ルールの理解と正義感
こんにちは。お聞きいただきありがとうございます。あきねです。
こちらは、2人の小学生の子を持ついちお母さんの私が、ASDの息子を通して出会った行動分析学について語るチャンネルです。
今回のお話は、現実にありえそうなフィクションとしてお話しします。
複数の子どもの支援の現場での出来事です。
小学校低学年のAさんと、その子より年上の小学生Bさんがいました。
低学年のAさんは、まだその場のルールが今一つわからなくて、何か共同作業するにも自己流になりがち。
対して、年上のBさんは、ルールを守りたいタイプで、かつ守れていない子を見ると、注意しに行っちゃうお子さんです。
しかも、2人ともイライラした時には、それなりの攻撃性が現れることもあります。
実際、今日はすでに2人は一度もめていました。
ある時間、AさんとY先生が一緒に作業していました。
Y先生の言うやり方が守れず、自己流のAさんに、見ていたBさんはイライラして、険しい顔で近づきます。
一触即発というほどではないですが、Y先生、あっと思ってすかさず声をかけます。
声かけの相手はBさん。
あ、Bさん、大丈夫だよ。先生がAさんに言うね。
これで、一旦Bさんは数メートル離れてくれました。
なんですが、気になってその後もずっとAさんを見ています。
何秒も経たずに、またさっきと同じ状況になって、BさんがAさんに近づきます。
Y先生、内心、あーこれエンドレスだわーと思ったかもしれないし、もっと言うと、Bさん、頼む、ほっといてくれと思ったかもしれませんが、
Aさん、Bさん、どっちも悪くないんですよね。
Aさんはまだ細かいルールを守るのが難しい。
Bさんはルールを守りたいし、正義感が強い。
それだけです。
Y先生は、Bさん、ありがとう。
Aさんはまだちょっと難しいかもしれないけど、先生が言うからね。
よく見てるね。ありがとう。とBさんに伝えて、その場を収めました。
よく見てるねの一言については、正直迷うところです。
なぜかというと、見ていることを褒めるという好子をBさんに与えることで、
BさんがAさんのルール逸脱をチェックするという行動を強化してしまう可能性があるからです。
でも今回Bさんは、Aさんがルールをはみ出た瞬間にスッと近づいていっていました。
なのでおそらくBさんも、やたら注意したいというわけではないんですね。
守れてるか守れてないかちゃんと見えているという部分を認めてあげた方がいいかもしれない。
そんな気がして、よく見てるねの一言も入れたY先生でした。
その後もAさんとBさんのそのようなおっとっとという場面は何度も繰り返されましたが、
その度に先生の声かけも繰り返して、その日の二人の衝突は避けられたということです。
今回は特にBさんに対してありがとうという言葉を使うことで、
Bさんの正義感を認めるメッセージを込めつつ、
ここから先は先生の仕事だよと一貫して線を引き続けた、そんなお話でした。
ABAで広がれ、シンプルで楽しい生き方。
今日も大事なものを大事にできる一日を。
あきねでした。