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2023-08-02 45:13

第1回 「超小型衛星「ARICA」で突発天体ガンマ線バースト解明の糸口をつかむ!」坂本貴紀さん

「超小型衛星「ARICA」で突発天体ガンマ線バースト解明の糸口をつかむ!」でクラウドファンディングに挑戦した坂本貴紀さんに研究クラファンの体験談をお聞きしました。


サマリー

坂本隆さんは昨年の10月から、プロジェクト「超小型衛星アリカ」で突発天体ガンマ線バーストの解明を目指すプロジェクトを実施しています。アリカを打ち上げた後、衛星の運用費を賄うためにクラウドファンディングを開始しました。大学のプロジェクトはクラウドファンディング「ARICA」によって資金を集めましたが、設備の問題や天候の影響で何度も中止になることがありました。最終的には成功しましたが、衛星からのデータの受信ができないという問題にも直面しました。アカデミストさんとの関係やクラウドファンディングの結果、アリカツーの開発が始まったことをお話ししました。ガンマ線バーストの解明を目指すための超小型衛星ARICAの開発が着実に進んでいます。クラウドファンディングを通じて資金を集め、順調に進行しているようです。

00:04
マイクをオンにしてください。
あ、ごめんなさい、こうか。はい、これで大丈夫ですかね?
はい、大丈夫です。
つながった。ちょっとすごい心配。初めて使うシステムなんで、よくわからない。
よかったです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。お久しぶりです、本当に。
お久しぶりですね。ありがとうございます。
いえいえ。
お元気でしたか?大丈夫ですか?体調は。
体調、はい。元気になりました。
よかったです。
いやー、本当に。
大変でしたね。
はい、もう、私がシンゲイチみたいになっちゃって、家族中かかっちゃったんで、結局。
あらまー、それはそれは。
はい、もう本当に。こればっかりはね、本当に。
どこでもらってきたか、本当にわからないような状態だったんで。
いやー、もう今はそうですよね。
そうなんですね。
それでは、はい、お時間になりましたので。
では、お話し始めさせていただければと思います。
はい。
では、ちょっと今いるかな。
はい、多分これからちょっと聞いてくれる人増えてくれると思うんですが、
今回ちょっと録音させていただいているので、
その後でも終わった後でも皆さん聞くことできるので、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい。
それでは、研究クラファン体験談の第3弾、本日は宇宙物理学編として坂本隆さんにお話を伺っていきます。
プロジェクトの始まり
坂本さんは2021年、昨年の10月からプロジェクト、超小型衛星アリカで突発天体ガンマ線バースト解明の糸口をつかむというプロジェクトを実施して、
目標金額200万円のところ、見事サポーター数164名で達成されました。
では坂本さんの方からちょっと簡単に自己紹介をお願いいたします。
はい、青山学院大学の坂本と申します。
ちょうど本当に1年ぐらい前ですよね。
アカデミストさんにご依頼させていただいて、10月からスタートさせて、
今日もいろいろお話できるといいと思うんですが、本当にいろいろありました。
その期間達成までの間、本当にいろんなことがあって、くじけそうにもなりながら、
安倍さんからの頑張れ頑張れのエールで、何とか最後までたどり着けたという感じです。
本日はよろしくお願いします。
はい、ありがとうございます。よろしくお願いします。
いや本当に私としても坂本さんのプロジェクト、かなり準備段階からいろんなドラマがあって、
思い入れのあるプロジェクトに。
そうですか、ご迷惑おかけしました。
いえいえ、すごく一緒に楽しんでできたなというか。
じゃあ、そもそもクラウドファンディングやってみようかなと思ったきっかけみたいなところから伺ってもよろしいですか。
はい、先ほどご紹介ありました、超小型衛星ですね。
10センチ角のすごい小さな衛星なんですが、アリカという名前をつけたんですけども、
その衛星が当初は10月ですね、10月1日に打ち上がるというのが決まっていまして去年の。
その打ち上がった後も、アリカ衛星からデータを受信するのに、
我々民間衛星通信、携帯電話みたいな感じですかね、ノリとしては。
民間の通信網を使うので、データを送るたびにお金がかかるんですよね、費用が。
アリカをだいたい半年間打ち上がってから運用しようとした時に、
その運用データをデータ通信にかかる費用が150万円から200万円ぐらいかかりそうだというのがあって、
それを残しながら研究費を使っていったんですけども、
残念ながら結構最後の最後でバババッと結構いろいろお金がかかってしまって、
運用するお金がなさそうだというのが見えてきまして、
アリカが打ち上がった後の衛星の運用費、ほとんどが通信費ですけども、
それをなんとか年出するためのクラウドファンディングという位置づけでした。
結構やっぱり小型衛星の開発をしていく中で、
これも必要だっていうところが結構お金としてかかっていくという感じですかね。
そうですね、本当に打ち上げの最後の年に、私が想定してなかったことなんですけども、
衛星にいろんな試験だとか検査とかをするんですね。
衛星が壊れないような試験だとか、そういうのをやるために施設を利用させてもらうのにお金が多少かかりますし、
一番実はお金がかかったのが、アリカにつけた民間衛星とお話をするための通信端末があるんですけども、
その端末を宇宙に上げようとすると特別な通信機みたいな扱いになって、
総務省から打ち上げていいですよ、宇宙で使っていいですよという免許をもらわないといけないんですよね。
予備免許というんですけども。宇宙で電波を出してもいいですよという免許なんですけども、
それをもらうためには、その送信機がちゃんと申請通りの強度とか周波数で出てますという検査をしないといけないんですよね。
検査をしてもらわないといけない。その検査をしてもらうのも誰でもいいわけじゃなくて、
特別なちゃんとした免許を持っている方に検査してもらう必要があって、
その検査費用というのが結構バカにならない金額がかかって、
それが打ち上がった後の運用に使おうと思っていた金額をそのままかかってしまうぐらい金額がかかってしまって、
それはそんなにかかるものだというのは全然知らなかったので、
打ち上がる前にもほとんど運用費がなくなってしまった。運用費として取っていたお金がなくなってしまうということがありました。
作るだけじゃなくて、作った後も結構お金がかかるんですよね。
そこら辺はあまり私今回も初めての衛星1から作るというのは初めての経験だったので、
そのあたりは全然前もって分かってなかったところですね。
そもそも研究室単位で衛星を作るというのがすごいなというふうにこのプロジェクトを伺った時から思っていたんですが、
今ってもうそれが結構普通になってきている?
そうですね。私がアリカで作ったキューブサットという本当に10センチ角ぐらいのすごい小さな衛星というのは、
研究室単位でもそうですし、今回我々の衛星と一緒に上がったのは高校生が作った衛星も上がってますし、
あとはほとんど趣味みたいな感じなんですが、サラリーマンの人たちがやっているリーマンサットというプロジェクトがあるんですけども、
サラリーマンの人たちが全く全然違う仕事をやっている人たちが仕事の後に集まって衛星を作ろうと。
リーマンサットなんでサラリーマンのサテライトを作るというプロジェクトがあって、そういう人たちが作っている衛星もちゃんと打ち上がってますし、
大学といっても、私は研究室単位でやりましたけれども、部活動というんですかね、サークルみたいな感じで、宇宙サークルみたいな感じで衛星を作って打ち上げているグループもあります。
なので非常に身近なものに実はなっています。
衛星の目的と通信システム
なるほど。今回のアリカの場合は打ち上げた後にどういったことを解明するというか、狙いがあっての衛星。
アリカは宇宙で突然ピカッと光る突発天体であるガンマセンバーストという天体で、
突発天体がピカッと光ったときに、今この場所で光りましたという情報を世界中の研究者に伝える、すぐに伝えるというのがガンマセンバーストの研究にとって非常に大切なんですね。
ガンマセンバーストの光って、ピカッと光った瞬間は明るいんですけども、時間とともにどんどん暗くなっていってしまうんですね。
なので明るいうちに望遠鏡なんかをパッと、いろんな望遠鏡など観測装置を向けて詳細に調べるというのが大事なので、見つけたらすぐに速報するというのが大事なんですけども、
それって実はすごく難しいんですよ。人工衛星、地球の周りをぐるぐる回っている地球周回の周回衛星っていうのは、地球90分で一周してしまうんですね、ぐるっと。
なので、たとえば地上にアンテナを用意してて、衛星と通信しようと思うと、その衛星があっという間にパッと通り過ぎちゃうんですね。
なので、ほとんどの時間は地上から通信できないですね、衛星と。地球の裏側に行ってしまって通信ができないと。なので速報するって非常に難しいんですよ。
そこで上手いことできないかというのを考えて、アリカでは地上に速報するのではなくて、地上のアンテナに向かっていくのではなくて、アリカのさらに上を飛んでいる民間衛星通信、
われわれ使ったのがイリジウム社の衛星とグローバルスターという会社の衛星なんですけども、上を飛んで、さらに上を飛んでいる衛星に見つけたよって情報を送ってあげて、その衛星同士でバーっと衛星間でずっと通信して地上にパッと降ろすと。
一見遠回りな感じがするんですけども、確実に地上に降ろすことができて、その情報を。これうまくいけば非常に身近な手軽に使える速報システムだろうというので、アリカでそのシステムを実証したいという、それがプロジェクトの目的です。
なるほど、ありがとうございます。その運用を1年間やるための費用をクラウドファンディングで集めようということだったんですが、確かそのご相談いただいたのが打ち上げのからもう1ヶ月切っている段階でしたよね。
クラウドファンディングの準備と大学の対応
何とか打ち上げの10月1日に合わせてプロジェクトを作ろうという話を私から提案させていただいたかと思うんですが、そこからの準備期間って覚えていますか?
いやもう何か覚えてないぐらいぐちゃぐちゃだったんですよね。すごいもう本当にてんやわんやで、あともう一つその大きな壁がですね。
青山学院大学で教員としてクラウドファンディングを始めたいというふうに言ったんですが、実は前例がないというふうに大学から言われてしまって、少なくとも理工学部の教員でクラウドファンディングを本当に実施した教員がいないと。
だから学内でどう扱っていいかわからないということになってしまって、そっちの方でも結構いろいろありまして、実際本当にクラウドファンディングが成功したときにその寄付金をどうやって受け取ったらいいのかっていうところが始まったりとか、そもそも大学としてどういう規則が全くない中にない状態だったのでクラウドファンディングを受け取るとかいうその辺の、
その辺どうするかっていう議論から大学では始まっていて、かたやもう準備は1ヶ月切ってるという状態で、もう本当にてんやわんやだったので、あんまり何をしたか覚えてないような状態ですけど、なんとかとりあえず10月1日になんかスタートさせるっていうだけを見てた感じがしますね。
なるほど、ちなみにその大学側の方で前例がないからっていうところを、なんかどうやってこう突破したというか。
えっと、まあ目的がすごくはっきりしてたと思うんですよね。そのクラウドファンディングにしてもアリカっていう衛星を挙げるっていうのはもう大学のプロジェクト、ちゃんと大学として認知してもらっていたプロジェクトだったので、それを打ち上がった後の費用として受け取るって科学的にはしっかり主張できる内容だったので、
あとはまあちょっと手続き、今まで前例がないので手続きにちょっと時間がかかるだけかなとは思ってはいました。ただちょっとあまりにも長い時間かかってしまうと、クラウドファンディングが終わってしまったけどもどうするみたいな話だって困るので、そうはならないようにちょっと定期的に本当に事務の方とかに連絡はかなり頻繁に取って、今どういう状態ですか、今どこでどういう状態ですかとか、私なんかやることありませんかっていうので結構頻繁に連絡を取って、
なんとかクラウドファンディングが始まっている間に少なくとも大学内でちゃんとこれは大丈夫ですよ、プロジェクトとして認めますよというところまで持っていくというふうには努力しましたね。
なるほど、じゃあもうプロジェクト走らせながら大学側の調整もして、
本当にそうでした、10月1日にクラウドファンディングスタートしましたけども、それに合わせて結構大学内の広報みたいなのがあったんですね、有りか打ち上がるよみたいな、できればその広報にもクラウドファンディングを始めますっていうのも一文入れたかったんですけども、
それができなかったっていうのがあるんですね、まだ10月1日の段階では大学として認められてなかったので、ちょっとそこは残念でしたよね。
ただ最終的には実際に打ち上がった11月9日の前には認めてもらえたので、その時の大学の広報ではクラウドファンディングやってますっていう一文入れていただけたんで、
結果的には良かったんですけども、大変でしたね、本当に走りながらって感じでしたね。
そうですね、準備もすごくスピード感を持って進めていただいたっていう感じで、いよいよ10月1日打ち上げとクラウドファンディングスタートの日となるんですが、
その打ち上げがなんとですね、設備の問題によって中止となってしまって、ここからまた別のドラマが始まっていったと思うんですが。
ジャックさんのこといないですよね、本当にひどくて、設備の不備って言いますけども、本当にオペレーターのミスですよね、ほとんど。ケーブルがちゃんと刺さってなかったみたいな、そんなレベルなので、ちゃんとそれぐらい確認しとけよ、本当に10月1日は天気がものすごく良くて、
この変なオペレーションミスというのかな、それがなければ間違いなく打ち上がってたと思うんですけども、ちょっとそれがあって残念ながら打ち上げができませんでしたね。クラウドファンディングスタートはスタートしたんだけど打ち上がらないっていう。
もう盛り上がってないみたいな、盛り上げなくちゃいけないのに、ではなくてくじかれたみたいな感じでしたね、本当に。
ここからどうやって打ち上げ日程が決まって、そこまでを盛り上げていくかみたいなところで、坂本先生の研究室の学生さんもかなり一生懸命いろんなところで広報活動をやっていただいていたかと思うんですが。
アリカのツイッターというのがあるので、そのアリカのツイッターでもいろいろ配信するっていうのは当然やってましたし、
あとは、いろいろ他のグループとつながる知り合いがいたらそっちの人に話しかけて、ツイッター上でつながって何とか少しでも広げてもらうとか、そういうのはすごく学生も意識を持って心がけてやってもらいましたね。
そうですよね、すごくそれによって結構いろんな宇宙関係のメルマガとかでも取り上げていただいたりも、それもありましたね、つながっていきましたね。
次の打ち上げの告知が10月の7日に打ち上がるって。
はい、なりましたね。
ところが、上空の風が強いためまた中止になっちゃいました。
これはもう完全に転向でしたね。
これはもうしょうがないですよね。
そうですよね、ロケットの打ち上げってやっぱりなかなか大変なんだなというのをこのあたりから私も。
実は10月7日の打ち上げに合わせて1日前にアカデミストバーをやったんですよね。
打ち上げ前夜祭みたいなので全員で、よし明日打ち上がりますって言ったらなんか強風でまた延期みたいになって、もうなんなのみたいな感じでしたね、本当に。
そうですよね、学生さんも一緒にいたんですよね。
学生は打ち上げを見に鹿児島まで行ってるんで、1日もダメで7日もダメで、1回行って戻ってきてますからね。
1日行って見に行って延期されるってのが分かって戻ってきて、また7日上がるってのが行って、で7日延期になって戻ってくるっていう、何回も往復してますから。
このあたりってどういうふうにクラウドファンディングの宣伝をされていたかって、アカデミストバーってyoutubeライブもそうでしたけど、他にどんなことされていたかって。
打ち上げの延期と精神的な苦しみ
この当時何やってましたかね。なんかだから打ち上げに合わせてバーっと盛り上がるだろうと思ってたんだけど、そこまで盛り上げることができなくて、ちょっと路頭に迷ってたところはあると思うんですよね。
安倍さんからのアドバイスで身近な人とかそういう人たちに少しずつ宣伝してってっていうのを多分10月なんで、それをまだ結構やってたフェーズではあると思うんですけども、ガーッと上がると思いきや打ち上がってないんで上がらず、ちょっとこのあたりどうしようみたいな感じにはなってましたね。
ちょっとやはりこの時期かな、もうちょっと後でしたかね。なんか少しポスターを作ったりとか、学内に貼ろうかみたいな、ちょっと後かな11月くらいでしたっけね。
ポスターとかそうですね、4週目あたり。
もうちょっと先だな。10月の頭ですもんね。この頃どうだったんだろう気持ちは。
このあたり、結構確かに打ち上がらない状況でどう宣伝したらいいんだろうっていうような話をよくしていたなっていう。
イベントをなんか考えましょうみたいな話もあったかもしれないですね。何ができるかっていうのをひたすらいろいろ考えてたと思いますね。
あとはアリカとしてのツイッター以外に坂本さん個人としてのツイッターも始められて。
始めましたね。始めました。
でもなかなか大変ですね。毎日毎日何かツイートしないとするっていうのを自分の中で決めてやってたんですけども。
今まで全くそんなことしてなかったので、どうしたらいいのかとかいろいろネタに困ってましたね。
なるほど。ここからがまた打ち上げ日程が決まるまでが時間もかかりましたよね。
そうですね。10月7日の打ち上げが延期になってから、もう一つタネヶ島にあったH2ロケットの打ち上げを優先させると、先にそっちを上げるってなってしまって、そっちの打ち上げが行われない限り、
我々のイプシロンが打ち上がらないっていうのが分かったので、最低でも11月ぐらいまで、10月中は打ち上がらないというのが分かって、1ヶ月ぐらいここかと穴が開いてしまったっていうところがあるんですよね。
そうですね。いよいよ打ち上げが、でもその前にあったのか、11月の7日に今度告知がされたんですが、それも天候不良で上がらず。
はい、もうそんなもんです。ロケットの打ち上げは。
いやー、もう大変だなーって思います。
もう我々は何もできないので、もう衛星はロケットに積んであるから、あとはちゃんと飛ばしてくれっていうだけで、そこはもう本当にロケットさんお願いしますとしか言えないところがあって、もうどうしようもないんですよね。
その2日後、11月の9日にいよいよ打ち上げと。
そうですね、打ち上がりました。
その時ってどんなお気持ちでしたか?
いやもうちゃんと上がってくれっていう感じですよね。ロケットがちゃんと軌道に行ってくれて、ロケットから我々の衛星が切り離されるんですけども、そこでちゃんと切り離されて、ちゃんと衛星と通信がちゃんとできて初めてホッとするっていう感じなので、そこまではやっぱりまだ全然ホッとできないですよね。
打ち上がって、衛星の切り離しが打ち上がってから1時間後ぐらいだったんですけども、アリカの場合は。
切り離されて、衛星からのデータが受け取れるまでは安心はとてもできない状態ではありましたね。
今お聞きいただいている方からコメントで延期に次ぐ延期、打ち上げあるあるですね。
ほんとそうです。あるあるです。
その無事に打ち上がって切り離し成功された後の話を教えていただけますか?
衛星が切り離されると自動的に衛星に電源が入って、衛星からデータが10発ポンポンポンポンと発信されると。
それを地上で受け取って、衛星生きてるねっていうのをちゃんと確認するっていう感じの運用を想定してたんですけども、
その初めに出てきてるはずの10発のデータ、1発も受け取れないということになって、それはもしかしたらあり得るかなと。
衛星についてのアンテナがちゃんと民間衛星通信の方向を向いてないと通信ができないので、衛星はちょっとぐるーっとゆっくり回転してしまっているので、切り離された瞬間、それはあり得るかなと思ってはいたんですが、
その後、リカ衛星のモードを変える、立ち上げモードみたいな感じで止まってるはずなので、そこからちゃんと運用モードに切り替えて、毎分毎分データが流れるようにそういうモードに切り替えようと思って、
衛星からのデータ受信問題
切り替えるためのコマンドって我々呼んでるんですけど、地上から上げたんですが、全然変わらない、状況が変わらないというので、
だいたい打ち上がって、無事切り離されたっていうのはわかって、その日いろいろやったんですけども、全く衛星から何の応答もないという状況になって、もう多分その日のもう終わりぐらい、その日の家帰る頃にはこれもやばいと、何かおかしいというのはわかってきました。
11月11日に今度アカデミストバーのYouTubeライブの第2弾、ということで、前回は学生さんも一緒にご出演いただいたんですが、今回はガマ線検出器の信号消滓する基盤を作成しているえのっとさんとの対談。
えのっとさん、このアカデミストさんを知ったきっかけが、えのっとさんもガマ線検出器用の処理ボードを開発するというので、アカデミストに挑戦して成功しているって話を聞いていたので、
あとアカデミストの話をいろいろえのっとさんから聞いてて、お願いするならアカデミストさんがいいかなっていうのはあって、その辺からえのっとさんとつながっていまして、結構前からずっとつながってるんですけども、そういう感じでいろいろお世話になったということで、
ハードウェア的にもお世話になりましたし、アカデミストを紹介いただいたみたいな感じで、すごいお世話になったえのっとさんとアカデミストバーやらせていただきました。
なるほど、こういうライブ配信とか坂本さんこれまでってされてる?
どうだろう、いやーないですね、そんなには。
あんまりクラウドファンディング実施されるまではこういった外向けにアウトリーチみたいなことってそこまで?
そうですね、あんまり積極的にやってきてはいなかったとは思いますね、その大事さって言うんですかね、大学にいるとオープンキャンパスとか行って、高校生が来ていろいろ研究の紹介をしたりとかそういう機会は年に数回あるんですけども、
自分の研究を一般の人に積極的に配信するって言うんですかね、そういう機会っていうのはもうすごく少なかったと思いますね。
実際どうですか、やってみて。
いいですね、いいっていうのは自分がやってる研究っていうのが色んな人に知ってもらえて、さらに色んな人が頑張ってみたいな感じで応援のメッセージもいただけますよね。
それって今まで研究ってある意味ちょっと自己満足みたいなところがあって、自分で満足して論文書いて結果を外に研究者に向けて発信するっていう感じだったんですが、そこがもう一レベル広がって一般の人たちも巻き込んで、
研究者に話をするのはすごく簡単なんですけども、一般の人たちにもわかるような感じで自分の研究の面白さをこっちは一生懸命伝えて、それに対して一般の人たちが面白いよって言ってくれて、そういう経験って本当にこのクラウドファンディングやらなかったら絶対なかったなというふうには思いますね。
いろんなことを学ばせていただきました。
ありがとうございます。結構そのプロジェクトのコメントなんかを見ているともう、皆さんアリカをだんだん自分ごととして応援している様子が伝わってきて。
本当に励みになりましたね。
打ち上がった後から徐々に支援も増えていったかなというふうに思うんですが。
そうですね。打ち上がった後支援が結構増えてきて。
ただちょっと私の中ですごく心配だったのがやっぱりアリカなんかトラブってるというのがもうその日のうちにだいだいわかってきたので、ここから先どうやって盛り上がっていくか。
アリカからちゃんとデータが受け取れて、こんな感じでアリカが喋ってますっていうのをどんどんアピールできれば、もうここからまーっと上がっていくなっていうのが見えてたんですけども。
ちょっとそういう感じではなくなってきたので、どうやって盛り上げていくかっていうので、いろいろやりましたね。
私の場合だと、一緒に打ち上がった高知高専の、高専の衛星のリーダーだった高知高専の先生と対談動画を作って、
それをちょっと5回配信みたいな感じで配信したり、あとはNASAの知り合いである岡島さんっていう研究者の方との対談動画を作ったりとかして、
なんかコンテンツを作りながらやっていかないとちょっととても、まだ11月でしたんで、あと1ヶ月あったらタイムスケールで持たないんじゃないかと思って、
いろいろ仕掛けをしましたね。11月特にそのトラブルが見えてきた段階で、これはまずいなということで。
そうですね、結構NASAの岡島さんとの対談動画なんかも、すごく面白い動画で私も拝見させていただいて、
キャリアの話から、いろんな切り口で、まずはこのプロジェクト知ってもらうっていうところが大事だったのかなというふうに。
学生さんの方でも結構いろんなところで、メルマガ配信とかフリーマガジンだったりとかっていうところと、
この頃になると大学の方からもいろいろとあるですかね。
そうですね、宣伝できるようになって、学内にポスターは貼りましたし、あと学生が、青山学院大学の相模原キャンパス、
フチノベ駅が近くなんですけども、フチノベ駅の駅にポスター貼ったりとか、矢部駅にポスター貼ったりとかですね、
一般の人に知ってもらおうというので、ポスター貼りまで知ってましたね。
素晴らしい、学生さんもモチベーション高く、このプロジェクト自分ごととして活動してくれたなというふうに思うんですが。
そうですね、一生懸命やってもらいましたね、本当に。
学生が一生懸命やってるのに自分はこの程度でいいのかって、いつも自分を震い立たしてましたね。
もしもなんとかやるぞって、学生があんだけやってるのにっていうので、私の方でもできるだけのことはやろうと動いてました。
クラウドファンディングの結果
そして、12月で見事達成、目標金額達成ということで、この辺ってどういう反響が周りであったんですか?
えっとですね、ちょっと実は心配だったんですよね。1週間くらい前、終わりの12月1日の締めを迎える1週間、10日くらい前でしたって、まだ60%ぐらいしかいってなくて、
ちょっとこれまずいかなという話になってきて、結構私、青山学院の偉い先生とかに結構話をしたりとか、
一つ、実はこの後につながっていくんですけど、青山学院の理事の方にちょっと話をしたりとかして、青山学院大学だけじゃなくて、青山学院の上の方の方に知ってもらうっていう機会に、実は今考えてみるとなったなと、
そういう人たちにちょっとアクセスするようにして、しっかりと有利化を青山学院として認知してもらうという感じのことをこの時期にできたかなというふうには思います。
あと学生がすごくやってたと思うんですが、ツイッターを通して本当に結構影響力のある人とかにツイートしてもらうような働きかけっていうんですかね、そういうのをやってて、私の方もちょっと意識してそういうことをしたりして、最後の本当に1週間ぐらいでワーッと盛り上がったんですよね、クラウドファンディングとしては。
その辺だいぶ、学生の頑張りがすごく大きかったと思うんですけども、最後の1週間でガーッと達成金額に一気にいったなという、そういう印象を持ってますね。
そうですね、なので、やっぱり学生さんたちならではのアプローチの方法で、YouTuberの方とかツイッターで影響力ある方を巻き込みつつも、坂本さんの方ではやっぱり学生さんではなかなか難しい理事の方へのアプローチだとか、NASAの方への対談とかっていうところで結構役割分担されていったことが、この最後の1週間で身を結んでいった。
っていうような感じですかね。
そうですね、そんな印象を持ってます。
達成された時は、どんな気持ちでしたか?
いやもう、ほっとしましたよね、ほんとに。ほっとしましたよね。ほんとにほっとしたのと、感謝しかないですね。
ほんとにご支援いただいた方々の感謝しかなかったかなって思いますね。
先ほどちょっとちらっとお話が出た、その理事の方に知っていただく機会になったってことなんですが、その後に繋がって何か。
12月1日でクラウドファンディング終わって、その後12月10日だったと思うんですけども、理事の方にちょっと来いと言われて、青山キャンパスの方に理事の方とお話しに行ったんですね。
私はそれまで面識全くなかったんですけども、話をして、クラウドファンディングなんとかうまくいっておめでとう。
ただアリカなんかちょっとトラブってるみたいだねって話をされて、今後どういうことを考えてるのっていうふうにちょっと聞かれまして、
やっぱりこのアリカ、このまま失敗じゃやだから、再チャレンジしたいということをちょっと理事の方にお伝えして、
そうすると理事の方から、学内のこういう予算があるんだけども、この予算に申請してみたらどうだと、アリカの再チャレンジを。
その予算、申請をして、無事採択されて、今年度から4月1日から、アリカの再チャレンジミッション、アリカツーって我々呼んでるんですけども、その開発が実はもうスタートしてます。
なので、まだちょっと打ち上げ機会はまだ決まってないんですが、衛星の方の開発はもうスタートしてます。
なので、やろうとしている目的はアリカと全く同じもので、それをもう一度チャレンジすると。
ただ衛星は少しバージョンアップさせます。そういう感じで今検討を進めています。
アリカツーの開発
素晴らしい。じゃあクラウドファンディングきっかけで、次のアリカツー開発にもつながって。
つながってるんですよね。本当に。クラウドファンディングがなかったら、こんな展開はなかったと思うんですよね。
感謝してます。本当につながって開発が続けてられるっていうのは本当にクラウドファンディングのおかげだと思ってます。
コメントでも応援しているプロジェクトが達成したので、自分のことのように嬉しかったですって。
ありがとうございます。
すごいその気持ちわかります。
次の衛星楽しみです。
ありがとうございました。期待しておいてください。
じゃあちょっとお時間過ぎてしまったので最後に坂本さんの研究の今後の予定みたいなところをお伺いできればと思うんですが。
そうですね。最後にお話ししたアリカの再挑戦ミッションであるアリカツーという衛星の開発がスタートしてます。
アリカツーは10センチ角の衛星だったんですけども、ちょっといろいろ考えてみると、もう少し安全にこれが壊れたらこっちでも対処できるというか、冗長系って言うんですかね。
それがあまりちょっと衛星が小さかったこともあって、アリカでは十分考えられなかったので、アリカツーではちょっと衛星の大きさをアリカの2倍にして2倍の大きさになります。
それぐらいをちょっと考えてまして、あといろいろ通信の冗長系も考えて、民間衛星通信だけではなくて、今検討しているのはアマチュア無線帯を使った通信ができるようにして、
衛星のデータはアマチュア無線帯を使って下ろすだけじゃなくて、アマチュア無線化の衛星を使っていろんなことをするのがすごく好きな方がいっぱいいますので、
アマチュアの方々が喜んでもらえるような通信の仕掛けを盛り込んで、アマチュアの人なんかも含めて衛星開発ができるといいなと思ってアリカツーを考えています。
あとアリカツーちょっとガンマ線検出器の大きさをボンとちょっと大きくしようと思ってまして、そうするとアリカではガンマ線バーストの観測はかなり難しかったと考えられるんですね。
ガンマ線バースト解明のための衛星ARICAの開発
すごく検出器が小さかったので、おそらく半年運用して1回受かるかなぐらいな感じのヒントだったんですが、今度はしっかり月に1発ぐらいはガンマ線バーストを受けられるような大きさの検出器を乗っけようという感じで、
ガンマ線バーストの観測もある程度できるような衛星ということでアリカツー開発を進めています。ぜひご期待ください。
本当楽しみです。さらにパワーアップして、またぜひ応援したいという方たくさんいると思うので。
わかりました。またその時になったらお願いするかもしれません。
はい、ぜひ応援させてください。
ありがとうございます。
ありがとうございます。あとはそうですね、もう最後と言いながらもう一言ちょっとこれからクラウドファンディングやってみようかなって迷っている方に対して何かメッセージ。
たぶん達成した後じゃないとわからないと思うんですけども、クラウドファンディングをやっているときは本当に苦しいです。本当にいろいろ大変ですね。もう結果が見えますし、これぐらい集まっているっていうのが見えますし、そのリアルタイムで。
まだ全然自分たちの努力が足りないっていうのが見えるので本当に実施中はつらいんですけども。
その実来体験を通して、いろんな今まで全くつながってなかったような人たちとどんどんつながっていくのがもうどんどんわかるんですよね。体験していけるんですよね。
で、その経験って終わった後も、終わったらもうパーンと切れるものではなくて、その後もずっと今でも続いて、もう1年前ですけどね。
1年前に始めたクラウドファンディングですが、まだずっと続いていて、それが私の場合は次のアリカツーっていう衛星までつながっているってことなので、非常に大変な経験ではあるんですが、それに見合ったリターンは必ずあるものなので、ちょっと悩んでるぐらいでしたらやったほうがいいと思います。
ぜひお勧めします。
ありがとうございます。
皆さん、坂本さんのプロジェクトページ、コメントで書いてあるので、ぜひご覧いただければと思います。
今でも坂本さん、進捗報告で度々、いろいろとアリカツー発足の話とかも書いていただけるので、ぜひ皆さんご覧ください。
では坂本さん、本日はどうもありがとうございました。
どうもありがとうございました。
お聞きの皆様もどうもありがとうございました。
45:13

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