技術士試験の概要
技術系最難関の国家資格、技術士の受験を決めて、この半年間は多くの時間を費やしました。
7月21日の論文試験を終えたタイミングで、半年間を振り返ります。
プラントライフは、化学プラントの技術者であるかねまるが、科学や工場に関するトピックを語る番組です。
今回は、リッスンさんの企画に参加しています。
みんなでやれば大丈夫、ちょっと遅刻の2025上半期振り返りリッスンです。
そういえば、上半期の振り返りのタイミングを逃しちゃったみたいな方もいらっしゃるのでは?
そこで、この機会にみんなで一緒にちょっと遅刻の振り返りをしてみませんか?とのことです。
つい先日、7月21日に技術士の受験をしてきました。
すごくタイミングが良いので、受験した直後の感想も含めて、半年間を振り返ります。
まず、技術士の試験というのはどういうものか、簡単に説明してみます。
技術士の試験部門というのはいくつかありまして、建設や機械、電気電子などありまして、私は科学部門を受験しました。
その中でも有機化学や無機化学、高分子、科学プロセスと分かれていまして、私の受験したのは科学部門の科学プロセスの科目です。
科学プロセスは工場の運営とか、科学工学的な設計、そうした内容の科目になりますね。
試験の内容というのは論文になっていまして、お題が社会問題に対する内容が多いです。
例えば環境とか人材問題、あとは倫理的なところですね。
そういった問題を自分の受験する部門で何か解決できないか、そういうところを問われてきます。
問題は大きく4つに分かれています。
よくあるマーク式の試験と違って、自分の考えをまとめたり、ある程度根拠のある数字を覚えていったり、書く時間が足りなかったり、
今まで受験した資格試験よりもかなり難しかったです。
ひとまずはこの前の試験で全部書き切れたので、試験結果が届くまでわからないです。
勉強の仕組みと工夫
この試験については自分の考えをまとめたり、ある程度根拠のある数字を覚えていったり、書く時間が足りなかったり、
ひとまずはこの前の試験で全部書き切れたので、試験結果が届くまでわからないです。
この試験勉強の半年間を振り返るにあたって、簡単に私の状況、制約についてお話ししてみようと思います。
無限に時間が使えるわけではないですからね。
まず仕事については、だいたい残業が月10時間ぐらいですね。
通勤は片道10分ぐらい車で移動しています。
それほど負担になるレベルではないと思います。
ただ現場仕事があったりというのもありますので、体力的には思ったより消耗している状態です。
あとは家の方の話ですけれども、うちは妻と共働きの状態です。
妻は接客してますので土日は仕事なんですよね。
ですので土日は私の方が子供を見ているような状態です。
平日なさは当然準備がありますし、夜帰ってきたら食事と入浴と睡眠に向かって9時半ぐらいには寝ている状態ですね。
少し休める余裕はありますけれども、集中して論文を書く時間というのは特にありませんでした。
というよりも、論文書いてたら隣で子供が遊びに来たりするんで、ちょっとやりにくいところはありますね。
そして土日は子供の面倒を基本的に見ています。
結局自分が集中して論文を書ける時間というのは朝早く起きた時だけなんですよね。
だいたい4時半に起きて7時過ぎぐらいまでそのあたりが書ける時間になります。
600時の論文だと30分、1200時だと1時間、1800時だと2時間弱ぐらいで書く必要があります。
1800時の論文についてはもう5時には書き始めないともうギリギリになる感じですね。
こういった事情もありまして、なるべく書けるときは書いていくような形で勉強を進めていきました。
そんな中で私が技術試試験の勉強以外にやっていた定期的なこととしては、
今放送している音声配信週1回、それとモノイストという外部メディアがあるんですけれども、
そこで月1回初めての科学工学という記事を連載しています。
この2つを続けながら勉強していきました。
モノイストの内容は科学工学についてですので、
記事に書いた内容はそのまま試験勉強に使えます。
音声配信についてはトークテーマがそのまま技術試試験の勉強に使えるような、そんな内容を考えていました。
先日の試験を受けて、発信内容が思ったより当たってたことにちょっとびっくりしてまして、
例えばモノイストでの連載記事については、電熱の問題、これがそのまま出ていました。
そして音声配信についても話した内容が出てたんですけれども、1つがPFASについてですね。
これはシャープ18番の話題のPFASを少し詳しく学んでみませんかという回で話をしました。
もう1つがCCSの問題ですね。
シャープ7番のCO2が資源になるって知ってた注目のCCUS技術という回で話しています。
直接試験の勉強をしたというわけではないんですけれども、関連した内容を学ぶことで技術を学ぶことができます。
ここから半年間の過ごし方、簡単に説明してみます。
生成AIの活用
12月頃からゆっくりと準備を始めまして、1月、2月で受験申し込み書を作成しました。
技術試験というのは、論文で合格した人が受験申し込み書を作成することで、
受験申し込み書を作成しました。
技術試験というのは、論文で合格した人は面接、高等試験があります。
この時に使うのが受験申し込み書、その中に含まれる業務経歴書ですね。
自分がこれまでどういった仕事をしてきたのか、どういう考えで仕事をしたのか、そういったものを書いていきます。
受験申し込み書が完成して、2月から論文の練習を開始しました。
最初は本当に時間がかかりまして、2週間に1つ書けたらいい方、そんな状態でして、とにかく調べてパソコンで書いていきました。
この段階で1週間に1つ、3日に1つと、だんだんと論文を書く速度というのは速くなっていきました。
そして4月から手書きで論文を書くようになってきました。
試験時間を考えると、だいたい論文1枚あたり600字、これを25分で書き切らないといけません。
パソコンで書いた論文を丸写しして、だいたい私の速度だと25分。
やった書けたというわけではなくて、実際は論文の文章を考えながら書くことになります。
丸写しで25分というのは、考えながらだととんでもなく時間がかかるんですよね。
問題を見て、最初に文章構成、コッシというものは書くんですけれども、そこから全体の論文として文章を書いていく。
そうなると、最初は倍の1時間かかったり、そんなことはざらにありました。
ここから後は論文を書いて、振り返ってどんどん改善していく、そういったサイクルを続けていくことになります。
だいたい5月になったら振り返りも含めて2日ぐらい。
6月7月については1日で書いて振り返ってというサイクルをどんどん続けていきました。
その間でもやっぱりネックになったのが回答時間でして、6月後半ぐらいにやっと制限時間内に書けるようになってきました。
というよりむしろ、品質を若干落としても仕方ないから何とか書き切る形で論文を組み立てていく、そんな書き方に変わっていきました。
試験を受けるにあたって、私の弱いところというのは技術的な知識の少なさかなと思っていました。
今、私は科学系の中堅メーカーに所属しています。
大企業に比べるとプラントの規模が小さかったり、業務範囲も違います。
科学プロセスに関係するような科学工学的な計算、プラントの運営だけではなくて、
私の場合は電気の話、機械の話、あとはDXということで、そういう推進を行っていたり、消防の申請関係の仕事を行っていたり、業務からすべて勉強できるという状況ではありませんでした。
今年の前半については、PLCのプログラムに関しては、プログラムに関しては、
今年の前半については、PLCという制御装置、それのプログラムをずっと書いてたりしていましたね。
そういうこともあって、インプットというのも少し重視はしていました。
むしろ論文を書ける時間が早朝だけでしたので、それ以外のところはインプットに使ったりしていました。
特に最近話題の生成AIをフル活用しています。
私はよくチャットGPTを使っていましたね。
文章の正しさとか、あとは技術のファクトチェックなんかもお願いしていました。
科学プロセス部門だと計算問題が出てくるんですけれども、その検算を行ったりしていましたね。
回答に悩んだときは、課題とか解決策、そういったもののアイデアを相談したり、根拠となる数値を調査してもらったり、可能な限りチャットGPTに支援してもらいました。
通勤時間の片道10分というのは、チャットGPTの音声対話の機能を使ってみました。
例えば、プラントの安全とか、地熱発電とか、そういったものに対して解説をお願いして、私のわからなかった単語、内容に対して質問して、それを返してもらう。
そういったラリーを10分ぐらいかけて、片道の通勤で行っていました。
結構ネットでは、生成AIを使って試験論文の採点をしてもらおうとすることがありますね。
試験準備の過程
そもそも採点基準が明確に公表されていないので、論文の内容の審査というのは信頼性が薄いかなと個人的に思っています。
それもあって、採点をしてもらうというよりは、論文の質を上げる方に利用していきました。
そして学習にあたっては、学会の資料も使っています。
私は科学工学会と技術士会、その2つに入会しているんですけれども、毎月会試というのが公開されます。
科学工学に関する専門的な内容、技術士についての内容、それぞれを会試を読んで学んで専門性を上げていました。
あとはちょっと特殊な例で言うと、会社の同期にも助けてもらったりしました。
科学部門ですので、開発とか品質管理とか、そういったところも全体的に知っていないといけないということですね。
論文を書くにあたっては、何か製品を特定することができるかどうか、それぞれの専門性を知っていないといけないということですね。
論文を書くにあたっては、何か製品を特定した方が内容がクリアになります。
それもあって、私が詳しく知っている製造工程、そこに対する製品の詳細の話を同期の開発の者に聞いたりしていました。
科学製品を作るところ、それだけではなくて、材料や品質、性能、製造の倫理に関するところ、科学的な安全部分、そして作り方、あとは再利用、そういった製品サイクル全体の理解が必要でした。
個人的には、同期に相談して、営業的なところ、開発的なところ、そのあたりの情報を得られたというのは大きかったですね。
こうして臨んだ試験当日、やっぱり難しかったですね。
結局のところ、制限時間に振り回された感じです。
書きながら若干、最初の方は手が震えてた、そんなことも覚えてますね。
それでも全部書き切れたので、なんとかやれたかな、戦える状態にはなったかなと思っています。
マークシートのように、回答速報を書いています。
そしてちょっと気は早いんですけれども、これダメだったら、来年度受けるかな、どうしようかな、そんな話をしてみようと思いますね。
もともとこれ受けるにあたって、大きな問題があったんですけれども、
この試験を受験した理由というのは、資格を取るというよりは、むしろ自分の成長になるかなと思って受験した側面が多くなってきました。
この試験を受験した理由というのは、
この試験を受験した理由というのは、資格を取るというよりは、むしろ自分の成長になるかなと思って受験した側面が大きいです。
このあたりは、シャープ21番の自身の成長に技術士受験はどうですか、という回で詳しく話しています。
論文の書き方を身につけて、幅広い知識をつけて、深い専門性をつける、そういった目標は達成できたかなと思っています。
未来への展望
これ以降は合格のための勉強の比率が増えてくると思うんですよね。
制限時間内に早く書くためのノウハウとか、得点を上げるための書き方とか、
どうしても身につく能力というのは、試験用に偏ってきてしまいます。
今の時代だと、チャットGPTをはじめとして、生成愛と相談することで、ある程度考える力というのは補填できます。
そんな中で、制限時間内に書く能力、それはあまり必要ないのかなと思っています。
技術者としてどういった考えをすればいいか、何を身につければいいかというところは理解ができました。
あとは実務を通してそれを深めていく、そういうところが大事かなと思っています。
ですので、来年度受けるかというのはちょっとわからないですね。
もしかしたら、申し込みをしてある程度論文の練習を進めながら受験だけする、そういう形になるかもしれません。
今のところは技術士という資格を絶対持っていたい、そういう気持ちというのはないですね。
これで半年間の振り返りは終わりです。
まだ合格もしていない人の話ではありますけれども、これから技術士試験を受験する方の何か参考になれば幸いです。
プラントライフでは、科学や工場に関するトピックを扱っています。
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プラント技術に関する専門的な内容は、chemfacというブログで解説しています。
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それではお聞きいただきありがとうございました。