1. 技術者かねまるの「プラントライフ」
  2. #11 知っておきたい化学物質管..
2025-04-09 10:12

#11 知っておきたい化学物質管理者のこと(科学系ポッドキャストの日)

spotify apple_podcasts youtube
今回は「科学系ポッドキャストの日」に参加しました。テーマは「保健」です。
2024年から選任が始まった化学物質管理者について話します。最新の規制やリスク管理のポイントを押さえながら、工場の安全と健康について考えてみましょう!

【参考資料】
化学物質管理者の基本事項について https://keiyaku-watch.jp/media/hourei/kagakubusshitsukanrisya-2024/
化学物質対策に関するQ&A(リスクアセスメント関係) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11389.html
----
質問や相談、お便りを募集しています。
https://forms.gle/EDHYXorTnk35gu91A

毎週水曜日の朝、定期配信! Stand.fmで公開後、各種Podcastアプリにも配信されます。

プラントライフは、化学プラントの技術者である私かねまるが、化学と工場に関するトピックを、分かりやすく紹介して身近に感じてもらう番組です。

プラント技術解説ブログ「ケムファク」
https://chem-fac.com/

MONOist連載記事「はじめての化学工学」
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/series/40825/

サマリー

化学物質管理者の重要性について解説し、2024年4月から施行される新しい労働安全衛生規則がもたらす影響について話し合います。特に、化学物質のリスクアセスメントや管理の義務化に関して、企業の狙いや実施内容が紹介されます。

化学物質管理者の必要性
どうも、かねまるです。
プラントライフは、化学プラントの技術者であるかねまるが、
科学と工場に関するトピックをわかりやすく紹介して、身近に感じてもらう番組です。
今回は、「化学系ポッドキャストの日」という企画に参加しました。
化学系ポッドキャスト番組が、毎月1回共通テーマに沿って語る企画です。
毎月のホスト番組が決まっておりまして、4月は共同ホストになっています。
1つ目の番組が、「町内細菌相談室さん」。
2つ目の番組が、「佐々木亮の宇宙話さん」。
そんな4月の共通テーマは、保険です。
4月7日は世界保険で、
くしくも5年前の同日は、緊急事態宣言が初めて発令された日でもあります。
これを機会に、保険、医療、健康についてお話ししませんか?とのことです。
今回話すテーマは、知っておきたい化学物質管理者のこと。
健康に関連した、特に化学メーカーにはホットな話題をお話しいたします。
なぜホットな話題なのか?
2022年の5月に労働安全衛生規則が改正されて、去年2024年4月から施行されています。
特定の化学物質を製造したり取り扱ったりする事業上に、化学物質管理者の専任が義務付けられました。
この改正によって、化学物質管理のそもそもの考え方が変わります。
まず背景をお話ししますと、化学物質に由来する休業4日以上の労働災害、労災の多くが、
規制対象外の物質によるものです。
過去に災害が起きたような物質に関しては、製造や使用が禁止されているものであったり、有機則とか特化則などで規制されているものがあります。
これら規制されている物質に関しては、作業主任者を専任したり、保護具の着用が指定されたりしていることがあります。
ただ、年々増え続けていく化学物質に対して、規制の対象の決定が間に合っていなかったり、危険性や有害性が不明だったりするというものが増えてきました。
労災が起きてから対策を打つようなこれまでの方法では、そもそも対策が間に合わないという背景があります。
この状況に問題があるとして、職場の化学物質管理の対象となる物質がこれから大幅に拡大されます。
対象が拡大された物質は個別に管理するというよりは、自律的に事業者ごとに管理をしてくださいという形式に変わっていきます。
対象物質は、初めは約200物質から始まって、現在は約900物質、今後は3000近くまで順次増えていく予定になっています。
今回のテーマとなる化学物質管理者ですけれども、専任が必要となる基準があります。
化学物質と一言に言っても、当然対象が幅広くなってしまいます。
リスクアセスメント等が義務付けられている危険性や有害性のある化学物質が、労働安全衛生法で定められています。
このリスクアセスメント対象物を扱う場合は、化学物質管理者の専任が義務付けられました。
製造だけでなくて取扱いですとか、譲渡提供する場合も含まれます。
ですので対象範囲っていうのは相当幅広くなります。
また、事業者の労働者数によらないっていうところも特徴的で、小規模だから対象外というわけではありません。
一部例外がありまして、一般消費者の生活用で使われる製品というのは対象外になっています。
リスクアセスメントのプロセス
ただ、一般のスーパーやホームセンターで買えるからといって対象外になるわけではなくて、
例えば業務用洗剤のような一般に入手できるけど業務で使うことが想定されている場合はリスクアセスメントの対象になります。
そして特に製造をする場合は厚生労働大臣が定める2日間の講習を終了した人が化学物質管理者になる必要があります。
先ほどからお話ししているリスクアセスメントについて簡単に内容を紹介します。
まず危険性や有害性を特定して発生頻度や重特性の面からリスクを見積もります。
ここで発生したリスクが許容できないレベルであれば減らせないかを検討しなければなりません。
そして運用するときはリスクをちゃんと使う方々に周知しなければなりません。
リスクアセスメントというのはリスクをゼロにするというよりは、これくらいなら大丈夫というレベルにまで持っていく作業になります。
そもそもゼロリスクというのはあり得ない話になりますからね。
ここから専任された化学物質管理者が何をするかという話に移っていきます。
まずはリスクアセスメント対象物質を確認してリスクアセスメントの実施の推進をしたり、実施状況を管理したりします。
もし対象物質を使用者が暴露する可能性がある場合は、保護具ですとか換気設備のような対策を検討してそれを実施して管理が行われているかというのを確認しなければなりません。
もし労働災害が発生した場合は対応しないといけないのはもちろんのことなんですけれど、発生を想定してマニュアルを作成したり訓練したりというのも仕事になります。
管理者が実施した内容を記録するというのはもちろんなんですけど、さらに労働者の作業記録も行わなければなりません。
化学物質管理者の仕事をまとめますと、扱う化学物質のリスクを管理して対策を講じる、そして検討した内容や作業の記録は残しておく、労働災害の対策をしておく、このような内容になります。
今後の化学物質管理体制
そして関連する大事な事項として保護具着用管理責任者という内容があります。
化学物質の暴露対策として防塵マスクですとか防毒マスクのような保護具を着用することになった場合は、保護具着用管理責任者を専任しなければならなくなりました。
こちらについても別途教育を受けなければなりません。
これから化学物質の管理対象は約3000物質と大きく増加していきます。
リスクアセスメントをしたり記録したりする、そういう基本的な考え方は同じです。
もし今回の話を聞いて、化学物質管理者というのを知らなかったとしても、社内ではおそらく化学物質管理者ですとか保護具着用管理責任者が専任されていて、運用体制というのは変わっているはずです。
職場に管理者が誰かということが書かれていたり、作業記録を残したりということが行われるようになっているはずですので、意識して調べてみてください。
今回はここまでです。
プラントライフでは、化学や工場に関するトピックを扱っています。
毎週水曜日の朝6時に定期配信していますので、通勤時間や朝の準備などにお聞きください。
プラント技術に関する専門的な内容は、chemfacというブログで解説しています。
Xではカネマルという名前で発信していますので、ぜひフォローしてください。
また番組への質問や意見、お便り、やってほしいトークテーマなどを募集しています。
概要欄にあるお便りフォームから投稿ください。
最後にこのプラントライフがいいなと思っていただけたら、番組のフォローや各ポッドキャスターアプリから評価をお願いします。
そうしていただけると今後の励みになります。
それではお聞きいただきありがとうございました。
10:12

コメント

スクロール