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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「江戸に戻ってしまった人を思う。杉浦雛子。」というものです。
この配信と書き起こしを掲載しているノートの方でも、何度か杉浦雛子の話をしています。
江戸時代の時代交渉の専門家で、漫画家で作家でした。
亡くなったのは2005年で、47歳の若さでした。
それからそろそろ20年近くになります。
僕は10代の頃にこの方の漫画に出会いました。
風流江戸雀というタイトルで雑誌に連載されていたものです。
江戸の戦流を漫画にしたもので、戦流の世界観が粋に描かれているものです。
かわいい絵柄だけど、漫画らしいタッチで、出てくる人物に江戸の言葉をさらっと喋らせるところがなんだかいいなと思いました。
当時の僕にとっては、江戸イコール東京で、東京イコール大都会でエネルギッシュで洗練されている場所というイメージを強く持っていました。
この直感は江戸にも当てはまるのですが、東京のイメージはよくある田舎者が持つ幻想というか妄想といった方がいいイメージでした。
風流江戸雀の中に出てくる江戸は、ローカルな東京という感じです。
江戸で三代続いて、やっと江戸っ子を名乗れるなんて言われますが、そこに住んでいる人だけが何の寺居もなく表現できるものなのでしょう。
洗流という言葉の世界を、ごく短い漫画にするという世界観に触れて、東京に江戸を重ねてみるようになりました。
江戸のイメージといったら時代劇のイメージも強いわけですが、それを演劇の文脈で見るようになり、そこにあるモチーフとか隠遊みたいなものに注目するようになりました。
おかげで現代とつながった江戸を感じられるようになった気がします。
杉浦雛子は、江戸に自由に出入りするタイムトラベラーのようでした。
話すこと、書くこと、描くこと、どれもとても生き生きとしていて、まるで見てきたようなのでした。
47歳でこの世を去った時、それはそのままこの世を去って江戸に戻ってしまった感じがしました。
たまに杉浦雛子の作品を読み返すと、日常の中に過去とつながったものがあることを思い出します。
彼女が東京の景色に江戸を重ねてみたように、僕も散歩する景色の中に過去の景色を重ねてみたいと考えたりするのでした。
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今日もワクワクする日でありますように。千葉直樹でした。ではまた。