2024-06-10 14:30

小尾英彰 ジャパンホームシールド株 執行役員 事業開発本部長、デジタルソリューション部長

地盤や戸建てデータのDX超活用


1990年に創業したジャパンホームシールド(JHS)は、住宅の地盤解析や建物の品質保証を提供するなど、住まいの「安心」「安全」に様々な形で取り組む企業です。

全国に8拠点、76のフランチャイズ店を展開し、これまでに累計200万棟の土地を解析、約30万棟の建物を検査してきました。

こうした蓄積された「住まい」に関する膨大なビッグデータをAI解析。地盤の状態や、改良工事の価格などを予測推測できるシステムがまもなくリリースされます。

地震大国日本において、少し「ゾッと」する木造建築の秘密など、色々な話を聞かせていただきました。

サマリー

ジャパンホームシールド株の小尾さんは、事業開発本部長とデジタルソリューション部長を務めています。会社のサービスについて説明しています。ジャパンホームシールド株は、保険会社や建築会社と連携して、地盤の調査結果や建物の検査結果を活用し、AIシステムを開発しています。このシステムは不動産の仲介や分譲住宅、注文住宅などの目安として活用される予定です。

ジャパンホームシールドの事業
Location Weekly Japan です。今週は、ジャパンホームシールドの小尾さんに来ていただいています。小尾さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい。じゃあ、早速、会社紹介と自己紹介をお願いします。
はい。では、自己紹介のほうからさせていただきます。ジャパンホームシールドの小尾と申します。
私はですね、今、事業開発本部というところを所属してまして、事業開発本部の本部長と、その下にですね、デジタルソリューション部というのがあるんですけども、
そちらの部門の部長も兼務をしております。部門的にはですね、新規事業の開発であるとか、あと、社内、社外向けのですね、システムの開発と、それから新たなですね、取り組みとしてデジタル商材ですね、そういったものの開発を行っております。
私ですね、こういったデジタルとか新規事業とか今やっているんですけども、もともとはですね、地盤系の技術者でして、このジャパンホームシールドに入社してからは、10年間、地盤の解析なんかをやってました。
大学もですね、地盤技術を学びまして、卒業後、全年婚、それから建設コンサルを経て、今のジャパンホームシールドということでですね、社会人の大半は地盤というか、地面の下のところをやっていたというところで、今、地上に浮上していろんなことをやっているという、そんな感じです。
会社のほうなんですけども、ジャパンホームシールドと言いまして、主にですね、住宅を建築する事業者さん、ハウスメーカーさんだとか、公務店さんとかですね、パワービルダーさんと、そういった方々お客さんとしまして、住宅とか小規模のですね、建築に関するさまざまなサービスを提供していますよということで、会社規模としてはですね、グループ全体で約事業員数370名ほど。
全国拠点が8カ所ありまして、その他にですね、フランチャイズ店というところが76社ありまして、国内であれば全国さまざまなサービスの提供ができるというところがプリムの一つとなっております。
創業が1990年になりまして、もう30年ということになります。1990年の頃と言いますと、住宅着工がちょうどピークに達した時代なんですね。
当社のですね、モットーと言いますかですね、スローガンというのが、住宅の安全安心より良い暮らしを提供するというところをスローガンにやっておりまして、もともと創業時に関して言いますと、地盤、住宅ですね、子建て住宅に特化した住宅の地盤の調査、解析、それからそれに対する品質の保障というのをですね、主にやってきまして、今でもそれは主力の事業の一つになっています。
住宅の地盤調査
皆さんあんまりご存知ないかもしれないんですけども、実は木造の子建て住宅って2008年頃まではですね、地盤調査をやらなくても住宅が建てられたんですね。
法律関係等々いろいろありまして、今ではほぼほぼ100%やられてるんですけど、実はですね、私の場合は2004年頃に入ってるんですけども、その当時はおそらく半分やっていたかやっていないか、家を建つぐらいだったんですね。
その前から当時は子建て住宅に特化してやっていますと、それはですね、やっぱり社会的にですね、いろいろ住宅の地盤を調べずに家を建てると傾いてしまったりとか、そういった問題が結構起きてまして、
これはいくら頑丈で綺麗な家を建てても、傾いてしまうと使い物にならないという、そういうことがありましたので、そういうところをなくしていこうというところが元々の成り立ちということになっている。
今はですね、子建て住宅、地盤というところをベースにはしてるんですけども、最近はですね、いわゆる地面から下ではなくて上ですね、いわゆる上物と言われてるんですけども、建物そのものの品質の検査であったりだとか、それからチェックとか、そのチェックに対して品質を20年間ちゃんと担保して保証しますよといったですね、そういったサービスもですね、展開をしてまして、
住宅に関して上も下もですね、関係なくいい住宅を提供すると、そういうところのお手伝いをしていきますというところのサービスをやっていきます。
ということでですね、それに加えてですね、建てる前の地盤調査、建ててるときの施工のチェック、それから建てた後のですね、点検であるとか、その不具合であるとか、設備の故障であるとか、そういったサービスも含めて、いわゆる住宅暮らしの中でですね、トータルで今サービスを展開しているといった形でございます。
はい、以上となります。
はい、ありがとうございます。ちょっと途中で恐ろしい話が出てきましたが。
木造じゃなかったら調べなきゃいけなかったけれども、木造だったら調べなくていいっていうのがあったんですか。
そうなんです。木造の子建て住宅って、いわゆる4号建築って言われてるんですけども、割といろんなものが緩和されてるんですね。
その中でもちろんビルであるとか、マンションであるとか、大型のショッピングセンターであるとか、こういったのはですね、必ず地盤調査をして、地盤の強いか弱いかって調べないといけないんですけども、
子建て住宅って言いますと、そこまで必ずやらなきゃいけないっていう法律的な縛りはないんですね。
今もないんですか。
今もですね、厳密に言うと外されてますけども、事実上は基本的には立てられないです。
ああ、なるほど。
それは2008年に変わったっていうのは何かあったんですかね。アネ派とかですか。
おっしゃるとおりです。アネ派の事件が、あれはたぶん2004年ぐらい、もうちょっと前だと思うんですよ。
2000年に品格法を持ってきまして、それに伴って10年間、ちゃんとした住宅を担保しなきゃいけないっていう法律ができたんですけども、
アネ派の事件が起きたときに、あれはもうもちろん品格法として引っかかる話なんですけども、
結局倒産しちゃいましたね、デベロッパーさんとかが。
結局、確保しなきゃいけないっていう法律はあったんだけども、
私力がもうないので、結局被害を受けられた方は泣き寝入りというか、もう請求先がないということがありまして、
それに加えて貸し担保履行法っていう法律ができたんですね。
木造子建て住宅の地盤調査義務化
それは、今、こだて住宅で言うと2つ方法があって、
国にお金を預けます。1個あたりいくら納めます。
その会社がもし貸しがあってダメな建物だっても、基本的には建てた人が直しますし、
もし倒産をしてしまったら、預けたお金から直しますっていうことで安心。
それとそれ以外、もしくは保険に入って保険で担保してくださいっていう。
なので、保険に入るか国にお金を納めるか、どっちかを選ばないとお引き当たりできないという法律が2008年に始まりました。
その保険の中には、ちゃんと地盤調査をしなさいよって書かれてますので、
そこで事実上地盤調査をしないと。
家を引き渡しできないっていうのが今の現状になりますので、ほとんどやっているはずです。
2007年とかに立った木造こだてって調査が行われていなかった?
いない。家もあったと思います。100%ではなかったと思います。
それって今調査を、例えば2007年に立ったところだと地区17年ぐらいだとなると、
そういった住宅ってどういうことになるんですか?
今調査したら何か変わるんですか?
今大丈夫であれば、まず大丈夫です。
だいたい地盤の傾きの事故って、地震とかあったら別ですけども、
一般的にはもう数年で現象出てきますので、
10年たって何もないのであればですね、
まずそれ以降もほぼないと思っていただいて大丈夫かと。
僕は東日本震災で住んでたマンションが液状化したんですけど、
裏安に当時住んでたんですけど、10センチぐらい下がっちゃったんですかね。
地面が下がっちゃった感じですか。
地面が下がっちゃった感じだったんですけど。
あれもどうなんですかね。
そこはもう地盤調査してて大丈夫とは言われてたはず。
なので液状化に関してはですね、おそらくマンションですと、
杭を打ってますので、マンション自体はおそらく傾かないと思うんですよ。
大抵の場合はですね。強い地盤って。
その杭の上の部分の地盤が液状化することで、地面がザッと下がってしまって、
抜き上がりっていうことは言うんですけども、
マンションだけが浮いてるような状態になっちゃうんですね。
なのでそこは、杭を打って無事でしたねという認識にするのか。
ただ地盤が下がっちゃって、配管とかが丸見えになっちゃうと、
そのままにしておかないといけないんで、またたぶん土を入れたりしたんだと思うんですけども。
そうですね。住民でお金出し合って直したんですけど、「直るんだこれ!」と思いながら。
ながらが液状化は厄介ですね。
全然余談になっちゃいましたけど。
そうすると、御社のビジネスモデルとしては基本的にはそういった検査を行って、
ジャパンホームシールドのDX施策
今で言うところの保険に適応条件として必要な検査を行うっていう感じになるんですかね。
そうですね。保険会社さんに提出する形であったり、
あるいは建築確認に出したりするんですけども、
そういった地盤の調査結果がこういう地盤でした、
なので地盤補強してくださいとか、地盤補強しなくても家建てて大丈夫ですよっていう解析結果を出して、
建築会社さんに提出したりとかですね。
あと建物でいうと品質の抵抗中の防水の検査であるとか、
配金の検査であるとか、そういったのをやっています。
ありがとうございます。
せっかくなんで、御社としてのDX施策というか、そういったものがあればぜひ教えてください。
今ちょうど私の壁紙にこちら出ておりますけど、
200万トンというのは地盤の調査解析が、200万トンといったのが今年ぐらいですので、
今で言うともう220万か30万トンとなってまして、
その分のですね、いわゆる地盤の日本全国の地下のデータが引き先されております。
ビッグデータとAIを活用した事業展望
建物の検査で言いますと約30万トンのデータがありまして、
それぞれですね、位置情報を持った地下のデータであったり、
家のデータであったりというものが今、リスクデータという形で、御社の中にあります。
これは個人情報付き、ほぼ個人の住宅ですので、
当然だからそのままお出ししたりとかですね、見せたりとかっていうのはできないというものですが、
やはりこんだけその数がありますので、やっぱり社会的にですね、
有用なデータであるとは間違いなくて、
こだて住宅の地盤調査で言えば日本で一番シェアを持っていますので、非常に多くのデータを持っています。
で、これを何とかですね、生かす方法はないだろうかというのを今、まさに検討を考えているところと、
今ですね、もうすぐリリースできるのがですね、
AIを使ってこのビッグデータをAIに学習させてですね、
日本全国どこでもその地盤の良し悪しであるとかですね、
改良工事のおよその価格であるとかで、
そういったのを予測推測できるというシステムがもう出来上がってリリースを待つ状態と。
いわゆる不動産の価格査定とかあると思うんですけども、
イメージ的にあれに近くて、
位置情報を入れると、この地盤は弱いですよとか強いですよとかですね、
工事の価格は100万円ぐらいかかりそうですねみたいな、
そんな情報を出すことができるAIシステムを開発しています。
これはすごいですね。
なかなかサイレンでした。
これ実際どんな方が使われるんですか?実際に利用される。
そうですね、ターゲットとしているお客さんはいくつかあるんですけども、
例えば不動産の仲介をされる方であれば、
その仲介をするときの情報の一つとして、
複数、例えば住宅の地盤を購入しようというお客さんに対して、
いくつか土地があったときにどれを買おうかなというときの目安にしていただいたりとかですね。
あと、分譲住宅ですね、縦売り住宅とか売立住宅とかですね、
そういった販売店さんについては、その土地を仕入れる際に、
やっぱりその土地を買うときになるべく改良工事、地盤の補強工事が少ない方が、
当然そこのコストは減らせますので、利益が乗せられるということはありますので、
そのときの目安にしていただいたりとか。
そういった使い方があるかなと。
あとは注文住宅にしても同じですね。
土地を売買するときとか、購入する際とかの目安にしていただく。
そんな使い方を目指しています。
なるほど。それがビッグデータ化されてAI化されるなんて、
1990年には考えてなかったでしょうね。
そうですね。
全くその辺は考えていなかったんですが。
ありがとうございます。
じゃあ最後に今後の展望というか、こんなことをやっていきますみたいなのを教えてください。
そうですね。
やはり今まで地盤というところでですね、当社の強みとかですね、
基盤を突きづいてきたんですけども、
これからはもっと事業領域を広げて、建物というか住宅全体、
それから暮らしというところの安全、安心はもちろんなんですけども、
より良い暮らしを提供しようというところで、今、事業領域を広げております。
その中でですね、先ほど言いました建物に対する保証の安心であるとかっていうのもありますし、
今ご説明したAIデジタルの分野のですね、
基盤というところと、ちょっと話してませんけども、
建物に関してもですね、そういったデジタルAIを使ってですね、
サービスを提供しようというところを考えておりますので、
そういったところでですね、今、いろんな事業、商品を開発を進めていこうとしているところでございます。
はい、ありがとうございます。
今日はJapan Home Shieldの亀さんにお話しいただきました。
亀さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
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