最長片道切符の旅
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回お話しするのは、昭和の最長片道切符は広尾から、時刻表は読み物だからな、63回目です。
日曜日は時刻表を読んで話しています。
先々週の日曜日の配信で、本棚から最長片道切符の旅という本を見つけたという話をしました。
鉄道の旅に関する本をたくさん書かれた宮脇俊三さんの作品の一つです。
この本は1978年に、当時の国鉄のルールの最長片道切符で北海道から九州まで最短距離の4倍以上の一筆書きの遠回りをした時のことを書いたものです。
懐かしいなと思いながら読み始めたところで、そういえば復刻版の時刻表でルートをたどったら面白いかもと思ったのです。
それで本棚の復刻版時刻表を見たら、なんと同じ年の同じ時期の時刻表があったんですね。
がぜん楽しくなってきたぞということで、旅の第一日目から時刻表を開きながら読み始めました。
この本でのスタート駅は北海道深地の広尾駅です。
広尾町は襟も岬のちょっと北にある町で、帯広と広尾を結んでいた広尾線には幸福という駅があり、ちょっとしたブームになったことがあります。
北から南までの鉄道旅というと、輪っかないからという感じがしてしまいますが、最長片道切符で一筆書きをするとなると、この時点では広尾駅が起点になっていたのです。
ただ、スタート地点に行くだけでも結構大変なのですよね。何しろ北海道の端っこですから。
宮脇さんは前日に飛行機で札幌に移動し、そこから唐松という九州路行きの普通列車に乗りました。
広尾駅から九州路へ
一般的に普通列車には相性がつきません。この列車に相性がついているのには理由がありました。
普通列車なのにもかかわらず寝台車がついているのです。九州路は遠いのです。札幌からでも400キロくらいあります。
時刻表総管号の復刻版を見てみると、同じような時間帯に3列車という優等列車が走っています。
多分唐松はそれを受け継ぐ列車だったのではないかと思います。
なぜ相性がついていたのかというと、座席予約システムのコンピューター化が行われた際に寝台券予約には列車名が必要な仕様だったからなんですね。
かなり変わっているので鉄道ファンなら乗ってみたいと思う列車だし、スタート地点を朝出発するのに都合が良かったのでこの列車に乗ったのでしょう。
時刻表を見ると札幌を22時20分に発車する唐松は帯広駅に5時30分に到着することになっていますが、宮脇さんが着いたのは9分遅れだったようです。
帯広線は5時43分発です。乗り換えには問題は特になかったでしょう。
2時間近くかけて帯広に到着するのが7時39分。
折り返しの8時2分発が最長片道切符のスタートとなる列車です。
こんな端っこの駅にもきちんと駅員さんがいて最長片道切符にハサミを入れます。いよいよ始まりです。
切符の終点は遥か南の鹿児島の枕崎ですが、まずは北に向かうのです。
今回は1日目を全部話そうと思っていましたが、スタートまでに時間がかかってしまいました。
この先もいろいろ話したいことがあってちょっと長くなりそうなので、続きは来週にしようと思います。お楽しみに。
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今日もワクワクする日でありますように。
しばなおきでした。ではまた。