高校生からの質問:戦争とスポーツの関係
杉浦大学 京都先端科学大学の 実話杉浦話
松井さん、国家試験の準備進んでる?
はい。先生の作ってくれた問題集、めっちゃ役立ってます。
よし、じゃあこれ今日の分。
えっ、今日の分?
せや、今日の180問や。国家試験本番まで180問ノックや。
手厚すぎるわ。
杉浦大学 京都先端科学大学
あ、明日の分もあるで。
それは明日にします。
8月23日 オープンキャンパスへGO!
日替わりコメンテーターが独自の切り口で 多様な視点を提案するコーナー
キャッチアップ!
水曜日の担当はスポーツ文化評論家の 玉木正幸さんです。
玉木さん、よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
今日はね、私のホームページにある高校生が メールをくれたことについて喋りたいんですけどね。
関西の高校1年生だったんですけれども、
夏休みの自分の個人研究に 戦争とスポーツの関係を取り上げたいということなんですね。
それで日本のスポーツに対して 戦争が与えた影響というものに対する
玉木さんの考えを教えてください ということだったんですよ。
すごいですね、高校1年生ですよ。
確かに。
だからすごく嬉しくなったんで、
A4で何枚かな、4枚ぐらいの文字と 資料と参考文献を教えたんですけども、
戦争がスポーツに与えた具体的な影響
戦争のスポーツに対する影響って たくさんありますよね。
特に野球なんかではね、
日本記録というか世界記録ですけど、
延長28回という職業野球の記録がありますが、
これもね、絶対に引き分けをするなという 軍部の命令があったからなんですよね。
こういうのができたとか、
それから職業野球で裏の攻撃のチームが勝っていると、
球界裏っていうのは攻撃しませんよね。
ところがこれ軍の命令で、
敵を徹底的に殲滅しろということで、
勝っていてもやれという、
こんな命令が出たりとかあったんですね。
それから野球選手とか他のスポーツ選手なんかでも、
手榴弾投げをやらされましたね。
手榴弾。
これは野球選手たくさんやりまして、
肩を壊した選手も出たっていうような 記録もありますね。
ただこの手榴弾投げっていうのがね、
戦後になってソフトボール投げに変わったんですよ。
ですが体力測定でソフトボール投げってやりました?
やりました。
やらないらしいけど、私もやりましたけれどもね、
あれはもともと手榴弾投げだったんです。
ちょっとゾッとしました今。
そもそも体力測定でソフトボールを遠くまで投げるのが、
体力に優れているって言えますか?
確かに。
何の疑問も持っていなかったけど、
そう言われたらそうですね。
どうでしょう。
これもう私も気づかなかったんですけど、
調べたら面白いですね。
それから同じような体力テストで懸垂ってやりましたよね。
ありますね。
これも軍からなんですよ。
これは陸軍の兵隊が持っている三八式歩兵銃ってあるんですね。
明治38年に生まれた銃なんですけれども、
これを扱うには自分の体重を持ち上げる腕力を要するって書いてあるんですね。
だからみんな懸垂やらされてたんですね、戦前には。
それでそれが残って戦後にも懸垂をやったというような、
これもある意味では戦争の影響という形ができますね。
確かにそうですね。
「富国強兵」とスポーツの目的の変化
多くのアスリートとか野球選手なんかも往生されて戦場に行って、
有名な沢村英二さんなんかも戦死したという記録もあるんですけれども、
一番大きな影響っていうのは何だと思います?
日本のスポーツに与えた戦争の影響。
これ実は私が考えたんですけれども、
戦争からと直接言うよりも明治以来の考えなんですけれども、
明治時代は富国強兵、国を豊かにして富国強兵、
強い兵隊を作るという目標だったんですね。
その時にたくさん輸入されてきたわけです。
そのスポーツをやるのに富国強兵の下ではスポーツを楽しめなかったんですね。
だからおよそスポーツというのはスポーツをやることが目的ではないと。
スポーツそのものが目的ではなくて、
体を鍛えたり精神を鍛えるのは他日ある日ですね。
大いに活動するためだという目標でやったということが、
その当時の明治時代の師範学校なんかのサッカー部の部士に書いてあるんですね。
だからあらゆる人が明治時代より後にスポーツをやる時には、
スポーツは楽しんでやるんじゃないんだと。
ある時に体の力を発揮するために鍛えるんだということでやったということが、
ずっと続いてきたということなんですね。
ある時に体の力を発揮するというのはもちろん戦争のことだったんですね、戦前は。
ところが戦後になってもその考えというのが残ってしまいましてね。
スポーツ本来の目的の喪失とJリーグ
スポーツをやるのにスポーツが目的ではなくて、
例えば今でも高校野球やってますね。
高校野球の目的は何ですかね。
教育ですね。
教育のために野球をやると。
プロ野球は何ですかね。
親会社の宣伝とか販売促進というものがあると。
大相撲は何でしょうね。
日本の文化を守り育てるため。
要するにスポーツよりもスポーツの他の目的がスポーツに全部ついちゃったんですね。
だからスポーツをやるのにスポーツをやるんだと。
スポーツは楽しいからやるんだというのがいつになったらできるかというと、
1993年、Jリーグが生まれた時ですね。
この時にね、私今も覚えてるんですけれども、
当時のチェアマンの川淵三郎さんが記者会見を受けたわけですね。
その記者会見が終わった後に囲みというのがありますね。
新聞記者が囲んで。
その時にある新聞記者が質問したんですよ。
Jリーグ作って、Jリーグ始めますけれども、一体何をやるつもりですかって聞いたんですね。
Jリーグ作って何をやるつもりですかって。
そしたら川淵さん答えましたね。
サッカーやりますよね。
そうですよね。
今笑われましたけども、笑いますよね、ある意味ね。
当たり前のことなんですけども。
そうですよね。
それ違うことを考えちゃうっていう癖が付いちゃったんですね。
何のためにみたいなのがあるわけですね。
そうそうそうそう。
何のためにスポーツやるのかって。
スポーツはスポーツのためにスポーツやってりゃ一番楽しくって、おまけに有意義なんだと。
もう教育のためになるとかって言わなくていいんだと、そんなことは。
なるほど。
ということになかなかなっていない今もあると。
これが戦争からの悪影響じゃないかなっていうような返事をしたんですね。
高校生からの返信と今後の展望
そしたら高一の高校生、私にメールをくれた高校生から返事がきました。
思いもよらなかったことで驚いてますが、非常に勉強になってありがとうございますという返事ももらいまして、すごく嬉しくなりましたね。
素晴らしい高校生ですね、その子はね。
本当この高校1年生本当に素晴らしい人だと思って、いっぱいこの本読め、あの本読めっていう参考文献を10冊ぐらいあげて押し付けておきました。
今頃一生懸命読んでると思いますかもしれないですね。
勉強してくれるといいんですけれどもね、文章もすごくいい文章で、私自身感激しましたので、このラジオを聞いている高校生諸君もしいたとしたら、また私のホームページにメールください。
いろいろお教えしますから。
わかりました。
皆さんの疑問もお待ちしております。
いえいえ、とんでもないです。疑問もお待ちしております。
キャッチアップここまで担当は玉木雅之さんでした。ありがとうございました。
はいどうも失礼しました。