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どうもガルです。
ミサでーす。
今回は、江ノ島大輔先生による連載作品【人造人間100】が、週刊少年ジャンプ2023年第45号において、全36話で最終回となりました。
そうですね。
コミックス5巻分、全5巻が発売予定とのことです。
という形で、その【人造人間100】に関してツイートするにもかれまして、僕とミサさんで【人造人間100】のあらすじを振り返りながら、印象的だったエピソードを3つずつそれぞれ上げていって、この作品のどこが良かったかというのを紹介していきたいなと思います。
はーい、パチパチパチパチパチパチパチパチ。
という形で【人造人間100】、まず基本的な説明としましては、こちら2021年46号に週刊少年ジャンプの近未来杯連載を獲得することを目的とした読切りの企画に出品されまして、そちらで第1位を受賞した作品となってきました。
そうですね。
そこから約1年ちょっとの間を空けまして、2023年第1号から連載開始という形になっておりました。
あらすじとしましては、ちょっと昔のような地球に似た世界において、人造人間という人間に作り出されたフランケンシュタインのような生物が100人いまして、それぞれ自分に優れた人間のパーツを移植することによって、未だ見ぬ理想の人間になろうというそういう思いでいろんな人を殺したりとか酷いことをしていました。
という形で、ヤオケという大変優れた肉体を持った一族のアシビ君家族がみんな人造人間に殺されてしまって、大変心に傷を抱えた上で、その家族を殺した人造人間それらを全て駆逐するために、他の人造人間全てを殺した人造人間に自分の体を与えるという契約をしました。
それを受けたのが最強の人造人間、人造人間103でした。
こうして2人の旅が始まりましたというようなお話でした。
そうですね。
といった形で、この人造人間を殺したいアシビ君と、その人造人間そのものであるけれど、アシビ君の肉体欲しさに仲間である人造人間を飼っていく103という2人の信頼関係が成立するようなしないようなというハラハラ感が大変スリリングで印象的な作品となっていました。
第2話: 第2話で、水中での活動が得意な人造人間によって投げ物が行われるシーンが印象的。
こちら、まずその2人の旅が描かれる序盤部分、その中から僕の選んだ印象的な1話というのが第2話でした。
おー、第2話早いっすね。
第2話でした。第1話はある種設定説明に終始するようなところがありまして、まあまあこういう話だよなというある種読み切りが先にあったというのもあって、第1話に関してはまあちょっと説明感で読んでしまったんですが、そこから第2話。
第2話になってくると、こちら、あれですね、水中に引きずり込む水中性の人造人間というのが相手でした。
そうですね、肺が強い人造人間でしたね。
まあそうですね、優れた肉体で水中での活動が得意という、それにさらわれたアシビ君、103に助けを求めるためにポケットに入っていたメモ帳と万年筆を水中のかなり深いところから船上にいる103の手元にピンポイントですごい勢いで投げつけます。
大谷総編を超えましたね、アシビ君。
水中からですからね、ザバー、シュワンっていって、それを103がパシンと受け取るという、あのシーン当時はなんじゃこりゃと思いましたが、後々の展開を見てみれば、もうアシビ君の肉体にはそれくらいのポテンシャルがあってもおかしくなかったですね。
そうですね。
実際我々もあった時にね、やっぱりアシビ君のヤオケの肉体すげえみたいな話したい気がしますけど。
そうですね、人造人間が欲しくなる優れた肉体というのはこういうものなんだなという、そういうのが伝わってくる感じの、ある種この作品のアクションというものの性質が垣間見えた一瞬だったかなというのと、
まあ真面目な観点から言えば、やはりこの時に敵来した水中生息の人造人間さんというのを通して、人造人間が理想の人間というものに囚われる本質、それが作られて、生まれてきて、目が覚めて、博士から違う、また違った、お前ではなかったというふうに失望されるという、
そのトラウマが全ての人造人間の根幹にあるので、その人造人間たちはそのトラウマから逃れるために理想の人間を追い求め優れた人間を殺し続けているという、その背景が語られることによって何か人造人間も悲しい存在として描かれるという、やっぱりその基本設定最後まで通じてかなり好きなところではあったので、それが最初に印象的に語られた第二話というのを選んでみました。
はいはいはいそうですね。確かにそこがね、人造人間の悲しみに対する最初にわかるところでしたからね。
第5話: 第5話では、103の本性が明らかにされ、人造人間との断絶を描いたシーンが印象的。
そうですね。という感じなので、まあまあ大変期待の高まってくる、そして盛り上がってくる第二話を経まして、で、あしびくんの旅が続きまして、その次にみっさんが選んだ印象的な一話というのが第5話となっていました。
そうですね。第5話で、まあ監視カメラにね、普段あしびくんのところでは結構ニコニコしてる103が監視カメラ越しに見たりすると、自分がいないところではね、もうなんか顔が見えないくらいな感じのカット、黒塗りのカットがあって、自分にとって価値のない人間の前では少しも人間らしさを纏わない、みたいなナレーションがかかるという形でね。
はいはいはい。
あそこがすごい印象的だった回ですね。
いや、なので、本当にこの103という存在、見た目にはすごく相そのいというか世話焼きのお姉さんという感じで、あしびくんとのやりとりもとても公平ましいですし、見た目も可愛い魅力的な女性として描かれているけれど、その本質は本当に自分のことしか考えていない、自分の得になることしか考えていない人造人間であるという、そこのハラハラ感がずっと第1話から続いてはいたんですが、そこで初めてその103の本質というのが目に見える形で描かれましたからね。
そうなんだよね。やっぱりそこはすごい怖さがあったし、その後に餌食ってるクマのカットがあるっていうのはわかりやすかったしね。
やっぱ人造人間って本質的に怖い存在なんだっていうのを改めて植え付けられるような回だったんでね。結構衝撃でしたね。
そうですね、本当に言葉の通じない猛獣に近いものがあるんだということで、それまで読者的にも説明の範囲では103はそういう危うい存在である、あしびくんに対しても愛情のようなものは持っていない、あくまで自分の利益のためだけを考えて行動しているんだというのは、言葉で説明で設定でいろいろと語られてはいたんですが、
でもそうは言ってもあしびくんに対して何かの感情を持ってないからみたいなことをずっと何か思っている感じがあったんですが、僕も読んでて思ってたんですが、そこでそうじゃないんですよ、違うんですよっていうふうに突きつけてくる展開はとても印象的でしたね。
本当そうですね。それまでけえ肉を使って格好したりとかね、ギャグもやったのに103っていうね。
いやいや、もうあれも素晴らしい起点と能力ですから。
まあ起点でしたね。
というわけでね、本当ここですごい引き締まった感じがあるんで、僕はすごい印象に残りましたね。
まあそうですね、それも大変印象的な1話でした。
という形で、まあまあそういった103の本性を見極める等を経て、あしびくん、対人造人間組織、人造人間の被害者によって形成された対人造人間組織の元政府というものに加入して、ミッションを受けて人造人間を討伐する旅に出ました。
第10話: 最終選考任務である第10話では、あしびくんが人造人間との断絶を突きつけられ、少年漫画としての成長が描かれました。
最初に向かった先、その任務で最初に向かった先というのが、歌姫ロキシーさんというのの元にいる人造人間を倒せというもので、そちらの展開の中からミッションを選んだ1話というのが第10話となりました。
そうですね、まあロキシー編の最後の話数でしたけれどもね。
まあ元々僕は本当ロキシーさん編はすごい好きなんですよ。
はいはい、印象的でしたね。
そうそう、この漫画のエピソードの中で一番好きなエピソードかもしれないっていうくらい好きなんですけどもね。
ほんとそれはやっぱりそのあしびくんと対になってる。同じくやっぱ人造人間と一緒にこうペアを組んでいるロキシーさんっていうところ。
向こうの方に関してはね、ある種の人造人間と仲良くなってるというかね、実の姉妹のようにこう接しているっていうところ。
それはある種あしびくんの対になってるとも言えるし、もしかしたらあしびくんもこういうことになるのかなっていう予想もあったみたいなね。
ある種の依存関係っていうところもありましたし、その辺の対比がすごい経緯でしたし、それらを受けた上で、でもロキシーさんは人造人間に刺されて死んじゃうんだよねっていう展開。
やっぱりそのあしびくんの肉体が魅力的だからってことでロキシーさんを刺して、あしびくんの肉体を得るための生涯でヒャクサンを倒すためにロキシーさんを殺してでもっていうところの展開が行われて、すごい衝撃的なシーンがありましたね。
それらを受けた上で、最終的にあしびくんがこの第10話でね、その人造人間っていうのは本当にかわいそうだとは思ってはいけないんだと思うっていうことを最後ロキシーさんに言うっていうところ。
ここがやっぱすごい印象に残ったんですよね。
この人と人造人間って断絶したもんなんだって、関係性は描けないんだっていうことを改めてあしびくんに突きつける、読者にも突きつけてくるっていうところだったし、
それを受けたほんとあしびくんがね、まだ思うっていう言葉で表現してて、まだ完全には決心できていないけれどもそうなんだっていうふうにして成長の片鱗を見せるっていうところ。
ここは少年漫画としてね、少年の成長を描く少年漫画としてもめちゃくちゃ良かったと思うし。
だから全体的に通して本当にすごい完成度が高いエピソードだったんですよね、ロキシー編って感じでしたね。
本当に結構これもやっぱり読者的にスリリングだったところで、ロキシーさんという人間の女性と人造人間の間に何らかの絆があるのかないのかっていうのがわからない感じで描かれていましたが、
本当に最終的にロキシーさんは人造人間のために自ら身を投げ打つくらいの覚悟があったけれど、人造人間はあっさりと眉一つ動かさず、ロキシーさんからあしびくんに乗り換えるという形です。
ロキシーさんを捨て去ってしまうという、本当に非常差が描かれるシーンではありましたからね。
そうですね。最初に僕が挙げた5話もそうですけどね、僕は本当にこの人と人造人間は違うんだっていう対比が何度も何度も描かれるのが、この漫画すごい好きなところだったんですよねっていう。
そうなんですよね。
一貫したしねっていう。
そうなんですよね。本当にそこがテーマとしてずっとあったので、それに関して本当に103の正体を描いた後、最初に向かった任務で人造人間と人間の絆みたいなものが成立するのかどうかというのを問いかけるようなエピソード。
それがあっさりと否定されるという形で、本当に何か読者が望んだものを出してくれない感じも含めて、とても印象的な回ではありましたね。
そうですね。
そういった任務を経まして正式に元政府の一員となった足尾くんでしたが、元政府の戦い方、強さの秘密みたいなものを教えてもらえず、ある種試験的な意味で次の任務に向かいました。
お城にいる目が優れた人造人間のところに向かいまして、そこもやはり人間が囲われていたりとか、あとはそのお城にいた人造人間、なんと八王家の肉体を移植されたうちの一人でとんでもない再生能力があってやばいっていう感じだったんですが、
まあ足尾くんの覚悟、自分を犠牲にするような覚悟を持って連携プレイでなんとか相手を倒すことができましたというような展開の中、一応僕が2つ目に挙げたのがこの八王家の肉体を移植された人造人間倒されてしまった33の倒れる回第15話となっておりました。
ほう、いいところに来ましたね。
ここは確かにドラマとして特に足尾くんのドラマとして考えるとちょっとサイドエピソードとなってしまうところではあるんですが、この33というのが人間の長所を見抜く目を持っていて、それゆえに街中の子児の中から特に優れた肉体を持つ人を集めてきて、すごく献身的に世話をして優しく接してあげて、その子児が心身ともに健康になったら命を奪って肉体を自分に移植するというようなことをしていた。
最終回までの感情描写
その彼が殺される間際になっても自分に感謝をしていた。自分のことを好きでいてくれたというその人間に出会って、あの気持ちがわからなかった。あの気持ちがわかったらもっと違う道があったのか。あの気持ちがわかったら今もみんなのいる家に私は帰っていたのだろうかということに思いを馳せるという亡くなり方をしたんですよね。
これはまあその瞬間でもちょっと切ないなという感じはあったんですが、実はこの最終回まで読んで改めてこの人造人間100という作品全体の構図を見てみると、より一層あの時の33の気持ちが伝わってくるというか、ある種最終回の103の気持ちとも重なるところがあるように感じられて、ちょっと今回読み返してグッと引いたのであげてみました。
そうですね。やっぱりその、ある種本当に103についで人間に近づいた存在だったね、33さんは。
あの子たちの気持ちがわかっていれば、私の家にはまだ明かりがついていたんだろうかというその33の気持ちというのが、その時は大部分想像で補うしかないところがありましたが、本当に最終回の103の心の動きとかを見てみると、本当に人の心というものに惹かれて憧れて欲しいと思っていたけれど得られなかったっていう、そのなんか全体が見えてきて、本当に連載最後まで読んで改めて振り返るととてもいいエピソードでした。
そうですね。
といったミッションを経まして、その後もアシビ君、モノト政府で能力を獲得して仲間を増やしてどんどん戦いを続けていきまして、最終的には人造人間のその移植手術を一定になっている、彼を殺せば人造人間が人を襲わなくなると言われている人造人間13との対決に挑みます。
アシビ君と103が同じ目的に向かって心の底から協力することによって見事に99さんを倒してという展開の中のミスさんの選んだのが第34話となっていました。
いやーもうこの漫画を読んで一番印象に残ったし一番興奮した回ですよ、34話っていう。もうアシビ君、99さんを倒して2人で心を通わせて、ついに99さんを倒して、氷付けにされた103のところにアシビ君が炎をまとったものを抱きついて炎を消して相手の氷を溶かして、まさにそんな倒れたアシビ君を103が抱きかかえる。
その上で103が出した言葉が何の感情も湧かないなぁですよっていう。
そうですね、アシビ君がその戦いによって肉体の不老長寿というその特性を失ったということに気づいた瞬間に103から笑みが消えますからね。
そうなんだよね。おーいっていうね。本当にここまでやってあそこまですごい心を通わせるような演出までしておいて、やっぱり違うんだ断絶があるんだっていうところに関しては一番に挙げたのも二番に挙げたのもそうだけど、
俺は本当にその断絶をここまでやるかっていうところってものすごいびっくりしたし感心した回なんだよねっていう。
いやーやられたと思いましたね。
先に言ってしまうと僕が3つ目に挙げたのはこの次の話、最終話を選んではいるんですが、ある種34,5,6話とこの3話続けてのエピソードでの感情の揺らし方がとても良かったですからね。
いや間違いないっすね。本当に34,5,6話に関しては俺も正直3つこれでもいいんじゃないかっていう。
僕も最後の方にまとめてしまうかとちょっと思ったんですが、それは最終話に傑作して語ろうというふうに思ってしましたが、本当にここの繋がり、
そこのところでの100さんがアシビクに対して結局感情を持ち合わせていなかった、何の感情も最後まで持っていなかったということがはっきりと明かされるシーンっていうのはすごく心が冷たくなるところでしたし、
残念な気持ちになりましたし、怖いとも思いましたし、かわいそうと思いましたし、とてもこの作品の絡んでいたスリリングなところというか、
危ういところをはっきりと終わらせるというか、はっきりと否定的な形で終わらせる、決着をつける感じの展開でとても響きましたね、あれは。
いやそうだね、あと本当に100さんの表情がめちゃくちゃ良かったよねっていう。
本当に興味なさそうというかね、肉体なくなっちゃったんだーって質問した顔してるからねっていう。
だから本当に江ノ島先生は、ああいったところを見せる画力というかね、本当に1枚絵、アシビクンと100さんが合体したというかね、合体された時のアシビクンの燃えてるカットとかもすごい良かったし、
ああいう印象的な1枚ってめちゃめちゃ上手いんだよねって思いましたからね。
そうですね、という形でもう最終話の話まで含んでしまいますが、後で振り返ると実は人造人間100さんがあの時に何の感情も湧かないなーって言ってすごく冷たい表情をしているのは、
実は人造人間としての素の表情が出ているというのはそういえばそうなんですが、
あの時の100さんの気持ち、後に説明されたところでは、100さんはアシビクンに対して愛情を持つことを自分自身望んでたし期待してたんですよね。
そうだね。
で、それなのにアシビクンが死にかけボロボロの肉体になってるのを見て、何の気持ちも湧かない自分に失望してるんですよ、あのシーンは。
うん。
がっかりしてる。
すごいよね、だから。すごいよね、だから2つの意味というかね、いろんな意味があそこでね、入ってるんだよねっていう。
アシビクンと103の絆
なのであそこは本当にアシビクンに対して失望というか、もうこいつどうでもいいやみたいな、そういうことかと思いきや、
実はそれがひっくり返って、あの瞬間に自分は望むものを手に入れられないんだなーっていうふうに、
まあ、何でしょうね、自虐でもないですが、その諦めの悲しさが滲んでるシーンだというのが後でわかってうわーってなるんですよ、あそこは。
やっぱり本当にすごいよね、その34,5,6の感情の売り置き方というかさ、あらゆることが納得していくどんどんっていう。
そうなんだ、そうなんだってわかっていくのって本当にいい読書体験だったよねっていう。
本当ですね、なので連載読んでる途中は本当に103とアシビクンの間に絆が生まれたらいいな、103の中に人間らしい感情が生まれたらいいなみたいな、
そういう期待で読んでいましたが、その浅さを嘲笑うかのように、103は人の心を得られないけれど、人の心が欲しいなという方向になっていくんですよね。
結局それが得られないまま別の存在として、結局13を殺すという行動によって、自分の中にリタの心を見出そうとするという形で、
もうこれは最終話の第36話の語りに入っていますが、結局このお話、連載作品というのは本当に究極のリタである自分自身のすべてを犠牲にして、
もう敵を全員倒したら自分の体を103にあげる、自分の命を捨てるという宣言をして戦うという、その後の幸福をすべて金繰り捨てて戦っているという究極のリタ的存在であるアシビクンと、
もう仲間であろうと何であろうと、すべて自分のためだったらためらいなく殺すという究極のリコ的な存在である103のリタとリコの根源は違うのに行動が一致するというところの、その面白さとあやうさを描いた作品だったわけですよ。
そこで103が最終的に自分が目指すもの、自分がなりたかったものになるにはそのリタの心を持つしかない、アシビクンのためにと思える自分になるしかないと思いつつ結局無理だった。
でもアシビクンのようになるために13を殺すことによってそれを成そうと思う。結局自分のためではあるけれど、自分のためという感情でしか動けないけれど、
それで13を倒すという、それは103は結局最後までそれは自分のリコ的な行動だと思ってますが、まあ実際アシビクンのための行動になってるわけですし。
で、最後に死ぬ瞬間に何か光り輝く人影のようなものに迎え入れられるという。
これもこの瞬間、最初に読んだ時にあまりピンときませんでしたが、改めて今回この企画をやるために読み返すと、特に13の語る理想の人間として語られるイメージがこれなんですよね。
今まで何度もこの光の人影というのが描かれていて、理想の人間、曖昧なもの、どういったものかわからないけれど理想の人間になりたいといって描かれているのがこの光の人影で。
だから最後にその理想の人間、ここで言えばリタの心を持った美しい人、理想的な人間というものに103はやっぱり迎え入れられるんですよね、最後に。
そうだね、だからこれに関してはまあ、ある種の幻かもしれない、どうなんだろうって、俺はちょっとまだわかんない感じではあるけども、その何だろうを表現しきらないというかね、答えを出しきらない感じっていうのがまた江ノ島先生は憎いなって思いながら読んでたんで。
そうですね、その後の最後の一言、これであの日の契約が果たしたぞっていう、おそらく103の言葉、これもちょっとどう解釈しようか迷うところではあるんですが、僕の解釈、あくまで僕の解釈を言います。
契約と理想の人間
契約というのは、これはまあまあまあ、間違いなく、あしび君との契約のことだと思うんですよ。
そうだね。
人造人間を全て殺せば自分の体を差し出すという、その契約のことを言ってるんだと思うんですが、人造人間を滅ぼしたということ、自分も含めて滅ぼしたという形で、まあ確かに103の側の契約は遂行されたわけですが、それに対する取引というのは行われてないわけですよ。
そうだね。
で、あしび君が自分自身を差し出すというのがなされていない、それなのに契約が果たされたと言えるかどうかというふうに考えると、個人的には人造人間を全て滅ぼすことによって、やっぱり103はあしび君になれたんじゃないかと思うんですよね。
で、103の中にあしび君になれた、リザ的な存在になれたという実感があったから、この一言に最後つながったんじゃないかなと僕は解釈しました。
ああ、なるほどね。確かに、あしび君から欲しかったものが理想の人間になるためのパーツって考えたときに、それは肉体的なものじゃなくてあしび君の心だって考えれば、103はその心を受け取ったから契約を渡されたっていうことかっていう。
というふうに僕は解釈しましたね。
いや、それめちゃめちゃいい解釈ですね。
だから最後のところで、その理想の人間とは何かというのを知った103があしび君に惹かれるのは肉体が優れているからではない、究極にリーダー的な心を持っているからだ、その精神性を持って私たち人造人間はあしびに惹かれてたんだということを悟るという、そこからの展開で、
まあ、あしび君の見習ったような、あしび君のようになりたいと言って自分の身を投げ出して、最後、光の人影に迎えられて、契約が果たしたぞって言って消えていくという。
やっぱり103は最後、あしび君になれたんじゃないかなというふうに解釈して、そこからの最後のあしび君の18歳の誕生日展開ですよ。
そうだね。18歳になったら本当に103に体を挙げて死の数だったあしび君、18歳迎えられてよってことですかねって。
そうなんですよ。これもまた103から受け取ったもので、これもまた僕の解釈を語りますが、あしび君、冒頭政府で何か畑を耕す一般職員みたいなのと触れ合った時に、
あの人たちは悲しむ人がいるから死んじゃいけない。で、自分も子供の頃お姉さんにあなたが死んだら悲しいから死んじゃダメみたいなことを言われた。
けれど、今の自分は誰も悲しむ人がいないから僕は死んでもいい。自分は死んでもいいから他の人を助けるんだって言って、一人寂しく何かベッドの中で丸まっているようなそういうシーンが描かれてるんですよね。
そうですね。
だからずっと立派的な行動をしつつ、あしび君の根底に、僕が死んでも悲しむ人がいないから、僕は死んでも構わない。だから人を助けるんだってずっと言っていたあしび君が、最終話で僕が死ぬことで人を悲しませないように。
そうすることによって、自分の痛みを癒さそうとしているっていう風に描かれるんですよ。
この痛みによってあしび君は死ぬ前と決めてるんです、心に。
この痛みは何かと言ったら、103を失った悲しみなんですよね。
そうだね。
だから103を失った悲しみを胸に、あしび君はこんな気持ちを他の人にさせちゃいけないんだっていう形で生きることを決めるんですよ。
103から利己的な心を受け取ったっていうこととかも言えるのかもしれないね。
最終回の感想
まあ、本当に103から生きる意志を受け取ったっていう形ではあるなとは思ったんですよね。
いや、本当そうですね。話してて余計に人造人間100面白かったなってなってきたよって。
最終回のまとめ方に関しては、本当にお涙頂戴な、ハートウォーミングな、そういう方向にはいかず、こっちの想像を超えてすごくメッセージ性のあるものになりましたし、
連載作品、この人造人間100という36話のお話全体を貫いて描いてきた、そのテーマを回収するような展開で、
正直この最終回は本当に見事だなと思ったんで、僕は迷いなく最終話を印象的な1話に選びましたよ。
はいはいはい、いやそうですね。本当にこのところの最終話の3話は全部すごかったからねっていう。
本当になので、各話の表現とか印象的なコマ使いとかお話の練り込みというのも本当にそうでしたし、
それによって本当に連載作品全体が改めて意味を持ってくる感じ。
あのシーンがあったから最後103はこうしたんだな、あのシーンがあったから足美くんは最後こう言ったんだな、
あの時は足美くんこう言ってたけど、最後こういうことができたんだなっていう。
本当に連載全てを回収してる感じで、いやちょっともう評価というかなんでしょうね。
江ノ島先生に対する今後の期待みたいなものがこの最終話によって、数段階2段3段5段6段10段すごい上がった感じがしたね。
いや人造人間100、本当にいい作品だったなという形になりましたし、江ノ島先生の次回作めちゃくちゃ楽しみだなというふうな気分になりましたよ。
いや間違いなくその通りですね。
ある種漫画のルックとして確かになんか高級な漫画のルックはしてなかったかもしれませんが、
でも本当になんか基礎的な漫画力みたいなものは間違いなく高く感じられたので、
いやもう本当に成長の良しというか今後の期待しかない感じですよ。
いやその通りですね。
いやだから本当にこの人造人間100でマジでその何だろうね、実力は見せてくれたっていう感じしますからね。
一番大事なところを間違いなく見せつけてくれた感じがあるんで、
あとはもう本当にコマゴマとしたところで、もっと上手くしたり綺麗にしたり上手にしたりっていう技術的な改善とかいろいろあるのかもしれませんが、
でも本当に漫画としての基本的なところは素晴らしかったんで、
いやもう本当に今後に大期待ですし、
なんかまあまあ人造人間100は一応30何話やって5巻まで出るんで、極端な探求付きではないですが、
でもやっぱり短めに終わる作品、
なんか狙いが何だったんだろうなとか、
このテーマがあったのはわかるけどちょっといろいろとっちらかったみたいな、
そのフワフワした印象のある作品って結構終わりやすいなという印象はあるんですが、
でも人造人間100に関してはそこのところが本当に強烈な一貫性がありましたからね。
そうだね。
そのリコとリタという存在の2つが結託することによって生み出されるスリリング、危うさみたいな、
そこが本当に1話から36話で通して描かれていたんで、
その点で言えば本当にフワフワした作品という印象は全くなく、
本当にガッツリと一貫したものが描かれたストーリーで、
大変読みごたえのある作品でしたんで、
終わった今だからこそ5巻発売されたらでもいいですし、
1回読み返してみるととても面白い作品なんじゃないかなと思いますよ。
人造人間100の魅力
そうですね。僕もこうやって語ることによってさらに
人造人間100って面白かったなーって気持ちになれましたからね。
いや本当にそうですね。
これを聞いた人は読み返して、またさらに反芻して
感慨に不潔と失っていましたね。
本当に最終回まで展開をした上で、
1話から改めて読み返すと本当にいろいろ発見や
考えさせられることのある作品なんじゃないかなという感じがしますので、
いやー江ノ島先生本当にできるだけ早く次回作
書いていただきたいな、読みたいなというのと、
もし最終巻とかに何かおまけのエピソードとか載るんだったら
ぜひ読みたいなという感じで、大変本当にいろいろと期待しております。
はい、という形で、ではまた最終回単体の感想は
本編の感想の方でも語っていきます。