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日本語には、「似たもの夫婦」という言葉がありますよね。
まあ、これってどういうふうに解釈するのがいいですかね。
夫婦になる前、結婚する前からお互い似ていて、
ということは、自分に似たものを好きになって、結果として夫婦になったということなのか、
あるいは、夫婦となってからずっとお互い一緒にいるので、だんだん性格とか思考とか、そういったことが似てくるということなのか。
まあ、どちらの意味もあるかなと思う志賀十五です。
今日も志賀十五の壺をやっていこうと思います。
今回のトークはですね、言語っていうのもお互い近い関係というか、この近い関係というのは地理的に近いとだんだん似てくるというお話ですね。
言語が似ているっていうのは、いろんな要因があって、
一つは、同じ祖先から発展してきたから似てるということですね。これは系統的に似ているということです。
つまりこれは、兄弟姉妹が似てるとか、親戚が似てるとか、そういったレベルの話ですよね。
面白いのはね、言語って女性に例えられることが多いんですよね。
例えばね、姉妹言語とか言ったりするんですよね。英語だとシスターラングエッジって言って、
例えばフランス語とイタリア語とかね、こういった言語はシスターラングエッジとか言われたりするし、
あるいはインドヨーロッパ祖語と言って、ヨーロッパの言語の大元となった祖先の言語に対して、
英語とかドイツ語とかっていうのは、娘言語、ドーターラングエッジとか言ったりします。
なかなか面白いですよね。母語っていうのもマザータングとか言ったりするから、言語ってやっぱ女性に例えられるんだなと思います。
今言った、例えばイタリア語とフランス語が似てるとか、英語とドイツ語が似てるとかというのは、系統が同じだからだということなんですね。
これは先ほども言ったように、兄弟が似ているのと同じように、血縁関係というか、系統関係が同じだから似てるということです。
この話はこの話で面白いんですが、今日お話しする言語の類似性は、似たもの夫婦タイプということです。
つまり地理的に近いから似てるということなんですね。
こういう地理的にまとまっていて、同じような言語特徴を持っている言語のグループのことを言語連合というふうに言います。
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ほいで、この言語連合の話になった時によく出てくるのは、バルカン言語連合というものですね。
バルカン半島ってありますよね。ヨーロッパの火薬湖とか言われたとこですけど。
世界史においてもかなり、特に第一次世界大戦とかね、あの辺の時期だと重要な地域なんですが、言語学的に見てもなかなか面白い地域であります。
このバルカン半島で話されている言語は、一応ね、インドヨーロッパ語族なんですけど、その階分類が微妙に違うんですよね。
具体的に言うと、アルバニア語とかギリシャ語、ルーマニア語、ブルガリア語、セルビア語、クロアジア語とかね、あとマケドニア語とかかな。
今言った言語は全部インドヨーロッパ語族の言語ですが、その中でも違う階グループに属する言語です。
こういうふうにグループの異なる言語がこのバルカン半島に集まっているんですが、共通の特徴を持ってたりするんですね。
その共通の特徴っていうのは地域的な特徴と考えられていて、つまりこれは言語連合を形成していて、
長い間同じ地域にあった言語なので、だんだん共通した特徴を持ち始めたということなんですね。
具体的に言うと、漢詩を名詞の後にくっつけるような言語なんですよね。
日本語で漢詩っていうと冠っていう字を使っているから、どうしても頭に持ってきそうなもんですけど、必ずしもそうではないんですね。
このバルカン半島の言語は高知漢詩といって名詞の後に漢詩を出します。
これは地域的な特徴で、つまりバルカン言語連合の特徴、共通した特徴です。
あとは日本語で言うところの誰々のののと、誰々にとかどこどこにとかのに、
こののとにっていうのが同じ形で表されるっていう特徴があったりします。
他にもいくらかあるんですけど、これは地域的な特徴なんですね。
系統的な特徴ではなく、長い間一緒にいるから同じような特徴を持つようになったということです。
このバルカン言語連合以外だと、インドア大陸も割とそういった例で挙げられるかなと思いますね。
インドア大陸の言語は、インドヨーロッパ語族の言語もあるし、また別の語族のドラビタ語族っていうものもあって、
言語の数は非常に多いんですよね。
系統的に異なる言語がこのインドア大陸に集まっているんですが、
こういったインドア大陸の言語の地域的な特徴として、まずは語順が動詞で終わるっていうのがあるんですね。
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主語目的語動詞っていう日本語と同じ語順です。
これはヨーロッパの言語がSVOとかあるいは動詞から始まったりするっていうのが多いのとかなり対照的なんですよね。
あとは音声的にもソリジタ音っていうのを非常に多く使うのもこのインドア大陸の特徴なんですね。
ソリジタ音っていうのはあんま馴染みが日本語母語話者にはないですけど、
下の裏側を上あごにくっつけて出すような音で、
ラーとかラーとかこういった音になります。
こういった言語音を持っているっていうのもまたインドア大陸の特徴なんですよね。
あとは中国から東南アジア大陸部に見られる言語学的な特徴としては、
成長を使うっていうのがあったりするんですよね。
これもやっぱり言語の系統が同じだから成長を持っているというよりは、
その中国大陸から東南アジアにかけての言語の地理的な共通した特徴であると言われてたりするんですよね。
というわけで今までの話をまとめると、言語っていうのは似ているということがよくあります。
その原因として一つ考えられるのは、系統が同じだからということですね。
これは兄弟姉妹が似ているというのと同じように、同じ祖先から発展していったからだということですね。
一方今日のメインとなったのは、長らく同じとこで話されているからだんだん似てきたという似たもの夫婦タイプの言語の類似性もあるということでした。
具体的な例としてはバルカン半島とかインドア大陸とか、中国大陸から東南アジアにかけての言語ということですね。
じゃあ日本語はどうなんだということがちょっと疑問に思う方がいらっしゃるかもしれないんですが、これはなかなか難しいですね。
まず日本語は系統的に孤立していると考えられていて、現時点では。
つまり共通の祖先を持つような言語っていうのがまだわかってないんですよね。
ただ、ある対処語として一つにまとめられることはあります。
このある対処語に含まれる言語は日本語と韓国朝鮮語、あとはツングース語族、モンゴル語族、トルコ語などのチュルク語族が含まれます。
こういうラシア大陸を横断するような言語の塊ですね。
こういったある対処語に共通した特徴はあったりするんですけど、それが地理的な原因によるものなのか、系統によるものなのかをまだよくわかってません。
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詳しくは関連トークも聞いていただけたらと思います。
というわけで今回はここまでということで、また次回お会いしましょう。ごきげんよう。