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2025-05-27 18:26

#64 ハイビジョンからPHSまで負け続けた日本、「世界一AIフレンドリーな国」で巻き返せるか?|平将明 × 伊藤穰一

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ハイビジョン、PHS、第5世代コンピュータ...技術は一流なのに標準化で負け続けた日本。ChatGPTもGoogleのGeminiも生まれなかった国ニッポンが取る政策は「世界一AIフレンドリーな国」。果たしてこの政策に舵を取った理由とは?

企業のAI導入が世界第17位という衝撃の現実から、GAFAMによる3兆円超のデータセンター投資まで。そして、なぜ日本の経営者は「技術音痴」が多いのかーーーその構造的問題に迫ります。

「作り込み過ぎて出遅れる日本」vs「最初は何もできないけど学習して賢くなるロボット」。AIエージェント時代、日本は一体巻き返せるのでしょうか。


【編集ノート】

編集ノートでは難しい用語や人物名などの詳しい解説をお伝えしています。 

https://joi.ito.com/jp/archives/2025/05/27/006066.html



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サマリー

日本はAIの進展において遅れをとっており、特に企業の取り込みや人材集めに関して課題を抱えています。しかし、AIにフレンドリーな国を目指し、テクノロジーを活用して効率的な社会を実現しようとする取り組みが進んでいます。日本は過去に何度も負けを経験していますが、AI技術の進展を活かして「世界一AIフレンドリーな国」となる可能性を秘めています。技術やエコシステムの構築の重要性が語られ、歴史的な経験が新たな機会をもたらすことが期待されています。

日本のAIの現状と課題
デジタルアーキテクトで千葉高大の学長、伊藤穰一ことJoyさんが、今一番興味のある分野を深掘りしていくJoy Ito's Podcast。
先週に引き続き、デジタル大臣の平正明さんをお迎えしています。
ビジネスにしてもそうだし、学びにしてもそうなんですけど、やっぱりデジタルでですね、ものすごく変わって、特別な環境になくてもですね、
特別な場所にいなくても、学べる環境っていうのはできてきたんだろうなと思いますよね。
今週は、AIについてのトークをお届けします。
AIのホワイトペーパーがもうすぐ出てくるんじゃないかと思うんですけども、
PTを通じて平田さんもずっと見てきたんですけども、この間ある数字見てて、日本って結構遅れてるんだよね。
企業の取り込みが多分世界で17位とかで、ある調査を見てると国民はすごく希望を持っている割には会社は動いてない。
法律はまあまあ進んでるしまあまあオープンなんだけども、まずその平田さんの期待と日本の課題ってどの辺だと思います?
私がAIのPTをやってる時に、日本はオープンAI社もGoogleもいないので、ビッグテックがいないので、
何もないところからこのAIの政策をどう作るかっていうのはすごい重要なので、
やっぱり日本に人材が集まってくる、投資が集まってくる、あとAIを実装したいスタートアップが集まってくる環境を作る必要があるなというのが強い問題意識で、
そういった中で世界一AIフレンドリーな国日本を目指しましょうというのが共通の認識で、
ヨーロッパともアメリカともちょっと違う、比較的AIが学習しやすい、実装しやすいレギュレーション体系、これからAIの法律も出てきますけども、
そういうのを目指してるっていうのはビッグテック始め、いろんな人が理解をしていただいて、
ちょっと前の数字ですけど、ガーファムプラスオラクルでAIのデータセンター確か3兆円超え、
今4兆近いのかもしれないけど、発表されているということになっていますと。
それでこれからいろんな人たちとも話してても人材も結構日本に集まってきそうな予感はしています。
そういった中で今年はまさに実装の年だと思ってるので、日本が抱えてる人手不足とかは高齢者のケアとか教育だとか、
こういったとこにいろいろAIを入れていきたいと思ってるし、デジタル庁が率先をして、
デジタル庁の取り組み
AIレイヤーさん、ハッカーさんを通じてAIを導入し、これ政府全体にも広げ、あとは縦にも広げる。
今東京都とも一緒にAIハッカーさんやってるので、縦横で広げて圧倒的に効率の良い政府を作ろうと私は思ってます。
そうやってデジタル庁で使ってるのかと、日本国政府で使ってるのかとなれば、慎重な経営者もさすがにこれやらなきゃいけないと思うでしょうから、
それは率先してやりたいというふうに思ってます。
そういった中でちょっと不安視してるのは、いわゆる伝統的大企業のトップの人たちの鈍さって言っていいのかな。
だからなんていうのかな、データドリブンエコノミーとか、本社機能をAIを入れてどれだけ効率化するかとか、
ブロックチェーンを使ってどれだけ単価を上げるとか、そういうテクノロジーとソリューションが結びついて改造度高く経営方針に入れられる経営者って、
本当に伝統的大企業の社長と話してて少ないなと思ってて、だからどういう会はそれほど感じないけど、だからやっぱりスタートアップに行きたいかなというふうに思いますよね。
そういう意味でタイラーさんなんか結構テクノロジーのディテールをわかってるから法律とか語ることができるけども、
やっぱり日本の経営者ってあんまりテクノロジーのディテールって自分の仕事じゃないような、戦後の日本って結構テクノロジーわかった経営者の会社って車だとかメーカーとかにあったけど、
今だいぶそういうノリが変わっちゃってるような気がするんですよ。
僕も今工業大学の学長でやってると思うんだけども、やっぱり経営者になりたい人って理工系の大学行かないよね。
別に理工系の大学行かなくてもタイラーさんなんか勉強すれば全部ディテールわかるので、学校だけじゃないと思うんですけども、なんかそこもテクノロジーってアウトソーシングしちゃう。
歴史的にもね、ギリシャなんかでもテクノロジーは奴隷がやるもので、っていうのがまだちょっとステータスのところで残ってるんですけども、これもなんかちょっと文化的なシフトで。
政治家もやっぱりトップの人たちってあんまり理工系少ないですよね。
少ないですよね。
それも何とか変わるといい。
もちろんベンチャーのほうが多分技術系の経営者は多いのかもしれないですけども、でもあんまり海外に比べてBHD持ったCEOも少ないんですよね。
これは日本の一つの弱みなんじゃないかなと思うんですよね。
なんか大きな会社で技術系に見えても実質投資会社みたいになったりとか。
日本の未来に向けた展望
あとはせっかくアナログでものすごいネットワークと価値を持ってるのに、そのアナログの価値をデジタルで最大化するところがすごい弱いとか、
コストダウンのところのデジタル化は一生懸命やるのに、自分たちが持っているアナログの価値の最大化のところにデジタルを使えてないっていうのはすごい感じますよね。
だからある意味そこにポテンシャルがあって、ある意味そこに伸びしろがあると思って。
日本の企業ってやっぱりすごい優秀で、いろんなもの持ってるし、いろんなネットワーク持ってるので、これがデジタルで価値が最大化されるとかなり伸びるだろうと思うし、
あと今、人の面で言えばまさにジョイさんのところで千葉高大でそういう人材をいっぱい作って、そういう人たちがいろんな業界を引っ張っていくスタートアップの経営者になっていくことによって世界を変えていくっていうのも一つのあれですよね。
だってジョイさんの話をですね、この日本で直接話を聞けるなんてこんなありがたいことないですよね、と私は思いますよ。だからそういうところにもいっぱい人も集まってくるだろうし。
うちの大学本体は今年志願者数1位だったんですけども、就職率99%っていうことはほとんどベンチャー作ってないんですよ。
だけどそれはプロダクトマーケットフィットがあって、これは壊していけないんだけれども、やっぱり経営者になりたいとかベンチャーやりたいような学生をもっと集めたりもそういういる子を変えていかなきゃいけないので、来年からアントレプレナーシップのコースとかやるんですけども、
これもやっぱり言われたことをきちんとこなす技術者っていうのは、結構今日本の大学で作ってるんですけども、SFCとか何か所か経営者が多く出る学校っていうのがあって、それやっぱりミックスしてるんですよね。
いろんな分野をミックスして、法律だとか経済学だとかテクノロジーが両方できる学校、そういうのもっと増やさなきゃいけないかなと。
でもだんだん大学も変わりつつありますよね。一番変わらないと思われていた大学も。
そうですよね。だんだんやっぱり若い学生も高校生も減ってきてるし、留学生だとか社会人とかそういうとこもやっていかなきゃいけないし、このリスキリングの話もつながってくるんですよね。
日本って世界でOJTにかけるお金だとか、大学卒業してから学ぼうと思う人の気持ちってすごい低いんですよね。
やっぱり大学勉強してそうした企業に入ったら、あんまりリスキリングに向いてる民族じゃないですよな。これは経産省のプレゼンでこの間見たんですけども。
その辺の文化的なシフトも必要なんじゃないかな。ロールモデルですよね。やっぱりそういう成功例があると、もっとみんなそういうふうに考えるんじゃないかな。
だからリスキリングもアナログの仕事をやってる人にデジタルを教えて、アナログの仕事からデジタルに転換させるっていうのではなくて、
そもそもアナログの仕事をしてる人たちのバリューを最大化するためのデジタルのスキルをつけるっていうのが僕は大事だと思ってて。
だからそこなんかちょっと今弱いのかなって勝手に思ってますけどね。
今の大規模言語モデルでプログラム書かなくてもAI支持できるようになったから、それは構造的に考えることができる文系でもできるはずなので、
そこは間もなく会計もビジネスマンを覚えなきゃいけないのと同じぐらいのレベルでAIはできるように。
どう使いこなすかですよね。本当そう思いますね。
だからとにかく今バッシングをされて選挙でも落ちるリスクがあるっていう、今こういう状況にあるんですけど、
ビジネスにしてもそうだし学びにしてもそうなんですけど、やっぱりデジタルでですね、ものすごく変わって特別な環境になくてもですね、
特別な場所にいなくても学べる環境っていうのはできてきたんだろうなと思いますね。
そしてAIに関して平井さんからジョイさんに質問が投げかけられました。
ジョイさんに聞きたいことは、私が思うに、生成AIはプロンプトを入れて何か答えてくれる、
それが生成っていうことでイラストになったり動画になったりっていうふうなことですごい盛り上がってきましたけど、
やっぱりアメリカではイーロン・マスクさんがかなり中心にいる中で、これからやっぱりそのAIそのものが頭脳だとすれば、
まさにボディを持ったり手とか足を持つ世界観になってくると。
それに対して日本っていうのは昔からアニメーション、漫画を含めてすごい親和性が高いし、いろんなロボット産業もある中で、
そのAIのビッグテックはないものの、これから日本が勝ち筋っていうかチャンスを見出せるときに、
そういうAIかけるロボティクス、もしくはAIかけるヒューマノイドみたいなもので、なんかぜひジョイさんは今後どうなるんだっていうのがあれば教えていただきたいですね。
アメリカもヨーロッパも中国もヒューマノイドロボットの会社とかプロジェクト結構あるのに日本がないっていうのは結構ショックで、
それからアジモとかあって、今でも手とかやってるチームはいるので、ロボットのいろんな重要なパーツは研究所とか企業とか民間とか大学にもあるんですよね。
僕がちょっと心配してるのは、やっぱり日本って標準化ってあんまりうまくないんだよね。
ハイビジョンだとかPHSとか、一生懸命いいもの作るんだけども、やっぱり海外に売り込むのが、私も母親がNHKのハイビジョン特別プロジェクトにいて、
日本の技術的課題とエコシステム
あれも日本で一生懸命作って、いきなりアメリカに行って、できたぜって自慢していくんだけども、巻き込んでないから、根回ししてないからもう完全に拒絶反応なんですよ、アメリカ。
インターネットは村井淳先生が結構上手にグローバルなコミュニティに最初から入ってたから、あれは日本はちゃんと貢献できてるんだけども。
で、あとはやっぱり戦略的に動く場合もあるんだけども、なんか特にITだと自分たちのユニクスを作ろうっていって、SIGMAプロジェクトだとか、あと第5世代とかなんかいろいろやって、
これも誰かのせいにはしたくないけれども、本来であればなんかエコシステムを作って、だから車はできたよね、トヨタとかが彼らのプロセスを通じて。
あれはアメリカと戦って入ってきて、で、マーケットがちっちゃいのに新しいメソッドを作って、それで日本独特のアジャイルなリーンのマニファクトリングができたんだけども、
なんかあの時代の民間主導型のエコシステム作りっていうのが、あんまりロボットとかAIでできてなくて、ただパーツ全部あるんだよね。
ただこれ国が今までやってきてもあんまりうまくいってないし、で、民間の方も引っ張っていきそうな会社もなくて、だからちょっとそこは僕気になってるんだけども、
で、それ海外から誰か呼んでくるのか、どっかと組むのか、で、ただアメリカもちょっと変だし、中国も変だし、なんかこうどういうパートナーとどうすればいいかっていうのもわかりやすくないので、
でも実はチャンスではあると思うんですよね。で、いろんな人と僕も話はしていて、いろんな人いろんなアイディアあるんだと思うんだけども、ただヒューマノイドロボットってやっぱりこう、
世の中の物理的インターフェースって人間のためにできてるから、ヒューマノイドロボットっていうのはそのインターフェースを使うのにすごくいいんですよね。
ただ、この間ある人と話したら、やっぱり最近バリアフリーにしてるので、車椅子がいければ別に足入れはないと、車でいいと。で、モビリティはいろいろあるんだけども、でも手とかそういうのは結構あったほうがいいんじゃないかなっていうので、で、今年はだからAIではエージェントと、
そういうところのロボットなんじゃないかなと。ただそうすると多分法律とか倫理とかそういうところがいろいろ変わってくるのと、あとはその工場の現場だとか、日本って高齢化でジョブズはどんななくなっても平気なので、そのロボットを通じたオートメーションっていうのはすごくこう必要だっていうのがすごく日本にとってプラスなのと、
あとは日本って結構海外で発明したものを仕上げて応用するっていうところは上手なので、そこの部分がもしかすると日本が、まあこれはなんかすごい自信があって言ってるわけじゃないんだけども、歴史的に車とかゲームだとかアニメもそうなんですけど、いろんな分野、海外から日本に来てそれがメインストリームになるっていうのもあるんで、もうウェブストリームはそうなるんじゃないかなと思ってるんですけども、ただそれは本当にただの楽観的な希望で。
というわけで、やっぱりこれ、経産省とかそういうとこが一回旗振るのかなと思うんですよね。
AIを利用した未来の展望
なるほど。標準化で言うとね、アメリカニストが旗振り役で、多分AIかけるヒューマノイドとかAIかけるロボテキスの標準化ってかなりアメリカベースで進んでいくんじゃないかなと思ってて、で私、自民党成長戦略の事務局長っていういわゆるライターの立場何年かやることがあったので、もうそのときから日本版ニストを作らなきゃダメだって言ってんだけど、
まだできてないんです。だからまず標準化の問題あると思ってるのと、あともう一つは日本って作り込みすぎちゃって、で作り込まないとマーケットに出しちゃいけないみたいな感覚が強くて、例えばインターネットだってコンテンツなんかはもうそっちで載っけてくださいみたいな感じでサービス始めるわけじゃないですか。
で日本ってそういうサービスを始めるときはコンテンツまで作り込まないと出しちゃいけないみたいなのがあって、ウェブ2.0とかの世界で私完全に乗り遅れたのは、そういうなんか気まじめさ、もうちゃんとしたものを出さなきゃいけない、途中でフリーズするようなものは出しちゃダメだみたいなとこがあって乗り遅れたと思っていて、でAIかけるロボテキスとかメカトロニクスに関しても、
なんていうのかな、今生成AIでマルチモーダルだから、すごい最初の頃は赤ちゃんみたいだけど、勝手に動かしたりとどんどん賢くなる世界であるにもかかわらず、なんか偉い作り込みをして、その成長の過程が違ってるはずなんですよね。
全部教え込んで、全部できます、でもこれしかできませんっていうロボットを作る日本と、あとは最初の頃は何もできませんと、こんなこともできないのかっていうのもできないけど、自分で学習して賢くなってくるロボット、これロボットタクシーもそうですよね。
だからまた間違えた選択をするんじゃないかなとテクノロジーを見余って、っていうのがすごい嫌だなと思っていて、だからやっぱり場作りでしょうね。こういうテクノロジーを持っている会社があります、こういうロボットの手の技術を持っている研究所があります、こういうAIの会社がいます、あとこういうニーズを抱えている大企業がいますっていう場作りをするのは大事かもしれないですね。
あとはその予備水的な種線のところの、いわゆるイニシャルのところの投資とか補助金みたいなものはあるかもしれないですよね。でもなんかこのままいったらまたやられるなっていう感がすごい強くて、すごい危機感は持っています。
ジョイさんとデジタル大臣平正明さんとのトークはこれでおしまい。平さんにはこの番組に定期的にご出演いただきたいですね。平さんこれからもよろしくお願いします。番組ではNFTを無料でプレゼントしています。ご希望の方は特設サイトにて次の問題の答えを入力してください。
二人の会話にも出てきたジョイさんが学長を務める千葉工業大学。この英語名が最近新しくなりました。それは一体どういう呼び名だったでしょうか。スペースなし大文字半画位数字でお答えください。サイトのリンクは番組詳細欄に記載しています。また変革コミュニティのメンバーは答えをお見せサイトで入力してください。正解された方には100変革をプレゼントします。
デジタルガレージは危険な海に最初に飛び込むファーストペンギンスピリットを創業以来大事にし続けています。これからくるWeb3オープンソース時代を見据えたテクノロジーで新たなビジネスを生み出す仲間を募集しています。番組詳細欄にあるリンクよりぜひご覧ください。
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