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始まりました、志賀十五の壺。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
今回のトークテーマは、手話ということでね、やっていこうと思います。
手話はね、僕自身は全然、挨拶ぐらいしかわかんないですし、
手話が母語だっていうね、友達とかもまあいないんですよね。
ですけど、手話自体には非常に関心があるというか、面白いなあと思うことはよくあります。
そもそもですね、手話も言語の一つなんだ、立派な言語なんだということをまず言っておきますね。
これがね、なかなか理解されないというか、誤解されやすいところなんですよね。
手話は単なるジェスチャーだとかね、そういうふうに言われがちなんですが、
手話もきちんとしたデッキとした言語であるということをちょっと強調しておきますね。
というのもですね、脳科学の研究によるとですけど、僕はこの辺全然わかんないんですけど、
脳科学的には日本手話を使っているときに、動いている脳の部分っていうのが言語やが動いているらしいんですよね。
ジェスチャーをするときとは違うところらしいんですよ、それが。
なので日本手話をするときも、やはり言語と同じ脳の部分が働いているということからも、
やはり手話も言語の一つだということをね、強調しておこうと思います。
と言いつつですね、この手話っていう言葉自体もね、ちょっといろいろあるんですよね。
手話って言っても、少なくとも日本では2種類あって、
今言っている日本手話っていうのと、日本語対応手話っていうのがあるんですね。
今言った、言語と同じところで脳が動いているとか、劣気とした日本語だって言っているのは日本手話の話です。
これはね、日本語と全く違う構造を持っていて、文法もちゃんと持っているんですよ、日本語と違う。
これが日本手話なんですが、それに対して日本語対応手話というのは、
これはね、話されているというか音声言語ですね。
音声言語の日本語を一語一語手話に置き換えているものを日本語対応手話って言うんですね。
なので日本語対応手話の方は、厳密に言うと言語ではないということになるかもしれませんね。
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その日本語を音声で発せられているものを文字で書くのと同じように手話に移し取っているということなので、
それはまた言語とは違うかなって感じですね、日本語対応手話の方は。
今回お話しするのは日本手話というものです。
この日本手話というのは先ほど申し上げました通り、音声言語である日本語とは全く違う言語学的特徴を有しています。
実はね、手話の話は過去に一回やってるんですよね。
そちらもぜひ聞いてほしいんですが、そこで話したのはね、そちら聞いていただければいいんですけど、
音声言語とは異なる手話の特徴という話を多分したと思うんですよ。
ちょっと聞き返してないんであやふやなんですけど、確かね、戦場性の話とかをしたと思うんですよね。
普通、言語の特徴として戦場性というのがよく挙げられるんですよ。
これは、その音声というものの特性上、順番に発音していかないといけないんですよね。
例えば、ちょっと物騒な例ですけど、男が女を殴るというのを一言で言うことはできなくて、
男が女を殴ると、これを同時に、男とがと女とをと殴るというのを同時に言うことはできませんよね。
順番に口から出ていくしかないと。
これは当たり前ですけど、手話はその戦場性というのを無視することができるということですね。
音は時間軸上に並んで出るというか、時間的な制約から逃れることはできないんですけど、
手話の場合は、今の男が女を殴るという物騒な例で言うと、
右手で親指を立てて、左手で小指を立てて、それをぶつければ、男が女を殴るという文になるんですね。
これはある意味で戦場性を無視しているということになるんですよ。
この戦場性の話と、他にも手話が音声言語と比べてどういう特徴があるかというのを話しているはずなんで、
そちらも併せてぜひ聞いてみてください。
今日は日本手話の話をやっているということですね。
で、先ほどこの日本手話というのは音声言語の日本語と全く関係ないと言いましたが、
これが面白いのはね、日本手話っていうのは韓国手話と台湾手話とは関係があるんですよね。
これはね、どうやら植民地であった時代に広がったようなんですよ、日本から。
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なので、日本手話、韓国手話、台湾手話を併せて日本手話語族ということもあるみたいですね。
これも面白いですよね。
これは音声言語の語族と手話の語族っていうのは全く違うってことですよね。
日本語っていうのは、音声言語の方の日本語っていうのはどの語族に属すかっていうのはよくわかってなくて、
韓国朝鮮語と似てる部分もあるけど、果たしてそこに系統関係があるかどうかは立証されてないんですが、
手話言語の方ははっきりと系統関係があると言えるんですね。
歴史が浅いっていうのもありますけどね。
世界にどのくらい手話があるかというと、140ほどの手話があると言われています。
音声言語の方が7000ぐらいですからね、それと比べると140弱は少ないですね。
そしてそういった手話の記述もなかなか難しいところはありますよね。
おそらくね、ビデオを使わないと手話はうまく記述できないと思いますね。
っていうのが三次元的に手が動いたり、顔の表情とかも使って文法的な意味を付け加えたりするんですよね、手話って。
そういった意味で手話言語の記述研究の歴史っていうのは技術的な問題もあって浅いとこはあると思いますね。
特にね、音声言語だったら文字で書いて残すってことも地域によってはあるわけですよね。日本語も当然そうですけど。
そういうところがね、手話言語はないので歴史を遡りづらいですよね。
一方で手話が生まれる瞬間っていうのをね、目撃してるっていうそういう研究もあるんですよね。
でそれがね、ニカラグア手話っていうもので検索していただけたらちょっと出ると思うんですよね。
ちょっと時間の関係上全部お話することはできないと思うんですけど。
時期でいうと1980年頃でニカラグアに老舎の人のための職業訓練学校ができたらしいんですよね。
そこに老舎の若い人たちが集まって、そこでお互いの意思疎通を図るために自然発生的に手話が生まれたんですよね。
でこれのね、面白いのがね、その最初の状態は自然発生的で、その場的というか、なんだ、その場しのぎ的な手話だったみたいなんですけど、
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時代をどんどんどんどん減るごとに手話がどんどん複雑化していく様子が記録されてるんですよね。
でだんだんその意思疎通ができるにしたがって共通性ができてきたり、文法体系も整ってきたりっていうのがね、記録されてるんですよ。
これはね面白いですよ。言語ができるっていうことの記録ですからね。
こういうふうにお互い通じないような場で言語ができることというか、そういった状況でできた言語のことをピジン言語って言ったりするんですよね。
でそれが世代を超えて受け継がれて、そのピジン言語が母語となった場合、それはクレオール言語ということがあります。
なのでこのニカラグア手話は言語の誕生の記録っていうことで非常に興味深いところですね。
というわけで今回のトークは手話についてのトークでした。
ぜひこのニカラグア手話の話は興味のある方調べてみてください。
それでは最後まで聞いていただいてありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。ごきげんよう。