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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に様々な話をしています。
今回のタイトルは、本を語る
百物語 杉浦雛子著です。
怖いというよりも不思議という話になります。
杉浦雛子という人をご存知でしょうか。
漫画家で、江戸風俗研究家
サルスベリという葛飾北斎の娘が、主人公のアニメーションの映画を見たという方もいらっしゃるかもしれません。
2005年に、46歳でこの世を去ってしまった人です。
江戸の浮世絵っぽい独特のタッチの漫画や、 江戸言葉をふんだんに使った文体の作品がいろいろあって、
これまで縁がなかった人も、 作品を読み始めたらハマる人も多いのではないかと思います。
今回話すのは百物語という作品です。
新潮文庫の文庫本として普通に書棚に入っているので、 手に取って開いてみて、あれ?漫画だ?とちょっとびっくりするかもしれません。
この配信は冬の真っ盛りで、季節はちょっと外れてしまいますが、
暖房の利いた部屋でぬくぬくしながら読むのもなかなか良いでしょう。
百物語といったら、 何人かで集まって怖い話を順番に語っていって、
100話になったところで怪異が起こるというものですよね。 それを漫画でやってみているわけですが、
江戸の人が語っていたのは怖いというよりは不思議の方が多かったようで、
よくわからないものはちょっと不気味に感じるよね、 という話が集まっています。
現代でも、わからないから怖い、というものはいくらもあるわけですけど、
それは迷信だ、みたいに単に否定することで思考停止するケースが多いと思います。
江戸時代の人々は、そういうものを否定せずに、 不思議、ちょっと怖い、と自然に受け入れていたのでしょう。
頭でっかちに単純否定するよりも、ずっと健全な感じがするんですよね。
そう感じるのがこの100物語です。
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わからないものを素直に受け入れて対処の仕方を真剣に考えていく。
そういう時代の入り口に案外相応しい作品なのではないかなと思います。
読書と編集では、ITを特別なものではなく、 常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
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今日もワクワクする日でありますように。 千葉直樹でした。
ではまた。