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2021-12-31 1:42:32

部活動58 カタシロアナザー Case.みっつぃーのメガネ

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Podcastで繋がった仲間たちと新クトゥルフ神話TRPGを遊んでみました!

シナリオ:カタシロアナザー
シナリオ制作者:むつー様

KP↓
朔夜(https://twitter.com/sakuya_naniwadu)
プレイヤー↓
みっつぃーのメガネ(https://twitter.com/mitiishi)
(敬称略)

参考TRPGセッション
【新クトゥルフ神話TRPG】優しいお兄ちゃんの「カタシロ」 #さぱシロ06
https://youtu.be/sBOamCfCmbA
【エモクロアTRPG】Going my wayな「オリカミ」
https://youtu.be/LxsjHrFzFS4

PTRPG部では、主にクトゥルフ神話TRPGで遊んでいます。
最近、エモクロアTRPGも始めました!
やったことないけど、気になる方もお気軽にご連絡ください!

メールアドレス podcast.trpg@gmail.com
Twitter: https://twitter.com/PodcastTrpg
ハッシュタグ:#PTRPG部
00:03
テストプレイ第2弾です。昨日、アシオさんがやってくれたんですけど、今日はメガネさんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
先に謝りますね。いろいろご迷惑かけるかもしれませんけど、ごめんなさい。
よろしくお願いします。
カタシロを通過者だけに回している、カタシロアナザーです。
カタシロの世界をさらに楽しんでもらうっていうシナリオです。
来てくれた人とたくさん話をしたいっていうのがコンセプトですので、今回は私とたくさんおしゃべりをしていただけると嬉しいです。
では、カタシロですよ。心の準備はよろしいでしょうか。
大丈夫です。
本当に?
じゃあ帰ろうかな。
やめて。
大丈夫ですね。
では、シンクトルフ神話TRPG、カタシロアナザー、始めていきたいと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
シーンを変えます。
あなたは目が覚めると病室のベッドにいました。
いや、正確には手術室です。
頭痛がひどい上に、体が思うように動かせず、ぐったりとしています。
どんな感じでぐったりしてるでしょうか。
インフルエンザとかの時くらいの頭ぼーっとする感じの高熱、うなされてる感じの頭痛で、目を覚まします。
頭がぼーっとする。どこだ?
そこに一人の男性がやってきます。
よかった、目が覚めたんだね。
あの、ここは?
あ、ここはね、病院だよ。私は医者だ。君は落雷にあって病院に運ばれてきた。覚えてるかい?
落雷?病院?
俺、無事なんですか?
ああ、無事だよ。無事だ。
では、ここでアイデアを振ってもらいます。アイデアの数値を決めたいと思いますので、チャパレの1行目がアイデアの数値決めの式になっています。振ってみてください。
03:03
はい。
はい、アイデア60です。では、60以下で成功です。1D100を振ってください。
はい。
54、成功です。
強い光を浴びた記憶があります。ですが、それ以前の記憶はありません。また、常識などの社会的に生きるための記憶以外、全てが忘れていることに気がつきます。あなた自身に関する記憶がすっぽり抜け落ちているようです。では、シーンを再開しましょう。どうぞ。
なんか強い光浴びたと思ったんですけど、なんかうまいこと、記憶が混濁してるのかわかんないですけど。
記憶が混濁?じゃあ、名前は?
名前、僕の名前って?
ああ、それもか。
ダメだ。
どこに住んでいたかとかも覚えてないのかい?
全く思い出せないです。
そうか。
残念ながら、君の身分を証明するものは荷物に何もなかったんだよ。僕にもわからないんだ。
そうですか。僕ってこれからどうなるんでしょうか?
そうだね。そうだな。少し詳しい検査が必要だね。体も本調子じゃなさそうだよね。うまく動かせるかい?
えっと、動かそうとしてみるんですけど、これはどういうふうな?
かなりだる重い感じですね。
ちょっと腕が重い感じがします。
ああ、そうか。
まあ、見たところ、もう少しすれば動けるようにはなるよ。大丈夫だ。
約束はできないけど、記憶もきっと戻るだろう。
大丈夫。きっと良くなるよ。僕は絶対良くするからね。
ありがとうございます。
先生は、お名前は何と呼べば?
はい、名前はね、たかしだよ。たかし先生って呼んでくれていい?
たかし先生。
そうそう、この病院に同じ苗字の人が多くってさ、いつもそう呼ばれてるんだ。
ああ、そうなんですね。先生、僕どれくらいの間ここにいなきゃいけないんでしょうか?
06:10
そうだね、まあ、3日。3日だな。3日間はここにいれてもらおう。
3日で良くなるんですか?
うん、大丈夫だよ。絶対僕が良くするから。
だけど、実はね、他の部屋が全て患者で埋まってしまっていてね、
物々しくって申し訳ないんだけど、この手術室で過ごしてもらうことになるんだよ。ごめんね。
そうなんですか?
ダメかい?
僕、いや、逆にここの部屋にいて大丈夫なのかなって。
うん、大丈夫だよ。
他の手術が入った時とか?
他にも手術室あるから大丈夫なんだ。
あ、そうなんですね。
うん、申し訳ないね。
わかりました。
で、君が記憶がないって言うから取り戻す手伝いをしたいんだけど、
僕、農芸科でね、専門分野なんだ。
あ、そうなんですか。どういう風に戻すんですか?
そうだね、僕とちょっとおしゃべりをしようか。
喋ることで思い出すこともあるだろうし、
君のパーソナルに迫るような質問をして、
記憶を取り戻すトリガーになればいいなって思うんだ。
どうだい?
じゃあ、僕って雷に撃たれた時、何も持ち物はなかったんですか?
そうみたいなんだよ。もしくは、雷で燃えてしまったかはよくわからないんだけど。
とにかく運ばれてきた時には君は何も持っていなかった。
写真の一つや二つでもあれば、何かを思い出せるかもしれないって思ったんですけど。
そうだよね。僕も君なんて呼んでごめんね。
まあ、何かを思い出すまでは仕方ありませんね。
じゃあ、おしゃべりちょっといいかな。
はい。
君はカルネデアスの船板っていう試行事件を知っているかな?
つまりは覚えているかな?
09:01
いや、わからないです。
そうか、じゃあちょっとこれを見てくれるかい?
この話はね、一隻の船が沈んでしまってね、乗っていた人たちがみんな海に放り出されてしまうんだ。
そのうちの一人の男は死を覚悟したが、幸運にも一枚の船板が浮いているのを見つけて、それにしがみついた。
するとそこにもう一人、その板に捕まろうとする別の男が現れた。
しかし、二人捕まると板そのものが沈んでしまうと考えた最初の男は、後から来た男を突き飛ばして水死させてしまったんだ。
はい。
これは果たして許されざる行為なのだろうか、ということなんだよね。
実話をベースにした話なんだけど、君はこの話をどう思うかい?
先に船板にしがみついてた人が生きるためにやった行為だというのであれば、後から来た人を追い払ってしまって、それが罪に問われるかと聞かれると、僕は罪にはならないと思います。
そうか。それはどうしてだい?
自分が生きるためにやったことであって、誰かを殺すためにやったことではないからだと。
なるほど。結果、死んでしまったとしても自分が生きるためだったからってことだね。
さあ、君が最初の男の立場だったらどうする?
難しいですけど、ベストはやっぱり2人とも生き残れる方法を模索するのがいいんでしょうけど、
でも、その人を見捨てないと生きられないっていう状況なのであれば、僕は業を背負うことになっても、その人を見捨てると思います。
12:12
業を背負うか。すごい言葉だね。
その人の命の責任を持つっていうことかな。
その人が助からなかったのであれば。
なるほど。じゃあ、君が後から来た男の立場だったら。
その場合は、先に見つけていた人がここにしがみついているのであれば、僕は他の浮き板がないか探す。
そこで見つからなかった場合は、それまでだったということで。
その場合は、自分の命は先の人みたいに守らないってことかい?
立場が変わって、命を譲るっていうわけじゃないですけど、先に板にしがみついてた場合は、悪いけど他のところで板を探してくれっていうふうに考えてしまいますし、
逆に後者の立場だった場合は、自分が板が見つけられなかったふうに受け入れるっていう考えになると思います。
なるほど。君はじゃあ、今の状況を元にして物事を考えられる人だってことだね。
そうなんでしょうか。
うん。状況を的確に判断して、誰のためとか、僕のためとか、人のためとかって考えられるすごいことだなって今思ったよ。
あんまりそういう性格的なことはよくわからないんで、先生がそう言うんだったらそうなのかもしれません。
僕が判断基準なのかい?
元の性格がそういう性格だったかどうかはわからないですから。
15:02
そうか、なるほどね。
でもまあ、今記憶が全くない状態でこの話ができたってことは、君は深底そういう人なんじゃないかなって僕は思うよ。
あ、ごめんね。不愉快だったかい?
いや、考えていてもやっぱり、こういう場面にならないとわからないなーって考えてただけです。
そうか、なるほどね。
君はゆっくりゆっくり考えてるし、ゆっくり喋っている。とても慎重な人なんだろうなって思った。
なんとなく君っていう人がわかってきたよ。
まあ、こういう単位のない話がきっかけで思い出していくこともあるだろうし、この調子でいこう。
無理は禁物なんだけどね。君の体はまだ本調子じゃないだろうし、ゆっくり休んだ方がいい。
目覚めたばっかりだしね。
はい。
あ、僕はそろそろ外来の患者のところに行かなきゃいけない時間だった。行くね。何かあったらすぐに呼んでくれよ。な。
わかりました。
そう言って、医者は出て行きました。
あなたは手術室のベッドの上にいます。頭痛は少しずつ収まってきました。
しかし、体は相変わらず重たく動かせません。
その場から手に届く範囲のものであれば、気になったものを調べられるでしょう。この2箇所が調べられます。
はい。じゃあ、モニター側を調べます。
はい。じゃあ、全体公開お願いします。
全体公開?
右クリックして、全体に公開するを押してください。
えーと、スマホなんですよね。あ、ある。
ある?よかった。
全体に公開したか?
読めますか?
あ、はい。ベッドサイドモニター、心拍数などを表示する機械だろうか。画面は安定しており何も映っていない。
はい。
これだけですか?
そうです。
はい。じゃあ、機材の方も。
18:01
はい。
こんな軸で大丈夫ですか?
はい。どうぞ。
はい。機械台、台の上には何もない。
はい。何もありません。
調べられるのってこれだけですか?
はい。そうです。
はい。
はい。
すると、隣の部屋から声が聞こえました。
あ、あのー、誰かいらっしゃいますか?
あれ?いなかったかな?なんか声が聞こえた気がしたんだけど、もしもーし。
あ、あれ?気のせいだったかな?おかしいな。
もしもーし。
俺に話しかけてる?
お化けの物とか聞いちゃったかと思いました。
はい、話しかけてます。
ごめん。逆に俺も具合が悪いから、なんか声だけ聞こえてきたから、なんか炎症かなんかかなって。
ごめんなさい。脅かしちゃって。
あのー、私今日から入院することになりまして、あ、隣の部屋です。
一人で入院するって初めてで、なんか心細くって声かけちゃいました。ごめんなさい。脅かして。
そっちは病室なの?
い、いえ。なんか手術室って先生が言ってました。
あ、君もなんだ。
も?そちらもなんですか?
うん。俺もなんか、雷に撃たれて手術して、でも病室が開いてないからここにいてくれって言われたんだけど。
雷に撃たれて?あなたも?
え、えー、そんなことある。
あの。
もってことは君もだよね。
そうなんです。私もなんです。
雷に撃たれたって言われて運ばれてきたらしくて、でも全然記憶がなくて。
あ、うん。俺も身分を証明できるものもなんもなかったらしくて、俺も記憶がないんだよね。
え、じゃあ名前もわからないんですか?
うん。名前もわからない。
それは大変。私は先生から名前を教えてもらったんです。片山真代って言うみたいです。なんかピンとこないんですけど。
あ、うん。でも身分がわかるものがあっただけ良かったんじゃない?
21:00
そ、そうですね。お隣さんはわからなかったんですよね。ごめんなさい。
あ、まあでも、2、3日で治してくれるって言ってるから。
え、それも一緒?3日後には退院できるのでは?って言われました。
じゃあ気が付かないです?
うーん、外傷は特にないみたいだけど。
あ、良かった。私もないです。
本当に雷だったのかな?
じゃあ、なんなんですかね?
だって、考えてもみてよ。そんなに雷に打たれて、しかも同じ病院に運び込まれてくるってある?
どういう確率かなって思って。
確かに、本当ですね。もしかして一緒の場所にいたりしたんでしょうか?
あ、仮に俺たちが知り合いで一緒にいてその場で打たれたってこと?
かもしれません。
それなら別々のところで雷に打たれて運ばれてくるよりかは考えられるか。
分からないですけど、一緒だと安心してる場合じゃないんですけど、ちょっと安心します。
片山さんだっけ?
はい、そうです。
親御さんとか知り合いとかに連絡とかはつかなかったの?
そうなんです。名前のカードの自分の名前の部分だけ焼け残ってたって言われて。
それは見せてもらえた?
はい。名刺っぽいものでした。
じゃあ、焼け焦げたって言うんだったら本当に雷に打たれたのかもな。
不思議ですよね。
なんかちょっとまだ疑心憾気なところはあるんだけど。
えー、なんか思い出せるといいですね。
うーん、お互い記憶が戻ればいいよね。
ね、本当です。先生が記憶が戻るようにって変な話してくれました。
24:07
えーと、こぼれてる話?
いえ…だっけな。囚人のジレンマ?とかゲームの話でした。なんだか難しくて。
囚人のジレンマ?え、どんな話なの?
えっと、私と、例えば先生が一緒に罪を犯したとして、自白するかしないか?って。
うーん。
余計に頭が混乱して。お医者さんってそういう難しい話好きなんですかね?
うーん。なんか、記憶とか性格とかをそれで割り出すとか言ってたけど。
あー。隣さんもそんな話したんですか?
うーん。何の法則だか忘れちゃったけど。
法則?
法則?うーん。
そうなんだ。わけわかんないですね。
結構ノホホンとしてんな。
うん。なんか、君はお気楽な人だねって先生に言われました。
あー、うん。俺も話しててそう思うよ。
じゃあ、そういう人なんですね。そっか、じゃあ、やっぱり話してたらわかるのかもしれませんね。
うん。確かに、あの先生の言ってることは間違いじゃねえんだなっていうのは、片山さんと話してて思うよ。
私は、お隣さんは、なんか、すごく慎重だなって思いました。
まあ、やっぱり知り合いと連絡つかないっていうのはすごい不安だし、
本当にこのまま過ごしてて記憶戻って元の生活にちゃんと戻れるのかって、
何しろ何も持たずに出歩くことなんてあるのかなって思っちゃう。
あー、私よく、あの、スマホ不携帯って言われますけど、なんかそんなことをちょっと思い出しました。
あー、でも思い出せたんだったら。
そうですね。そっか、やっぱり思い出せるんだ。
27:03
貝腐も持たずに。
そんな話をしていると、あなたは抗いがたく眠たくなってきて、意識を手放してしまいました。
はい。
2日目です。あなたは、昨日と同じ手術室のベッドの上にいます。
目が覚めて間もなく、男性がやってきました。
おはよう。調子はどうだい?
おはようございます。
おはよう。どう?調子。
先生、なんか薄くなりました。
え?え?僕、剥げてる?どうしよう。
いや、あの、全体的に色味が。
色味?
っていうか、なんか、この手術室の中も全体的に薄くなった気がするんですけど。
え?えっと、色の彩度が落ちている感じってことかい?セピア色とか。
うーん、そうっすね。
あー、じゃあ、目の調子、色覚の調子がおかしいってことかな。
そうか。あ、大丈夫だよ。後でしっかり検査して対処しよう。
今はちょっと、検査機器を他で使っててね。ちょっとの辛抱だ。終わったら持ってくるから。
それって今隣さんが使ってるんすか?
え?いや、違うよ。外来の人が使ってるはずだ。
あー、そうなんすか。
あ、お隣さんを知ってるのかい?
あー、昨日ちょっと話したんですけど、俺とお隣さんって一緒に運ばれてきたんすか?
そうだね。同じぐらいに運ばれてきたよ。
場所は別々のところで運ばれてきたんですか?
いや、ごめん。僕は病院ここで受けたからわからないんだけど。
あー、それ確認する方法ってありますかね?
そうだね。ジムの人なら知ってるかも。後で聞いてみようか。
お隣さんも雷に撃たれて運び込まれてきたって言ってたんで。
別々の場所で撃たれて、同じ病院に運ばれてくる確率ってすげー少ないと思うんですよ。
ほんとだよね。僕もびっくりしたんだよ。
だから一緒の場所で撃たれたって言うんだったら、お互い知り合い同士かもしれないっていう風な話になって。
30:03
それでちょっと確認できたら、少しは身元の確認もはかどるんじゃないかなって思っただけなんですけど。
そっか。じゃあ、そうだね。調子良くなって動けるようだったら、会ってみればいいんじゃないかな。
あー、そうですね。直接顔を合わせたら何かまた思い出すかもしれないですしね。
そうだね。まあ、識覚は脳の機能が回復しようと頑張ってるんだと思うから、
今までにない事例じゃない。大丈夫。必ず良くする。約束するよ。
記憶の方が心配なんだよね。
まあ、そうですね。
そっか。じゃあ、今日も少しお話をしてもいいかな。気分転換になるかもしれないしね。
はい。お願いします。
じゃあ、君は水槽の脳という試行実験を知っているかな。つまりは覚えているかな。
いやー、分からないです。
そっか。じゃあ、今日もこれを持ってきたんだ。
この試行実験はね、今、僕とか君とかは現実をこうして普通に生きているっていうのを疑ってないけれど、
実はもう脳みそだけの存在になって、水槽の中に入れられていると。
そこに超すごいコンピューターがつなげられてて、
なんかもうバーチャルな現実を体験しているだけかもしれないんじゃない?っていう話。
うん。なんかいきなりSFチックな話になりましたね。
そうだよね。まあ、試行実験だからね。突拍子もないよね。
実はさ、この試行実験の本来の意図とは違うんだけどね、ちょっと僕気になることがあるんだ。
はい。
この試行実験って前提としてさ、自分イコール脳みそなんだよね。
自分という言葉が指し示すのが脳みそっていう部位だってことさ。
この試行実験は水槽の脳っていうタイトルだけど、本来なら水槽の人体でもいいはずだよね。
だけど水槽の脳なんだ。
つまり、この試行実験を考えた人は、前提として自分という個人が作られるのは脳であると無意識に思っているんじゃないかなって。
なるほど。
そこでさ、
どうぞ。
考えたり人格を整形するのは脳みそなのはなんとなくわかる気がしますけど。
33:04
なるほどね。じゃあ君はこの水槽の脳っていう言葉には納得するってことか。
うーん。
まあただ脳みそだけで生きてる状態なのかって言われるとちょっと疑問が出るところはあります。
先生の言ったように人体が入れられてるならまだこっちの方が納得するかもしれないです。
そうだよね。じゃあさ、君に聞きたい。自分って一体なんだと思う?どれが自分なんだと思う?
やっぱ全部ひっくるめてるじゃないですか。
あ、体もってことかい?
仮にですよ。脳みそ、まあ先生の知り合いでも誰でもいいんですけど、脳みそを水槽に入れられて、これ誰々さんかわかるって言われたら先生わかりますか?
いやー、さすがに脳みその区別はつかないよね。
ですよね。
だったらやっぱ外見もないとその人っていうのかわかんないじゃないですか。
うんうん。
他人から見ても分からなきゃ、自分から見ても自分ってわかんないじゃないですか。
なるほどね。そっかそっか。
だから僕は全部ひっくるめてじゃないと自分にならないんじゃないかなって思います。
うーん、面白い考え方だね。人から見た自分が自分ってことかい?
うーん、人から認識されてないと自分っていう子が成立しないんじゃないかって思います。
おー、なるほどー。
じゃあさ、じゃあさ。
体に甚大なダメージを受けて脳が無事なAさんと脳に甚大なダメージを受けたけど体が無事なBさんの二人がいて、
このままでは二人とも命が危ないからAさんの無事な脳をBさんの無事な体に移植して手術が成功したとする。
じゃあ目を覚ました一人は果たしてAさんかなBさんかな。
どちらでもないです。
どちらでもない。面白いね。どうしてだい?
いや、さっき言った通りです。
自分のもの、自分の人格が成型されるのが脳であると仮定して、それが他の人に入れられた場合、他の人から見てBさんの体でも脳みそはAさんだから
Bさんって言われてもAさんって反応、Aさんの脳みそは違和感を発生してしまうだろうし
36:05
それが逆だったとしても
周りの人はBさんだって言うよね、君の言い方だとさ
Aさんの脳みそでその人がAさんだって言ったとしても、それは周りからは違うよっていうふうな反応になるでしょうし
逆にAさんの脳みそで私はBさんだって言い続けても、それはAさんからしたら私はBさんじゃないのにっていう考えになるんで
だからどちらでもないです
そうか、なるほどね。じゃあ君がどっちかだった場合、どう考える?
多分僕まともにならないと思います。どっちで生きていくっていうふうなことはできないと思います
なるほどね。じゃあ、生きてもいけないってことかい?
あるとすれば、第三の人生っていうか、その二人ともどっちでもない生き方をするんだと思う
そうか。でもまあ、生きてはいけるってことだね
普通には生きてはいけないと思いますけど
まあね、そうだろうね
そもそもその状態で手術が成功して目を覚ましたときに、僕はなんで生かしたっていうふうに医者に問うと思います
なんでだい?
どっちが僕の状態であるかわからないですけど
脳みそが僕だったとして、考える力は脳にあると思っているんで、その状態だったら、医者に対してなんでこんなことをしたって言うだろうし
逆に体側が僕だとしたら、入れられた脳みその人に任せるしかないので
ほうほう、なるほどね。その場合、君は生きていたいだろうか?例えば君が脳だったとしたら
医者に聞いて理由が納得できたら、君は生きていきたいと思うかい?
39:06
納得できればの話ですけど、俺先生と話してるようにすごい慎重な人間みたいなんで、納得するんですか?
確かにね、君を納得させるのはなかなか難しそうだ。君は本当にいろいろ、いろんな視点から考えているんだね。資料深いよ。
ゲームっていう風に聞けば、いろいろ踏み落として話せるんですけど、実際に起きたってなったら、やっぱりやってることがちょっと僕には
そうだね、なるほど。ごめんね、疲れてるのにこんなに難しいこと聞いちゃって。
いえ、でも、記憶がなかったとしても結構ここまで考えて喋れるんだなっていうことがわかったんで。
そうだね、君は本当によく考えると思うよ。僕はびっくりしたんだ。
心なしか先生もちょっと声上ずってましたしね。
僕はこういう話が好きだからね。
そうか、僕の調子まで君は見てるんだね。すごいな。
さて、君の目については夜間隅々まで検査させてもらうとして、そろそろ外来の患者を見なければならない時間だ。
もう行くけど、何かあったらすぐに呼んでくれよ。
わかりました。
と言って、医者は出て行きました。
あなたは相変わらずずっしりとした体の重さは感じるものの、少しくらいなら歩いて動けそうです。
今日はこちらを調べることができます。
いやー、俺って言ったり僕って言ったり、一人称が安定しない。
いいんですよ。
じゃあ、戸棚の方から調べます。
読み上げなくても大丈夫です。
患者の名前と母式ものが収められています。
字が見えますか?
はい。
わー、すげー。
すげー。
見知った名前がある。
いやいや、知らないはずですよ。
知らないけど、三ついは知ってる。
42:03
あれ、あがりちゃんの名前ある。
あがりちゃん、適正率高い。
はかむ、低いな。
ましろちゃんが?
じゅうじゅうに。
なるほど、なるほど。
えーっと、知ってる名前見つけてちょっと。
なんだこれ。
あれ、片山さんの名前がある。
じゅうぱーせんと、じゅうぱーせんと、じゅうぱーせんと。
これ。
えーっと、名前の段見て、自分の名前があるかどうかって思い出せそうだったりとかってないですか?
いや、全くわかりません。
はい、わかります。
はい。
あー、喉が重いだるい。
と言って、もう片方も調べます。
はい。
火温装置です。
温風で体温を適温に維持するための装置。
生ぬるい温風が吹き出しています。
あー、あー、だりー。
はい、だりーってなってると、声が隣からかかります。
はいはい、起きてるよ。
科学者は方向音痴、実在と嘘の境界線が母一種なんです。
あ、ごめん、もっかい言って。ゆっくり言って。
PCは分解する前、私は同じアイドルのCDで、誕生日はピンクのマンモスですよね。
あー、ピンクのマンモス?
巨類アレルギーは一人で歌ってばっかり。耐えられない今、11時45分14秒ですか?
あー。
方向音痴な非価格理論だとは思いますが、
改札機でサーモンの三つ編みもしくはドス黒い怪談が警察で拷問を受ける気がします。
45:01
うーんと、片山さん。
ブルドーザーの身代わりである百科事前の兄弟はカマキリを搭載しており、
警察官はハッカーと呼ばれる黒船に変身することもあるんじゃないでしょうか。
おかしな薬でも打たれたか。
はい、では聞き耳を振ってください。
はい、まずは値を決めます。1D100を振ってください。
はーい。低いなー。
42。はい、ではもう一回1D100を振って42以下なら成功です。
はい、ダメー。
はい、失敗ですね。
解き放たれた父親は酔った双子を用意するのかな。
陸の家庭用ゲーム機がマンジュを搭載したエイム豆のサポートを打ち切ると指定しているみたい。
百葉箱!百葉箱!百葉箱!
という声と足音が聞こえたような音がした後、
ヒャーッ!という短い片山の声を最後に、辺りは静かになりました。
重たい体を引きずってちょっと隣の病室、手術室か、に近づいていきたいんですけど。
はい。えー、それ以上は何も聞こえません。
開けることできますか?
いえ、まだそこまでは到達できません。
いや、俺、行くだろうな、これだったら。
はい、じゃあ、行きそうになるところで、
昨日まで普通に話していた人が全く話が通じなくなってしまったこと、隣の部屋で何かが起こったこと、
この二つがあなたの精神を確実に蝕みます。
正規ドロールを行います。
まずは産地を決めましょう。
チャパレの2段目、3D6×5を振ってください。
ひっく!ひっく!
はい、1D100を振ってください。
まじか、こんなん失敗するって。
成功するわ。
やるな、俺。
はい、じゃあ成功、あ、産地減少1ですので、29になります。
えらすんですね、温情はない。
温情なんかあるわけない。
え、これ、あの、で、いくつになるんですか?
えーと、不定か5分の1以下だから、6?24ですね。
48:00
24分か、ちっか。
はい、じゃあ。
で、あなたは一生懸命ドアの元へ、片山さんの元へ行こうとしたのですが、
その場で意識を手放してしまいます。
はい。
はい、では3日目。
あなたは目を覚まします。
あなたは手術室のベッドの上にいました。
視界はかなりクリアーになっています。
体の調子も昨日よりさらに良くなっていて、ノックの音と男性の声がしました。
おはよう、調子はどうだい?
あ、そうそう、視界は?視界は大丈夫かい?
うん。
あ、先生、おはようございます。
おはよう、どう?
はい、今日は薄くないです。
よかった、かつらにしようかと思っちゃったよ。
あ、そうそう、昨日さ、君、床に倒れてて僕びっくりしちゃったよ。調子どう?
そのことで、先生、隣の片山さんどうなったんですか?
どうなった?
なんか、昨日も先生が出てった後に話しかけてきたんで、話そうって思ってたらなんか訳のわからんことを言って、
釈養箱、釈養箱、釈養箱を言ったら、その後なんか、誰か他の人がなんかしたのか知らないですけど、
ビリビリーって音が聞こえた後に片山さんが短い悲鳴出して、その後から静かになったんで。
そうか、そうか、聞こえてしまったんだね。ごめんね、騒がしてしまって。心配したろう。
何してたんすか?
あ、記憶がね、ない時って混乱しちゃうことが時々あるんだよ。
それでどうもかなりの混乱と、あとこういう時ってさ、脳の言語屋っていうところにダメージが入ってることがあってね、
何を言ってるかわかんなくなっちゃうことがあるんだ。
片山さんにはちょっと鎮静のね、作業をしておいて、でも今日はもう元気だったよ。大丈夫そうだ。
え、今はもう、今は寝てる感じですか?
そうだね、さっきは寝てたかな。でももう昨日の夜には落ち着いていたよ。大丈夫だ。安心してね。
あんな荒っぽい止め方しかないんですか?
荒っぽい?
いやー、なんか音としか聞いてないんで、なんか電気的なもん浴びせたのかなって思っちゃった。
51:03
いや、僕は鎮静剤を打っただけだよ。
隣にはじゃあ、僕の話をした後は片山さんのところに行ってたってことでいいんすか?
うーんとね、ちょっと外来のとこに行ってたんだけど、呼ばれたんだ。なんか片山さんが暴れてるって。
じゃあ、あの足音、入ってきた足音は先生だったってわけか。
ああ、そうかもしれないね。うん、騒がせちゃってごめんね。
ビリビリ。
昨日の話なんですけど、
うん。
脳みその水槽のやつなんですけど、
うんうん。
今、俺ってもしかしてそういう状態だったりするんですか?
え?君、今、自分の手が見えるかい?
いや、見えますけど、これが脳に直接パソコンから繋いだものが流れてきてるもんだとしたら、
片山さんがワーワー言ってるところでビリビリってしたのが俺のほうの脳みそに対してだったら、
先生がビリビリしてないって、片山さんに対してビリビリしてないっていうのが腑に落ちるんで。
ああ、なるほど。本当に君は資料深いね。いろんな面で考えるんだな。
いや、僕には君の体がちゃんと見えるよ。
君の手の握手をしようか?と言って握手をします。
昨日の一件以来、いろいろ疑い深くなっちゃって、いらん考えをするじゃないですか。
君の慎重な面が出てるね。まあ、それは良いことだよ。自分の身を守るためには必要さ。
あ、そうだそうだ。記憶は?記憶の方はどうだい?
いや、相変わらずっす。
そうか。まあ、体は順調そうだし、あとは記憶だけだね。
ああ、そうだ。もう一個いいっすか?
うん、いいよ。
あの、昨日ちょっと動けるようになったんで、手術室の中、ちょこっと見て回っちゃったんですけど、
その時に名簿を見て、その一番下に片山さんの名前あったんで。
54:03
そうだね。ここの患者さんの名簿だ。
で、この適正率って何なんすか?
適正率かい?うーん、申し訳ないけどプライバシーだからね。話すことはできないんだ。ごめんね。
えっと、一番上、確か空欄になってたのに数値だけはあったんですけど、それってもしかして俺ですか?
ああ、そうか。君の名前がわからないからってことかい?
はい。
うん、違うよ。君ではない。
俺はこれはやってないんですか?
そうだね。この中には君はいないね。
この中?じゃあ、まあ、やってなければやる予定もあるだろうし、
他のデータがあってそこに記載されてるかもしれないしってことですかね?
うん。まあ、君はこのリストの中には入らない。大丈夫だよ。
なんで大丈夫って言うんですか?
君が疑ってるみたいだからさ。
別にこれのリストに入ることが心配って言うわけじゃないんですけど。
ああ、そっか。じゃあ、ごめんごめん。もっと心配させちゃったね。
うん。俺だいぶ先生のこと疑ってますよ、今。
あら、そうか。それは困っちゃったな。
まあ、そうだよね。こんなのがあったら怪しいよね。
僕も置き去りにしてて悪かった。
いや、勝手に見て回っちゃった俺も悪いんで、そこはすいませんでした。
いいよ。僕が悪いからね。
もう、じゃあ、大丈夫かい?聞いてみたいことは。
うん。とりあえずは。
うん。本当に慎重だね。
じゃあ、今日もおしゃべりをしよう。いいかい?
はい。
君はミニョネット号事件を知っているかい?つまりは覚えているかな?
いや、聞きなじみのない単語っす。
そうだよね。僕も毎回噛みそうになりながら言ってんだけどさ。
じゃあ、これ見てくれよ。
これは実際に19世紀のイギリスで起きた事件なんだよ。展示で試行実験にもなっているようなお話。
今回も客観ではなくて主観として話そう。
君を含めた3人が乗せた船が遭難してしまった。
なんとか救命艇で食べ物とかも持ち出して脱出して20日間。
助けがまだ来ない。いつ来るかもわからない。
57:01
食べ物もとっくに底を尽きてしまったし、限界が近づいてきている。
その時、3人のうちの1人が泡気をしのぐために海水を一気に飲んでしまって体が衰弱した。
海水を飲むと逆に脱水症状を起こしてしまうからね。
それを見たもう1人が、この人を殺して血を飲み、肉を食べれば2人だけでも生き延びられるだろうと提案してきた。
それを聞いた君はどう答える?っていう試行実験だ。
君ならどう返答する?
いや、無理です。
ほう、無理かい。
いやー、人の血飲んで肉食うなんて気持ち悪くてできないっす。
そっちか、そうだね。
それは確かにね。
そこまでするくらいだったら、乗たれ死ぬ方を選びますかね。
おーっと、そうか。
やっぱり、それしちゃうと人としてダメな気がするんですよね。
これは俺の考えですけど。
そうかそうか。
君は1日目にカルネアデスの船板の話をしていた時は、
板に捕まって、人が水死してでも自分が助かるようにするよって言ったけど、これはダメなんだね。
俺自体が、人の肉食わなきゃ生きられないっていうことを想定したら嫌です。
そっか、なるほどね。
人を食ったっていう事実を持ったまま生き続けるのが俺は嫌です。
あー、そうか。
僕は食べてしまうことは悪いことじゃないと思ったんだけどね。
君は違うんだな。面白いね。
気持ち悪いんです。
なるほど。
じゃあ、君は肉は嫌いかい?
大好きです。
そうか。
じゃあ、人の肉が嫌いだってことかい?
いやー、まあ人間が決めたことですけど、世の中の食っていい肉、流通してる肉っていうのは、
これは人間が作ったエゴですけど、それに従って生きているんで。
で、人間の肉は世の中に流通してるものじゃないし、俺の中ではそれは禁忌っていう位置に置いてることって言ってもいいんで。
1:00:05
確かに海水じゃなく血を飲むっていうので、そこからいろいろ体に拒絶反応が起きたりすることもあるだろうから。
俺だったらまだ魚の生き血を飲むぐらいの方が。
なるほどね。魚ならいいと。
これも自然界で言うんだったら人間のエゴになってしまうんだろうけど、でも俺は人間は食えないっす。
そうか。君は肉を選ぶことエゴって言ったけど、生きてるっていうことがすでにエゴだと僕は思う。生きるっていうことはエゴなんだ。
だからエゴを出すことに、食べることに罪悪感を覚えてなくてもいいんじゃないかって僕は思うけどね。
単純に俺が人間の肉を食うって場面になったら嫌ってだけです。
なるほどね。そっかそっか。
だからそれが他人がしてるから当たり前のようにお前もしろよっていう風になったとしても、僕は好き嫌いになっちゃうかな。わかんないですけど。
なるほどね。
でも俺はそうやって一緒に逃れてきた仲間が衰弱してるって言うんだったら、そいつを殺してそいつを食ってっていう生き方は、
仮に100歩譲って殺すってなったら、そいつはそこで、殺すまでいかなくても衰弱死したら、そいつを見とってそいつの分まで生きようっていうふうには思いますけど。
そいつの分まで生きようっていうことは食べるってことかい?
いえ。そいつを見とって海に返すじゃないですけど。もう一人が食べるって言うんだったら俺は止めないですけど。
あーなるほどね。
俺は食べないで。
じゃあ衰弱してる人の同意があった場合は?彼が献身的に何としても生き延びてくれ、俺を食って生きてくれって言ったら?
それでも食わないですね。
そうなんだ。そうか。なるほどね。
1:03:05
食ったところで助かる見込みがあるわけじゃないし、俺たちが。
うんうん。でも助かる見込みは増えるかもしれないよ。
増えたところでそんな変わらないじゃないですか。
なるほどね。
食って助かるって言うんだったら、気持ち的には50%ぐらい偏るかもしれないですけど。
うんうん。それでも50%なんだね。
100%にはならないです。
なるほど。君は本当に多角的にものが考えられるんだな。なんかちょっといじめすぎちゃったかもしれないね。ごめんね。
いや、俺も先生と張り合ってるのはちょっと面白いんで。
張り合ってるんだ。
でも俺の意思はやっぱり、そうですね。最初の答えと同じで、食べない飲まないです。
うん。なるほどね。
でもそうなっちゃったら、この運命を受け入れるだけっすよ。
なるほど。君は自分が決定したことになかなか頑固だね。
そうですね。頑固ですね。
いいんじゃないかな。自分の意思がしっかりはっきりしてるってことさ。素敵なことだと思うよ。
ふとした瞬間に変わることはあるんだと思うんですけど、まだそこのふとした瞬間になってないだけだと思います。
そうか。なるほどね。
うん。おっと。
あ、もう少しで君の体は全開だ。記憶についてもこれだけ考えられるんだったらいい傾向だと思う。
焦らないでじっくり行こう。この調子なら、そうだな。記憶はまだ戻りきっていないけれど、退院もできるんだろう。
じゃあ僕は外来の患者を見なければならない時間だから、そろそろ行くね。何かあったらすぐ呼んでくれ。
片山さんのことをちょっと聞いていいですか?
なんだい?
個人のあれになっちゃうんで、ダメって言われちゃったらそれまでなんですけど。
うん。
そうですね。年齢が僕と同じぐらいかなっていうのがわかれば。
年齢か。
1:06:00
僕も身分証がないんで年齢がいくつなのかもわかってないんで何とも言えないですけど。
先生の見た感じでいいですか?
そうだね。見た感じは君よりちょっと上ぐらいかな。
年上っぽい感じに見える。
うん。そうだね。
話してる感じはすげー幼かったんですけどね。
そうだね。明るい子だからね。
あっきらかんとしてるだろ。君と同じように問題を出したんだけどね。
わかんないですって言われちゃったよ。
その時の問題は囚人のジレンマってやつですか?
そんなことまで話してるのかい。仲良しだね。
昨日は何言ってるかわかんなかったんで、昨日も何かやったのかわかんないですけど。
昨日はさすがにちょっと無理だったね。もういいかな?
あ、そうだ。
なんだい?
個人情報だって言われたからやっぱりやめときます。
あの名簿がちょっと気になっちゃって。すみません。
じゃあ置いてくからまだじっくり見ててもいいよ。
と言って医者は出て行ってしまいました。
今日はあなたはかなり体力が戻って歩けるようになっています。
こちらに行くことができます。
病院のロビーの方は行けますか?
そうですね。とりあえず部屋から出られるドアに行けますね。
それがこのドアと。
そうです。
じゃあ大航海で。
何かに当たってつまづきました。
あなたは何かに当たって、何かが足元で倒れました。
このベッドの。
はい、そうです。
足元の。
はい。
なんじゃい?
あなたはつまづいた見たこともないものを拾い上げます。
両手で抱えるような大きさです。
上部と下部には大げさな機械がついていますが、そんな機器にまじって今やだいぶ見なくなった公衆電話の受話器が垂れ下がっているのが何とも不気味です。
1:09:02
一体何に使う機械なのでしょうか。
あなたは心臓が大きく跳ねるのを感じます。
シリンダーが光を反射してあなたの顔が映り込む。
その映った顔は何でしょう。
記憶がないからと言ってしまえばそれまでですが、見たことのない顔に感じます。
でもどういうものだったろうと思えば、そうだったような気持ちもどこかにあります。
あなたは大切な何かを思い出さなきゃいけない気がする。
あなたは大切な何かを思い出してはいけない気がする。
あなたは大切な何かを思い出さなきゃいけない気がする。
あなたの本能が、これは自分の今後の人生を決めるほど重要な決断だと警鐘を鳴らしています。
自分は、私は、僕は、うちは、俺は、大切な何かを思い出すべきだろうか。
今、考えて決めてください。決まったら教えてください。
そうか、あがりちゃん、あがりちゃんか。
雷撃たれちゃったの。
えっと、キーパー。
一旦、この決断は今すぐしなきゃダメですか?
そうですね。しないと次のシーンに進めません。休憩してもいいですよ。
思い出すか思い出さないかですよね。
そうです。ここで休憩した、無痛さんのシナリオでした人もいたので。ショックすぎて。
1:12:12
いや、持ってくるキャラクターがずるいんですよね。
だから最初に言ったじゃないですか、ごめんなさいねって。
そういうことか。いや、思い入れはあるけど。
いろんな意味で巻き込んでる人もう一人いるしさ。
これが1個目の試行実験の話になってくるわけですよね。
そうですね。
また勝手なことしたの、医者らは。
そういうのは脳みそだけだったらできないもんね。
いや、思い出します。
この記憶は正しい。正しいはずだ。しかし、だとするとこの状況に説明がつかない。
一体なぜ幕内さんの声が自分の口から漏れているのか。一体自分はどうしてしまっているのか。
正規ドロールを行います。成功1D4、失敗1D20です。
29で振ってください。
そりゃそうや。そりゃそうよ。29しかないんだから。
1D20です。
12?
これはダメだね。算値が低いね。
アイデアどうですか?
もういいです。完全に不定なので。
1:15:00
持ち帰りの不定の虚偽は後ほどお話します。
そのまま行きます。
あなたは自分の名前を思い出します。何でしょう。今、自由に決めてください。
なるほど。そういうことか。
どうせなら作ったから選びたいんですけど。
しない方がいいですか?
いいですよ。お任せします。
名簿に載ってたんだよな。よつば君とか。
そうですね。
俺がこの感じで演じてきたキャラクターいないからな。慎重な感じで。
そうですね。確かに。
お母さんの方でもいなかったからな。どうしよう。
ミッツィさんで来てくださいって言いましたからね。
じゃあ、いいや。本人です。
お名前を録画残してあるんで、本名はさすがにあれですが。
じゃあ、ミッツィのメガネで。
いや、しまらない。ミッツィでいいです。
どうしよっかな。本名で生きて。
録画が公開できなくなります。
どうしよっかな。しっくりくる名前がねえな。
公開しない録画にすればできますが。
あのロールの感じは、いろんな人に見てほしいっていう欲がある。
とても良かったんでね。ぜひぜひ。
じゃあ、昔舞台やってたときの名前使いますわ。
柿本浩二で。
柿本浩二さん。はい、わかりました。
ちょっとお名前だけ書かせてくださいね。
漢字とかこだわりありますか?
柿の木の柿で。
打ってもらっていいですか。めんどくさいのか。
柿の木のもとは。
打ってくれてありがとうございます。
1:18:24
ありがとうございます。
あなたは自分の名前を思い出します。
また、自分を担当してくれていた男は、どうして忘れていたのでしょう。
自分の父親であることも思い出します。
扉が開く音がしました。
大きな音がしたけど、大丈夫かい?何かあったかい?
親父。
親父、そうか。
思い出してしまったんだね。
もしかすると、もう二度と思い出すことはないかもしれないと思っていたよ。
喜んでいいのか、悲しんでいいのか。
隣にいた片山さんが幕内だってことですよね。
違います。別人です。
別人。
幕内さんは幕内さんです。
幕内が脳みそだけ、柿元に置き換わってってことですか。
そうです。
全部思い出したよ。
君は、あ、いや、孔子。僕の大切な大切な息子。
君は悲惨な事故に遭った。
身体は見るも無惨な姿になって、脳だけで生きながらえる存在になってしまった。
その筒は、孔子の脳が入っていた筒だよ。
信じられないかもしれないけどね。
目は見えない、身体を動かせない孔子の新しい身体を僕は探した。
今孔子が入っているその身体は、持ち主の善意で合意を得て譲り受けたものなんだ。
この合意ってのは、親父の合意だよな。
親父とこの身体は持ち主。
この人は幕内あがりさんという、彼女の合意を得て譲り受けたものだ。
1:21:03
まあ、すっごく怒られたけどね。
そこまでして親父は俺のことを生きながらえさせたかったんだ。
そうだ。僕が勝手にやったことだ。僕の…
俺が喜ぶと思うか?
それは…そうだね。
この人は…この人はだって今もう死んじまったんだろ?
いや、彼女はたっくに退院している。
元の身体と寸分違わぬ見た目の機械の身体に脳を移し変えたんだ。今も元気でやってるよ。
どういうこと?だったらなんで機械の身体に俺の脳みそ入れなかったんだよ。
コウジの脳みそは機械の身体になじまなかったんだ。できることならそうしていた。最初にやったんだ。
だけど君には合わなかった。だから君の脳と、そして機械の身体とに合う人を探したんだ。
親父はこれをやって俺が喜ぶと思った?
いや、全部は僕のエゴだ。
僕にとって君は、コウジは、すべてさ。
死ぬまでの穏やかな時を、ゆるやかな時を、ずっと暗闇の中で生かされ続けることは苦痛でしかないと僕は思った。
僕以外の誰とも接することができない一生になる。
悠久の時間を生きるには、そのつつは窮屈すぎる。
親父のことは尊敬してるよ。けどあんたのやったことは一人の人生をめちゃくちゃにした行為だ。
俺が事故で助からなかったら、そこが俺の人生だった。
それなのに親父は、親父な勝手な考えで、俺っていう人間の人生を台無しにしたの。
あんたにその覚悟があるのか。この俺の気持ちを受け入れることができる覚悟があるのか。
1:24:04
そうだね。僕は、僕はね、康二。君の幸せだけを願っているんだ。君がいて、生きて生きてくれたら。
そのためなら、嫌われても、感動されても、寂しいけれど、僕のことを忘れられてしまったって構わない。
俺は親父のものじゃねえんだよ。
そうだね。
俺の幸せだ?俺が幸せだと思ってんのか、今これが。
実はね、康二。この話を康二にするのは、二度目なんだ。
一度目は、この話を聞いて、君はとても動揺し、混乱して憔悴しきった。
突然、突拍子もない話を聞いたせいもあるだろう。僕の伝え方や順序も悪かった。
君は、この移植手術に強く反対して、筒に戻せと言って聞かなかった。
だから、だからね、康二。僕は君の記憶を一度消したんだ。
もう一度考え直してもらうために。僕は、康二が生きていてくれればそれでいいんだ。
だからこれは僕からのお願いだ。その体で生きていてほしい。
元に戻せ。この体を、幕打さんに返せ。
彼女はちゃんと合意をしたんだよ。
それは、あんたと幕打さんの合意だ。
俺の合意じゃねえ。合意って言うんだったら、
当人同士、全部ひっくるめてしないと合意じゃねえんだよ。
分かってんのか、この俺の怒りが。
君は、慎重で、多角的にものを考えられる、頑固な、僕の大事な息子だ。
俺はあの事故で死ぬ運命だったのかもしれない。
1:27:05
その人生を受け入れられないって言うんだって。
あんたは、俺があそこで死ぬっていうことすら受け入れられない、最低な親父だよ。
今回もまた断られることがあったなら、諦めようと思っていたんだ。
僕は、コウジを完全に殺してしまうことになる。
記憶消去の負担に脳は何度も耐えられない。
だから、今回しっかり話をした。
いっぱい話をしたな。
それでもダメだったら、僕は諦めるよ。
戻していいんだな。
俺は、あの事故で助からなかった。
その運命を俺は受け入れる。それが俺の人生だ。
その人生を誰かに曲げられることは、俺が絶対に許さない。
あなたは、突然意識を失います。
意識を回復したあなたは、何も見えません。
体も動かせません。
おはよう、コウジ。聞こえるかい?
あ、声は聞こえてていいんですか?
はい、いいです。
なんだ、親父。殺さなかったんか?
殺せるわけがないだろう。
親父は辛いかもしれないけどさ。
この状態で俺が生きてるっていうことを考えるのは難しいかもしれないけど。
1:30:10
俺からしたら、親父には俺の死っていうものを受け入れてほしいなって思っちゃうんだよな。
子供が親にこういうことを言うのって、すげえ酷なことかもしれないんだけどさ。
親父にはやっぱり、医者としての技術があるからさ。
真っ当な技術を、ちゃんと世の中に生かしてほしいんだよ。
それが親に対して、俺の子供から親に対しての願い、エゴかな。
そうだね。
親父のことは尊敬してるし、俺をこうやって生かそうとしてくれてるのは、手段はどうあれどすごく愛されてるんだなっていうふうに思う。
そうだよ。僕は君を愛している。
まあ、ちょっぴりズルをして君を救おうとしたんだけどね。僕のエゴでしかなかったわけだけ。
やっぱズルはダメだって。それが嫌いなのは親父がよく知ってるじゃん。
そうだね。幕内さんにも言われたんだ。ズルはダメだよって。
そうなんだ。
彼女はズルは絶対しないって。幕内は真剣勝負だって。
だけど、康二が真剣勝負で生きていくんならいいよって言ってくれてたんだ。
ああ、こんなんじゃなかったら一回やって話してみたかったな。
そうだね。幕内さんが譲ってくれたのもエゴだ。
僕が君を助けたのもエゴだ。そして、康二がこの状態を選んだのもエゴだ。
全員がエゴで生きている。エゴを伸ばした先にエゴとエゴがぶつかる。
1:33:06
それが折り合いをつけて生きていくってことかな。
僕も君の親だからね。頑固だよ。
ああ、やっぱり親父譲りか。
でもいろいろ手を尽くそうとしてこんなになってくれたんだな。ありがたな、親父。
お礼を言われることはしてないよ。怒られることしかしてないな。
ああ、そうだ。
ごめんな。
そうだ。片山さんってどうなったの?
片山さんかい?彼女はちゃんと退院していた。責任持って直したよ。
ああ、よかった。
会いたかったかい?
まあ、ちょっとね。少しの時間だけどいろいろ話してたし。
でもやっぱり片山さんの記憶消したのも親父の仕業か。
そうだね。
これからは他人に巻き込んじゃダメです。
わかりました。
人の人生なんですから。その人にはその人の人生がある。
はい。
やっちゃいけないことで介入しちゃダメ。
わかったよ。
じゃあその人たちの状態を見に行かないとね。
うん。
じゃあ、行ってくる。
はい。
まあ、こんなんだけど。会ってくるから。
うん。
ああ、そうだ。
こんなんなっちゃって、人から見られたら
俺ってわかんないかもしれないけど、親父はわかっててくれるじゃん?
そうだな。見慣れたのだ。
俺はそれで十分だよ。
そうか。
正直、こんな状態になってまで生きてることはちょっと
俺の生き方として尺だけど。
そうだね。
コウジ。
うん。
ごめんな。
許さない。
ふふ。わかったよ。
じゃあ、いつもの日常、いつもの会話。
1:36:06
あなたが記憶をなくす前にしていた緩やかな死に向かっての日常。
退屈な日常。かといって自分で自分の命を落とすこともできない長い長い悠久の時間。
あなたはどれだけ早く受け入れることができるでしょうか。
すぐに受け入れて緩やかな時を過ごすのかもしれません。
少なくとも今は、こんな時間は早く終わってしまうといい、そう考えているのかもしれません。
音が聞こえます。
シンクトルフシンはTRPG。カタシロはナザー。
これにて終了です。お疲れ様でした。
お疲れ様でした。
ごめんなさい。
いやぁ、柿本さん。脳みそにしちゃったよ。
すいません。本当にごめんなさい。
お察しの通り、涙流しております。
私も泣いてます。
ちょっと親父との会話になったら、ちょっと熱入っちゃいましたね。
良いシーンでした。
いやぁ、でも久々になんか役者やってる感じだったんで、すげぇ。
自分でも、あぁ、いいなこの熱っていう感じはありました。
いやぁ、すごいです。え、ちょっと録画切ったら聞かせてくださいね。
いかがでしたか?
いやぁ、こういう視点っていうのはちょっと想定してなかった。
若干、ほんのちょっとでしたけど、もしかしたら脳みそ側の話なのかなっていうのはちょっと考えながらやってましたけど、
あんまり先入観持たずにやろうっていうふうに考えたんで、始まったときは。
いろいろなんか、やっぱり、あ、最初の見られるところ、片城のやつと一緒だとかって思いながらやったんですけど、
書いてることとかも全然違って、隣の人、片山さんとの会話もいろいろ違うところあって、
いやぁ、これはやっぱほんと、片城やってる人のための、
1:39:00
そうですね。
素晴らしいセッションですね。
ただ、やっぱね、あ、っていうか、全然パンチの不定とかやってなかったんですけど、大丈夫だったんですか?
大丈夫です。
30は低すぎ。
30出した後に一回23で成功してるのもちょっと。
あれはね、エモかったですね。
その後の86ですよね。
そうですね。それは仕方ないとは思ってたんで、失敗はするだろうなとは思ってたんで。
いやぁ、そっか、幕打ちの適正率高かったのがそういうことだったのか。
ほんとごめんなさいね。
いや、もうそうですよ。島村さんにもこれは、頭下げないといけない案件ですよ。
申し訳ありません。
海の親なんで。
もうどこでも土下座しに参ります。
いやでも、逆に、その性格がはっきりわかってるあがりちゃんだったからこそ、ちょっと、
あー譲ってくれたんだなーとかっていう気持ちは、ミッツィとしてプレイヤーとして今やってて、すごい感じてたんで、
なんか本当になんか、自分のやってきたキャラクターと一緒にセッションしてる気分を味わえたんで、
いやーもう、楽しかったし、
なんか本当に、自分で作ったキャラクターがこの世にまだ存在して生きてるっていう風な感覚を味わえたんで、
いやもう、満足ですね。
いやー良かったです。
あの、あがりちゃんはちゃんと生きてるので、また使ってください。
いやーもう、ちゃんと体戻したんで。
はい。
いやーこれそうですね、新田君だったら変わんなかったかもしんないですね。
そうなんですよ。新田君はなーって思って、あがりちゃんだったらブリブリ怒りながら変わってくれるかなって。
4つはもう変わっちゃってるしなーって。
そうなんです。
若干多分片城の時に変わっちゃってるとは思うんで、変わっちゃってると思う。
まあでもそれも向こうの、片城やった時の向こうさんの気分で、またこういう俺みたいな形になってるかもしれないですし。
1:42:08
なるほどね。
わかんないですけど。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
いやーもう、満足の時間でした。
良かったです。そう言っていただけると。
はい、ではありがとうございました。これで録画は終了します。
はい。
01:42:32

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