受診されて、眠れませんって言った時に、我々精神科医はどう考えるかっていうところで言うと、まずどんなパターンの眠れないかみたいなところを考えます。それぞれに意外と別々に原因と言いますか、
- ああ、そうなんですね。- があったりするものでして、一旦やっぱ頭の中からグルグル考えていることを書き出して、書いてしまってパタンって閉じるんですよね。
- ああ、結局追い込まれている時って、なんか寝るためにまったりするとかが罪悪感出ちゃうんですよ。こんなに会社の状況があれなのに、なんかそんな自分のためにまったりとした時間を丁寧にやっている場合かと思っちゃうんだけど。
- 救急車の延長がなくなるのにかなりかかりましたね。時間としては。
- こんにちは、AIクリエイターでポッドキャスターの関口舞です。弱音会議、この番組では、企業家やクリエイターと一緒に、普段表ではなかなか話さない本音や弱音について話していき、どんな弱音も肯定していく番組です。
さあ、今回は特別会として、悩める私たちに精神科医の先生が相談に乗ってくれるという会になっております。はい、来てくれたのは精神科医の公之雄貴先生です。
- よろしくお願いします。
- まさかこの番組に精神科医の方が来てくれるとはという感じで。
- ありがとうございます。
- バリエーション豊かな番組となっておりますけれども、大瀧先生についてご紹介させていただきます。
- 大瀧さん、1989年島根県生まれで金沢大学卒業後、千葉県の旧正規病院の初期研修を経て、同県の精神科病院で勤務。
- 2024年から都内クリニックで臨床業務を行いつつ、教育分野やヘルスケア事業にも従事していらっしゃるということです。
- よろしくお願いします。
- 普段は臨床業務につながっているんですけれども、もとを通して精神科医として医療機関だけじゃなくて、医療機関を超えたところでお役に立てればというので、活動もさせていただいております。
- そうなんですよ。もともとどうして知り合ったのかというところですと、私が数年前に自分自身が不調から回復したというのもあって、メンタルヘルスの事業をやろうと思って検討していたんですけど、
そのときのご縁で、そのときに大瀧さんを友達から紹介してもらって、それから仲良くさせていただいております。
- だいぶちょっと緊張しております。
- 緊張してるんですか。
- 緊張しておりますね。
- でも私的にはこういうのよりも、こういうのって別に取り直しができるじゃないですか、よっぽど患者さんと喋るのってめっちゃ緊張しそうって思うんですよ。
- 確かに。特に研修してるときとかは結構緊張して、いろんな患者さんいるので。
- そうですよね。
- 確かに。でもやっぱり普段の臨床はようやく緊張せず、患者さんのペースも保つつつ、自分のペースにも持ってきてうまく、一方的というよりはダンスをする感じで。
- ダンスをする感じ。ジャズのような。
- そうそうそう。ダンスをするような感じでコミュニケーションをとってるっていう感じですかね。
- そうなんですね。
- だからここでもダンスをするように。
- ダンスをするように。いいですね。
- よろしくお願いします。
- いろんな患者さん見てらっしゃると思うんですけど、結構私自身も数年前から何かと調子が悪いときに、わりと雑談で大明さんに相談させてもらうことも多かったんですけど、
結構本当にですね、特に起業家、調子崩してる人めちゃめちゃ多くて、この番組でももう何回かやってますけど、メンタルを実は崩してましたとか、体調が実は悪かったみたいな人が結構いるんですよ。
周りの子たち見てても本当にみんな困ってて、ずばりですね、困ってるやつのほぼ第一位、睡眠。
- なるほど。
- ぜひちょっと今日は睡眠についてご相談できたらと思っております。
- そうですね。受診されている方の7割8割は睡眠も併せて困られていますので。
- 逆に診療内科とか精神科で何か不調があるのに、睡眠は完全に大丈夫ですっていう方が少ないですよね。
- 少ないですね。
- さらに私も実は睡眠に悩まされ続けた。
- ただやっぱりすぐ起きちゃったりとかするんですよね。なので逆に言うと浅い睡眠を促してしまって、余計悪くなるということなので、お酒はやはり睡眠にとっては良くないとは言えますよね。
- そうですよね。でもなんかそもそも眠れないんですとか、寝ても翌朝疲れが取れないってこれ、なんでなんですかね。
- 実は眠れないって一言で、例えば受診されて眠れませんって言った時に、我々精神科医はどう考えるかっていうところで言うと、まずどんなパターンの眠れないかみたいなところを考えます。
- へーパターン。
- 寝入りが悪い、つまり入眠が悪いのか、それとも入眠はいいんだけれども中途覚醒、途中起きちゃう。
- なるほどね。
- 朝早く起きてしまう。で、寝ても寝ても日中眠い。この4パターンのうちどれですかみたいなことを聞くんですよ。で、寝入りが悪い、それぞれですっていうふうに言うんですけれども、それぞれに意外と別々に原因といいますか。
- あーそうなんですね。
- 範囲があったりするものでして。
- へーそれ次第で対処法も違ったり。
- 結構対処法違いますし、お薬もし使うとしても選択肢が変わってくるんですよね。
- へーそうなんだ。
- なので、寝入りが悪いだとこういう対処法をまずはしてみましょうと。で、そういうのをやってもダメで日中失省をきたのであれば、最近結構安全性高い薬も多いので、そういうのも一緒に考えていくような流れが多いので、先ほどおっしゃってたなぜそもそも眠れないかっていうと、まずそのパターンごとに全然違うっていうところがあります。
- へーそっか、じゃあ例えば周りの人あるあるで、疲れてるはずで睡眠不足なはずなのに眠れない、これなんでしょう?入眠できない?
- 入眠ですよね。ってなると、多いのは疲れていて眠れない、その疲れているっていうのが結構仕事で疲れているってなる、プライベートで疲れているってなると、そこに対して結構悩みを持たれていて、ずっと頭の中でぐるぐる考え続けている。
で、寝入りが悪い、なかなか寝入りが悪い、つまり切り替えができていないっていうパターンがまずはあります。その場合はよくお伝えする対処法としては、一旦頭の中からぐるぐる考えていることを書き出して、出す。
- なんかこうPCに書くなり、ノートに書くなり。
- ただPCに書くと、やっぱりブルーライトの関係があるので。
- 確かに、しかもどうせ仕事の連絡してるから。
- なので、自分の中で書いてしまう。書いてしまってパタンって閉じるんですよね。
- なるほどな、物理的にね。
- そうです。閉じるという行動が切り替えのサインにもなったりするように、まずは覚えさせる自分に。
- なるほど。それってあれなんですかね。お布団に入る前にやった方がいいのかな。
- そうですね。実はこれ大事な、本当に大事なこととして、布団は寝る以外にするなという。
- あ、じゃあもう寝ないときに布団に入っちゃダメ?
- ダメです。
- あーこれ、これ結構落とし穴ですね。私結構起きてるときにちょっとゴロゴロしちゃうときあるんですよ。
- それはダメです。
- よくないんだ。
- 人間、場所というものに役割を与えたりするんですよね。例えば、わかりやすく言うと、例えばスターバックスでずっと仕事をされている方は、例えば友人とスタバに行くと、ちょっと仕事モードになってしまう。
- あーなるほど。まあそういうのはありますよね。
- 本当、これも例えば、大学生の頃に住んでた場所に行くと、なんか気が緩むだったり。
- あー、確かに確かに。
- その場所っていうものは、その人を、キャラクターを作るみたいなところがあるんですけれども、場所に役割を与えるという見方もあります。
- なので寝室、ベッドというのは、寝る場所にしておかないと、ベッドに入ったら起きてしまうという。目が覚めてしまう。
- そうですね。
- せいぜいシャワーさっと浴びて、直前まで私結構スマホ見ちゃったりとか。
- なんで、ある意味その分を朝早く起きて、そこに準備時間にやりたかったことを朝に持ってくる。
- いやー、絶対その方が効率いいですよね。
- そこは逆に言うと、こういうメカニズムなんだと思えばやれるんじゃないかなと。
- 確かに、そうじゃないと結局追い込まれてる時って、なんか寝るためにまったりするとかが罪悪感出ちゃうんですよ。
- こんなに会社の状況があれなのに、自分のためにまったりとした時間を丁寧にやってる場合かと思っちゃうんだけど、メカニズムがそうなので、仕事を明日の朝から頑張るためにもって思えばね。
- おっしゃる通りです。
- なるほどなー。
- そうなんですよね。なので、特に自分の責任と言いますか、そういった責任感から、休んだらダメなんじゃないかっていう、本当そういう方も多いんですけれども、
- 確かに、ちょっと馬力を出さないといけない時はあるので、必ず絶対徹夜したらダメだよ、徹夜はあんまりあれなんですけれども、徹夜したらダメというよりは、やっぱりどこかで人間眠らないと、
- そうですよね。
- はい、すべてが崩れてしまう、リズムが。なので、もう寝よう、今日は寝ないとさすがにまずいなって思った時に、メカニズムを活用してやっていくと割り切れて眠れるんじゃないかなと。
- 確かに、そっか。その寝る前の準備、約1時間かけて寝る準備をするとして何したらいいんですかね。
- いかにリラックスするかというのが非常に大事になってきます。
- はい。
- 睡眠というのは、2つ、私が経験上もそうなんですけど、要素があると思っていまして、睡眠に必要な。まずは睡眠力といいますか、眠い、寝る、眠たいというような睡眠力ですね。
で、もう1つは、疲れてる、眠たいのに眠れないというのは、やっぱり不安、緊張側なんですよね。
で、そのリラックス、リラックスという要素と、やっぱり眠気という要素が掛け合わさらないといい睡眠がとれない。
眠いというのは、やっぱり人間、サイクルがありますので、ある程度日中寝てなかったら、やっぱり眠くなってくると思うんですよね。
で、もう1つは、やっぱりリラックスというところなので、自分にとってリラックス環境というのはどういうものなのか。
例えば音楽、リラックスの音楽を流しながら、ちょっと薄暗めにして、落ち着かせていくのか。
テレビは多分つけない方がいいとは思うんですけれども、一般的に言われてるのは、やっぱり薄暗くして、ちょっとこう、少し温かめの茶色みたいなのを飲んでとか、
そんな感じで、とにかくこれまで戦い続けていた、夜までの自分の体を少しずつ落ち着かせていく。
そういう行動と言いますか、何か習慣みたいなのが取れれば、それは睡眠の準備になるかなと思います。
そっかー。なんかちょっと薄暗くして、何回も読んでてあんまり刺激的じゃない本を読むとかって、私もやる時あるんですけど、せいぜいそれ寝る5分前にやればいいと思ってました。
なるほど。
それだとちょっと足りない。
そうなんですね。
理想は1時間前とかからそういう風にしていって。
そうですね。
ただなんかこれ結構現代あるあるだと思うんですけど、普段から大量の刺激に慣れてるじゃないですか。
でもyoutubeの動画さえちょっと見たらもう次々って、常に視覚、聴覚とかを満たしてないとなんか暇に思っちゃう。
でなんか私が今やべーなと思ったのが今聞いてて、音楽をかけながら温かいものを飲む。じゃあ目は何を見てたらいいんだってなっちゃって。
なるほど。
本当にさっきおっしゃってたように、かつ字っていうのは全然読む。
それはkindleとかそういうデジタルじゃなくて、紙の本とかを読むっていうこと自体も全然いいとは言われていますので、目は何したらいいかというのに関しては、
そういうおっしゃってたように読み慣れた、頭をこうめちゃくちゃ使うというよりはどちらかというとさらさら読めるようなもので時間を確保していくような意識を持つといいのかなと思いますけど、
これは正直ピンポイントでこれってなかなかやっぱり見つかりにくいので。
そうですよね。
やっぱり睡眠を確保する一定期間の努力じゃないですけども。
ある程度覚悟を決めてやらないとですね。
いろいろ探していかないと、さっきの枕を探すみたいな感じで。
そうですよね。
自分のリラックス習慣、リラックスのスイッチが入る行動は何なのかっていうのは、寝るだけじゃなくて、例えばストレスかなり溜まってるなというときに、いかにリラックス反応というんですけれども、ストレス理論というものがありまして、いかにストレス反応ではなくリラックス反応っていうのを優位にするかというのがとても大事になってくるんですね。
リラックス反応っていうのは単なるリラックスと何か違うんですか?
副交換神経が優位になるっていうことなんですけれども、ストレス反応っていうのは、ストレスがかかってそれに対して交換神経が働いて、それが生きすぎて、もしくはそれがずっと同じ状態が続きすぎて、最終的には動機がしたりとか、頭が痛くなったりとか。
そこに関してリラックス反応をいかに持ってくるか、そこが人によってはサウナだったりとか、人によってはウォーキングだったりとか、人によってはカラオケだったりとか、いろいろあったりするんですけれども、寝る前にカラオケするわけじゃないんですけどね。
そういう感じで、これ2つは同立しない、つまり2つとも同時に現れないっていうのが実は特徴であるんです。
同時に現れない。
つまりリラックス反応が優位になったらストレス反応を抑えられる。
じゃあもう思想的な行動になっている。
なのでリラックス反応を意図的に出す。その一つが例えば瞑想だったりとか。
そうか。
そういうのがありますので、夜にできる、いわゆる寝る前に寝る、せめて30分前くらいですかね。できる行動、一つは瞑想かもしれないですし、ヨガかもしれないですし、そういうのをちょっと静かめな行動をいろいろ探してみるといいかなと思います。
それが思想上になっていてリラックス反応とストレス反応が同時に出ないとなると、例えばよく寝る直前までスラックの通知音が来てる気がする。
めっちゃ緊張した気持ちのまま音楽を聴きながら例えばスラックを確認してたら、結局リラックス反応にはなんないって話なのか。そういうことですよね。
そうなんです。
いやでもこれ本当に覚悟を決めて、マジで違う部屋にスマホを置くとかしないと、結構通知音の減調が聞こえると。
おっしゃる通りですね。本当におっしゃる通りで、覚悟を決めるって本当に大事で、これは優先順位と言いますか、そうなるんですけども。
私も通知の減調があるという、私も盗職をかなりしていたときはですね、盗職とか救世機病院でせかせかと忙しく働いていたときは、ピッチを使うんですけどね、病院ってPHS、携帯みたいなやつで、あれの音が常に聞こえていたりとか。
盗職中って寝る場所が一応あるんですけれども、常にPHSここに置いて、鳴ったらもう起きないといけないんですよね。
それはつまりそれが鳴るということは、急ぎの患者さんが来た。
そうですそうですとか、救急車が来たとか。
緊張感やばいですね。
だからもう家で寝てても鳴ってるんですよ。
え、やだ。
あと救急車の音。
救急車の減調。
医療従事者の方は、あるあるなんでしょうね、これは。
救急車の減調がなくなるのにかなりかかりましたね、時間としては。
でもこれどうやって逃げたらいいんですかね、こういう減調とか緊張から。
これに関しては、まず非常に大事なこととしては、先ほどもお伝えしたように、寝る場所は寝る場所、神聖なる寝る場所としてやっぱり体に覚えさせないといけないんですね。
例えば寝る場所も常に鳴るかもっていう緊張状態になると、体とか脳が錯覚してやっぱり聞こえちゃう。
逆に言うと、この場所は絶対に聞こえないよねっていう安心感とか、そういう場所であるというふうに体に覚えさせれば、そういうのは聞こえづらい。
そうか。結構多くの人がスマホの目覚ましアラームを目覚ましにしてると思うんですけど、だから枕元に置くと、これの時点でもう鳴る恐れを感じますよね。
おっしゃる通りです。
さらに仕事用の携帯とか分かれてたとして、そうなるとプライベートの方を置くのはまだいいのかもしれないですけども、仕事とプライベートのやつを合わせて一緒に寝る方はやっぱり常に気になっちゃうんじゃないかなと。
そうですよね。
その場合はやっぱり携帯はもう置いてしまって、別の部屋に。
違う部屋に置いて、そうですよね。
そうです。