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はい、ということで始まりましたおしゃれの呪いトークラジオ、本日で396回目の配信でございます。
この番組では、あなたに巻きつくファッションへの思い込み、イコールおしゃれの呪いをバサバサと解いていきます。
服装心理学をベースに、おしゃれをもっと楽しみ、自分を変えるコツをお届けしています。
お相手はパーソナルスタイリストで公認心理師の久野梨太です。本日もよろしくお願いいたします。
さあ今週1回目の配信ということで、今日はツイッターでも話題になっていた、週刊東洋経済の記事についてお話ししていこうかなと思っています。
この記事どういうタイトルかというと、フランスで1月から売れ残り品の廃棄が禁止に、世界初の衣類廃棄禁止令がアパレルに迫る変革ということで、
アパレル業界の業界ニュースというわけじゃなくて、どちらか一般の方向けに書かれた記事なんですよね。
業界の内部にも触れつつ、洋服を買う側に大きく影響してくる話なので、そのあたりの話が書いてあったということで、
ツイッターなんかではこれに触れてびっくりされている方が多かったんですけども、
このニュースのインパクトって、そもそもアパレル業界の中で、洋服をどういうふうに作って余ったらどうしてるのかっていうのって、実は知らない人も多いと思うんですよ、正確にはね。
それがわかると、よりこのニュースのインパクトがわかるかなと思うので、そのあたりのお話をね。
あとはこういう流れがね、今後消費者にはどういう影響が考えられるのかっていうのをね、ちょっと具体的にお話ししていこうと思うんですけど、
まずこのニュースなんですが、2022年1月、今年の今月からですよ。
今月からファッションの発信地であるフランスから、衣類の廃棄を禁止する規制がスタートしたということなんですね。
これは、売れ残った新品の衣類をメーカーが焼却したりとか、埋め立てとかによって廃棄することを禁止するという規制が始まったということなんですよね。
これによって、アパレル業界の構造が揺るぎかねないんじゃないかという話です。
記事の後半では、日本国内はということで、現状日本ではそういう規制ができるという動きはまだ見られてはいないんですけども、
フランスというファッションの先進国がそういう方向に舵を切ったということもあるし、SDGsとかも非常に叫ばれていますので、
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そういうこともあるので、今後はフランス以外の国もメギン狙いになる可能性はあるよねというふうに触れながら、
アダストリアという日本国内でのアパレルメーカーがありますけれども、ローリーズファームとかアパートバイローリーズとか、
結構人気のブランドを輩出している会社ですけれども、ここでは実は去年の2月から会社の規定として在庫の焼却処分を行わないようにしているんですよという話が後半では触れられていました。
このお話をしたときに、余ったの焼いてるんだ、余った服焼却、埋め立てしてるの?というふうに初めて聞いてびっくりされた方もいらっしゃると思うんですね。
そういえば売れ残った服って最終的にどうなるのか考えたこともなかったという方も多いと思うんですけどね。
私はもともとパーソナルスタイリストになる前にオンワード柏山とリーバイスというところで商品企画の方をやっておりまして、
商品の在庫、最終的な在庫をどうするかみたいなことも考える立場でいましたので、
こういう最終的に売れ残ったのをどうするかというのはずっと悩まされ続けたメーカー勤務時代だったわけですけれども、
実際に本当の本当にいろいろ手を尽くしますよ。
まずはセールをやって、アウトレットがあればアウトレットに持っていって、最終的にファミリーセールもやって、
それでもどうしても残っちゃうものっていうのはやっぱりゼロにはできないわけですよね。
それがどうするかというとやっぱり最終的には焼却処分とか埋め立てしかないわけですよ。
単純に捨ててしまうわけですね。ゴミとして。
この記事をツイッターで拡散する際に、もっと寄付すればいいのにっていう声もちらほら見かけたんですけども、寄付は随分してます。
もうだいぶ前からしてるんですが、もはや断られてる状態ですね、途上国からも。
もういらないよと、そんなに送ってくれても困るよということで。
洋服の寄付っていうのは非常に難しい問題ですね。
これ災害の時にもよく言われてると思うんですけど、中古あげるなんてもってのほかですよね。
なんでかというと新品でいくらでも寄付が来るからです。
寄付が余ってるわけですよね。
新品ですらやっぱり、万人が着やすい服とそうじゃない服ってあるわけで、
受け取る側も好みもあるし、生活環境によって着やすいもの着づらいものあるわけですよね。
何でもかんでも受け取られるわけじゃないよということで、サイズの問題もありますしね。
なんで寄付するったってやっぱり限りがあるわけですよ。
そして最終的には焼却、燃やすか埋めるしかないということになってるわけです。
そもそもそう考えると、やっぱりこの現代の洋服が需要に対して供給しすぎという構造がやっぱりあるわけですよね。
作りすぎ。
これどういうことかというと、どんどんどんどん人口、少子化になっていってますよね。
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なんで一番洋服をね、特価非会楽しんでくれる若い層というのが減っているので、
昔と同じように作ってもやっぱりどうしても売れ残ってしまうわけです。
なんですが特に日本、ちょっと海外わかりませんけどね。
こと日本国内でいうと、やっぱり前年との売上対比主義っていうのがどうしてもあるので、
売上を伸ばそうと思ったら作る量は減らせないわけですよ。
もう玉がなくなったら売れないわけですから。
減らせないので、その辺で何とかして売り捌けっていうことでどんどんどんどん作ってしまうというところで、
大量に余ってしまうという構造があるわけですね。
なので売上市場主義だとこの廃棄問題っていうのはなくならないわけですよ。
じゃあどうするかっていうと、特に私が勤めてたリーバイスの方はかなりこの在庫っていうことに対して厳しい会社で、
私自身の職種もそのデマンドフォーキャスティングっていう需要を予測してニーズを予測してそれに合った生産数にする。
極力そのロス廃棄をなくして、そして利益を最大化するっていう社長直轄の部署に勤めていまして、
私がそういう立場にいまして、リーバイスのレディース全商品の需要予測とその生産数コントロールをやっていたんですけれども、
この時に利益を最大化するには売上は減っても仕方ないっていう考えがないと難しいんですよ。
売上が減ってもその廃棄する分、ロスを減らすことで利益を上げるっていう考えをしていかないと、なかなか廃棄は減っていかないんですよね。
これがやっぱり会社によって、いやいや利益じゃなくてまず売上だと、売上を見えてしまうという会社だとこういう判断ができない。
そうするとやっぱり廃棄は減らないんじゃないかなっていうふうに思うんですよね。
でもやっぱり廃棄は良くないよねという今流れになっていますので、今後どうなっていくか、ちょっと消費者としても気になりますよね。
これやっぱり消費化になっていきますので、これまで通り枚数洋服が売れないわけですよね。
それでも会社としてやっていかなきゃいけない、社員にお給料を出していかなきゃいけないとなるとどうなるかというと、
やっぱり最終的には洋服1枚の単価、値段を上げていく。
ちゃんと適正な、必要な分だけ作って売れば済むというふうにするには、1万あたりの価格を少し上げていかないと会社が成り立たないということになるわけですよ。
そうなると簡単に消費者、今度消費者の目線で言うとね、簡単に洋服捨てるのもったいない。
燃やすなんて地球にも良くないから優しくないから、やっぱり必要な分だけ作っていくようにしようよって簡単に言いたくなりますが、
そうなると、それをやろうとすると洋服の値段が上がるという形で消費者に跳ね返ってくるわけです。
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それも仕方ないと飲み込めるかどうかですよ。
ここを飲み込んでいかないと、この廃棄問題というのはやっぱり改善していかないと思います。
やっぱり今のどんどんどんどん消費化ですし、
あとは全然日本においては特に景気が上がっていない、給料が全然上がっていないということで、
どんどん洋服の値段は本当に下がっていってます。
そうするとどうなるかというと、値段が下がってしまうことでもたくさん生産をして剥離した場合にやっていかなきゃいけない。
だから生産数を抑えられないという背景もあるわけですよね。
なのでそのあたりを考えてもやっぱり廃棄を減らさなければいけないのであれば値段を上げたらはいない。
だから消費者としてそれを飲み込むんだったら値段が上がるのも仕方ないよねってうなずくしかないということなんですよね。
っていう話をすると消費者目線からは困るよと、
いやいや安くていいものを買いたいよっていう声結構上がると思うんですけど、
やっぱり私ここでブーイングを出すのであればね、
私も洋服も買う側ですからブーイング、そういうことを言いたくなる気持ちもすごくわかるんですけど、
やっぱりここで考えなきゃいけないのは、洋服の値段が上がっちゃうと困るよっていう声を上げるんじゃなくて、
やっぱりお給料が上がってないのおかしいよっていうべきなんだなと思うんですよね。
やっぱりお給料が上がっていかないから高い服が買えない。
だから高い服は売れないから安い服をたくさん売ってそれで何とか稼いでいかなきゃいけないっていうね、
この悪循環になっているんだと思うので、やっぱり経済政策としてお給料を上げていかなきゃいけないんだろうなと思うんですよね。
お給料が上がれば高い服も買える。高い服を買うようになったらメーカーも売ろうから、
メーカーにいる社員さんのお給料も上がるっていうこの循環にしていかなきゃいけない。
だから物価が上がることが怖いんじゃなくて、それに伴ってやっぱり稼げないのが怖いんだと思うので、
そうなると、そんな洋服の値段が上がるんだったら廃棄禁止するのやめようよっていう方向じゃなくて、やっぱり廃棄は良くない。
服の廃棄は良くない。やめましょう。だから服の価格もちゃんと適正価格に上げましょう。
それに伴って、やっぱりちゃんと給料が上がる経済政策にしてほしいっていう方向にやっぱり声を上げるべきなんだなっていうふうに思いますね。
これはなかなか個人の力では難しいんですけどね。
やっぱり政治参加をして、何とかそういう方向に働きかけていくしかないんじゃないかなというふうに思います。
そう考えていくと、やっぱり政治とファッションっていうのは全然別世界の話ではないので、
オシャレ好きな人も私も含めて考えていかなきゃいけない問題なんじゃないかなというふうに思います。
皆さんは洋服の価格についてどう考えていますか?
ぜひそんなお声もマシュマロから聞かせていただけると嬉しいです。
それではまた次回の配信でお会いしましょう。
おやすみなさい。