資金調達を実施されたばかりの企業家の人生や、事業の裏側に迫る Startup Now 株式会社ログラス代表取締役 布川友也さんへのインタビューの続きをお送りいたします。
前編では、ご両親のお仕事の影響などもありながら、非常に優秀な小中高等を過ごされた 布川さん、そして今も非常にクールな印象が外から見ると思いますけれども、
まさかの大学に入られて、最初ゲーム廃人になられて、大学にもまともに通わずという期間があったという、
この辺りもし前編聞かれていない方はぜひ聞いてほしいなというふうに思っております。
そして25歳にしてログラスさんを創業されて、シリーズAの企業家にしてお子さんも3人いらっしゃる、
そうした企業家と子育ての両立、この難しさ、リアルというのもセキュラリに飾っていただきましたので、ここも必著の内容だったかなというふうに思っております。
後編では、そんな布川さんが仕掛ける事業や組織について迫ってまいります。
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布川さん、改めてよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
ちょっと前半、布川さんの生い立ちとかプライベートの辺りが濃厚で、全く事業の話をしていないので、
まずは、どんな事業が展開されているのかというところから、詳しく教えていただけますでしょうか。
はい。株式会社ログラス、2019年に創業以来、経営管理というふうに領域の名前を付けてまして、
具体的に言うと、企業様のCFOとか経営企画の方が、予算を策定する、予実を管理する、経営を分析する、
それに対するアクションプランを可視化して出していくという業務を、総論として我々は経営管理というふうに呼んでいて、
その業務のためのクラウドサービス、ログラスという製品をメインで展開をしています。
これを展開して、もう4年経ったぐらいですかね、という状況になっております。
プロダクト名で言うと、経営管理、人員計画、販売計画、IT投資管理、サクセスパートナーというのがあるのかなと思ったんですけど、
これはプロダクトとして分かれているものなんですか?
はい、ありがとうございます。基本的にサクセスパートナーだけは、いわゆるコンサルティングBPO事業なので、
これはもう、どっちかというと人の人欠商売になっているんですけれども、それ以外のプロダクトについては基本的に分かれている状況で、
ただ、IT投資管理と販売管理、販売計画に関しては、経営管理の応用の使い方みたいな形になっているので、
かなりプロダクトとしては近しいものを運用していて、人員計画はもう全く別のプロダクトとして動いているというものになります。
一番最初のメインのプロダクトというのは、経営管理から始まって、だんだん派生していって、
で、使いこなすのが難しい人にはサクセスパートナーとしてBPOだったりコンサルを提供するみたいな、そんな感じで開発されてきた感じでしょうか。
はい、おっしゃる通りですね。
ありがとうございます。経営管理とか予算策定事業計画みたいなところっていうと、
Excel とかスプシベースで作成しているところもそれなりにあるのかしらと思うんですけど、
こういったものと比較すると、どういったあたりっていうのが大きく違ってくるんでしょうか。
そうですね、大きく変わってくる部分としては、Excel とかスプレッドシートって表計算システムではあるんですけど、
データベースではないですし、何かこうマスター管理ができるものでもないので、
そこが最も大きなシステム化する差分かなというふうに捉えています。
具体的に言うと、例えば経営管理をする上で外せないのが、組織の管理、組織図の管理ですね。
なぜ重要かっていうと、例えばこれ基本数字の話をするので、
A本部の下に1部、2部、3部、4部っていうふうにあったら、
1部、2部、3部、4部の合計がA本部の値にならなきゃいけないんですけど、
Excel でこれを組もうとすると、全ての部署の値を合計する関数を別途組んで、
その計算結果があくまでA本部の値ですっていうふうに持つんですけど、
ただ本質的には、じゃあそこから4部の数字をB本部に付け替えますってなったら、
A本部から4部の数字を抜かなきゃいけないじゃないですか。
なんですけど、それは Excel だと計算式を組み直すっていう作業になるんですが、
システムだとマスターを入れ替える。
つまりA本部から4部を外してB本部に付ければ、値がちゃんときれいに流れるっていうふうにできなきゃいけなくて、
やっぱりそういうことが当たり前にできるようになるのが、システム化する最も大きな株かなというふうに思います。
何か思っていたことと変化したときに、素早く簡単に適応することができるっていうのが、
このプロダクトのすごいところというところですかね。
そうですね。単に変わったときにだけに留まらず、例えば切り口を増やしたい。
経営管理でいうと、課目別、例えば売上高とか人員経費とか給与手当とか、そういう課目ごとに比較したいっていう話もあれば、
取引先別に値を全部集約してみたい。
例えば電通さんにログラスが払ってるお金を広告費だけじゃなく、
例えば他にもコンサルティング料金も払ってるかもしれないですし、システム利用料を払ってるかもしれないですし、
電通に対してはそういうことはないですけど、その値を電通さんに払ってる額としてまとめたいみたいなケースがあるじゃないですか。
だからそういうものを切り口変えながら見ていくっていうのを、
Excel だと毎回人間は手で作り直すわけですけど、システムならそれが一瞬で出る。
こういうメリットがあるかなと思います。
ありがとうございます。
プロダクトを最初開発されたときに、最初からエンタープライズの顧客を狙ってビジネスを始めましたっていうのを記事で拝見したんですけど、
一般的には SaaS の上り方って SMB を相手に少しずつ機能を開発していって、
ある程度エンプラ顧客が満足するレベルまで整ったら、初めてエンプラに行けるみたいなところあると思うんですけど、
なんでログラスさんは最初からエンプラの顧客を狙いたのかってあたり、ちょっと興味深いなと思っているんですが、いかがでしょうか。
ありがとうございます。
これはマーケットの必然かなというふうに思っていて、
具体的に言うと、経営管理って小さい企業ではやらないんですよね。
年間で売上が3億5億しかまだないですよ、みたいな会社さんだったときに、経営管理をするよりかは、まずは売上を伸ばす、KPI を伸ばすことに皆さん注力されるし、
現にログラスも3年前、2年前に経営管理をガチガチやってたかっていうと、やってない状態だったんですよね。
シリーズBをさすがにやらせていただいたタイミングぐらいでは、もう経営管理ちゃんとやってるんですけれども、それこそログラスの上で経営管理やってるんですけれども、
そうでない場合はやらないっていうマーケットの必然があって、エンタープライズに行かざるを得ないっていうほうが正しいかなっていうふうに思ってます。
なるほど。エンタープライズのお客さん達っていうのは、Excel とかスプシーとか以外だと、どんなふうに今までこのログラスさんが出てくる前っていうのは経営管理されていたんでしょうか。
基本的にはExcelスプレッドシートが全体の9割ぐらいですが、残りの10%の人たち、1割の人たちは外資の競合プロダクトを使っていただいてるケースがあったりとか、
あとは、そうですね、BIツールを頑張って運用してる会社さんも多くて、具体的にはビッグクエリーであったりとかのデータベース系のサービスを社内で導入し、
そこにデータを入れる作業も頑張って人力でやり、そこから可視化をするところはBIで頑張ってますっていう会社さんも行っていらっしゃる状況だったので、残りの1割っていうのはそういう人たちかなと思います。
そういった1割のツールとか、もしくはExcelスプシーってすごい使い慣れたツールから、ログラスさんに乗り換える理由というか選ばれる理由、もしくは選ばれ続ける理由っていうのはずばりどのあたりにあるのかなっていうところを教えてください。
ありがとうございます。ということでいうと、誰でも使える経営管理クラウドみたいなことをよく営業の現場で言ってるんですけど、ログラスってExcelスプレッドシートとAPI連携ができる仕組みをベースにしたシステムになっていて、
要は今使ってるExcelとかスプレッドシートを全部排除して、各部署が計算するのもシステム上でやってくれってものではないんですよね。
具体的には、例えば営業部で使ってるシートがあって、そのシートをログラスがデータをマッピングしに行ける、取りに行けるっていう仕組みが整ってまして、
そうすると営業の現場は今まで通りExcelとかスプレッドシートに入れたいように値を入れていただくんですけれども、その値をスプレッドシート上でワンクリックアドインがあるので、アドインを起動して、
それをログラスのクラウドのデータベースに送信するっていうことができます。ログラス側では送られてきたデータを全部部署から統合して、あとは会計システムとかの実績データを取ってくれば、
もう経営管理ができる基盤が整うっていう仕組みなので、それによって割と外資の製品とも差別化されているし、導入した後、割と運用に乗りやすいっていうところが評価されているポイントかなというふうに思ってます。
なるほど。非常にチャンレートも低いプロダクターだというふうにお伺いしたんですけれども、実際今チャンスとしたら逆にどんな理由なんですかってあたりとか、どうしてこんなにチャンレートって低いんでしたっけってあたり教えてください。
はい、ありがとうございます。まずバックオフィスアースって基本的にチャンレートが低い、相対的に低いかなと思っていて、1回入れて、その事業フェーズが変わったからといって急激に何か変えなきゃいけないかっていうと、
もちろん経費生産とか会計とかありますけど、経営管理はそんなに変わらないものなので、そこに対応できる柔軟さをローグラスとして持ってているので、フェーズが変わってもチャンスされにくいというところはあるかなと思ってます。
なぜチャンスされることがあるのかっていう話を少しさせていただくと、いくつか理由はありますが、これはまだまだ悔しいなと思っているところですが、会計システムとかローム管理系のシステムとかと比較したときに、
まだまだマストハブ度合いが高まりきっているかというと、そこはチャレンジがあると思っています。マストハブになっている会社さんとそうでない会社さんの比較をしたときに、経営管理を経営判断に使っている会社さんをもうマストなので外せないんですよ。
経営のコックピットを見て、例えば投資の差配を変えたりとか、どの部署に利益率が悪いEが偏っているのかっていうのを見れるだけで経営判断が変わるとかってなっていると、チャンスするとかって基本的には考えられないんですけど、やっぱりこう、例えば規模が小さいお客様だったりとか、
あと事業のフェーズが一気に傾いちゃって、経営管理とかそういう次元じゃない状況になってしまった会社さんとかだと、これあっても変えられること少ないよねっていう判断になってしまうんですよね。そういうケースで一定チャーンが出ることはもちろんありますし、それ以外に例えば使いこなせないみたいなベーシックな理由ももちろんあるという形ですね。
なるほど。そうすると、どういう業態業種の人に特に刺さってるんですかって聞こうと思ってたんですけど、業態業種というよりは事業の規模の大きさだったりとか伸びている会社、投資フェーズにある会社みたいなのがログラスさんの中で一番刺さっているお客さんという感じでしょうか。
そうですね。もちろん伸びている会社もそうですし、あと停滞フェーズで事業ポートフォリオをうまくコントロールすることで利益率が変えられる会社っていうところもあると思っているので、逆に落ちていってても、これって事業ポートフォリオ云々の世界観じゃないよねっていう会社さん以外は基本的にはご利用いただけるイメージかなと思ってますね。
ありがとうございます。プレスリリースで2027年までに今後プロダクトを20以上に拡大されていくというところを拝見しまして、すごい拡大のスピードだなと思ったんですけど、今後はここからどんなふうに領域拡大されていくのかなというあたり教えてください。
ありがとうございます。私たちは短期中期と長期でそれぞれ別の戦略を描いていて、まず短中期で言うとXP&A戦略というふうに言ってます。これはFP&Aって最近盛り上がっているファイナンシャルプランニング&アナリシスのFの部分をXでいろんなパターンがあるよっていうふうに変えているワードなんですけど、
要するに私たちログラスが他のSaaSと明確に違うことって何だろうというふうに捉えると、やっぱり会社の過去を扱っているSaaSがほとんどなんですよね、世の中。なんですけど、ログラスは記録をするシステムの用途はそこまで強くなくて、未来の計画を人間が頭で描いたものを描画していくっていうそういうソリューションなんですよね。
なので、未来の計画、あらゆる領域の計画をサポートしていくソリューションを作る。具体的には、例えば製造業ならサプライチェーンがあるので、工場で何ロット生産してそれをどの営業本部で売るのかみたいなものを計画するようなサプライチェーンプランニングだったりとか、あとはスタートアップの世界でも分かりやすい話で言うとマーケティングの計画をどのチャンネルにどれぐらい出して実績がどうだったのかをちゃんとモニタリングしていくとか、こういうソリューションをどんどん思いつくだけ作っていく。
次は長期の話で、長期で言うとAI ERP戦略っていうふうに言ってるんですけど、ERPってエンタープライズリソースプランニングって呼ばれる、世界で言うとSAPとかがやってる領域ですけど、やはり生成AIが出てきて、ここのユーザ体験とか業務のあり方っていうのがどんどんと変わっていくタイミングかなと思ってまして、我々がまるごとERPを全部やるっていうことは多分ないんですけれども、今回我々OBCさん、環状分業やってるOBCさんとも提携していただいて、
彼らが持っている強みを活かしながら、そこで打ち漏らしているような業務フローをAIで解決していきながら、我々としても本当の意味でリソースプランニングができる、未来の計画を立てながら実績も管理できるような、そんなプラットフォームを作っていく。
そのために、今すでに開発着手しているものもありますけれども、割とERPに近い領域もやっていくっていうことかな。
ERPのほんとにすぐ周辺というか、ERPのちょっと苦手なところをサポートしていくようなプロダクト群を狙っていくという感じでしょうかね。
そうですね。ただもちろんERP本丸がやっているような領域も、必要に応じてはもちろんやっていかなきゃいけないと思っているので、そういう大きいマーケットにおいてAIの利活用、クラウドの利活用を本当にトッププレイヤーとしてやっていく。
これって多分日本で本気でやれる会社ってログラスぐらいしかないかなと思っていて、エンタープライズでちゃんとバックオフィスの機関システムであり、そこに本当に大きいマーケットに特攻できるスタートアップって多分今うち以外ないんで、
そういう意味での7条件の調達っていうのもその期待の表れなのかなというふうに思っています。
なるほど。本当に大きいマーケットを狙っていかれているんだなということがよくわかりました。ありがとうございます。
一つだけ資金調達もすごく特徴的といいますか、珍しい資金調達されているので一つだけお伺いしたいなと思っているんですけど、今回セコイアヘリテージさん、MITさんなど海外投資家、今回から入られているということなんですけど、
キャピタリスト的には国内の投資家と海外の投資家って、どんなところが見ているポイントとか目線って違いますかっていうのをお伺いしたいなと思っています。
はい、ありがとうございます。そうですね、結構面白かったポイントで言うと、日本の投資家の方々は、サースで言うと今の絵を見るケースがすごく多くて、
つまり今あるがいくらですね、それに対するマルチプルがこれぐらいなら許容できますねって議論がすごく多いんですけど、
冷静に考えると、すごい良いとかで成長しているスタートアップって短期間ずつずれたらめちゃめちゃ数字がもちろん変わりますし、
そのプロセスが進んでいったタイミングで、どのタイミングで借金するかとかもわからない中で言うと、結構海外の投資家はFYプラス1で見てくるケースが多くて、
そのFYプラス1のマルチプルに対して、割安割高だねみたいな話をされる投資家さんが結構多かったなという印象を持っています。
なのでログラスに関しても、今のARRというよりかはFYプラス1のARRに対してのマルチプルがこれぐらいなのでフェアバリューですみたいなことを常にコミュニケーションしていたと思いますし、
海外は結構それがそうだよねっていう感じだったなという印象ですね。
すごい耳が痛い話だなと思って聞いておりました。ありがとうございます。
そこはでもやっぱり皆さんの目線の違いももちろんあると思いますし、もちろん今のARRで見た方が投資家的には保守的にリターンが出せるっていうことなので、
そこは別に全然悪いことではもちろんないと思ってますが、結構海外投資家にその話をする、今のARRで見られてますみたいなことを言うと、
いやそれはでもこの爆速成長フェーズだと意味ないよねっていうことはやっぱりおっしゃる方は言っていらっしゃったなって印象ですね。
いやそうですよね。ちょっと未来を評価できる投資家になりたいなと思いました。ありがとうございます。
最後私から一つお伺いしたいのは採用だったり組織についても伺いたいと思います。
このタイミングでシリーズBしかも70億調達されて、本当に人材の採用とかも加速されるタイミングかなと思っております。
率直に今ローグラスさんはどんなカルチャーで、今ローグラスに入るとどんな成長機会があるのかというところをお伺いできますでしょうか。
ありがとうございます。カルチャーとしてはやっぱりこう私たちのバリューの一つにバッドイーゴを目の前の現実を厳しく見て将来の勝利を確信しようというバリューがあるんですけど、
70億調達したから浮かれてるとか、なんかちょっとフェーズ変わって嬉しいみたいな人ってあんまりいないのかなと思っていて、
いい意味でも悪い意味でももう昔から変わらず長期の目線でみんな働いてくれてるし、僕もそういう文化を浸透させようというふうにしています。
なので結構そのビジネスとして本当にお客様に価値のある事業とかサービスを質実合計に届けていこうっていうところが文化としてはあるかなというところと、
あとはですねやっぱり私がずっと言っているのはやっぱり短期でログラスで結果を出すことが全てだと思ってない。
つまりその人の人生、社員とかメンバーの人生にとってこのログラスの3年間5年間が本当に黄金に輝く1ページ、本で言うと、
になっている状態を作ろうというコンセプトで経営をしているので、採用は引き続き結構厳しい目線で見続けさせてもらってますし、