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2023-07-30 08:23

#631 【刻】昭和の最長片道切符北海道ジグザグ②/時刻表は読み物だからな(66)

宮脇俊三「最長片道切符の旅」の第2日目の話。

終着駅は鹿児島は枕崎なのに、遠軽から根室に向かうのです。どこに行ってしまうのか……

その行程の時刻表を眺めて思ったことを話しています。

にゃおの考える現代の基礎的なリテラシーは、ITをきちんと使えることが含まれます。そのためにどのような問題があり、どう解決していったらよいか考えてみるPodcastです。

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をご覧ください。


サマリー

刻の最長片道切符北海道ジグザグの2日目、縁丸からの出発は朝6時14分発の浜尻行きの列車です。縄文トンネルを通り過ぎ、縄文信号場を経由して北見に到着します。北見で降りた後は池田、厄介市を経由してねむろに到着します。

00:05
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回お話しするのは、昭和の最長片道切符北海道ジグザグ②、時刻表は読み物だからな66回目です。
日曜日は時刻表を読む話をしています。
ここしばらくは、宮脇俊造さんの最長片道切符の旅という本を、時刻表を片手に読んで、気づいたことを話してみています。
前回は、1978年時点の最長片道切符の開始地点である、北海道十勝の広尾線・広尾駅をスタートして、
帯広から、富良野、旭川、縁丸と乗り継いでいくところを話しました。
最長片道切符は、一筆書きで回る切符ですから、とんでもない遠回りをするのです。
北海道から鹿児島に向かうのに、まずは北海道の真ん中を突っ切って北上し、さらに東に向かったわけですが、2日目はもっとすごいことになります。
縁丸から北見まで
2日目のスタートとなる縁丸からの出発は、朝6時14分発の浜尻行きです。
少しだけ南に向かい、さらに東に向かうのです。
縁丸から20キロほど走ったところに、縄文トンネルという湯枠付きのトンネルがあります。
この区間は、大正時代に建設されました。
たった100年ほど前のことですが、この頃の鉄道や道路の建設は、悪名高きタコ部屋労働によって行われました。
中でもトンネル工事は悲惨なもので、この縄文トンネルの建設では100人を超える死者を出していたそうです。
トンネルには人柱が埋められているという言い伝えがありましたが、後の改修工事で実際に人骨が発見され、言い伝えが事実であったことがわかったのです。
このことには宮脇さんも触れています。
鉄道の歴史には暗い部分もたくさんあるのですよね。
縄文トンネルを出たところには縄文信号場があります。
峠越えの急勾配の途中で列車の行き違いを行うためにスイッチバックの対比線があり、鉄道ファンがよく訪れたそうで。
信号場ではありますが、乗降用のホームがあったようです。
宮脇さんが通った1978年の時刻表では、縄文信号場は載っていませんが、その10年前の1968年10月の時刻表には臨時乗降場扱いで縄文という名前とともに普通列車の初時刻がちゃんと載っています。
周りには人が住んでいないので駅ではなく信号場ということになっているのですが、鉄道ファンのために乗降の取扱いをしていたようで。
乗降扱いをするといっても信号場の外に出るわけではないので料金計算に必要なキロ数は載っていないところが面白いです。
さて列車はそのまま走って北見に7時52分に着きます。
北見からねむろまで
通勤通学の客ばかりで乗っていた乗客は宮脇さんを含めて全員北見で降りたそうです。
北見はこの地域の中心都市ですからそんな感じだったのでしょうね。
北見で降りたのはここから南に下る7時59分発の地北線の普通列車に乗り換えるためです。
地北線は北見と十勝の池田を結ぶ140キロの路線です。池田は帯広の東25キロの辺りです。
ものすごい遠回りをして昨日通った近くに向かうことになるわけです。
時刻表を見ると北見と池田の間を通して走る列車が5往復設定されていて、そのうち1本が急行地北でした。
普通列車では3時間半かかりますが急行は2時間半で走ります。
これなら急行といって差し支えないスピード感ですね。
この時代はローカル線であっても急行列車か、急行と分割併合の直通普通列車が走っていたものでした。
さすがは鉄道全盛時代ですよね。北見では腹ごしらえのために駅弁を買って乗り込んでいます。
3時間半もかかる長い路線のどこにも駅弁を売っている駅はないからです。
池田に11時25分着。前日の同じような時間に帯広から新徳に向かったので、丸1日かけて同じような場所に戻ってきた形。
一筆書き切符というのはこういうものなのですね。
池田駅からは目室本線でさらに東へ向かいます。
串野行きの急行刈勝1号が12時1分。きろびろとした湿地帯を走っていきます。
串野に13時47分着。
ここからさらに東の果てに向かっていきます。
串野14時45分発の厄介市行きの普通列車です。
実はこの後に急行があり、結局それで眠る方面に行くのですが、わざわざその一本前の普通列車に乗ったのは厄介市に寄ってみようと考えたからだそうです。
厄介市は案外歴史が古いところで、江戸時代に創建された国体寺という寺があります。
せっかくなのでそこを見ることにしたのですね。
厄介市15時47分着で予定通り国体寺を見て、16時22分発の急行のさっぷ3号に乗ります。
串野湿原の東の果てを走り、暗くなった17時11分にあっとこ着。
最長片道切符はここからしべつ線を北に向かうのですが、せっかく東の果てに来たのでねむろまで行って宿泊するようにしたようです。
ねむろには17時55分着。
郷土料理の居酒屋で旬のししゃもや大きな粒のつぼ焼きを食べながらお酒を飲んだと書いてあります。
旅先のおいしい料理とお酒。こういうのを読むとどこかに行きたくなりますよね。
2日目はこんな感じでした。ものすごい遠回り。
すでに最長片道切符の旅の綿木役女というところでしょうか。
3日目はとにかく北へ向かうことになりますが、これはまた次回にします。
今回は昭和の最長片道切符北海道ジグザグその2という話をしました。
今日はここまで。読書と編集ではITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた。
08:23

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