00:01
始まりました、志賀十五の壺。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
これ聞いていらっしゃる方で、中国語を勉強したことがある、あるいは勉強してる、話せるっていう方、いらっしゃいますかね。
多分いらっしゃると思うんですけど、大学で勉強する機会があったりとか、あるいはお仕事の関係でやってるとか、
あるいは完全に趣味で、中国の歴史とかが好きでやってる方とか、いろんな方がいらっしゃると思うんですけど、
英語と中国語って似てるって時々言われるんですよね。
例えば、英語で I love you っていうところを、中国語だと 我愛你 と言うんですよね。
これ全く語順が一緒なんですよね。
私、愛する、あなた、っていう、こういう語順になっていると。
今日のトークはですね、言語が似てるっていうのはどういうことか、っていうお話をしようと思います。
言語が似てるっていろんな理由があるんですよね。
例えば、英語とドイツ語っていうのも非常に似てるんですよね。
これが似てるっていうのは、系統関係によって説明できるんですね。
つまり、共通の祖先から、枝分かれして、発展していった、発達していった言語だから、英語とドイツ語は似てると、こういうことなんですね。
これはインドヨーロッパ語族っていう一つの言語のグループがあって、こういった言語は確かに似てるんですよね。
その似てるっていうのは、共通の祖先に遡れるから似てるということです。
このインドヨーロッパ語族の話は過去のトークでやっているので、リンクを貼っておこうと思います。
他にもですね、地理的に近いから似てるっていうね、そういう場合もあるんですよね。
これ有名なのは、インドア大陸の言語っていろんな言語があるんですよ。
そういった言語が共通して持っている特徴として、ソリジタ音っていうのがあるんですよね。
ソリジタ音っていうのはその名の通りですね。舌をちょっと反って、ラとかっていう、ラとかラみたいな音なんですけど、
こういった音を持っているっていうのは、これ系統関係ではないんですよね。
系統関係は全くバラバラでも、同じインドア大陸の言語は地理的に近いからっていう理由で、そういった特徴を持っているということなんですね。
他にも理由はありますよね。釈養っていうのがありますから、もっと平たく言うと日本語の漢語ですよね。
03:00
漢語っていうのは中国から輸入してきた、釈養してきた言葉なので、そこだけ見ると確かに似てるんですけど、これは系統とか全く関係ないんですよね。
中国語と日本語は同じ共通の祖先から枝分かれした言語というわけではありません。
話は英語と中国語に戻りまして、このI love you と 我愛你が似てるっていうのは、まずこちらもですね、系統関係は全く関係ありません。
共通の祖先の言語から英語が発展して中国語が発展してというわけではないんですね。
当然地理的に近いからっていう理由でもありませんね。
じゃあこの英語と中国語が似てるっていうのは何なのかというと、これは類型論的に似てるとか構造的に似てるとか、そういう言われ方をするものです。
どういうことかっていうことですよね。
めちゃくちゃわかりやすく言うと語順が似てると、それだけのことなんですけど、
I love you, 我愛你っていうのは主語、私、愛する、動詞、あなた、目的語、こういう語順になっていると。
アルファベットで言うとSVO語順とこういうことになります。
一方日本語の場合は、私はあなたを愛するなので、SOV語順とこういうことになるんですね。
それで言語学の一分野に言語類型論というのがあって、その研究だと、この語順によって言語をタイプ分けするっていう研究があるんですよね。
今申し上げました通り、英語と中国語はSVO型となります。
日本語はSOV型となるんですが、実は世界の言語を見回したときに、
半分ぐらいの言語はSOV型、日本語タイプだと言われています。
その次に多いのがSVO型、英語とか中国語みたいなタイプと言われています。
これ面白いのはですね、主語と動詞と目的語、SVOの順番ということなので、3の階状で、全部で6パターンあるということなんですけど、
ほとんどの言語は日本語みたいなSOVか、中国語、英語みたいなSVOであると言われています。
その次に見られるのはVSOとかVOSみたいな、動詞から始まるっていうのは多少見られると。
めっちゃくちゃ少ないのは目的語から始まるOVSとかOSV、そういった語順の言語は非常にレアであると、こういうことなんですよね。
面白いですよね。6等分きれいになるわけではないんですね。
06:00
和舎っていう点で言うと確かに英語と中国語は多いんですけど、実は語順で言うとSOV型が一番マジョリティ、日本語みたいなタイプが一番観察されます。
なので、この語順が同じという点で英語と中国語は似てるんですが、さらに面白いのは、この動詞と目的語の順番が決まると、他の要素の順番もある程度予想できるっていうことなんですよね。
つまり、日本語みたいなOV型の言語と英語、中国語みたいなVO型の言語、この2つのパターンがあって、それぞれ他の語順も想定できるっていうことなんですけど、例えば、日本語みたいなOV型の言語だと、高知詞っていうのをよく使う傾向にあります。
日本語だと、がとか、をとか、にとか、でとか、こういったものですね。
これはいろんな言語に当てはまるんですよね。
韓国、朝鮮語、トルコ語、モンゴル語とかいった言語もOV型で高知詞をよく使うと。
他方、英語みたいなVO型だと全知詞っていうのをよく使う傾向にあるんですよね。
inとかatとかtoとか、こういったものですね。
なので、ちょうどこのOV型言語とVO型言語で鏡写しみたいになってるんですよね。
他にもですね、例えば関係説、つまり私が買った本みたいなものだと、VO型じゃないや、OV型言語だと日本語みたいな、私が買った本、で私が買ったっていうのが本っていうのを修飾しているので、
関係説、名詞っていうこういう順番なんですよね。
英語はこれと逆になるんですよね。
英語というかVO型言語ですね。
a book that I boughtとかですよね。
ただ、この一般化は中国語には当てはまらないんですよね。
中国語って英語と同じVO型ですけど、関係説は日本語と同じ順番なんですよ。
なので、これ全部が全部当てはまるわけじゃないんですけど、傾向としてあるということです。
他にもいろいろあるんですよね。
OV型言語は、動詞、助動詞の順番。
例えば食べ始めるとかですかね。
なのに対し、VO型の言語は助動詞、動詞の順番。
キャンとかそういうのですかね。
他にもいろいろあるんですけど、なかなか面白いですよね。
動詞と目的語の順番と、他の前置詞だとか、助動詞、動詞とか、関係説とかっていうのが連動してるっていうね、そういうことなんですよね。
09:06
なので結論として、英語と中国語が似てるっていうのは、系統関係があるとか地理的に近いとかそういうわけではなくて、
構造が似てるっていうね、こういうのを言語類型論で研究されていることということなんですね。
なのでこれどういうことかっていうと、逆に言うと、OV型、日本語みたいな目的語、動詞みたいな語順の言語だと、前置詞はあんまり使われないっていうことなんですよね。
あるかもしれないけど、非常にレアであるということですね。
話はちょっとそれますけど、僕は趣味で人工言語を作っているので、こういうのは結構気にしてやったんですよね。
僕の作っている言語は、OV型目的語、動詞っていうこの日本語タイプなので、日本語と同じような特徴を持ってます。
例えば構置詞を使ったり、あとは関係説も関係説、名詞っていう順番だしっていうふうに、こういうのを割と気にしてやったんですよね。
これで前置詞を入れたりとか、関係説が後ろから修飾とかやると、いかにも作りましたっていう言語になるっていうか、
現実の言語とは何かチグハグになっちゃうような気がして、こういうのを気にして言語を作ったりしています。
でも逆に言うと、人工言語だからこそそういうチグハグなことができるとも言えるんですよね。
OV型の言語だけど、前置詞いっぱい使ってもいいと言えばいいんですけど、
それは作ってる人の好みというか、センスというところですね。
というわけで話はそれましたけど、今回のトークは言語が似てるってどういうことなんだっていうのを英語と中国語を中心にお話しいたしました。
というわけで今回はここまでということで、よろしかったら番組フォローお願いいたします。
ではお聞きいただいてありがとうございました。
ではまた次回。ごきげんよう。