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次はね、まあちょっと些細なところなんですけどね。
第2部入って、89ページ、一番最後なんですけど、 第2部入って、ちょうど商人の方に出会って、
商売を始めるところですね。 その商人の下で働くんですよね。
その商人との出会いのとこか。 商人と語ってあって、商人と語っているところ。
はい、ちょっと言っていきますね。 商人が語ります。
でも失礼ながら、無一問でおられるあなたは、 何を他人に与えようとなさるのですか。
シッダルタが答えます。 人は皆、自分の持っているものを与えます。
戦士は力を、商人は商品を、教師は教えを、 農夫は米を、漁師は魚を与えます。
ごもっともで。 ところで、あなたが与えようとなさるのは、
なさるのはどんなものです。 あなたが学ばれ、お出来になることはどんなものです。
私は、考えることができます。 私は、待つことができます。
私は、断食することができます。 それで全てですか。
それで全てだと、私は信じます。 ところで、それはどういうことに役立ちます。
例えば断食が、それは何の役に立つのです。 この上なく役に立ちます。ご主人。
人が食べるものを持たないとき、断食は、 彼の成し得る最も賢明な行為です。
例えば、もしシッダルタが断食することを 学んでいなかったとするなら、
彼は今日のうちに、何かの勤めにつかねばなりません。 あなたのところにせよ、他のところにせよ。
なぜなら、上が彼を襲ってくる、そうさせるからです。 勝ってそうさせるからです。
しかし、シッダルタはこうして静かに待つことができます。 彼は焦燥を知りません。
彼は、窮境を知りません。
彼は長い間、上に責められ、 しかもそれに対して笑いを返すことができます。
ご主人よ、断食はそういう徳を持つのです。
っていう場面。
ここは痺れますなぁ。
これは面白い場面だよね。
面白い。
これはどういう、なんだろう、どうなの、これ、 選んだ背景というか、どんな感じなんすか、これ。
そうなんだよね。
いや、これなんか非常に現代的だなって思ってさ、
転職みたい、なんかさ、面接の場面みたいな。
確かにね、面接と思って見るとちょっと面白いね、これ。
そう、あなたで何が得意、何ができるんですか。
何ができるんですか、我が社で。
そう、みたいな。
いや、私はなんかそのコミュニケーション能力がとか、 なんかまあ、そういうところを彼は考えることができます。
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待つことができます。
断食することができますって。
で、その後、それで全てですかって言われてるのも、 ちょっとじわじわきますね、そう思ってみると。
それじゃ商売ならんでしょうってことでしょ。
ねえ、ねえ。
うん。
でもこれ、それが全てだと私は信じますって言うんですよ、これ。
そうですね。
僕だったら、まあ自分で自覚してない強みがあるかもしれないけど、 自分で自覚してない強みがあるかもしれない、
そう。
なんかさ、それで全てだと私は信じますって言われるとさ、 何かさ、分かんないよ。
僕の孤独かもしれないけど、人間の大事な営みは、 考えることと待つことと断食することなんです。
私はそういうふうに信じてますって。
そういうふうに信じてますって。
そういうふうに信じてますって。
大事な営みは考えることと待つことと断食することなんです。
私はそういうふうに信じてますって。
ちょっと聞こえないこともないよね。
ないね、確かにそう言われてみたら。
この断食って、いわゆる食べることを立つだけじゃないんだと思うんですよ。
食べるということを象徴と捉えれば、 何か人間の欲を立つということが生んでいるというふうに読めるなと思って。
なるほど。
にも関わらず、にも関わらず彼が断食、欲を立つということが、 彼がこの人生でずっと学んできたことですよ。
バラモン教で、そして父のこと離れて苦行して、 みたいなところでずっと学んできたことを、
それなのに彼は欲にまみれていくでしょう。
なんとそうなんですよね。
何だったら賭博にまで手を出すみたいなことになって、 そこまで落ちていくでしょう。
欲をあんなけ立てるという人間が、欲まみれになっていくっていう、 これも大変注目すべきポイントだと思ったんですよ。
なるほどなるほど。
そう思って読むと、ちょっと壮大な前振りですね、ここね。 かなり振ってますね、ちゃんと。
そうそう。ドッキリじゃないけど、貯金がどんどん溜まっていってて、ガーンと落ちるっていう。
そうですね。
これ。
確かに。
そこまで描いてるのもこの作品の本当に面白いところなんです。
いわゆる成人君子な感じの振る舞いだけ描かれてるわけじゃないっていうのは、 何度も今日話しちゃってるけど、それが面白いですよね。
面白い。
うーん。
やっぱりここね、我々が一緒に仕事してるエイルの中でもよく、 自分のキャンっていうものを動詞で表してみると、みたいなことをよく話すじゃないですか。
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これと同じですよね、動詞で何ができると思うって。
やっぱり僕たちに問われてる場面でもあるっていうか。
なるほど。
読んでてね。
そうだね。
知った歌は考える、待つ、断食する。
これが全てだと言ってる。
ね。
うん。
いいね。
いいね。
うーん。
ちょっとじゃあ、次に行ってみていい?