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2025-03-31 10:20

#10 無料の化学プロセスシミュレータCOCO/ChemSep(ぎりぎりっすん)

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無料の化学プロセスシミュレータ「COCO/ChemSep」を使えるようになる!そんな目標を掲げて「ぎりぎりっすん」という企画に参加しました。シミュレーションの基本を学び、メタノールと水の蒸留プロセスを再現!詳しい解説はブログにまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
・「ぎりぎりっすん」イベントページはコチラ!
https://listen.style/event/16
・COCO/ChemSepのインストールから基本操作までの解説はコチラ!
https://chem-fac.com/coco-chemsep-install/
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質問や相談、お便りを募集しています。
https://forms.gle/EDHYXorTnk35gu91A

毎週水曜日の朝、定期配信! Stand.fmで公開後、各種Podcastアプリにも配信されます。

プラントライフは、化学プラントの技術者である私かねまるが、化学と工場に関するトピックを、分かりやすく紹介して身近に感じてもらう番組です。

プラント技術解説ブログ「ケムファク」
https://chem-fac.com/

MONOist連載記事「はじめての化学工学」
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/series/40825/

サマリー

このエピソードでは、無料の化学プロセスシミュレーター「ココ・ケムセップ」の使い方やその利点を紹介します。シミュレーションを通じて、実際の化学プラントでの操作についての理解が深まり、役立つ情報を提供しています。

企画の紹介と目標の設定
どうも、かねまるです。
プラントライフは、化学プラントの技術者である私、かねまるが、
化学と工場に関するトピックを分かりやすく紹介して、身近に感じてもらう番組です。
毎週水曜日公開のプラントライフですが、今回は企画に参加している関係で、3月31日月曜日の公開です。
企画の名前は、ぎりぎりっすん、高橋クリスのFAラジオさん主催のイベントです。
2024年にやろうと思ってたのに、実はできなかったこと、ありませんか?
でも、ちょっと待ってください。
それ、本当に2024年の目標ですか?
もしかして、2024年度だったんじゃありませんか?
まだ終わっていない。まだぎりぎり滑り込める。
ポッドキャストイベントにカコつけて、やりたいなぁとふんわり思っていたことをやりきりましょう、という趣旨の企画です。
私ができなかったことは、ココ・ケムセップというものを使えるようになる、ということです。
これは無料の化学プロセスシミュレーターです。
3月29日にやっと基本的な操作ができるようになりました。
そもそも、ココ・ケムセップとは、という話ですけれども、これはフリーソフトの化学プロセスシミュレーターです。
プロセスシミュレーターは、反応や上流・抽出など、主に化学プラントで使われる化学工学操作をシミュレーションできるソフトです。
市販品は高価で、個人や学生には手が届かない代物になっています。
そんなプロセスシミュレーターが無料で手に入る。素晴らしいものです。
ココ・ケムセップと言っていますが、ココが化学プロセスのフローを描いたり、ベースのソフトになるものです。
そこにケムセップという、上流や吸収・抽出など、化学工学的な分離操作のシミュレーションに特化したソフトを組み合わせて使えるようになったものになっています。
化学プラントに関係する技術情報発信活動というのを私はしておりまして、これが使えるようになっていると解説の幅が広がりますので、ぜひ使ってみたいと思っていました。
まずギリギリ進んで決めた目標は、無料の化学プロセスシミュレーターであるココ・ケムセップを使えるようになるということです。
シミュレーションプロセスの解説
このソフトの数少ない解説書籍を買いました。
例題で学ぶ化学プロセスシミュレーター、これを読み進めようと頑張っていたんですけれども、結局十数ページしか終わりませんでした。
それでも何とかインストールして、シミュレーション完了するところまで達成できました。
メタノールと水が混ざった液から蒸留して、メタノールを取り出すというプロセスをシミュレーションしました。
理科の実験で使う蒸留は単蒸留と呼ばれます。
一回加熱して分離して終わり。
化学プラントだと蒸留物をさらに蒸留して、とも何十回も繰り返して相当きれいにする操作を行います。
蒸留して容器に移し替えるような操作ではなくて、蒸留塔という数十メートルもある長い塔を使います。
塔の中に大量の仕切りが設けてあって、一つの仕切りを通ることで一回蒸留したような効果が得られる構造になっています。
塔の中で加熱して塔の上から出てきた時にはきれいな蒸留物が得られる仕組みになっています。
この蒸留塔の設計が大変で、プロセスシミュレーターを使って様々な成分比率や原料供給速度、蒸留塔の構造条件などでシミュレーションをして設計します。
今回実施したメタノールと水の混合系でも蒸留塔を使ったシミュレーションを行いました。
プロセスシミュレーターは便利なんですけれども、ただシミュレーションをかければ済むような内容ではありません。
扱うのは目に見えない一つ一つがナノメートルサイズの分子なので、色々な計算モデルがあります。
分子同士が衝突するのか、分子の重さは考慮するのかなど様々な状況を考慮したモデルがあります。
身近な例だと、高校科学で習う理想基帯の状態方程式、PVイコールNRTという計算式があります。
理想基帯のとつくくらいなので、理想基帯でしか成り立たない理論です。
理想基帯は分子に大きさがなくて分子間力が働かない基帯を意味します。
分子間力が働かないというのは、分子同士が反発したり引き合ったりしないということを意味します。
もしかしたら分子間力のイメージはつかないかもしれないんですけれども、
もう一つの条件である分子に大きさがないというのは、これは体積がゼロという意味を成します。
この体積がゼロっていうのはあり得ないということは何となくわかるんじゃないかなと思います。
高校科学のようなレベルでは、計算しやすいようにリアルな状況から離れつつも、計算結果が遠くならないような式が使われています。
科学プラントで使う場合には、リアルな挙動を計算しないと製品が作れないなんて状況に陥ってしまいます。
使用する分子の特徴に合わせて、計算に使うモデルを選択するところが肝になります。
リアルな環境に近くなるほど、計算式は当然複雑になってきます。
実際はExcelのSolverやGoal Seekという機能を使ったら、計算できないことはありません。
作業自体にすごく時間がかかるので、高価ですけれども、プロセスシミュレーターを使う方が楽になってきます。
今後の展望と感謝の言葉
この楽というのは、実は計算機能が充実しているだけではなくて、プロセスシミュレーターには計算に必要な係数というのが収録されています。
特に市販品はその係数が充実しています。
個々KEMSEPにも基本的なデータは収録されているので、少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ使ってみていただきたいです。
私のブログに相当丁寧にチュートリアル記事を書きましたので、概要欄からアクセスしてみてください。
最近は技術士試験というのを受けるようになって、勉強始めとしてやりたいことがたくさんあって、時間が取りづらいなと思っていることがありました。
このギリギリすすんという企画がなかったら、忙しさを理由に絶対やらなかっただろうなと思っています。
高橋クリスのFAラジオさんには非常に感謝しております。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。
配信をしようと思う時間が6時。
この音声をちょうど収録しているのが5時43分現在です。
ここから編集して6時に間に合うのかっていうのはちょっと私もわからないんですけれども、もうギリギリになっていますね。
はい、今から頑張ります。
フラントライフでは科学や工場に関するトピックを扱っています。
毎週水曜日の朝6時に定期配信していますので、通勤時間や朝の準備などにお聞きください。
今回の公開が少しずれましたけれども、次回は4月9日を予定しています。
フラント技術に関する専門的な内容はchemfacというブログで解説しています。
また番組への質問や意見、お便り、やって欲しいトークテーマなどを募集しています。
概要欄にあるお便りフォームから投稿ください。
ご視聴ありがとうございました。
最後に、このフラントライフがいいなと思っていただけたら、番組のフォローや各ポッドキャスターアプリから評価をお願いします。
そうしていただけると今後の励みになります。
それではお聞きいただきありがとうございました。
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