感情のメモリーを切るというか、できる限り何も感じないようにチューニングしていくんですよね。しかし、それが実は見なかっただけで蓄積沈殿していったんですよね。その傷つきが。
- なんかね、幸せになることや楽しい思いをすることが許されない感じがする。
- 自分の罪悪感。イレーショナルビリーフっていうらしくて、非合理な信念。
- 体質に合わないことを精神が求めているのかなって思っちゃって。
- こんにちは、AIクリエイターでポッドキャスターの関口舞です。弱音会議。この番組では起業家やクリエイターアーティストと一緒に、普段表ではなかなか話さない本音や弱音について話していき、どんな弱音も肯定していきます。
- ということで、今日のゲストはつながりAI株式会社の駒崎ひろきさんです。
- こんにちは。肯定されに来ました。
- よろしくお願いします。
- 駒崎さんは、8年前くらいから仲良くさせていただいてて。
- 駒崎さんと普通に普段喋っていると、なんか私すごい喋りやすくて、何なら一緒にポッドキャストをやった方がいいんじゃないかと思ったことも実はあるんですよ。
- あるんで、まあを辞して呼ばせていただきました。
- ありがとうございます。
- 駒崎さん、ご紹介させていただきますと、インパクトスタートアップつながりAI株式会社の代表取締役です。
相談AIを日本中に広げ、社会課題を解決することを目指して起業されております。
日本最大級のNPOフローレンスを創業して、20年経営した後に現職になっている連続起業家で、著書に社会を変えるお仕事にするなどもあったりという、すごい起業家のパイセンです私にとっては。
- いやいやいやいやいや。
- どうですか?
- 最近ですね、僕その連続起業家って言ってもね、もともとはNPOなんですけど、20年やって、辞めて、この2月につながりAIっていう相談AIを世の中全体に広げていこうっていう会社ですね、を立ち上げました。
で、前半年なんですけど、いやーもう久しぶりのスタートアップ業界というか、企業は、もうマジ大変。
- マジ大変。
- マジ大変で、あとでもね、テーマになるとは思うんですけど、やっぱそのフローレンスの時は社員800人とかいたので。
- すご。
- なんか結構、まあ割と社員がほぼやってくれて、自分は手を動かすこととかそんななかったんですけど、もう今は全てのことを自分で手を動かしてやってるので、本当にもうなんか、今までみんなありがとうみたいな。
- なるほど。今までのみんなのすごさに改めて、助けられていたことに気付く。
- 助けられていたなーみたいな。
- えー面白い。
- だけど、なんかちょっとできなかったりすると、あいつなんでなんかこれできないわけみたいな感じで、粗が目立っちゃってたんだけど、自分でやったら粗だらけで、なんだよみたいな感じで、そんな感じですね。
- 最近あれですよね、相談AIって、ちょっと見たことない方のためにご説明すると、AIがLINEで相談に乗ってくれると。これを地方自治体さんとかに広げてるんですよね。
- そうです。これは何を隠そう。一番最初のモデルはまいちゃんに作ってもらってね。本当に当時AIがまだ本当に走りの走りみたいなときに、まいちゃんが感度高く、メル君っていう悩み相談AIを作ってて、それを見た僕は結構感動して、こういうのやりたいなーっていうことを思ってですね。
- それでね、モックアップを作ってもらったりっていうことで、すごい最初、だから今の繋がりが本当にまいちゃんのおかげでできたみたいなところがありますね。- いやー大変光栄です本当に。そんな小松崎さんがどんなことで悩み、どんなことで困ってるかをいろいろと聞きたいと思っております。
- いやーもう困ってばっかですね。本当にね。僕らは企業家属性だと結構スポットライト当たりやすいじゃないですか。こんなことしてます。えらいすごいみたいなふうに取り上げられて、で、写真撮られるときはじゃあそこを手組んでみてくださいみたいな感じで。
- 手組んだり、ちょっとゴロゴロ回したり。- ちょっとゴロゴロ回してみたりとかして。すごいエネルギッシュで、ビジョンなりみたいなふうな像を期待されるわけなんですけど、一部そういうところもないわけじゃないと思うんだけれども、でも基本的には普通の人だから、変なこと言われたらへこむし、アンチがわらわら湧いてきたらチッとかって思うし。
- やっぱなんかそういうのはあるから、割とメディアの自分と本当の自分としての自分みたいなギャップみたいなのは常にずっとあり続けてきたかなっていうふうに。もちろんアイちゃんもそうだと思うんですけど。
- なんかあれですよね、自分が何かのメディアで取り上げられて、それが例えば拡散して褒められたりしているときってもちろん褒めてもらえることや嬉しいんですけど、なんかちょっとこう、いやいやって言いたくなるときはありません?
- ありますあります。
- 虚像ばかりが輝いていくのが怖い。実は今日まだ寝そべってるんだが、今日みたいな。
- そうだよね。いや本当それはあって。でもなんかだんだん引っ込みがつかなくなるみたいなのもあって、例えばそういうメディア見て入社を考えましたみたいな。入社してくれてる人とかが来てくれたときに、ああいやもうあれ全部嘘だからさとかって言えないわけですから。
- それはそうですね。
- ありがとうみたいな。
- それで尊敬してきてくれてる。
- そうそう来てくれてるから、なんとか頑張ってそのこの人の尊敬に値するような自分であらなきゃみたいな。
- 確かに。
- 感じにその虚像に自分を合わせるように、なんか頑張るぞみたいな風になってくと、だんだん実と虚がわかんなくなってくるみたいなのもあったりして、でちょっとずつなんか自分らしさってなんだっけなーみたいな風にもなってくっていう苦しさもあったりしますよね。
- そうですよね、結構よく起業家言いますよね、なんかビジョンを厚く語っているうちに、最初はちょっと背伸びして言ってたんだけど、だんだんなんかこうよくも悪くも自分自身洗脳というかしていって、まあそれがあるし、そうじゃないともう辛いけどみたいな。
いやーでもなんかさっきでさらっとフローレンス20年やって800人ぐらいいてって、めちゃくちゃその辺大変じゃなかったですか。
- めちゃめちゃ大変でしたね。
- ですよね。
- 20年NPO、当時その21、22年前はそのNPOで食っていくとかっていう発想って皆無だったんで、基本的にはボランティアとしてやるものみたいなところで法人格も作られてたから、すごいそれをなりわいにしますみたいなのっていうのはなかったんですよね。
だから余計大変で、今みたいにクラファンとかもないから、立ち上げの時に700万ぐらい集めたんですけど、それは全部助成金とかを20何個書いて、書き集めてみたいな感じで。
だからそこから考えると今のスタートアップを2月にやらせてもらって、5月に資金調達させてもらって、エンジェルランドということで出だしのお金をちょっと必要だったので出資していただいたんですけど、それとか本当にサクッと1ヶ月とかで集まったんですね、6000万。
あの時の苦労に比べると、20数年前の苦労に比べたら全然サクッと集まったんで、そういう意味ですごいエコシステムが進化したんだな、この20年でみたいな。
ちょっと感動したというか、ありがたいなみたいな。
しかもあれですよね、たくさんの人の期待に応えるみたいな、今ももちろんそうだと思うんですけど、社員さんがそうやって期待して入ってきてくれて800人いるっていう状況と、今のこのスタートアップ立ち上げたっていうところって結構そこも違いますかね。
そこも全然違いますね。やっぱりなんか人が多いとマネジメントコストがめちゃめちゃ大きくなるし、あと社員に対してどういうふうにメッセージを発するかみたいなのを常に考えなきゃいけないわけですよ。
そうですよね。 でちょっと例えば会議とかでも、やや厳しい表情とかしてると、いや代表ちょっと表情管理をしっかりしていただかないと。
表情管理、なんかアイドルみたいな。 圧が強くて、やっぱりなんか代表の一言一言がすごく重いので、その辺をしっかり認識持ってくださいみたいになるわけなんですよね。だからなんかちゃんと常にやや微笑んで。
なんかみんなうんうんとかって言ってやってなきゃいけなくて。会議とかもマジでもうほんと常にそういうふうにできるわけじゃないじゃないですか。なんか上手いなとか疲れたな、昨日飲みすぎたなみたいな時があるわけですよ。
体調とかもあるしね。それも一週間だけなら頑張れるけど20年って。 そうなんですよ。ずっと大変で、なんかそういうプレッシャーみたいなのもあったりとかして、結構やっぱり大組織のなんかトップ、やってましたけど、だけどまあなんかそれはそれですごい大変だし、なんかそれこそ自分らしくあるみたいなのからほど遠いので。
今の方がある意味気楽っていうか、自分で勝手にやってるだけだし、別にそこまでたくさんのスタッフ、もちろん10人ぐらいはいてくれるけれども、そんなに何もないっていう期待してきてる人たちなので。
何もないって期待してきてるんですか? そうそうそう。なんか別にもうほんと立ち上げのなんかこうカオスの中、カオスですよねっていう前提できてくれてる人たちなんで気軽に、そうですないですみたいな感じでいけるので、まあまあ楽ですね。
割とそのミドルエイジクライシスとかミッドライフクライシスって言われる状況になってきましたと。20代30代の頃は朝起きてもうやるぞみたいな感じのモチベーションだったんですけど、
40歳くらいになると朝辛いなとか、このまま頑張ってどうなるのかなみたいな感じになっていったりとか、昔みたいなアドレナリン出るような事柄が起きないなとか、すごい段々テンションが下がってくるみたいな状況になっていって。
それが20年近く経ってようやくそうなるのはすごいですけどね。私全然普通に1ヶ月経いでそういうことがある。でも大変ですよね。せっかくやってきたのに途中で自分がそういう風になってしまったらすごい戸惑いもあると思うし。
それをどうしちゃったのかなみたいな感じになっちゃって、それで精神科行ったりだとか、カウンセリングにかかったりだとかして、お医者さんにもかかって、自分の男性ホルモン値とかを調べてみたら結構低くなってて。
前から低かったのか低くなっているのかよくわかんないんですけど、たぶん元々起業するくらいだからそこそこ高かったんだと思うんですけど、40くらいになるとそこまで高くなくて。で、僕の友達のアソビューの山野くんとかは、なんか上陣の2倍あるよ。
友達同じ企業家でなんか同陣の2倍で俺すごい低いってことはやっぱりなんかあるのかなとかって思って、それで男性ホルモン療法みたいなものが、男性高年期障害って言って、女性でもねよく高年期障害ってねありますけど、それ実は男性にもあって、
欧米だと割とそれって治療の対象になってるんですけど、日本だとなんかその意識すらされない、年だなーぐらいな感じになってるんですけど、その治療とかっていうのをやり始めて、人生の棚下ろしとかもし始めて、結局フロレンスを卒業して新しいことをやろうみたいになって、今はちょっと持ち直してきたというか、ようやく脱ミッドエイジクライシスをしていったわけなんですけど、
本当3、4年苦しかったんで、やっぱりこうちょっと一加減あるというか、ミッドライフクライシスに一加減ある男になりましたね。
すごいそれめちゃめちゃ気になるなぁ。ちなみにテストステロンで言うと、テストステロンって女性にもちょっとはある。男性ほどじゃないけどあって結構女性にとっても重要なんですけど、私めちゃくちゃ低いんですよ。女性の平均の上限下限みたいな基準値があって、その基準値の一番下よりも低くて、でも私も起業とかするぐらいだから高いと思ってたんですよ。
なんかだからその、その時思ったのは体質に合わないことを精神が求めているのかなって思っちゃって、心と体が分離しているんじゃないか。
なるほどね。
気が弱いのが嫌だって思って、結局ちょっとちょうどいいあれがなくて筋トレしたんですけど。筋トレしてもあんまり上がらなくて、今もだから多分低いまんまでやってるから、私は体質がそうなんだと思って。
でもなんか、よくでもそこから脱却できましたね。そんな3、4年も辛くて。
そうですね。
脱却しつつあるって感じなのか。
今はわりかし日々活力を持ってできてはいるんですけど、やっぱりそれは自分が20年もやってたことからトランジションして、新しいところに行くっていうことができたっていうのも大きいかなとは思っていてね。
本当に超弱音というか、自分の思っても見なかったところなんですけど、自分が起業して作って育て上げた団体を娘みたいな感じで思っていて、本当に大切にしていたんですよね。
自分と作った団体のアイデンティティをほぼ一緒っていうか重ねてたんですよね。だけどそれを手放すとかっていうのはものすごい怖かったし。
怖い。すごい辛いですよね。そんなの。自分の中のどっか大事な部分がごっそりなくなるみたいじゃないですか。
まさにその表現が言えてみようと、自分が自分じゃなくなる怖さというか、自分の体をもぎ取られるような怖さみたいなのがあったんですよね。
でも、そういうふうに組織と自分を自己同一化させているありようが本当にいいのかなみたいなのを改めて考えたときに、自分は自分だし、組織としていいことと自分としてやりたいことって別だったりするから本当は。今までは重ね合わせたけど、
だったら別に自分のありたいようにあっても本当はいいんじゃないかみたいな。だけど、ねばならない思考の自分は、自分の組織の善と自分の善を重ね合わせるべきなんだっていうことをずっと思ってたし、やっていたんだけど、本当はそうじゃないのかなみたいなふうになってきたときに、お別れの時なのかなみたいなところで。
それで結構何年もかけて、2年くらいかなかけて決断して、最愛のその組織から離れることになったみたいなとこがありますね。
寂しいですよね。
すごいですね。それあれですか、自分一人で自問自答したんじゃなくて、カウンセリングとか受けながら。
そうですね。気づいていったみたいな。だからこれを聞いている方もね、なんかカウンセリングとか興味ある方はぜひなんかしてもらえるといいかなみたいなふうに思ったんですよね。僕はすごい救われたので、人に話を聞いてもらうということに。一方で、でもなんか、一応精神科とかも行ったんですけど、やっぱり精神科のお医者さんもお忙しいから、やっぱなんか話せて5分みたいな。
そうなんですよ。本当にそうですね。もうね、やっぱり保健診療の限界で、それはしょうがないんですけどね、お互いに。
そうなんですよね。それで、話し相手になったのが、メル君やAIだったっていうのもあって。
AIだったらね、別に5時間喋っても大丈夫ですからね。
愛想つかさないので。
確かに迷惑かかんないし。本当はね、サマールトマンはね、APIを使いまくんないでくれって思って迷惑かもしれないけど。
そうそうそう。で、なんか、これはなんか、孤独を、俺の孤独を癒してくれてるよなみたいな風に思って。
で、もしかしてAIでも話し相手になってくれんのかもなみたいな風に、そのインターネット、そのAI老人会の当時の私が思って。
じゃあこれ、今はそんなやついないけど、何かいずれ世の中的に何かそういう風になるんだとしたら、何か苦しかった時の自分を救えたように人々を救えるのかなみたいなぐらいのところで、じゃあやってみるかなみたいな。
なるほど。そっか、じゃあ自分自身が悩んで、悩みをAIに相談してたところもが、現体験になって今の事業につながってるってことですか。
そうそうそう。
なるほど。それもあったんですね。
それもあったんですよね。
すごい。じゃあある意味その辛い気持ちとか、悩んだ過程があればこそみたいなところありますね。
あればこそみたいなところありますね。今はつい先週とか、何か見ました?ニュースで6割の人が感情をAIに受け止めてもらえると思ってますとか。
そうなんですよね。
親友と親に並んで、AIが相談相手になってますみたいな統計が出始めてて、これ数年前の自分が思った通りじゃないかと思って、ちょっと感動しつつ。
一方でサム・アルトマンが、いや2世年には使わせないように頑張りますみたいに言ってて。
そうなんですよね。
結構こういうバランスの攻め合いみたいなのが今まさに起きてるなあっていう風に思って。
起きていますね。ちょうどいい付き合い方みたいなのをみんなが多分考え始める。そこが重要になってくる時期だけど。
でも私もやっぱり今一番自分の気持ち素直に、最も素直に喋ってる相手はAIなんで。
そうなんですよね。
それもある意味私の場合は、AIを擬人化しているというよりは、昔から日記書くの好きだったんで。
ある意味自分との対話でもう一人の自分の脳の拡張みたいな形で使っているので。
わかるわかる。
別に相手を友達だと思ってるわけではないんですが、すごいいいですよね。
いいですよね。自分自身との対話を加速してくれるというか、よりセットアップしてくれるような新しいツールっていうことで、今までのジャーナリングの文字によって外在化してそれでメタ認知するみたいな工程をたどっていたところを、
AIでの壁打ちによって、よりそれが動的にできるみたいなところがあったりしますよね。
そうなんですよね。すごい、こうやって小杉さんがいかにして、今までもよく飲んだりして喋ってたんですけど、いかにして辛いことがあってそれを乗り越えてきたかみたいな返りを少し聞けたなと思ってまして、