1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #111 言語としての手話の特徴..
2020-06-15 11:51

#111 言語としての手話の特徴って? from Radiotalk

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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀です。
さて、今回は手話っていうテーマでお話ししていきたいと思います。
というのもですね、またこれもお便りをいただいたので、それに対する回答というか、そういう形でやっていきたいと思います。
ではお便り読み上げたいと思います。ラジオネームくないさんから。 以前くないの質問したものです。もうそれがラジオネームになっちゃいましたみたいなね。
このくないってのをイケるくないとかね、そういうくないですけど、 またそちらのトーク聞いたことない方、いらっしゃったらぜひこれ聞き終わった後でいいんで聞いてみてください。
くないさんからですね。ちなみに私も北海道弁ネイティブスピーカーなので、先日のサルラサルは興味深かったです。
このサルラサル北海道方言の話も最近やってるんで、そちらも聞いてない方はぜひ聞いてくださいというか、
結構あれですね、北海道方言の話者の方が聞いてくださってますね。割合としてすごい高いと思いますね。
私は使わない派ですが。使わないんかい?みたいな感じですけど、ここから本題ですね。
ところでシガさんのトークではよく、手話言語は別としてという発言がありますよね。
私は数年前から少しずつ手話の勉強をしています。私自身勉強を始めるまでは音声日本語とは文法が違うということも知らなかったのですが、
シガさんがちょくちょく手話言語は別としてと言ってくださることで、手話は言語なのだと認知されていくといいなと思っています。
私は特に手話言語話者の文化や生活に興味があっていろいろ調べたりしているのですが、
言語学的見地から手話言語のここが面白いとシガさんが感じていることなどあればお話を聞いてみたいです。
ちなみに私の好きな手話言語にまつわるエピソードはニカラグア手話の成り立ちです。
はい、ということでくないさん、くないさんかな。お便りありがとうございます。
むしろこのニカラグア手話の成り立ちの方が気になっちゃうという感じですけど、僕もちょっと調べてみたら聞いたことある話でしたね。
それがニカラグア手話だったんだということをちょっと確かめられました。また機会があったらもしかしたら後日それについてお話しするかもしれません。
くないさんが言ってくださるようにですね、僕はよく手話言語は別としてとかそういう発言はするんですよ。
ちょっと半分無意識みたいなところはあるかもしれません。これよく聞いてくださってますね。ありがとうございますね。
というのがよくどういう文脈で言うかというと、言語は音声だみたいな話をするときによく手話言語は違いますけどとかそういうお話はします。
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そうなんですよ。ここで言ってくださっているようにですね、手話言語も自然言語の一つだというね、そういう認識を少しでも広めたいというか、知っていただきたいというのがあります。
手話って言うとパントマイムみたいなもんだとか、あるいは日本語をはじめとするですね、そういう音声言語を写し取っただけのものとかね、
なんていうかな、認識っていうかがもしかしたらあるかもしれないので、手話はもう劣跡とした言語です。
僕自身はですね、手話っていうのは全く専門外というか勉強したことがございませんでして、
ありがとうとかおはようとかそういうのは知ってるっていうだけで、全然その手話を本格的に勉強したことはないです。
ですが、手話言語が音声言語と比べてどういうところが面白いかっていうことをしゃべると言われたらしゃべれます。あります、これは。
ちょっとね、結構スケールのデカいっていうか、哲学的っていうかね、そういう方面にちょっと行っちゃうんですけど、哲学ってわけでもないかな、結構スケールのデカいお話になると思います。
まずですね、手話言語が音声言語と比べて面白いところはですね、写像性が高いっていうところですかね。
写像性ってなんだっていうと、英語でアイコニシティとか言ったりするんですけど、
言語の定義の一つというか特徴の一つとして、詩意性っていうのがあるんですよ。
また難しいなって感じですけど、詩意性ってことは要するにですね、言語っていうのは形と意味のワンセットみたいな、コインの裏表みたいに、それで一つのものなんですよね。
だから、表す内容がない記号っていうのもないし、記号がない意味っていうのもないっていうことで、
何言ってるかよくわからないかもしれないんですけど、要するに何か表すものと表されるもの、これでワンセットだっていうね。
これは言語学というより記号学っていう学問で言われたりします。
例えば犬っていう単語については言えば、音声言語の場合は犬っていう音ですよね。
犬っていう、これが何か表すもので、表される側はあの動物を指してるっていうかね。
なので必ず形と意味っていうのがワンセットになってます。
音声言語の場合は形っていうのは音声に当たります。文字で書いたらそれは文字に当たるかもしれません。
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恣意性ってどういうことかっていうと、犬っていうのとあの動物の間に必然的な関係がないっていうことですね。
あれを犬って呼ばなきゃいけない義理はないんですよ。
そこに自然的な関係はない。それが恣意的であるというふうに言います。
考えてみれば当然ですよね。
もしあの動物を犬って呼ぶっていうそこに自然的な関係があるんだったら、他の言語でもあれを犬と呼んでるはずなんですけど、
そこに必然的な関係がないからこそ言語は多様であると言い換えることもできます。
その恣意性と対応なすというか反対語に当たるのが社造性というものです。
音声言語でも社造性というのは観察されるんですよ。
簡単に言えば擬態語、擬音語とかですね。オノマトペとか言われるものですけど、犬がワンワンとか猫がニャーとか、
そういうのも一応音声言語というか言語の一部として考えられるんですけど、あれは恣意的というよりはかなり自然的な結びつきがあるので、
その音とその音が表すものの間にかなり密接な関係があります。
それでも各言語で動物の鳴き声って皆さんご存知のように違いますから、
やっぱり全く自然的というわけではない、つまり全く社造性が高いというわけでもないんですけど、
普通の単語と比べれば擬音語、擬態語等はかなり社造的であるということができます。
手話言語はこの社造性がかなり高い、かなり社造的である言語ということができます。
つまり見たら何を表しているかがわかるパターンが多いということですね。
ただこれも程度の問題で、全部が全部そうなっているわけではないんですよね。
当然手話言語の単語の中にもかなり恣意性が高いものも多いです。
けど音声言語と比べれば見て何を表しているかがわかりやすいということですね。
なのでこれは一つ手話言語の特徴であるということができると思います。
ちょっと難しい話になっちゃいましたけど、まずそれが一つですね。
もう一つは手話言語の特徴の一つ、面白いと思うところは非線上的である、線上的ではないというところですね。
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また何か難しいこと言っているよこいつって感じですけど、
音声言語の場合は何でもいいですけど、例えば男っていう時に男っていうのを同時に発音することはできないですよね。
順番にその後トゥっていうのが出て、また母音のオーが出てきて、クッっていうのが出てきて、最後また母音のオーっていうのが出てきて、
順番に男とこういう風に時間軸上に沿って発音するしかないんですよ。
当たり前といえば当たり前ですよね。
なのでこれは一つ言語の制約であるとも言われています。
その音声っていう特性上というかその性質上、時間軸上に沿ってしか表現することができないんですが、
手話言語の場合はかなりこの線上性を無視できて、つまり同時に表すことができるということですね。
例えば男が女を殴るってちょっと物騒な例ですけど、これは右手の親指を左手の小指にぶつけるっていう動作で表すことができるそうです。
これは音声言語だったら男が女を殴るっていう風に順番に単語を男が女を殴るっていう風に言わなきゃいけないんですけど、
手話言語だったらこれを一瞬でバンと線上性に並べることなく、同時に表すことができます。
これも手話言語の特徴の一つだと思いますね。
はい、ということでお答えになっているでしょうかね。
まとめるとですね、手話言語っていうのはその特徴の一つとして、車増性が高いというか車増的である。
つまり表すものと表されるものがかなり密接に関わっているということ。
もう一つは非線上的である、同時的であるって言ってもいいかもしれません。
という点でかなり音声言語とは違った性質を見せます。
かなり大まかな話になってしまいましたが、手話を言語と見るとこういう特徴があって面白いです。
はい、というわけで今後もお便りまだまだ募集してますのでよろしくお願いします。
では今回はここまでということで、よろしかったら番組クリップお願いします。
ではまたお会いしましょう。ごきげんよう。
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