広瀬則一の紹介
BUILD UP LOCAL!番組ナビゲーターの常田幸永です。
この番組は、30年のスポーツ界でのキャリアを経て、現在は地域金融機関に勤務している私が、スポーツを通じて街を豊かにしようという番組です。
さて、今月のマンスリーゲストは、早稲田大学スポーツ科学学術院の教授で、アスレティックトレーナーの広瀬則一さんにお越しいただきました。
広瀬さん、どうぞよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
広瀬さんは、なんと2008年から2021年まで、女子日本サッカーの日本代表のアスレティックトレーナーとして、第一線でご活躍されて、
現在は早稲田大学スポーツ科学学術院の教授として、京米に立たれているということなんですけれども、
今週は、これまでのキャリアを中心にお話をお伺いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、本題に入る前に、ご出身なんですけど、兵庫県の神戸市ということで、今東京にお住まいですけれども、どれぐらいのタイミングで東京に来られたんですか?
私が幼稚園の年長になるときに、東京に来ています。
なるほど、結構小さい頃ですね。
あまり神戸の記憶とか、そんなにないわけですかね?
そうですね、小さい頃、まさに私が住んでた頃の記憶は断片的ですよね。
ただ、実家、私の祖母がずっと神戸にいたので、毎年神戸に行っていましたから、いろいろな記憶、いろいろな楽しい記憶は残っていますね。
東京に移られて、大学も東京で卒業されて、アサリチックトレーナーの勉強もずっとされていたということですね。
キャリアスタートは、どういったところからスタートされたんですか?
まずですね、私のキャリアのスタートはベルディなんですよね。
それがきっかけというのが、大学2年生のときにサッカーを自分でもやっていて、怪我をしてそれで膝の半月盤を手術したんですけど、それがアスリティックトレーナーを目指すきっかけになったんですよね。
4年生のときに進路を考えるときに、これどうしようかなといろんなことを考えたんですけども、やっぱりアスリティックトレーナーの仕事をやっていきたいということで、急遽そこで大学院進学を考えたんですよ。
大学院進学の準備もしたんですけど、結局大学4年生卒業してすぐには大学院に進学できなくて、1年浪人することになったんですよね。
ただその浪人期間を無駄にはしたくないなと思って、私の進学先の教員でもあって、私の師匠でもあるんですけども、その整形外科の先生がですね、もともとベルディのチームドクターだったんですよ。
お話しいただいて、1年間そこで勉強したいということで、見学をさせてほしいということでお願いしてくださって、それがまずきっかけだったんですね。
なるほど。東京ベルディですね。J1ですね。Jリーグで活躍されている。話前後になっちゃうんですけども、アスリティックトレーナーというお職業はどういう職業なんでしょうか。
アスリティックトレーナーというのは簡単に言うとスポーツ指導者なんですね。特に日本においてはスポーツ指導者なんですが、役割としては例えば怪我をして、まず日常生活が普通に過ごせるようになるためには病院でいろいろリハビリとかを行いますよね。
でもそれで日常生活が普通に行えるようになってもいきなりサッカーはできないじゃないですか。そこのギャップを埋めるためにいろいろなトレーニングをしたりですね、動きづくりをする。そういった競技復帰のサポートをするというのがアスリティックトレーナーの一つの役割で。
それ以外にも怪我を予防するために体づくりをしたりとか、あとはパフォーマンスを高めるためにいろいろなトレーニングをする。そういったのもアスリティックトレーナーの仕事ですね。
怪我をした選手が復帰するまでの道筋であったりとか、怪我予防であったりとか、そういったところを選手とともに伴奏していくような、そんなような仕事ということですね。
今まで数多くの選手をずっと見られていたわけですよね。女性の選手が中心ということなんですね。
そうですね。今となってはキャリアの半分以上は女子選手と一緒だったと思うんですが、ただ元々は子供のことを非常に関心持って仕事としてやっていたので、ほとんどはやっぱりJリーグのユースのアカデミーの子供たちが対象でしたね。
それでこのキャリアスタートされるんですけども、そういえば広瀬さんはナデシコジャパンのフィジカルコーチのご経験もあるということですよね。
はい、そうなんです。
2011年のワールドカップの優勝にも立ち上がっていますよね。あの時はすごかったですよね。
いやーすごかったですね。本当に良かったですね。
日本国内も熱狂してですね、実はこの番組にもカイホリさんもゲストで来られた時がありましてですね、その時の様子も伺ったんですけども、日本の熱狂具合はやっぱりすごかったんですけども、現場にいらっしゃったわけですよね、広瀬さんはね。
そうですね。
どんな感想をお持ちですか?
まあ率直に言うとその時はですね、とにかくやってやったっていう感じですね。ただ私がちょうど2008年からこの台動するようになったんですが、2011年優勝するまでは正直ナデシコジャパンもそこまで潤沢に予算があったわけではないので、私もベスト4に行くまではですね、ずっと日本にいたんですね。
ベスト4になってからやっと現地に行って、ただそういった状況でベンチ内のメンバーにはなってなかったので、その試合は全てこのスタジアムの客席で見てたんですよ。
なるほど。
でもやっぱりその決勝、最後ですね延長になって、サーさんで三山さんがこのコーナーを取ったっていうあの瞬間ですね、直感的にこれは行けるんじゃないかと思ったんですよね。
なるほど。
そこで点が入って、でもそこまで行ったらですね、明らかにチームにこのエネルギーがですね、どんどんどんどん私外から見てても湧いてくるのが見えるんですよね。これは行けるんじゃないかと思って。
翌日チームのホテルに行って、その優勝のトロフィーを手にさせてもらった時は。
そうですか。
本当にこの選手たちは素晴らしいな。改めてこのチームを誇りに思いましたよね。
感動しました。
感動しましたね。
これはもう覚えてますよ。本当にあの瞬間、最後PKで優勝するんですけども、2011年のホンタンの女子ワールドカップのチャンピオンというのは大変な、日本にとっても大きな財産ですよね、今でもね。
クラブチームと代表チームの違い
そういった広瀬さんのご経歴の中で、そういったことのチャンピオンという経験もあるんですけども。
今の話は代表チームの話なんですけども、また一方でクラブチームとアカデミーの選手も見られていたという、代表とクラブチームの違いというのは何かあったりとかするんですか。
そうですね。まずフィジカルコーチという私の仕事柄からすると、大きく違うところがあって。
やはりクラブチームですと日々一緒に接することができるので、当然トレーニングとしても日々何かしらの関わりを持つことができますから、やはり緻密に細やかにいろいろとサポートできるんですよね。
代表チームですと本当に2週間とか、場合によっては1週間も満たないぐらいの期間でしか一緒にいることができないので、
やはりその代表活動期間の合間ですよね。最初の期間とその次の期間までの取り組みっていうのがすごく大事なんですね。
その間にどれだけ選手が前向きにトレーニングに向き合えるか。そのためにその選手に対してどんな声かけをしたらいいのか。
あるいはどんなポイントを伝えればいいのか。そこについては機会が限られているだけにすごく細かく考えましたね。
怪我をしてそれから治していくまでの過程であったりとか、どうしても計画通りにいかなかったりとか、いろいろあると思うんですね。
その時の選手とのコミュニケーション、どういう言葉をかけてあげたいとか、そういうのが悩ましい、悩む時ってあるっていうことですね。
特に私は代表チームでは怪我を回復させるっていう役割よりは、体を鍛える、整えて怪我をしない、あるいはパフォーマンスを高めるっていう、
もしくはフィジカルコーチとしてコーチングサイドにいたので、少しクラブにいる時の役割とは異なってはいたんですね。
選手とのコミュニケーションの重要性
ただその時にも、やはり選手がどういう声かけ、あるいはどういう関わりをしたら前向きにより成長したいと思えるかっていうのが一番大事になってくるので、
そういう意味ではまずは選手のいいところ、ストロングポイントを徹底的にこっちも見つけていく、探していく。
当然たくさんのいいところがあるんですよね。その中でもやはりより伸びるだろう、伸ばしてほしい、そういったところをしっかりと見つけながら、
本人が気づいていれば当然そこで伴奏していく。もし気づいてなければ何かそれが気づけるようなきっかけ作りができればいいなと思って、
声かけもそうですし、データを示すこともありますし、何か映像をお見せすることもありますし。
映像も使うんですか?
例えばあるプレーがすごく良かった、でも本人は数あるプレーの一つなので何となく流していたりするんですね。
記憶に残ってなかったりする。でもそういうのを切り取って、これすごく良かったよねみたいな声かけをしながら、
ぜひ気づいてもらうっていうようなこと、あるいは自信を持ってもらうということ、そういった働きかけはするようにしていました。
メディカルチームスタッフの立場の中で、やはり選手とのコミュニケーション、選手との会話というのは非常に重要になるということですね。
はい。
分かりました。ありがとうございます。今、早稲田大学の方でスポーツ科学学術院で色々と研究をされているんですけども、
大学の方ではどんな専門分野を研究されているんでしょうか?今。
研究の大枠としては、いかに怪我を予防するかということであったり、あるいはいかに体をうまく使えるようになるかという、
そういったパフォーマンスを高めるというようなこと。これは必ずしもアスリートだけではなくて、一般の人も含めて幅広く研究しています。
その中でも今、ずっと関心を持ってやってきたのは、この協調性ということで、これは人と人がどう協調するかであったり、
あるいは人の体がどういうふうに協調していくか、そういったことに関心を寄せて、それを怪我の予防であったりとか、
あるいはチームをしっかりと運営していく、そういったことにつなげられるような、そういった研究をしています。
広瀬さんの大学もそうですけれども、様々な学会の理事もいろいろされているじゃないですか。大変お忙しい日々を送られていますね。
そうですね。ありがたいことに、いろいろなお役目をいただいています。
ボランティア活動とキャリアスタート
これだけの仕事の領域が広いと、自分で楽しむ趣味とか、そういうところにもたどり着かないんじゃないですか。
そんなことはないですね。
私は結構日々楽しんでいますし、常に心がけているのは、心が動く、そういった機会を自分で作っていくということは常に考えていて、
仕事の中でも当然心が動くということはたくさんありますし、その日常以外、非日常の中でも、例えば山に行ったりとかですね。
そういった中で、結構自分の心が動かすような、そういった時間は作るようにしていますね。
もうボールは蹴られていないんでしょうか。
ボールはですね、自分がプレイヤーとしてはほとんど蹴っていないですね。
今は地域のボランティア活動で、サッカーのコーチ。これは知的障害だったり、いわゆる発達障害の方たちの運動の機会を作るというので、
月に1回ぐらいですけど、こういったコーチもしておりますので、そこで一緒にボールを蹴るということをやっています。
そうなんですね。知的障害の方、あるいは発達障害の方が対象。
そうですね。
そうですか。それはまたね、社会的にも意義のあることです。とても素晴らしい取り組みですね。
はい。とにかく私自身が楽しめていますし、それが結果的に、そういった方々のウェルビーングの向上につながるのであれば嬉しいなと思っています。
なるほど。分かりました。広瀬さん、ありがとうございます。
今週はですね、早稲田大学スポーツ科学学術院の教授でアスレティックトレーナーの広瀬則一さんに、キャリアスタートについてお話をお伺いしました。
次週はご自身の研究である、遊びの力についてお話を伺いたいと思っております。
広瀬さん、今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
常田幸永がお送りしているビルダップローカル、本日はここまでとなります。
番組の感想は、各媒体のコメント欄か、Xでハッシュタグ、ビルダップローカルをカタカナでよろしくお願いいたします。
そして、いつも番組をお聞きくださっているリスナー様に素敵なお知らせ、今月のゲスト、広瀬則一さんからプレゼントをいただきました。
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詳しくは、渋沢くんFM公式Xをご覧ください。
皆様のご応募、どしどしお待ちしております。
お相手は、ビルダップローカル番組ナビゲーターの常田幸永でした。
それではまた。