具体的にそれぞれいろんな男性たちが、ビーング的なことをどう討論するのか、どう話すのかっていうことを具体的に記録していった本って言ってもいいかなと思ってるんだけど。
そうですね、インタビューというか、記録ですね、本当にたくさん。
具体的にいろんな人の話が出てるので、具体的なエピソードからいろんな問題、なぜかつながっている、共通している問題みたいな話っていうのが浮かび上がってくるっていうところがあったりとかしていて、
その辺をね、いろいろ考えたり、悩んだりしながらお話ししてるっていう感じが私たちではあるんですけれども。
今回は渋谷智美さんというですね、現在東京経済大学全学共通教育センター教授である研究者の方って言っていいんですかね。
そうですね、想定で問題ないと思います。
ジェンダー及び男性のセクシャリティの歴史っていうのを研究する方と共編著っていう感じで、
こっちらもですね、言ったら対談形式っていう感じで進んでいく本になっておりますね。
で、清田さん渋谷さんと将後とのゲストっていう感じでお話をしていくっていう感じなんですけども。
清田さんの著作以外にも僕たちジェンダーに関わる本っていうのは取り上げてきていて、
その中で竹田佐徹さんのマチズムを削り取れを取り上げたことがあるんですけれども、
今回には竹田佐徹さんもそのゲストとして参加っていう感じでお話に参加されてて、それが記録されてるって感じですね。
そうですね。
で、他にもみんな基本的には研究をやってる人っていうのが多いのかなっていう方々に、
それぞれ自分の研究されてる分野と、清田さんと渋谷さんでお話ししていって、考えていくっていう感じの本になっているかなと思います。
そうですね。男性学とかジェンダー系の記事を読んだことがある方だったら一度は名前聞いたことあるような、
そうそうたる方々がね、順繰りにお話ししていくっていう形の本ですね。
なので、はじめに言うと語り口としては交互なので、対談形式なので、非常に読みやすい本になってるんじゃないのかなと思います。
そうですね。
あとやっぱりずっと本読んできてる清田さんが、やっぱり自分自身の経験とかと絡めて話されることが多いから、
そういった意味でも、自分自身と清田さんが重なる部分があって、質問に対する回答が返ってくるっていうような感じで、
自分と照らし合わせて考えられる部分が多いから、そういった意味でもあんま置いてきぼりにはなりにくいかなと思いますね。
うん。いや今回思ったけど清田さんって、自分の本とか、あと桃山翔治清田さんがね、主催っていうかまたやられてる団体というか、
男性女性っていうのは、男性優位社会では女性っていうのは優位に上がることができないわけじゃないですか。
そういう時に自分はその構造上で得てる優位性やのに、女性側に圧力をかけることに何の違和感も持ってないっていうところが、
僕もほんまにそうしちゃうかもっていうのであって、例として挙げられているところとしては、
もうちょっと家のことを男性側にやってほしいっていうふうに女性が主張した場合に、
だったら俺と同じくらい稼いでこいよ、みたいなことを言うっていうのは、男性優位社会においては男性の方がより稼ぎやすい立場なわけじゃないですか。
そういった優位性があるにもかかわらず、その優位性を利用して何が悪いっていう考えがあるから、
明らかの不平等なのにそういう主張をしてしまうっていうことなんですよね。
そうねー。ここさ、後半でさ、データで、
労働時間っていうのは、県とかによってそれぞれ平均の労働時間みたいのは違うんだけど、
男性が働いてる時間って言うのはそれぞれ違うけど、家事育児の時間に使った男性の時間っていうのはほぼほぼ一緒っていうさ、
すごいグロテスクなデータが後半出てくるんだけど、すごいショックだったな、これ。
で、何やってるかっていうと、みんなスマホとかでいろいろ見てるっていう、その時間。
だから結局時間できても、家事しないじゃんっていう。
そうそうそうそう。っていうのがあって、ほんとそれってそういう、言ったらジェンダーロール的なものの乱用やんか。
うんうん。
っていうところが、やっぱ具体的なデータっていう、その後出てきたから、余計、ああーってなったかなー。
そうだなー。まあちょっとさっきの話に立ち替えるんですけど、その就職にしても大学とかにしても努力はしてるじゃないですか。
うん。
僕らも。だから、その構造上優位になってるだけやったとしても、自分が努力して得た優位やと思ってしまってるなって思ったんですよ。
うーん、そうだねー。
うん。男性がまあやっぱりその自分の優位性に無自覚なのって、優位であるからゆえにっていうところなんですよね、そこが。
うーん。
だから、えっちょっと待って、それ本当に、自分、この優位性によって得られたものじゃなく100%自分の努力で得たものって言える?っていうのを、自分に問い続けたいなっていうのをすごく思いましたね。
気づきにくい構造っていうかさ、まあその構造自体に気づくことってすごい難しいんだろうね、今、生きてると。
言われないとわからないし、しかもまあこれだけ男性社会って言われてる中で、周りが男性ばっかりやったらより気づかないだろうし。
うーん。
なんかその根本的な部分っていうのを、なんかすごく自覚させられた。
うーん。
だなーと思いましたね、ここについては。
なるほど。
平井さんが語られているところで、もう一個気になったところとして、ハイブリッドな男性性っていう単語が出てくるんですね。
これがどういうものかっていうと、男性学の中で使われるようになった言葉らしいんですけれども、
例えば男性が家事・育児をする時間が生まれるようになってきたら、それが表面上はやっぱりこの男性が変わったように見える。
良い方向に変わったように見えるんだけれども、それってようやくこのフラットになった状態になっただけじゃないですか。
うーん、そうだね。
すごくポジティブな評価を得られるけど、ようやくそのフラットに働きもするし、家事・育児もするっていう状態になっただけなんですね。
うーん。
で、一方女性の方っていうのは、ずっとその家事・育児っていうのを主にさせられている人たちが、
じゃあ仕事もより半分はやるってなったときに、「え、家大丈夫なの?」とか言って逆にネガティブな評価をされてしまう。
同じ方向に向かっているのに全然平等じゃないんですよね。
っていう中で、そういう男性の方はポジティブな評価を得られるから、それを目くらましにして、なんかいろんなこと、そういった問題とかをうやむやにされてしまう。
いや頑張ってんじゃんっていうことで、ようやくフラットに戻ってるだけやのに、いやめちゃめちゃ頑張ってるっていうので、こう評価されてしまうっていうことが問題になってるんですけど、
僕はこれは本当にそうだなっていうふうに、僕の中で驚きっていうか、特に共感した部分なんですけど、
うーん、今暮らしてる中で料理とかは、特に今暮らしてるパートナーが忙しいっていうこともあって、ほぼほぼ僕が今やってる状態なんですけど、
なんかそういったことを清田さんがこの本の中で言うと、それがまたバウント取りとかになるっていう話をされてるんですけど、そういったことに使いたくないんですよ絶対に。
うーん、それによってようやくフラットになるわけなので。
で、なんかそういった話を一回職場でした時に、話の流れで僕が料理を主にやってるっていうのを言った時に、
同じ職場にいる40代ぐらいの女性の方が、別の男性の社員、僕の同期の人に、もっと料理した方がいいよみたいなことを強く言ったんですよね。
だから僕自身はそれでマウント取りに使いたくなかったんですけど、他社によってこのマウントが取られてしまって。
で、それでその子は確かに料理とか全然しないんですけど、実家暮らしで自分の給料のほとんどを家に入れてるんですよ。
で、家族もそれに満足してるから、別にその無理に料理する必要はないんですよね。
なんですけど、行動でマウントを取られてしまうっていうのは、なんかやっぱこの男性化・家事をすることによるこの課題評価というか、
このハイブリッドな男性性で語られているような、すごいポジティブな変化に移ってしまってるなーって思ったんですよね、社会的に。
もちろん素晴らしいことだし、必要なことなんだけど、
これよく単純にそれだけやってるからOKみたいな感じに転化しちゃったりとかさ、言う人も出たりするっていうのもあるだろうし、そこをすごく評価することによって。
たぶんやりすぎかなぐらいやってようやくフラットだと思うんですよ。
で、なんかその話から繋がってなんですけど、第6章で竹田さてつさんが、例えばある人の家に行ったときに、
家の中で、まあ例えば夫婦の方がいたとして、男性が夫側が妻にちょっと上からな物言いとかをしてると。
まあ旗から見るとよくないけど、その二人にとってはそれが合意の取れた形になってるって言ったときにどうすればいいかみたいな話をしていて、
その中で二人がいいなら全然いいけれども、それがスタンダードじゃないからねっていうのは忘れちゃいけないっていうようなことをおっしゃってて、
ほんまにそうやなと思うんですよ。
そうだね。
僕の会社の動機は合意取れてるわけで、無理に料理する必要ないんですよ。
ただ、男が外で稼いで、家のことは女の人がやるっていうのがスタンダードになっちゃいけないだけっていうのをやっぱ忘れちゃいけないんですよね。
ただいろんな生き方ができるようになればいいっていうところを、なんかやっぱそれも忘れちゃいけないなってすごい思ったんですよね。
そうだね。
なんかこの中でも、そこでさ、ちょっと待って、これ良くないみたいな感じで、
その話をするって、もうその場を壊してしまうことになってしまうから、できないよねっていう話も出てきて。
そこは僕めっちゃ好きなんですけど。
でも実際、例えばこういう本を読んだりとかして、そうだ頑張ろうとか思うけど、もちろん社会はみんながこの本を読んでくれてるわけではなくて、
本当は読んでほしいんだけどね。
そういうことって、今まで僕もジェンダーの本とか読んできて、すごい直面すんのね。
うーん、そうやな。
うん、言いたいけど、ここを壊してしまうことになるからみたいな。
まあでも、そういうさ、スタンダードではないよっていう、そういったふうにも思えるってことは、まあ一つの、なんていうか、
諸星術じゃないけど、一つの態度としてこういうことはできるよなとは思わせてくれたかな。
そうやな。だから僕はその場では言えなかったけど、いや別に僕がスタンダードなわけじゃないし、君がスタンダードなわけでもないから、
お互いのパートナーとかが満足してるんやったら、別に良くないっていうのを言えるなら良かったんやけど、
そこまで頭がまだ回ってなかったね。
うーん、なんかすごいね。
というところは読ましたね。
いろんなことがね、語られている本ではあるんですけれども、まあ章ごとに、触れてない章でもね、
いろんなお話がありますので、それぞれ本とか出されたりとか活動されてる人がゲストというか出られているので、