1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #214 言語の家族ってなーに?..
2020-11-14 11:00

#214 言語の家族ってなーに?(語族のはなし前編) from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
さて、今回のトークテーマは、語族。
言語の家族と書いて語族ですね。
これをテーマに話していこうと思います。
そもそも語族とは何なのかというとですね、
一応、ウィキペディアを読んでおくと、語族とは比較言語学上同一の起源、祖後から派生発達したと認められる同系統の言語の集まりということなんですね。
だから、一つの共通の祖先から、枝分かれしていったっていうのを血縁になぞられて、語族と呼んでるっていうことですね。
いろんな語族があるんですよね。同じ系統関係にある言語のグループ、語族っていうのがいろんなところであって、一番有名なのはインドヨーロッパ語族でしょうね。
これは、英語とかフランス語、スペイン、ポルトガル語、イタリア語、ロシア語とかね、ありとあらゆるヨーロッパ系の言語がインドヨーロッパ語族に含まれます。
インドっていうぐらいだから地理的にももっと東の方も含まれてるんですよね。ペルシャ語とかヒンディウルドゥ語とか、古くはサンスクリットとかね、この辺の言語も一つの祖先、この場合はインドヨーロッパ祖語と言われるものですけど、
その共通の祖先、祖語から枝分かれして、いろいろそれぞれ各々変化を経て、今のような分布というか言語の状況になっているということなんですね。
だからもし皆さんが英語に加えてフランス語とかあるいはスペイン語とか何でもいいんですけど、そういう同じインドヨーロッパ語族の言語を勉強したときに、なんか似てるなって思ったことあるんじゃないかと思いますね。
その似ている原因っていうのは共通の祖先から枝分かれしていったから、つまり同じインドヨーロッパ語族だからということなんですね。
で、最も有名なのがこのインドヨーロッパ語族でしょう。
ただ語族は他にもいっぱいあって、次に有名なのは、有名っていうのもあれだけど、オーストロネシア語族とかが割とメジャーかなと思いますね。
オーストロっていうのは南っていう意味で、ネシアっていうのが島っていう意味なので、南の島語族っていうことなんですよね。
これは台湾先住民の言語から始まり、そこで話されていた言語が散らばっていったっていうふうに考えられているんですよね。
例えばインドネシア語とかフィリピン語もそうだし、もっと東の方に行くとハワイ語とかサモア語とか、
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一番端っこはイスター島といわれるモアイのいるところですね。ラパヌイ語っていうのが一番端っこで、あるいはニュージーランドのマオリ語っていうのもオーストロネシア語族なんですよね。
一番西に行くとなんとマラガスカルで話されているマラガシ語っていうのがあるんですけど、これもオーストロネシア語族なんですよ。あんなアフリカに近いのにね。
なのでこのオーストロネシア語族っていうのは島が点々としているんですが、しかも広大な地域で話されているんですが、一つの語族、オーストロネシア語族と考えられているんですね。
他にもあるんですよね。ヨーロッパの中だとウラル語族っていうのがありますね。これはフィンランド語とか、あとハンガリー語が含まれますね。
逆に言うとヨーロッパの中でフィンランド語とハンガリー語っていうのは全く異質ということになりますね。インドヨーロッパ語族に含まれないので。
他にも山ほどあるんですが、名前だけ言うとくとアフロアジア語族とかニジエルコンゴ語族、ナイルサハラ語族、あと有名なのがシナチベット語族とかタイカダイとかオーストラアジアとかですかね。
この辺がメジャーというか、何をもってメジャーかっていうのもあれですけど、きちんと研究のされているっていうかね、そういった語族になります。
では、この語族っていうのはどういうふうに立証されているかっていうことなんですよね。
これはね、言語が似てるからというだけで語族とは認められません。
例えば、英語はアルファベット、ラテンアルファベットを使いますよね。
一方、フィリピンで話されているフィリピン語というかタガログ語もラテンアルファベットを用いて書きますが、これは当然文字が同じなだけで、言語が同じとはなりませんよね。
これは日本語に置き換えても同じですね。
日本語は中国と同じ漢字を使っているからといって、同じ語族とは当然考えられません。
文字と言語は全く違うものなので、そこは別語にして考える必要があると。
あと言語が似てるっていうのは、釈用っていうのも考えられるんですよね。
これも日本語で考えればわかるんですけど、日本語にはいっぱいカタカナで書くような外来語っていうものがあって、
特に英語から多いですよね。それが時々問題として取り上げられたりもするんですけど、
だからといって、日本語と英語は系像関係にある。
日本語もインドヨーロッパ語族の一員だとはなりませんよね。
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これは釈用って言って借りてきてるからということですね。
借りてきてるというか借りて返さないから、借りパクと言った方が正しいんですけど。
あるいは日本語の漢語っていうのは、あるいは中国語から入ってきてるものなので、
それは釈用であって同じ語族とはなりません。
だから釈用はまた別語に考えなきゃいけないんですよね。
そういう問題を、文字の問題とか釈用の問題とかを排除した上で語族というのを考えなきゃいけないと。
冒頭ちょろっと言った語族を認める上で、比較言語学上とかいうふうに言ったんですよね。
比較言語学。これは言語を比べるってことなんですが、ただ比べるっていうだけじゃなくて、
比べた上で共通の祖先を導き出す。
つまり祖後っていうのを、こういうのを再考するとかいう言い方をするんですけど、
そういう目的のために比べることを比較言語学と言うんですよね。
だから比較言語学って歴史言語学と言い換えてもいい場合もあります。
この比較言語学って何をしているかっていうのが大事なんですけど、
一言で言うと、すごい簡単に言うと、
2つの言語、あるいはそれ以上でもいいですけど、2つの言語が同語族であるということを言うには、
規則的な音対応があればいいということになります。
これは比較方法って言って、比較言語学で一番重要な手法なんですよね。
この規則的な音対応っていうのが非常に大事なとこなんですよね。
例えばね、わかりやすいのは、英語とドイツ語とかかなと思いますね。
英語とドイツ語って同じインドヨーロッパ語族の中にあるんですけど、
そのインドヨーロッパ語族の中でもさらに近しい関係なんですね。
ゲルマンゴハとか言ったりするんですが、具体的に例を見たほうがわかりやすいかなと思いますね。
例えば、英語のつづりだとTHで書くようなサっていう音があるんですよね。
あるんですよね、てかありますよね。
サンキュのサンクのTHみたいな音ですね。
で、こういった英語のTHの音っていうのは、
ドイツ語だとDで書くようなダっていう音に対応するんですよ。
例えば、今言ったサンクだと、ドイツ語だとダンケンのダっていうのに対応すると。
で、他の単語でも一緒で、サンっていう3っていうものも、
ドイツ語、ご存知の方もいらっしゃると思いますけど、ドレイって言って、これもやっぱDで対応するんですよね。
っていう風に、英語のサっていう音が、ドイツ語のダっていう音に規則的に対応しているということなんですよね。
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他にもこういう音対応はいろいろあって、逆に英語のダっていうDで書くような音は、
ドイツ語だとTにあたるんですね。タっていう音に対応しています。これも規則的に対応しているんですね。
例えば娘のドータのDは、ドイツ語だとトフタで、これもTに対応していて、こういうリストがガーッといっぱいあるんですよね。
こういう英語とドイツ語の対応を発見したのがなんと、グリム兄弟なんですよね。
これグリム童話のグリムですけど、童話作家ではないんですよね。彼らは言語学者だったんですね。
このドイツ語と英語の対応みたいな、このゲルマン語派の中の規則的な音対応をグリム兄弟が発表してから、
比較言語学が始まったと言っても過言ではないんですよね。
これは共通の祖語があって、そこからドイツ語と英語に枝分かれした時に、ドイツ語ではこういう変化が起こって、
英語では逆に起こらなかったり、別の変化が起こったりしたということなんですよね。
こういうのが発見されると、同じ語俗であるということが言えるんですよね。
これが比較言語学という学問がやっていることです。
さて、今まで僕はですね、日本語の話をあんましてこなかったんですよね。
日本語はどういった語俗に入るんだろう? これはね、わかんないんですよ。
これはいろんな仮説がありますけど、まだ定説と言えるものはありません。
なので、これは今後のお楽しみって感じですね。 というわけで、最後まで聞いていただいてありがとうございました。
また次回お会いいたしましょう。ではごきげんよう。
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