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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
今回のトークは前回の続きもんで、トークテーマは語族っていうことでね、やっていこうと思います。
もし前回のトークをまだ聞いてないって方がいらっしゃいましたら、そちら聞いてからの方がひょっとするといいかもしれません。
もともと前編後編で分けて話すつもりはなかったんですけど、前回のトークを収録し終えて、いろいろ言い足りないこともあるし、
なんかね、スケールを感じない話になっちゃったなと思ったんですよね。なんかちまちまちまちました話になっちゃったかなって感じがして、後編も収録しようと思い至った次第でございます。
前回どういう話をしたかというと、語族っていうのは何なのかっていうことですね。
語族っていうのは、共通の祖先から枝分かれしていった言語のグループのことを言うと、つまり系統関係にある言語の集まりを語族と呼ぶということですね。
いろいろ語族はあるけど、やっぱり一番有名どころはインドヨーロッパ語族で、その時に例に挙げたのは、英語とドイツ語を例に挙げて、
系統関係があるっていうことはどうやって示すことができるか、どういうふうに証明することができるかと、そういったお話をしたんですよね。
グリムの法則だとかグリム兄弟とか、そういった話が出てきたんですよね。
そういう話をしてってですね、言ってることは、間違ったことは別に言ってないんですけど、ある意味で既に立証されてる成果を言ってるだけですから、
もうちょっとロマンを感じることを言おうかなっていうことで後編を収録してるってことですね。
それと、前回のトークの時にこれもまた言い忘れたことなんですけど、語族についての話は過去にやってるんですね、実はね。
インドヨーロッパ語族の話とオーストロネシア語族の話を過去にしております。
もしそちらまた興味がある方いらっしゃいましたら聞いていただけたらと思います。
それと、濃厚と言語拡散、言語がどうやって広がっていったかっていうのが非常に関わり合いがあるっていう話も過去にしてるんですよね。
こちらは非常にスケールの大きな話というか、ロマンを感じる話になってるので、今言った3つの過去のトークのリンクは貼っておこうと思うので、
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これ聞き終わった後で興味のある方、ぜひ聞いていただけたらと思います。
ということで、前回は一応そういうつもりはなかったけど、結果的に全編ということになったんですが、
全編の最後で、日本語っていうのはどういう語族になるかまだ分からないという終わり方をしたんですよね。
日本語が系統関係があると言える言語っていうのは琉球諸語だけですね。
琉球、つまり沖縄で話されている言語は、最近の研究だともう方言とは言わないと思いますね。
日本語と琉球諸語を合わせて日本語族と呼ぶことはあります。
この日本語族が他の言語と関係があるかっていうのはね、これ前回も言ったんですが、まだ分かっておりません。
で、最もありそうな仮説は、アルタイ諸語とは関係があるっていうのが一番ありそうなのかなと思いますね。
これはアルタイ語族と言われることもあるんですけど、やっぱり語族っていうのはもうしっかり定説になったものしか使えないんだと思うんですよね。
インドヨーロッパ語族とかオーストロネシア語族とかっていうふうにね。
なのでアルタイ語族とはちょっと言えないんじゃないかと思います。
どうですかね、アルタイっていう言葉自体皆さん聞いたことはございますかね。
これは中央アジアのアルタイ山脈っていうのがあって、そこから取ってるらしいですね。
このアルタイ諸語っていうのはどういうのが含まれるかというと、チュルク語族、モンゴル語族、ツングース語族。
この3つを含めたのがアルタイ諸語という言い方になっています。
ちょっと1個ずつ言っていくと、モンゴル語族はモンゴル語が入ってんだなというのがなんとなく分かりますよね。
チュルク語族っていうのは一番有名なのはトルコ語でしょうね。
トルコ語とかウズベク語とかですかね、がチュルク語族に入ります。
ツングース語族っていうのは、これはどう言ったらいいかな。
ロシアというか中国北東部で話されている、これは少数民族の言語ということになっているんですね。
満州語とかかな、あとはエウェンキとかが有名かなと思いますね。
あんまり馴染みがないかなって感じですね。
このチュルク、モンゴル、ツングース、3つを合わせてアルタイ諸語と言われることがあります。
ただ、この3つはそれぞれ語族を成しているんですけど、それらが全て3つ合わさってアルタイ語族になるかというと、まだちょっと厳しいかなということですね。
なんでこの3つが一括りにされることが多いかというと、いろんな特徴を有しているからなんですね。
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共通して有しているからなんですよ。
一つは、これはちょっと分かりづらいですけど、母音調和っていうのがあるんですよね。
モンゴル語、トルコ語なんかはそういう母音調和っていうのがあって、母音がだいたい2つだと思うんですけど、いくつかのグループに分かれて、
その1つの単語の中では1つのグループの母音にしか現れないみたいなルールなんですよ。
ちょっと分かりづらいかな。また母音調和の話もできたりしようと思うんですが、母音調和を持っていると。
実はフィンランド語とかも持っているんですけど、それを置いておいて。
あとは動詞で終わるとかですね。SOV語順っていう特徴があると。
あとは交着語ということですね。
交着語っていうのは何かっていうと、小さな要素をペタペタペタペタくっつけて作るような言語なんですね。
食べさせられなかったみたいな日本語も交着語なんですよね。
こういった特徴を共通して有しているってことでアルタイ諸語とか言われたりするんですよね。
日本語も母音調和ってちょっと意識しづらいですけど、昔の日本語にはあったっていう主張もあるので。
なのでこの母音調和を持っていたり、交着語であったり、語順もSOVですよね。
っていう語順だったりということで、日本語もアルタイ諸語に含まれることがあります。
あとは韓国朝鮮語もですね。
なので日本語はこのトルコ語とかモンゴル語とかツングス諸語とか、あるいは韓国朝鮮語と関係があるという主張がかなりありそうかなっていう感じはするんですけど、
まだ語俗とは言えないんですよね。
というのが前回お話しした比較言語学の手法があんまり通用してないからなんですよね。
つまり規則的な音対応っていう話を前回したんですけど、それがちょっと通用しないので語俗とはちょっと言えないんだと思うんですよね。
ただいろんな特徴から考えると、そういうアルタイ系の言語と関係があったんじゃないのかと考える人もいます。
これはある意味で北の方の言語なんですよね。
逆にオーストロネシアって言って南の方の言語と日本語は関係があるんじゃないかと考える人もいます。
特に沖縄とか九州の方は台湾とかと近いですからね。
なのでそういう意味で日本語はオーストロネシア語俗なんだって考える人もいますね。
あるいはハイブリッド型って考える人もいるんですね。
こういう人は文法はさっき言ったアルタイ系の言語から受け継いでいて、
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単語というか語彙の方はオーストロネシア語俗と言って南の方から入ってきたものを使っているという、
この北と南のハイブリッドの結果日本語ができたっていう人もいるんですよね。
僕自身の意見はよくわかりません。
ちょっと何とも言えないなーって感じなんですね。
ただ営業の中とんでもないことを言う人がいたりするんですよ。
日本語とラテン語が系統関係にあるみたいな、そういう本が出てたりするんですよね。
よく本にまでなったなと思うんですけどよく出版まで行ったなって感じですよね。
そういうとんでもないものに比べるとアルタイ系とかオーストロネシア語俗とかがまだ信憑性はあるかもしれませんけど、
ちょっと何とも言えないかなという感じですね。
というわけで今回のトークは日本語はどこに関係があるのかよくわかってないけどありそうな2つの仮説というか3つかな、それをお話ししました。
つまり北系と南系とそのハイブリッドということですね。
あとまた言っておかなきゃいけないのは語俗というのと民俗というのは全く関係ないです。
一致することもよくありますけど、民俗と言語って切り離して考えなきゃいけないんですよね。
そこも強調しておきたいと思います。
というわけで前回今回と続いて語俗というもののお話をいたしました。
かなりスケールの大きい話ですよね。
言葉っていろんな面がありますけどこういう面もあるということを知っていただけたらと思います。
というわけで最後まで聞いていただいてどうもありがとうございました。
ではまた次回お会いしましょう。
ごきげんよう。