第百五十四話『やりぬくことで、強くなる』−【長野篇】冒険家 植村直己−
2018-08-11 12:45

第百五十四話『やりぬくことで、強くなる』−【長野篇】冒険家 植村直己−

今日8月11日は、山の日です。
長野県北西部に横たわる北アルプスの白馬岳(しろうまだけ)で、本格的な登山デビューを果たした冒険家がいます。
植村直己(うえむら・なおみ)。
彼は特別な登山経験のないまま、明治大学山岳部に入部しました。
4月下旬に行われた新人歓迎会。
中央線の車窓から眺める信濃の風景に心おどらせる植村青年の姿がありました。
遠く見えるアルプスの連山はまだ雪を残しています。
鋭くとがった峰々。ゴツゴツした岩肌。
「ああ、あそこに登るんだなあ」のんきにしていられたのも、山岳部の山小屋に入るまででした。
白馬を目指して歩き始めると、途端に後悔がやってきます。
新人は、40キロもあるザックを背負わされ、上級生の掛け声とともに登り、休めません。
吹き出す汗。遅れれば怒号が飛んできます。
入部するときは優しかった先輩たちが、鬼の形相。
雪道に足をとられ、ひっくりかえると、
「おい!ウエムラ!なにやってる!ばかやろー」
バカヤロウと言われても、転んでしまうのは仕方ない。
ブツブツ言って立ち上がるが、足はふらふら。
植村は、部員の中でいちばん小柄で最も弱かったので、いちばん最初にばててしまったのです。
それでも容赦はありません。
炊事、雑用、テントのすぐ入り口で寝かされ、先輩の靴の雪を落とします。
「ああ、もうやめたい…」
そう思いますが、彼にはひとつの信条がありました。
「一度始めたことは、最後までやりぬく」
新人歓迎会から戻った彼はさっそく自分なりのトレーニングを開始したのです。

国民栄誉賞をもらった世界に名立たる冒険家は、決して最初から強かったわけではありませんでした。
弱さを知っていたから、偉業を成し遂げたのです。
冒険家・植村直己が、43年の生涯でつかんだ明日へのyes!とは?

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