第百十四話『一秒の退屈もいらない!』-【青森篇】劇作家 寺山修司-
2017-11-04 14:16

第百十四話『一秒の退屈もいらない!』-【青森篇】劇作家 寺山修司-

先月公開された映画『あゝ、荒野』は、前編と後編を合わせると5時間にも及ぶ大作でした。
映画の舞台は、東京オリンピックが終わったあとの、2021年の新宿。
少年院あがりの主人公と、吃音(きつおん)で対人恐怖症の男が、共にボクシングの世界にのめり込んでいく話には、現代の日本が抱える闇が赤裸々に描かれていました。
この原作を書いたのは、寺山修司。
寺山が、1966年に書いた唯一の長編小説です。
50年以上の時を経て、自らの小説が映画化されたと知ったら、空の上の彼はどう思ったでしょうか?
昭和の石川啄木、言葉の錬金術師など、数々の異名をとった、時代の風雲児。
歌人にして、劇作家、カルメン・マキの『時には母のない子のように』という名曲の作詞も手掛け、演劇実験室「天井桟敷」を主宰した、稀代の芸術家、寺山修司。
今年、開館20周年を迎える彼の記念館は、青森県三沢市にあります。
館内には、寺山の足跡を知る、手紙や台本、舞台のセット、残したフィルムなどが展示されていますが、建物自体がまるで彼の作品のようです。
彼は、弘前で生まれましたが、三沢での幼児体験が強烈だったと振り返っています。
「もしかしたら私は、憎むほど、故郷を愛していたのかもしれない」
そう語ったように、寺山にとって青森という土地は、強く彼の精神性を育みました。
父を早くに亡くし、母とも離れて暮らさなくてはならなかった幼年時代。
見える風景は、荒野にも似ていたのかもしれません。
一秒の退屈も許さず、休むことなく駆け抜けた47年の生涯。
寺山修司が、人生でつかんだ明日へのyes!とは?

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