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今日ですね、お話ししたいのは、自立学習とコーチングっていうのは、実は最高の組み合わせじゃないかということですね。
このスペースのタイトルで最強タッグっていうふうに書いていますけど、タッグっていうのはあれです。
プロレスとかでね、プロレスリングとかで、二人のペアがペアを組んで試合をする時に、そういう人たちをタッグというふうに言ったりしますね。
もとは英語だと思いますけど、今日この話、この自立学習とコーチングっていうのは最強の一番いい組み合わせじゃないかという、こういうことを話そうと思ったのはですね、
今まさにこの日本語教師ブッククラブでこの本を読んでいるからですね、今月読んでいる本は、日本語教師のための初めてのコーチングっていう本ですね。
吉田佑美さんが著者です。この本は僕みたいに海外に行っても日本のKindleで読むことができるので、少なくとも日本のAmazonにアクセスできる人は海外でも読むことができます。
もちろん印刷された本としても販売されていますね。
まずこの本についてなんですけど、なかなか読み進められないんですよ。普通の本は僕はだいたい1日1冊とかで読んじゃうんですよ。
昨日も1冊読んだし1日で。だけどこの本はそんな簡単に読めないです。
簡単です。すごい簡単な本なんだけど、全然読み進められないんですね。
その一つの理由は物理的にこの本が固定レイアウトですね。そういう風になっているんです。
固定レイアウトじゃない本はレイアウトが決まっていないので、例えば字を大きくしたり小さくしたりすることができますね。
字を大きくするとその分1行あたりの文字の数が減るので、1ページあたりに表示される文字の数は少なくなりますけど、
つまりレイアウトは変わるわけですね。文字の大きさを変えたりすると。
もう一つ固定レイアウトじゃないとできることは音声で読み上げができるということです。
今日ご紹介している日本語教師のための初めてのコーチング。
この本も固定レイアウトなので読み上げをすることができないんですね。
なので、ジョギングの時に走りながら聞くとか、あるいは通勤の時にこの本を聞くとか、そういうことができないんです。
それで物理的に早く読めないというのがあるんですね。
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でもそれだけじゃないんですよ。
実は一番きっかけとしては固定レイアウトだから、つまり読み上げができない、テキストとスピーチで聞くことができないから、
それがきっかけになって、つい本を置いてしまうんですよ。
それがつまらないから本を置いてしまうんじゃなくて、すごい刺激的なんですね。
この本はすごく刺激的でいろいろなことを考えさせるんですよ。
なので、これがテキストとスピーチの自動音声で耳で聞くことができる本だったら、どんどん先に進んでしまうから、結果的にはすぐ読み終わると思うんですけど、
でもこの本は本当に刺激的でいろいろ考えなきゃいけないこと、難しいからじゃないんですよ。
これもしたい、これもしたいっていう感じでいろいろ刺激的なんですよ。
自分の事業でこれをこういうふうに取り込めるんじゃないかっていう、そういうことを考えさせるので、そういう意味ですごく刺激的なので、なかなか読み進められないっていうのがあります。
別に難しいから読み進められないっていうわけじゃないです。
本の種類としてはかなり簡単な方だと思います。
専門用語とかもほとんどないし、多分想定されている読者の層としても、あんまり本には読み慣れてない、そういう人が対象になっていると思います。
例えば、コーチと学習者の会話の例のところとかだと、コーチが話すセリフのところにはそのコーチの顔のアイコンがあって、学習者が話すセリフのところには学習者の顔のアイコンがあったりします。
こういうレイアウト自体も、学術書みたいな難しい本っぽくないデザインになっているし、その本を書いた吉田さんも多分その辺をかなり意識されているんじゃないかと思います。
本はかなり簡単です。
だけど、簡単っていうのは難しくて読み進められないということはないです。
だけど、とっても刺激的で、いろいろなことをつい考えてしまうんですね。
そういう意味でなかなか読み進められない、そういう本ですね。
特に、自立学習ですよね、あるいは自己調整学習、そういうのを取り組んでいる人には、とにかくすごく刺激的ですね。
これを、自立学習とか、あるいは自己調整学習っていうのを、これも聞いたことがない人が、日本語教師の中にもそういう方も時々いらっしゃいますので、
まず最初に説明しておくと、この自立学習っていうのは、学習者自身が自分で日本語を勉強する目標を決めて、
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その学習方法とか、学習内容ですね、例えば教科書を使う人だったらどういう教科書を使うとか、
そういうことを全部自分で決めるっていう、そういうタイプの学習方法です。
だけど、一人で勉強するのではなくて、教室に来て、少なくともその時間は勉強をするし、
それから会話の時間とか、会話をしたい人はお互いに日本語のレベルの同じぐらいの人と会話をする。
それが自立学習というものですね。
この自立学習とこのコーチングというのは非常に相性がいいというか、
一緒にやるとすごくお互いに効果が高くなるような気がします。
コーチングの効果も高まるし、自立学習の効果も高まるような、そういう気がしていますね。
コーチングについても簡単に話をしておくと、
今言ったようにこの本によると、やっぱり学習者が自分で目標を決めて、
それでコーチと一対一で話し合いながら進捗状況とかを決めていくと。
特にコーチングのほうは、いわゆる先生に当たる人と思ってもいいんですけど、
その先生が学習者に教えるのではなくて、この1週間どうでしたかと聞いたりとか、
まず最初にプランニングセッションというのがあって、
そこでお互いのことを知り合ったり、学習者がどういうことを目標にしているのかというのを聞いたりするわけですね。
その目標に従って学習者がどうやって自分で、
何をどうやって勉強すればいいかを決めるのをそのコーチが手伝っていくと。
そういうのがコーチングですね、簡単に言うと。
でもコーチングの本、僕も何冊か今まで読んできましたけど、
この本は特に日本語の先生のための本なので、その意味で全然違いますね。
自分の仕事にどういうふうに落とし込めるのかということが、
もう本当にすごくいろいろ考えられるし、
この本にそのまま書いてあること、この本に直接書いてあることをそのまま取り入れてもいいとは思うし、
それ以外に特に個人面談ですよね。
個人面談をやっている人にはもう本当にすごく刺激的だと思います。
自立学習と個人面談をやっている人にはもうすごくすぐにでも取り入れられることがたくさんあります。
さっきすみません、ちょっと言いかけていたんですけど、
コーチングの本はすごくたくさんあって、僕もいろいろ読んできたんですけど、
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コーチングといっても本によって全然仕事の中身が違うんですよ。
例えばラグビーとかサッカーとかそういうスポーツの世界では、要するに先生ですよ。
先生とほぼ同じっていう感じのコーチングの人もいますね。
一斉事業の先生みたいな感じですね。
だけどこの本ではそういうのではなくて、
日本語教育の現場に即した内容が書かれています。
僕は個人的には今まで自立学習もやってきたし、
個人面談っていうのもやってきました。
一人一人と僕のコースに参加してくる学習者の一人一人と、
オンラインの例えばZoomとかGoogle Meetで話すっていうことですね。
そういうこともやってきたんですけど、
実はこれを本当に今気がついたんですよ。
この本を読み始めて気がついたんですけど、
そういえばこの二つを一緒にやったことがないなということに気がつきました。
これはやっぱり例えば行動中心アプローチとか、
あるいはインド政府とやっている教師養成のコースとかでも個人面談をやっていますけど、
こういうときは必ず課題が決まっているんですよね。
課題の進捗状況を僕が見ながらここができていませんねとか、
前のこれはよかったですねとかそういうコメントをしたり、
もちろん困っていることはないかありませんかとか、
そういうことを聞いたりもしますけど、
これは目標は少なくてもこちらが立てているんですよ。
このカリキュラムを僕が作っていて、それに従って参加者がいろいろやっているので、
なのでそういう意味でコーチングに近いところにはあるし、
僕自身もコーチングの意識はしていますけど、
だけど少なくとも僕がやっている個人面談は少なくとも、
この本の日本語教師のための初めてのコーチング、
この本の定義ではコーチングには当たりません。
実際僕から見てもコーチングではないというふうに思っています。
個人面談は大事だと思っていますけどね。
本当に今までどうして気がつかなかったんだという感じですね。
自立学習もやってきたし個人面談もやってきたのに、
なんでこの二つを組み合わせることを考えつかなかったんだろうっていうね。
もうそれが本当に自分としてびっくりというか、
自分はこんなにバカだったのかというふうにびっくりしてしまうぐらい、
なんでこれに気がつかなかったんだろうという感じですね本当に。
なのでちょっとこれは本当に今になって思うんですけど、
本当にこの自立学習というコースと、
つまりその学習者がコミュニティを使ってクラスで、
みんなでだけど学習者一人一人が自分自身の目標を立てて、
その目標を達成するために勉強する、
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そういう自立学習のコースと、
それからこのコーチングですよね。
つまり個人面談ですけど、
それをどうして組み合わせなかったんだろうというか、
本当にとても悲しいぐらい、
いや自分ってバカだったなというか普通気がつくだろうという、
そういうことなんですよ。
なのでもうこれはですね、
ちょっと僕も全部自分で決められる立場ではないですよねもちろん。
なので職場でこれができるかどうかはちょっと分からないんですけど、
まずはやっぱりインド政府がやっている教師要請の仕事があるので、
その隙間に埋め込められるんだったら、
やっぱり行動中心アプローチのコースもやりたいしね、
それでももし隙間があったらこの自立学習のコースで、
かつ個人面談を毎週やる、
そういうコースもやってみたいなというふうに今は思っています。
要するに自立学習コースの個人面談というのは、
それイコールコーチングという感じになるんじゃないかと思いますね、
その定義からして。
なので今そういう感じですごくアイデアをいただいたところで、
この本の著者の吉田さんにはすごく感謝したいと思います。
だけどこういう自立学習が必ずしもうまくいくかというと、
そうじゃないこともあるんですね。
特に上下関係とかヒエラルキーが強い文化、
そういうところではあんまりうまくいかないこともあります。
そういうときはどうしてうまくいかないのかというと、
若い参加者の人が年長の年上の参加者の人を頼ってしまって、
あるいは尊敬を示すからかな、
それで年上の参加者の人が一方的に説明とか一方的に話をするばかりになってしまうようなことがあるんですね。
でもそうすると年上の参加者の人が自分の勉強ができないですよね。
おまけに若い人は自立性を育てることができません。
自分で勉強する計画を立てるとかそういうことですね。
なので必ずしもうまくいかないこともあるので、
そこにちょっと自分の反省点として、
本当にそういうことをいろいろ考えちゃうんですよ、この本読みながらね。
この本読んでると、前のときはあそこがだめだったからあそこはちゃんとやらなきゃとかね。
実際にGoogleスライドに書く文言とかも浮かんでくるんですよ。
なのでそういうことを、この本から離れてそういうことをやってしまうので、
全然この本を読み進められないという、そういう状況があります。
ちょっとすいません、繰り返しになりますけど、
この自立学習とこのコーチングっていうのは、
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これには本当にとても強い神話性、高い神話性があります。
神話性っていうのは要するに相性がいいっていうことですよね。
一緒にやるとお互いにさらに効果が高まるんじゃないかというふうに今この本を読んでいます。
例えばこれがオーディオリンガルの授業をやっているような人だったら、
学習者が文系とか間違ったらすぐにその場で修正しなきゃいけないですよね、
オーディオリンガルの目的とか考えると。
だけどそういう場ではやっぱり先生は偉い人じゃなきゃいけないわけですよ。
間違いをすぐに正す、そういうわけですからね。
教師の権威、オーソリティっていうものが必要ですね。
なのでそういう世界ではこのコーチングとかっていうのはあまり一緒にうまくいくとは思えないんです。
このコーチングっていうのは答えは学習者の中にすでにあって、
それを見つけることを助けるのがコーチの役目ですよね。
なのでそういう考え方とはもう本当に水と油みたいにあまり混ざらない、
そういうものだと思いますけど、
でもこういう自立学習とコーチングっていうのは非常に一緒にやりやすいものじゃないかなと思いますね。
今僕がちょっと面白そうだなと思っているのはやっぱりこのコーチングを中心にしながら、
でもそのコーチングだけではなくてコミュニティの力も応用するために、
教室とかZoomを使って同じ時刻に学習者に集まってもらうっていう意味です。
リアルタイムのライブセッションみたいなものをグループでもやるっていうことですね。
それは何でかっていうと、例えば会話の練習するにはお互いに話し合う相手とかも必要だったりしますよね。
なのでそういう意味でもグループダイナミズムっていうのは役に立ちますし、
それから例えば漢字とかJLPTの一人でもできるそういう勉強ですよね、
多読とかもそうですけど、
そういう一人でもできる勉強もちゃんと時間を区切って、
この時間はちゃんとZoomとかにアクセスしてそれをやるっていうふうに決めていると、
他のことをやらないでそれに集中しやすいんですよね。
そういうのを最近は黙々ベアとか黙々活動っていうこともあるかな、
黙々っていうのは何もしゃべらないで黙々と何とかするっていうのを沈黙の黙ですよね。
それで何もしゃべらないで何かをするときに黙々と何かをするって言いますけど、
多分そこから来てるんだと思います。
一人で他の人と話し合わないで勉強するんだけど、
だけどZoomとかに集まってそれをやる、そういうのを黙々ベアとか言ったりします。
そういうのに使うことも意味があると思いますね。
だけど実際にはただそうやってバラバラに来てバラバラに帰るのではなくて、
時間になったら、例えば午後8時とか決めておいて、
午後8時になったら皆さんでメインルームで全員で集まってやることがまず二つあるんですね。
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一つは例えば一週間に一回やるんだったら、
この一週間はどういうふうに日本語を勉強したかっていうことを振り返るわけですね。
振り返ってそれを共有します。
皆さんに私はこの一週間でこれをしました、漢字を勉強しましたとか、
映画を見ましたとか、それでもいいんですけど、
それからこれから始まる一時間の間で、
一時間というのはコースのデザインによって30分とか45分とかいろいろな時間があっていいと思いますけど、
その一時間とかみんなで一緒に勉強する時間で、
自分は何をしたいかそれも共有するわけですね。
この二つをやった後で自由に勉強する時間になります。
これはブレイクアウトルームを開いて、
例えば会話をやりたい人はこのトピックで話したい人はこの部屋とかそういうふうに決めるといいと思いますね。
時間が決まって終わる時間の解散する時間が近づいてきたらそのブレイクアウトルームを閉じて、
今日のこの一時間では何をしましたかということを一人ずつ共有しますね。
そしてこれからの一週間で、もしこれが一週間に一回の授業だったら、
来週のこのライブセッションまでにどうやって日本語を勉強するか、
あるいはちょっと勉強する時間がなさそうですとか、
そういうことも含めてそれを共有する。
こういう感じの流れになると思います。
これが全体でのZoomとかを使ったグループセッションで、
それに個人面談も組み合わせるわけですね。
その個人面談に関してはまさにコーチングのスキルが生きると思うので、
今回読んでいる日本語教師のための初めてのコーチングですね。
これに書いてあることをそのままやればいいんじゃないかなというふうに思っています。
こういうことを本当にこの本を読みながら、
どんどんどんどん具体的にこれやりたい、あれやりたいというのがすごくたくさん出てくるんですね。
スライドに何を書くかとかそういうことも考えています。
この部屋ではこういうふうに、
例えばさっきもちょっと言いましたけど年上の参加者に頼らないようにしましょうとか、
あるいは年上の人に質問があったらみんなに質問してもいいけど、
それは一人何回までというふうに決めたりね。
あるいはその年上の人が質問に答えるのはそれも一日何回までというふうに制限をつけるとか、
そういうふうにしないとヒエラルキーが強い地域ではそれが全然自立学習ではなくて、
要するに年上の人が教える一方的な一斉授業みたいな感じになってしまいやすいので、
そういうことを防ぐ方法とかも必要だと思っています。
ちょっと僕が共有したいアイデアは今日はここまでになりますけど、
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このズームでハナキンもこの本の著者吉田由里さんが1月27日に
ズームでハナキンの乾杯の音頭を撮ってくれることになっておりますので、
ぜひ皆さんこの本を読んだ方はこの本の著者に直接話を伺える機会なので、
ご参加いただければと思っております。
それではリスナーの方、今何人かいらっしゃいますが、
この本、日本語教師のための初めてのコーチングですね。
もうすでに読んでいますとか、あるいはせめてサンプルでもダウンロードしてみたいですという人は
ハートのマークでリアクションいただけますでしょうか。
自分にはちょっと難しいかなという方は涙のマークでリアクションいただければと思います。
ちょっと手に入らないという人もいるかもしれませんね。
ハートのマークいただきました。ありがとうございました。
それでは今日もこのムラスペにご参加くださいまして、ありがとうございました。
今日の自立学習とコーチングって最強タッグじゃね。
こういう内容につきまして、ご感想とかコメント、あるいは質問がありましたら
ぜひこのムラスペのハッシュタグ付きでご共有をいただければと思います。
それでは本日も良い1日をお過ごしください。
そして冒険は続きます。