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BUILD UP LOCAL!!
BUILD UP LOCAL!!番組ナビゲーターの常田幸永です。
この番組は、30年のスポーツ界でのキャリアを経て、現在は地域金融機関に勤務している私が、スポーツを通じて街を豊かにしようという番組です。
遊びの力と成長
さて、今週も早稲田大学スポーツ科学学術院の教授で、アスレティックトレーナーの広瀬則一さんにお越しいただきました。
広瀬さん、どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい、今週はですね、ご自身の研究されています、遊びの力について、いろいろお聞きしたいと思っておるんですが、
遊びの力というのは何なのかという、遊びにですね、どんな力があるのか、この点についてですね、ちょっと簡単にですね、教えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
遊びにはですね、簡単に言うと、心と体を育む、すごく大きな力があると思っています。
その遊びの力、心と体を育むということなんですけども、それに関するいろんなスキルがあるということで伺っているんですけども、その関係性についてはいかがなんでしょうか。
今から2つのですね、体と心って両方について、スキルとの関係からお話ししたいと思うんですけど、まず体の方っていうと、いわゆる協調性、よくコーディネーションって言われますけども、いろいろな体の外の状態が変わるわけですよね。
例えば、でこぼこした道とか、あるいはボールでも遠くに投げるとか近くに投げるとか、そういった周りの環境が変化する中で適切に動きを作り出すっていう、こういった能力、こういったのコーディネーションとか協調性とか言いますけども、こういった能力がいろいろな遊びを経験することで高まっていく。
これはまず1つ、体のいわゆる土台を作るっていうことですよね。
もう1つ大事なのは、やはり心の土台っていうところで、この心の土台、このスキルで言うと社会浄土スキル。
社会浄土的スキル。
元々は非認知能力っていうふうに言われてたんですね。
この非認知能力っていうのは、いわゆるこの認知能力、これが簡単に言うと読み書き揃場。
いわゆるこの数字でちゃんと評価できるようなスキル。
これが認知能力だったんですが、それ以外の能力全体を非認知能力っていうふうに言ってたんですね。
ただ、やはりこのヨーロッパ、欧米、そういったところは、なんとなくこの非認知能力、すなわち数字では測れない能力っていうふうにしてしまうと、
これが大事だってわかってるんですけども、どれぐらいその非認知能力があるかっていうのもそもそもわからなかったり、
それを改善するためにいろいろな教育プログラムも作られてるんですよ。
でもそれをやって、本当に非認知能力が高まったかどうかっていうのも、これ数字にできないと結局わからないじゃないですか。
それだと困るっていうので、これをスキルというふうに定義をし直して、社会浄土的スキルというふうにして、
これを数値化できるように、本当に良くなったかどうなのかっていうのをわかるようにしていこうというふうになった。
そういう定義があって、この非認知能力が社会浄土的スキルっていうふうな形に今変化しています。
なるほど。数値的に表せないとその成果がどうであったりとかいったものも把握できないってことですね。
それをスキルということで定義をし直したっていうことなんですか。
あと、この社会浄土的スキルに関する重要性って言うんですか。
これはOECDという機関が重要性を強調されているっていうことをちょっとお聞きしたんですけども、
この機関というのは国際経済に関する機関だと思うんですけど、
ここがどうしてこういうスキルを強調されているのか、この辺いかがですか。
すごく大事なポイントなんですよね。
なんでかっていうと、今まで学力っていうのはいろいろな指標で測られてきたんですよね。
国際的にもピザとかいろいろな方法で測られてきたんですけども、
学力が高かったら本当にその国の経済は発展しているのかっていうと、必ずしもそうでなかったり、
例えば社会の安定性、犯罪率であったりとか、あるいはいろいろな経済格差であったりとか、
心の豊かさであったりとか、そういったものが学力と本当に相関するかっていうと、
必ずしもそうではないっていうことがいろいろな研究で分かってきたんですね。
結局これ何が大事なのかっていうと、例えば何かをやりきる力であるとか、
自分を調整する力であるとか、あるいは人としっかりと協調できる力ですね。
そういったいわゆる非認知能力、社会浄土的スキル、この方が重要なんではないかということが、
本当にいろいろな研究で分かってきて、それで改めてこのOECDからこの社会浄土的スキル、
これをしっかりと育むということ、これをやりましょうというふうに表に提言が出されるようになってきたんですね。
なるほど。国際経済について協議する機関がその重要性について情報発信をしているというようなことなんですかね。
そうですね。もちろんOECDだけではなくて、さまざまな教育機関であったりとか、
あるいはそのユネスコですね。そういったさまざまな国際機関が、社会浄土的スキル、これが大事だというふうに発信し始めてますね。
なるほど。あとそれからですね、この今お話にあった社会浄土的スキルについてなんですけども、
5つの重要な要素があるということの話なんですけども、これについてちょっと触れていただきたいんですけど。
この5つのスキルというのが、OECDから1つは分類として提示されているもので、
1つは開かれた思考といわれるように、いわゆる好奇心とか、何かこの創造性とかそういったもの、これがまず1つ大事だというふうに言われてます。
2つ目が課題の遂行能力、やり遂げる力であったりとか、計画性であったりとか、あるいはこの自分を調整する力ですね。
こういったようなことも大事だと言われてますし、あとは共同ですね。何か人と一緒に何かをやっていく力とか、そういったことも大事ですし、
あとは他者との関わりですよね。こういったオープンマインドでいられるかとか、そういったようなことも必要ですし、
あとはこの情動調整といって、いわゆる自分の感情、これをしっかりと調整する能力、こういった5つの能力というのが非常に大事だと言われてます。
個人的にはこの5つが統合されたような形で、例えば自己効力感というように、自分はやればできるんだというような、そういった思考を持つということ、こういったことも大事だなというふうには思ってます。
この5つの要素が全て備わっていたほうがいいということなんでしょうかね。
全てが100%備わっていなければいけないかというと、もちろんそうではないですよね。個性があるので。
ただ、やはりこういった素養というんですかね、あるいは心のありよう、こういったものを持っている、できるだけバランスよく持っていたり、
あるいは自分のいいところがあるんだったらそれをしっかりと認めてそれを伸ばしていこうという、そういったようなことが大事だというふうには考えられていますね。
ごっこ遊びの重要性
あともう一つお伺いしたいのが、ごっこ遊びに関してもいろいろとお話をされていると思うんですけれども、その効果というか、
ごっこ遊びが遊びが育む能力が育てられるような、そんなようなこともおっしゃられていたと思うんですけれども、この辺はいかがなんでしょうか。
ごっこ遊びって、大体皆さん小さい頃やっているかなって思うんですけど、
やりました。
やりましたよね。
警察官とかね。
やりましたよね。
お医者さんとか。
例えばそのお医者さんごっこっていうのをちょっと思い出していただきたいんですけど、
お医者さんごっこをやるってことは、お医者さんがどういうものなのかっていうことをしっかりイメージしているわけですよね。
そこで創造性っていうのがすでに育まれるんですし、その中で当然患者役の相手がいるわけなんですけど、
相手がどういう状態なのかみたいな、これも想像しながらやっているわけですよね。
ストーリーを作り出すっていうことですよね。
当然そこで患者さん役の相手とお腹痛いんですかどうですかみたいなことを訪ねたりする。
いわゆるそこで共同しながらコミュニケーションを取るっていうようなこともやってますし、
場合によっては本当は自分はお医者さん役やりたいんだけど、でもあの子がお医者さん役やりたいっていうから、
とりあえず今は患者さん役やろうみたいなんですね。
そういったところで自分を調整する、コントロールする。
いろんな要素がいわゆるこの社会情動的スキルを育む要素がそこには含まれているんですよね。
たかがごっこ遊びかもしれませんけど、やっぱりこのごっこ遊びっていうものを通じて、
この社会情動的スキル、これが育まれるっていうことがあるんじゃないかなと思うんですよね。
面白いですね。ごっこ遊び重要ですね。
遊びが育む協働力
やっぱり子どもの多様な能力というのを、その発達を促すようなスキルというかその中にはあるわけですね。
そうですね。
ごっこ遊び重要ですね。
大事ですよ。
ごっこ遊びもそうですし、遊び全般がそうですよね。
例えばボールを一緒に蹴るっていう。
その一つの遊びをとってみても、相手の状態がどうなのか。
相手がちゃんとボールをキャッチできるのかどうか。
あるいはトラップできるのかどうか。
そういうこともおもんばかりながら蹴るスピードタイミングを考えたりする。
これもすでに相手のことを理解しようっていうマインドが育まれてますし。
その中で一緒に協働してボールをゴールに入れる。
これも協働作業ですよね。
そうですね。
そこでもすでに協働する力、協調する力というのも育まれてますし。
そこでコミュニケーションを取りながら何かをしていく。
もし勝つということが目的であれば、そこに向かって一緒に最後までやり遂げるという課題遂行能力ですね。
もう全部含まれてるんですよね。
なるほどね。
やはりこの遊びの力っていうのは本当に素晴らしいなと思ってますよね。
なるほど。
よくわかりました。ありがとうございます。
今週は早稲田大学スポーツ科学学術院の教授で、アスレティックトレーナーの広瀬則一さんに遊びの力についてお聞きいたしました。
次週は遊びによる機能発達、リスクについてお話を伺いたいと思っております。
広瀬さん、今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
本日は、常田幸永がお送りしているビルダップローカル、本日はここまでとなります。
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そして、いつも番組をお聞きくださっているリスナー様に素敵なお知らせ、今月のゲスト、広瀬則一さんからプレゼントをいただきました。
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詳しくは、渋沢くんFM公式Xをご覧ください。
皆様のご応募、どしどしお待ちしております。
お相手は、ビルダップローカル、番組ナビゲーターの常田幸永でした。
それではまた。