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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「地下の構造物を見てみる。地図も読み物だからな。」の19回目です。
土曜日は地図を読んでいます。
地図にもいろいろありますが、日本の地図の代表といえば、やはり国土地理院の地図だと思います。
大きな書店には、たくさんの引き出しに入った紙の地図を置いてあるお店があります。
昔は、この中から見たい地図を広げて見るしかありませんでした。
もちろん売り物ですから、なかなか自分のものにするというわけにはいきませんでしたしね。
今は嬉しいことに、ネット上で地図を見ることができます。
地理院地図というサイトでは、拡大縮小しながら、ほぼシームレスに地図を見ていくことができます。
今回はその中から、僕が興味深いと思っている場所の話をします。
概要欄に地図リンクを置いてありますので、ぜひそれを開いてみてください。
見るのは札幌中心部の南西部です。
札幌の夜景といったら、もいわ山からの眺望ですが、その山陸あたりになります。
住所でいうと、札幌市南区南33条西11丁目。
ここにもいわ発電所があります。
市街地のすぐそばにある現役の発電所です。
wikipediaを見ていただくとその歴史などを知ることができ、その中身もかなり興味深いのですが、今回は地図を読むのです。
水力発電所の特徴的な形は、山の上から急角度で降りてくる水圧鉄管です。
水圧鉄管を通して落ちてくる水の力を使って発電機を回すわけです。
水の落差を利用するわけですね。
それはいいんですけど、落ちてくる水はどこから持ってくるのか不思議じゃないですか?
まあそんなこと考えたことないかもしれませんけど。
だいたい山の上には水はないものですよね。
発電に使えるような大量の水が山の上にあるなんてことは普通はないわけです。
そこで地図を読んでみるのです。
地理院地図のもいわ発電所のあたりを見ると、
発電所から山の上に向かって水圧鉄管らしき黒い直線があって、その先に池のようなものがあります。
そしてその池をよく見ると、トンネルの入り口のようなものがあって、
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そこから斜めに水色の点線が南西方向に伸びているのがわかります。
これなんだと思います?
トンネルの入り口のようなものがあるって言ったのでトンネルだろう?と思った方もいると思いますが、その通りです。
トンネルの水路なんですね。
もいわ発電所の水圧鉄管の楽さを作るためにトンネルで水を引いてきているのです。
引いているのは豊平川の水なのですが、
実際の豊平川が少しずつ低いところに流れている傾斜よりも、
小さい傾斜の水路のトンネルを掘って、そこに水を流して、
もいわ発電所の上のところで一気に落とすわけです。
ではそのトンネルの入り口はどこにあるのでしょうか?
水色の点線をたどっていくと、標高の同じような山の中を通って、
南区の三住というところまで続いています。
この地下水路の長さは、なんと10.4キロもあるそうです。
なんだかすごい構造物が見えないところに作られているのですね。
道路や鉄道のトンネルは見えるところにありますが、
水路トンネルはほぼ目に触れることがないので、
それが地図で可視化されているのは面白いと思いませんか?
興味を持った方は、ぜひ地理院地図を検索して実際に地図を読んでみてください。
必要に迫られてみる地図は調べるというイメージですが、
特定の興味を持ってみる地図はいかにも読むという感じがしてくると思います。
地図を読む楽しみをたくさんの人に知っていただけると嬉しいです。
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今日もワクワクする日でありますように。
柴直樹でした。ではまた。