鳥瞰図のスケールの大きさ
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、さまざまな話をしています。
今回のタイトルは、「スケールの大きい聴観図の名人の話。地図も読み物だから。」第22回目です。
土曜日は地図を読む話をしています。
以前、札幌の明治時代の地図を読んでいましたが、その時読んでいた札幌歴史地図には昭和編があって、これもたまに開いて楽しく読んでいます。
今日もペラペラとめくって眺めていたのですが、その中に昭和6年の札幌市聴観図と同じ年の定山渓温泉電鉄沿線名所図絵というものがありまして、
これも以前読んでみた市民グラフ横浜の地図で見る横浜に載っていた湘南電鉄沿線名所絵図というのを思い出しました。
色々出てきてちょっと複雑になってしまいましたが、これらの地図の特徴はすごいスケールでデフォルメされた絵地図だということなのです。
どれくらいすごいかというとこんな感じ。
石狩湾から札幌を眺めた札幌市聴観図では、中央に大きく札幌の街を描いているのは当然として、左端の方には遠く朝日川や大雪山が描かれているのです。
そのすぐ右のあたりには定山渓温泉が描かれ、その右に三岩山があり、そのさらに右に丸山があり、その右には札幌神社、今の四日江戸神宮が描かれ、
青森から右の方向はなんと下関から朝鮮半島の富山まで描き込まれているのです。
話だけではどうやって収めているんだろうとか妙なバランスの地図だと思うかもしれませんが、パースの描き方が見事で実にバランスよくまとまっているのです。
地図と豊かな表現の関係性
定山渓電鉄沿線名所図絵も、もちろん定山渓電鉄が西から見た感じで真ん中にドーンと描かれているわけですが、
定山渓電鉄の起点がある札幌は左の方に控えめに描かれているのですが、その左の方には小樽、御社満部、室蘭、御社満部から右の方に函館、青森、そこから左に東京都富士山が描かれています。
さらには札幌から右方向に進むと旭川があり、大雪山があり、そこから左方向に輪っか内、唐太大戸張、浦塩があって朝鮮半島の温山につながっています。
そう、左上に日本海全域が湖のように描かれています。
横浜の方の湘南電鉄名所絵図も同様で、今の京急の全路線を中心に大きく描き、右上の遥か先には函館があり、真ん中のちょっと右に、
富士山があり、富士山の左の遠くの方に静岡、名古屋、京都、大阪、九州は文字まで描き込まれているというものなのですね。
このように自由自在に土地を伸縮するダイナミックな絵図を描いています。
とにかく楽しいので、ぜひ国際日本文化研究センターの吉田初三郎式聴覚会に行ってみてください。
それではまた。
おかずデータベースを見てください。概要欄にリンクを貼っておきます。
今日紹介した一途を見ることができますよ。楽しんでくださいね。
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今日もワクワクする日でありますように。千葉直樹でした。ではまた。