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私の心で読みます。
あなたの心で聞かせてほしいです。
絵本作家 アポロ女
ぞうとねずみのおはなし
生まれた時から桃色のぞう
小さなねずみも同じだった
ぞうが生まれた
体の色は桃の色
母さんはなんて愛おしいと抱きしめる
元気に生まれてくれて
ありがとう
同じころ小さなねずみが生まれた
体の色は桃の色
母さんはなんて愛おしいと抱きしめる
私の子供に生まれてくれて
ありがとう
桃色なのは僕一人
全然平気
桃色なのは私だけ
全然平気
ある日二人は出会ってしまった
僕たち同じだねとぞうは言った
本当だ同じねとねずみは微笑んだ
二人は一緒にいるだけでなぜか
嬉しかった
この気持ちはなんだろう
ずっと探してたんだ君のこと
私も同じ
最初に旅に出よう
ぞうの足音が地面を響かせ
ねずみは見たことのない世界に心を踊らせる
どこまでも君となら行ける気がする
ある町でサーカスの一座に出会った
座長は彼らを見つめにっこり笑った
君たちまるで夢みたいだね
ステージに立ってみないか
拍手
完成
光の中で踊る二人
僕たちすごいねとぞうは言った
みんなが私たちは見てくれている
ねずみは喜んだ
03:01
しばらくの間
サーカス一座の仲間たちと暮らした二人
でもなぜだろう
何かが違う
ぞうは疲れた体を休める暇もなく
ねずみはステージの裏で涙をこぼした
これが私たちの望んだもの
君はとぞうが聞くと
私は苦しい
とねずみはため息をついた
ある夜二人は静かな月の下にいた
ほっとするねとぞうがつぶやく
うんとねずみがうなずく
この時間を大切にしたい
そう思った
いろいろ考えて二人はサーカス一座を出ることにした
さよならみんなありがとう
二人は美しい草原や森を
どこまでもどこまでも歩いた
つづく