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向井蘭の社長は労働法をこう使え
法律の下で展開されるビジネスの世界
ポッドキャスト社長は労働法をこう使えは
弁護士の向井蘭が経営者の立場に立って
経営者が知っておくべき労働法の基礎だけでなく
ビジネスに関する法律の問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤克樹です。
向井蘭の社長は労働法をこう使え、向井先生よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、今日も質問来ておりますので早速ご紹介したいと思います。
今日は35歳経営者製造業の方からですね、ご質問いただいてます。
はい。
こんにちは。いつもポッドキャストを楽しく拝聴させていただいております。
製造業の経営者です。みなし残業代に関する質問をさせてください。
弊社ではみなし残業制を採用しており、
新卒・中途採用時の給与もみなし残業代込みの総額で提示しています。
基本給・手当・みなし残業代の内訳はもちろん明記しております。
今後、製造業として投資や改善を行い、より生産性の高い製造現場を作っていくつもりですが、
そうなった際にずっとみなし残業制を維持していくことは考えておりません。
段階的にみなし残業を減らし、いつかはゼロにしたいと思っています。
現状のみなし残業時間を減らしていくということは、
そのまま捉えると従業員の給料の額面が減るということになりますので、
納得感が生まれないと思うのですが、
みなし残業をなくしていく過程において、どのようなアプローチが正しいのでしょうか。
向井先生のご経験や他社の事例なども含め、アドバイスを頂戴できますと幸いです。
製造業の経営者35歳ということは、小経者なんですかね。
よくある質問なんですよ。
実はあるある質問で、
これは部分じゃなくて、この全体がですかね。
全体が。
でも答えはご存知ですね。質問の中に答えが書いてあって。
人間っていろんな特性があるんですけど、
合理的に物事を考えられないことがあって、
それをバイアスと言ったりするんですけど、
現状維持バイアスというものがあってですね。
理屈上は同じことでも、
見た目が現状からは取り分が減るような見え方になると、
それを極端に嫌がるというのがあるんですね。
例えば何がいいのか、何がいいんですかね。
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いろんな例えがあるんだけど、
とにかく現状からお金が減ったりするっていうのをすごく嫌がる。
一番分かりやすいのは、
例えば株式投資してて、
これ違うか。
これちょっと違うか。
似てるかな。
10万円増えるのと10万円減る。
これってプラスとマイナスで同じ幅じゃないですか。
100万円が10万円増えるのと10万円減るっていうのは。
だけど心理的なストレスは、
10万円減る方が相当強くて、
例えば10万円増えることで5嬉しいんだったら、
10万円減ることで5悲しいでいいじゃないですか。
バランスは。
実際は10万円増えて5嬉しかったら、
10万円減って20悲しいイライラしたりするんですよ。
我々人間なんで、だよねって感じしますよね。
でも同じ、本当は同じことなんですよね。
喜んでるんだったら同じくらい悲しむんだと分かるけど、
なんでもう辞めよう株式も全部解約しようかとか、
もう株式閉じてダメだとか、
だって1週間前10万円増えたじゃんと。
また増えることあるよと思うんだけど、
思わないんだよね。
現状から減るっていうのにすごく過敏に反応するのがやっぱり人間なんですよね。
で、同じで、
これは製造業のお客様でご質問は、
製造業の場合ですね、
時給で払うことが状態化してるわけですね。
もともと製造原価とか割るためには人件費も出さないといけないし、
時間給で払うっていうのがもう戦前から馴染みがあるわけですね。
部合もあったんですけど、時間で払うこともしてましたから。
だから同じことなんですね、経営者からしたら。
いや、もらえるじゃんと。
損はしないよと。
ところがみなし残業代は早く仕事が終わればその分は自分の取り分になるから、
お得感があるんですね。
早く仕事を終わらせばもらえるっていう。
でも経営者からしたら、200時間しか仕事をしてないのに、
220時間お金を払うとおかしいと思っちゃうわけですね。
なので、残業減らすから終わりにさせてほしいっていう相談が多いんだけども、
労働者、働いてる人が強行に反対するっていうのが多いです。
ですよねって感じですよね、ここは。
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なんで簡単で方法は、5年間は現状維持すると。
3年間は現状維持すると。
6年目、7年目、8年目から年間5時間、月5時間分ずつ減らすと。
ゆっくり現状維持をしつつ減らしていくと。
人間は遠い未来のことを考えられないんですよ。
だから、例えばここで会社と喧嘩してですよ。
マイナスもあるわけですね、当たり前ですけど。
社長と衝突したら、2代目社長と衝突したら、
あと20年30年会社で働きたいのに、
昇給が止まるかもしれないと。
職位を減らされるかもしれないと。
5年間は今の制度が続くと。
自分は5年いるか、転職も考える年になってるから、
いるかわかんないと。
なれば賛成します。
時間を置くっていうのはすごく重要で、
例えば消費税の値上げ。
消費税、税率上げましたよね。
第二次安倍政権が頭いいなと思ったのは、
値上げ値上げするってしなかったでしょ。
見送りしましたよね。
事前の予告期間をたっぷり取りましたよね。
3年前とかから具体的に決めましたけど、
延期しましたよね。
延期、延期、延期。
そうするとどうでもよくなるんですね。
だんだん。もういいわ、みたいな。
なるほどね。時間軸を使う。
消費税増税して倒れなかった政権は、
安倍政権初めてですから。
竹下政権、橋本政権も潰れましたから、
消費税増税で。
これは日本人は忘れるんですよ。
時間が経つとどうでもよくなっちゃう。
例えば3年間現状維持して、
3年後に少しずつ減らしてきますよってやりつつ、
社内の空気見て1年間延長するとかね。
安倍政権方式ですよ。
なるほど。予告はしておくけども。
僕消費税増税したら負けるんだろうなと思ったけど、
誰が考えたかわからないですけどね。
うまくうまく延長しましたもんね。
シナリオなんですかね。
シナリオですよ。間違いない、あれは。
なるほど。
日本人の国民性分析してやったんですよね。
すごい。
私自立そんなに下がらなかったんですね。
なるほどですね。
安倍さんが考えついたのか、周りの無礼なのかわからないけど、
賢いですよね。
そうやってやると、どうでもいいやみたいになりますよ。
これはそういった、
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みなし残業をなくしていく旅の戦略としてその話がある中で、
ただこれみなしなくなっても、
残業自体は実態に基づいてちゃんと残業を払うってことだけの話ですね。
もちろんもちろん。
お得感がなくなるだけなんですね。
もちろん早く帰れるようになるよと会社も努力するからってなるんで、
あとはですね、新入社員はもう適用しちゃう。
初めから。
ゼロで給料払う。
社内に新入社員が少しずつ増えてきますから、
多数派になるわけですね。新制度派が。
そうすると、だんだん声も小さくなりますね。
ただ製造業だと金属年数長いから、
そう簡単に増えないんでしょうね。
新卒は取っているようですからね。
新卒の人はそちらでもらうようになると、
だんだん、時間が経つとどうでもよくなりますよね。
これ向井先生の見解聞きたいんですけど、
勝手な私の感覚で、
みなし残業問題ってみなし残業に対して、
みなし残業で得してる人って結構頑張ってない人の傾向で、
頑張ってる人ほど実はみなし残業で損してる傾向が非常にあるなという感じがあって、
じゃあ辞めるって言った時に、
得しちゃってる、上手く働かないでみなし残業で得してる層が
ぐわっと文句言うっていう傾向って結構多く見るんですけど、
その辺って様々な現場見ててどうなんですか?
いや、でもみんなやっぱり損すると思って、
一斉に反対しますね。
見え方がやっぱり減っちゃうから、給料が。
だからすごく反発を仕事する人、しない人からも受けますね。
みなし残業ってすごいリアルな話で言うと、
住宅ローンをみなし残業前提で組んじゃってる方って多いじゃないですか。
多いでしょうね。
あれが結構不平とかじゃなくて、
どうすんだみたいな状態に炎上するっていうのはある気がするんですけど。
だからやっぱり5年とか3年おいてゆっくりゆっくりやるしかないんですよ。
それは昇給とかボーナスで頑張ってくれというしかないですよね。
みなし残業ってそうやって暫定的に減らしていくありきになるんですか?
いわゆる飴と鞭のバランスで、
その分、頑張った分に対しては、
昇与が上がるような設計にしておくとかっていうような対策とかってどういうもんなんですか?
そこまで考えてる会社ほとんどないですね。
なるほど。
全然考えてないね。
製造業はみなし残業はやめたほうがいいですよ、と思います。
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なるほどですね。
変え方の日本政府からの戦略を教えていただきましたので、
これはちょっと使えるんじゃないかなと思いますが、
ぜひ活かしていただいて、またご質問お待ちしております。
はい。
というわけで、向井先生ありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
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