりとした夢の中へと入ってゆきました。
夢の中では月の光に包まれた森の妖精たちがやさしくぽぽを迎えてくれました。
よく来たね、ここは安心して眠れる森だよ。
ぽぽはふわふわの雲のベッドに包まれながらゆっくりと深い眠りへと落ちてゆきました。
どこまでも静かでどこまでも優しい月の雫の森の夜、
そしてぽぽの寝息はそよ風の音に溶け込むようにすやすやと響いていました。
おやすみなさい。