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どうも、かねまるです。
プラントライフは、化学プラントの技術者が、
科学や工場に関するトピックを分かりやすく紹介する番組です。
マイクロプラスチックの基本
今回は、マイクロプラスチックの話をしてみます。
海洋ゴミとして問題になっているプラスチック。
これがさらに、マイクロプラスチックという形で、新たな問題になっています。
その問題は、生態系だけでなく、人体への影響も懸念されています。
これから知っておきたいマイクロプラスチックの話、
基本的なところからしてみようと思います。
そもそも、マイクロプラスチックとは何でしょうか。
環境省のサイトでは、5mm未満の微細なプラスチックゴミとされています。
発生源は、主に2つ。
1つ目が、もともと小さなプラスチックゴミです。
例えば、洗顔料や歯磨き粉に含まれるスクラブです。
プラスチックの小さなビーズが使われています。
その他には、洗剤や柔軟剤の香りとしてカプセルが使われているんですけれども、
そのカプセルが問題になっています。
香り成分をカプセルに閉じ込めて、外部刺激によって割れて香りが発生する便利なものです。
長時間香りが続く特徴があります。
2つ目のマイクロプラスチック発生源は、紫外線や摩耗で砕けて小さくなるプラスチックです。
外に捨てられたプラスチックは紫外線でボロボロになって、
さらに摩耗によって砕けて小さくなっていきます。
その他には、人工芝も該当します。
スポーツ施設などでよく使われますね。
長時間使用して劣化すると、マイクロプラスチックの発生源になります。
この発生したマイクロプラスチックが雨や風に乗って海へ飛んでいきます。
あとは洗濯中の合成繊維のクズなども該当しますね。
ホリエステルのような合成繊維のクズ。
これが洗濯に伴って発生していきます。
そして意外と気づかないのがタイヤの摩耗粉です。
自動車が走ることによって摩耗して、その粉が海洋ごみとして発生していきます。
これから電気自動車が普及していきます。
電気自動車はバッテリーの関係で重たくなってきます。
一層摩耗が増えてくることが想定されます。
マイクロプラスチック、いろいろなところから発生しますけれども、
だいたいどれくらいの比率になるのでしょうか。
合成繊維由来が全体の35%。
自動車タイヤ由来が28%。
シティダストが24%。
この3つで87%を占めます。
ちなみにシティダストというのは、人工芝居や靴、建築塗料など都市部で排出されるものの総称とされています。
タイヤと繊維が特に多いですね。
マイクロプラスチックの影響
こうして発生するマイクロプラスチックですが、体や環境にどのような影響を与えるのでしょうか。
具体的に、この物質がこれだけ含まれていてここが悪い、そんな細かいところまではわかっていません。
ただし、体内から検出されていたり、明らかに悪そうだっていうところはわかると思います。
マイクロプラスチックとして海に流れたものは、ブランクトンの中に堆積されていきます。
そこからニマイガイ、魚、人間と食物連鎖を通して体内に蓄積されていきます。
2024年のネイチャーの論文では、腎臓や肝臓や脳にまで検出されたような記録もあります。
小さなプラスチックですが、プラスチックそのものは強度が高くて強いものという印象があると思います。
これが体内に入ると、体を内側から傷つけていく、そんな想像ができます。
また、プラスチックの添加剤が悪影響を与えることもあります。
プラスチックには、その素材の悪い部分を抑えたり、新たな特性を加えたり、そんな添加剤が含まれています。
例えば、材料を加工しやすくする加素材が含まれています。
その加素材にフタル酸エステル類が使われることがあります。
フタル酸エステル類は、人体へ内分泌攪乱作用が懸念されます。
こうした悪影響が懸念される物質が、マイクロプラスチックを通して人体の中に入っていく、そんな懸念があります。
ここから世界的な規制の話をします。
EUでは、意図的に添加されたマイクロプラスチックの使用が規制されています。
代表的なものがスクラブですね。
そして、世界的にはプラスチック条約の議論が行われています。
これは2022年から始められました。
作りすぎを防ぐ。使い捨てを防ぐ。
こうした目的に向けた国際的なルールの議論が進められています。
ですけれども、少し難航しているような記載がありまして、プラスチックというのは今や欠かせない素材になっています。
経済的なダメージが各国によって異なるため、話が少し難しくなっているようです。
では、企業はどのような取り組みをしているのでしょうか。
削減に向けた取り組み
特に注目されているのが、成分解析プラスチックです。
代表的なのがカネカが提供する成分解析バイオポリマーです。
すでにスタバやファミリーマート、伊東園など採用が広がっています。
次はマイクロプラスチックビーズの代替です。
特に規制が厳しくなっているものです。
ガラスで有名なAGCは天然のシリカからビーズを製造しています。
また、ダンボールで有名なレンゴは植物の細胞壁の主成分であるセルロースからビーズを製造しています。
こうした天然に由来する成分を使ってビーズの合成が進められています。
タイヤについてはどうでしょうか。
マイクロプラスチック全体の28%が自動車タイヤ由来なんですけれども、
明確にこうした対策が進められている、そんな記載はあまり見受けられませんでした。
各社が長寿命化に向けて配合の見直しを進めているようです。
一部では道路の速攻にフィルターを設けて、タイヤのクズが外に排出されないようにしている、そんな取り組みもあるようです。
企業は様々な形でマイクロプラスチックの削減に努めています。
環境省ではマイクロプラスチック削減に向けたグッドプラクティス集を公開しています。
だいたい毎年公開されていますので、ぜひ見てみてください。
そして、我々ができる身近な対策を最後に紹介します。
一つは洗濯ネットを使うことですね。
衣類の生地が痛みにくくなって、繊維屑が出にくくなります。
もう一つの対策がプラスチックゴミを適切に処理するということです。
当然外には捨てない、それが大事です。
家で使うプラスチック、それはもちろんなんですけれども、
例えば海でバーベキューをした時のゴミ、それを正しく処理する、これも大事です。
個別にこうしたらいいという対策はたくさんあるんですけれども、結局は3Rの考え方が大事です。
利用を減らすリデュース、繰り返し利用するリユース、そして原料やエネルギーとして再利用するリサイクルです。
マイクロプラスチックの問題は企業だけではありません。
一人一人の処理の仕方にも大きく依存しています。
できるところから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
ここからクロージングです。
名古屋でポッドキャストのイベントがあるそうです。
その名もポッドキャストミキサー。
面白そうなので行ってみたいなと思いながらも、少し時間が取れるか怪しいので悩んでいるところです。
最後にポッドキャストミキサーの紹介の音源を流して終わろうと思います。
それではお聞きいただきありがとうございました。
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7月26日13時より開始。
チケットはリッスンチケットページにて。
さあ、推しに会いに行こう。