大人の音楽ルームの誕生
神田智美
敬和キャンパスレポ。この番組は、新発田市富塚にある敬和学園大学の大学生が、大学に関わるイベントや人、新発田のことなどをテーマにお届けします。
敬和キャンパスレポは、実践するリベラルアーツ、敬和学園大学の提供でお送りします。
みなさんこんばんは。この番組は、敬和学園大学から大学のことや新発田、新潟のことを伝える30分番組です。今日の進行は、国際文化学科4年の神田智美と、
宮路晴夏
国際文化学科3年の宮路晴夏です。どうぞよろしくお願いします。
今回は、新発田市寺町の大人の音楽ルームという話題ですが、神田さん、大人になるにつれて聴く音楽が変わってきたという経験ありますか。
神田智美
それがですね、中学時代からずっと椎名林檎が好きで、今でもずっと聴き続けてて、聴く音楽が変わるっていうのだと、スタンダードにそれが好きなのと、プラスアルファでその時期その時期で、
中高だったらボーカロイドだとか、アニメ音楽だとか、今だとKPOPだとか、アイドルとか、
そんなぐらいで、特に興味趣味趣向が変わるっていうのはあんまりないなと思います。
というわけで今日は、新発田市内の寺町通りに大人の音楽ルームという秘密基地のような拠点を作られた小比田克彦さんにおいでいただきました。どうぞよろしくお願いします。
小比田克彦
よろしくお願いします。
宮路晴夏
今回の企画は、昨年の夏に授業での取材課題で、神田さんが小比田さんに取材にうかがったのがきっかけなのですが、この神田さんの記事に基づいて、私宮地から小比田さんのプロフィールをご紹介させていただきます。
小比田克彦さんは長岡市のご出身で、大学卒業後、広告代理店の営業として大手化粧品会社の広告制作を担当されて、その後独立。
広告戦略の立案とクライアントとのコミュニケーション、業界経験と音楽知識の深さを武器に、フリーランスでプランニングや広告制作をされています。
現在は音楽ショップ、ダルシマレコードを経営されているほか、2023年から新発田市内で大人の音楽ルームを開設されています。
神田智美
取材させてもらって書いた記事が、評価高くいただきまして、一戸先生から100点をいただきました。ありがとうございました。
そして、もともと広告代理系の仕事を大学時代から憧れていたんですよね。
小比田克彦
ちょっと微妙に違うんですけど、本当は制作をやりたかったんですよ。アルバイトみたいな感じで、ちょっと制作のお手伝いをしていたんですけど、
それをやっているうちに、それよりはそもそも全体のものを見た方がいいと思って、どっちかというとプロデューサー志向になったんですよね。
それでいきなりプロデューサーっていうのはできないんで、制作会社の営業の仕事を探していたのが学生時代のまると4年目くらいの時かな。
そんな感じです。だから急にそこから就職探しても大変じゃないですか。
だからちょっとずれとかとは入社がずれてるっていう感じなんですね。
神田智美
新卒すぐの入社ではなく、いいところが見つかってからなんですね。
小比田克彦
僕が行ってた学校も特殊なんですけど、やっぱり制作系の学校なので、あんまり営業職って求人にないんですよ。
少ないのね。たまたまその時に制作を知っている営業をやりたい子っていうちょっと特殊な求人があって、それがここに話していたので、来たよって連絡があって、そこで受験というか受けたんですね。
神田智美
それはもともと音楽だとか広告だとかが好きで。
小比田克彦
ちょっとここ話が難しいんですけど、とある人の話を聞いたのがきっかけなんですけど、オーケストラ、作曲家なんだな今は。
もともと楽器をやってる人で、最初にバイオリンをやって、目立たないから嫌だからシンバルをやって、その後にティンパニーをやって、最終的に指揮者を目指して、その後作曲家になるっていう人の講演を聞いたことがあった。
中学生ぐらいの時に。何が一番その方が悲しいと思ったかっていうと、最終的にどんなに練習しても作曲家側が現場に来たら、こう直してっていう一言で全てのものが壊されちゃう。
変わっちゃうっていう経験をして、やっぱりちゃんと作曲っていうところが一番偉いんだっていうことを聞いちゃったのが、実はずっと根底にあって。
制作をやってると、クライアントが突然来て、こここうしてよ、ああしてよって言われると全部ひっくり返るじゃない。
それがちょっとすごく本当に切なくて、じゃあやるんだったら僕はスポンサーにはなれないけど、営業になると全部コントロールできるかもしれないなって思ったから営業職を選んだのが最初ですね。
神田智美
そうだったんですね。
音楽知識の豊富さが仕事につながっていったという点もあったんですよね。
小比田克彦
学生時代にレコードショップでアルバイトをしていたのが経験で、その時の面接担当がむちゃくちゃ音楽が好きな人だったんですよ。
それで面接の間中、ほぼ音楽の話しかしませんでした。
それで採ってもらいました。
そういうこともあるかもね。
宮路晴夏
大人の音楽ルームは寺町たまり駅横の寺町日和の2階に開設されたとのことなのですが、まずどういった経緯で寺町日和が作られることになったのでしょうか。
小比田克彦
2年くらい前に代表者の伊藤さんという方がお寺がとっても大好きで詳しい方で、
あのエリアで何かできることがないかなって探しているときにたまたま空き家を見つけて持ち主を探してお借りするのがきっかけだったみたいです。
宮路晴夏
もともと空き家の場所を。
小平和彦さんの経歴
小比田克彦
そうですね。
宮路晴夏
主に何を、2階では音楽大人の音楽ルームということなんですけど、主に何をされている場所なんですか。
小比田克彦
とっても何を何屋さんというのを説明ができづらいんですけど、
イベントスペースとして開放したりとか、何かの展示をするとか、
ワークショップみたいなものをやったりとか、それぞれのメンバーが今10人くらいいるんですけど、
それぞれがやりたいことを決めて、その期間それをやるっていうことを自由にやれる場になっているっていう形なんですよね。
だから何屋さんっていうのはちょっと難しい。表現としては難しいかもしれない。
宮路晴夏
言ってしまえば何でもできるっちゃできるし、提案次第ってことですね。
小比田克彦
だから皆さんもお借りしたいとかっていえば、どんどん使ってもらって構わないという場所でもあります。
神田智美
2階に音楽ルーム、大人の音楽ルームが入ったってことなんですけども、その他にもどんどん増えていくらしいですね。
小比田克彦
そうですね、寺田ヒロオさんのコレクターがいらっしゃって、そこで寺田ヒロオミュージアムを作ろうという動きもあるし、
せっかく昭和っぽいスペースなんで、ちょっと昭和的なものを販売したりとか、ちょっと何かそういうことをやろうと思っている方もいらっしゃるし、
ちょっと様々なものが多分4月ぐらいから出来始めてくると思います。
神田智美
今後も楽しみな感じですね。
宮路晴夏
本当にかっこいいですよね。憧れます。自由にある意味やってるのがかっこいいなって思います。
小比田克彦
きっとラジオでか分かんないと思うけど、大体お父さんとかお母さんくらいの世代の人がちょっと頑張ってるっていう意味ではちょっと面白いかもしれないですね。
宮路晴夏
いいですね。
さてここで1曲をお届けします。ピンクフロイドマネー。
1973年に発売されたアルバムThe Dark Side of the Moonからシングルカットされた6分22秒の非常に長い曲です。
人とのお金の関わりを歌ったユニークな歌詞です。
英語でのアルバムタイトルはThe Dark Side of the Moonですが、日本語タイトルの狂気というのもよく知られていて、
全世界で5000万枚以上売れた名盤中の名盤だそうです。
2023年には50周年の記念アルバムもリリースされています。
小比田さんこちらの曲をご紹介いただいてもいいですか。
小比田克彦
そうですね。この曲というよりもそもそもアルバムが全体がコンセプトアルバムになっていて、人の人生とか一生のことを実は歌っている流れなんですね。
最初は本当に心臓の音から始まって誕生とか、それこそ今紹介するマネーとかお金があったらこういうことができるだろうということを歌っていたりとか、
人生とか世の中のことには裏と表があるということを歌っていたり、それが結局The Dark Side of the Moonということなんだけれど、
そういうふうになっているので、当時としてはすごく珍しい形の誰にでもある種共感できるけど、歌詞はすごく哲学的なものなので多分受けているし、
いまだにやっぱり聴かれているというそういうアルバム、その中で一番きっとしたシングルになったのがこのマネーという曲になりますね。
宮路晴夏
それでは聴いてみましょう。ピンクフロイド マネー
神田智美
敬和キャンパスレポ
お届けした曲はピンクフロイド マネーでした。
さて、今日の敬和キャンパスレポは、新発田市内寺町通りに大人の音楽ルームという拠点を作られた小比田克彦さんにおいでいただき、お話を伺っています。後半もどうぞよろしくお願いします。
小比田克彦
よろしくお願いします。
神田智美
前半では寺町日和が作られた経緯を聞いたんですが、その中に大人の音楽ルームが入ったのは作られてから約1年半後なんですよね。
小比田克彦
そのくらいになりますね。もともとは1階のスペースだけを借りていったっていうのが1年ちょっとの間なんですよ。
その後、いろんな人がたくさん来るようになったので、もうちょっと広くいろいろ使いたいなということで、使っていなかった2階をお借りできたらいいなって皆さんで思ってたらしいんです。
2階に何があったらいいかっていう話の中で、年齢的に音楽を聴くとか世代的なこともあるので、そういう方がいらっしゃってくれたらいいなっていうのは少しイメージがあったらしいんですよね。
伊藤さんと僕はそういう形でずっと知り合っていたので、ちょっと僕のところに連絡があって、2階にちょっと素敵なスペースがあるから、ここちょっと音楽聴けるような場所にできないかなって相談されたのが最初です。
神田智美
そうだったんですね。確かに大人の音楽ルームのレトロな内装はピッタリだと思います。小比田さんのスペースに。
小比田克彦
そうですよね。その期待は裏切ってないと思います。
神田智美
超えてきたと思います。そして音楽ルームには小比田さんの所蔵の約7000枚のアナログレコードを聴いてみることができるんですよね。
小比田克彦
そうですね。実際にその数があるわけじゃない。ほとんどが家にあるんだけれど、リクエストしてもらったり、こういうものが聴きたいって言われれば、持っていれば、じゃあ用意しておくねっていう風にできるので、それは聴くことは可能です。
神田智美
学生時代から集められてたんですか?
小比田克彦
そうですね。一時期ちょっとやめてた時期もあったけど、でも結局やっぱりそうなっちゃいましたね。
神田智美
どういう系統の曲が集まってるんですか?
大人の音楽ルームの内容
小比田克彦
個人的にすごく好きなジャンルってあって、それはそれでちゃんときちんと購入するんですけど、
みんなに聴いてもらいたいっていうこともあるので、割と一般的なものもたくさんあるっていう感じかな。あんまり何か特定なジャンルっていうことではないです。
神田智美
この間お邪魔したときに聴かせてもらった、夏の日に聴かせてもらった、思い出はモノクロ。あれがもうすごくエモくって忘れられないんですよ。今の時期におすすめの曲はありますか?
小比田克彦
ちょっと考えれば冬の日かでもあるし、今の曲はそれこそ大滝栄一さんの超名曲だけど、そのアルバムの一番最後のレイクサイドシティっていうのは冬の歌だから、それはそれで素敵だと思いますよ。
宮路晴夏
こういう感じでリクエストされるんですね。
小比田克彦
2年前に出た40周年のボックスセットのやつが一番いい音なんで、それ持っていくよって言ったりとか、ちょっとマニアックな話になりますけど、
12インチ、いわゆる30センチ一曲しか入ってないシングル版とか特別にあったりするので、そっちのほうが圧倒的に音質がいいので、じゃあそれ用意するねとか、そういうふうになるよね。やっぱりそれをせっかく聴くんだったらいい音で聴いてほしいよね。
神田智美
同じ曲でも何枚もレコードを持っていらっしゃるんですよ。
宮路晴夏
すごいですよね。たぶん今の私たちの世代は、そんなに何回も同じ曲を買うっていう習慣がない人が多い気がするんですけど。
小比田克彦
何枚も同じって言うんだけど、こういうこと言うとたぶんまた変態だよなって話になっちゃうんだけど、違うんだよな。
神田智美
音質が?
小比田克彦
違う。あと人によってはちょっとだけ変えてるとか、ドラムの音とかがもうちょっと左に触れてるとか右に触れてるとか、もうちょっとレベルが高いとか、そういうのはちゃんとそれぞれに実はちゃんと作ってるって意味があるので、ただ同じものをプレスすればいいやっていう人は実はあんまりいなかったりします。
神田智美
作り手側にも聴く側もこだわりを持って聴くのがレコードなんですね。
宮路晴夏
そうですね。でもこうやって聴いてくれる人がいるから、作る側もちょっと変えてみたいな。
小比田克彦
ほんのごく一部のマニアのためだけにやってることもいっぱいある。気がついた?みたいな言われることあるもんね。
宮路晴夏
いいですね。
神田智美
そこが気づきがいのあるというか。
そもそも私たちのような学生だと、今の学生だと、レコードを聴いたことがない人も多いだろうし、レコードの聴き方を知らない人が多いと思うんですよ。
小比田克彦
はい。
神田智美
レコードプレイヤーとスピーカーが必要なんですよね。
小比田克彦
あと途中にアンプも必要ですね。
神田智美
アンプも必要。
小比田克彦
音を増幅しなきゃいけない。ボリュームを上げないと音は出ないじゃない?大きく。だから一回そこで変換しないと。
宮路晴夏
そのものが揃っている環境が限られてますよね。私たちが普段行っている場所、学生では。
神田智美
きっと多分、レコード独特の柔らかさとか温かさとか広がり感とかっていうのを経験してもらいたいと思っていて、経験するとちゃんとスピーカーからきちんと音楽を聴くっていうことって最近ほら少ないじゃないですか。
小比田克彦
だからそういう経験がやっぱり、まずはいきなりじゃなくて、僕のとこに来て聴きたいですって言って、やっぱりこういうのあった方がいいなって思ってもらったら多分僕が一番嬉しいし、
業界的にも音楽はいろいろ作り手側の作品なので、ちゃんときちんと聴かれてほしいなと思いますけどね。
若い世代にアナログレコードの魅力を伝える
神田智美
私も取材に行かせてもらってから、レコードに興味を持ちまして、どうやって聴いたらいいんだろうとか、レコードプレイヤーどこのがいいかなとか、どのレコードを私は聴きたいんだろうかとか、いろいろ調べるようになりました。
小比田克彦
ぜひぜひ。そういう意味ではネタはいくらでもあるので、いつでもどうぞっていう感じです。
宮路晴夏
では、大人の音楽ルームで神田さんみたいに音楽を聴いてみたいという人はどのように申し込んだらよいのでしょうか。またイベントなど計画されていたらお伺いしたいのですが。
小比田克彦
今は場所があるので、特にイベントというふうには決めてないんですね。
なので、週末、土日は基本的には寺町日和にいるようにしているので、来週行きたいとか、いついつだったらいらっしゃいますかっていう連絡をもらえれば、僕の特に予定が取れれば来ていただければいつでも聞くことは可能なんで。
Facebookもしやられてるんだったら、そこにDMもらえばいいし、Xだと新潟名版開放連盟っていうサイトがあるので、そこは僕とつながるので、そこでメッセージもらっても大丈夫です。
神田智美
新潟迷盤開放連盟。
小比田克彦
迷う盤と書くやつ。
神田智美
迷う盤。
それでは改めて、私たちのようなアナログでの音楽を聞くことにあまり身近に感じていない若い世代に対してアナログレコードの楽しみ方、魅力について教えていただけますか?
小比田克彦
難しい。
とにかくいろんな技術が詰め込まれているし、物理的にCDみたいにたくさんのチャンネルがあって何でも入れられるっていっても物理的に無理なんですよ、アナログレコードって。
本当にとっても繊細だし、何よりも多分ジャケットの30センチのサイズが美しいじゃないですか。
あれがアナログの一番の魅力かなと思います。
宮路晴夏
さて、今日の敬和キャンパスレポは新発田市内の寺町通りに大人の音楽ルームという秘密基地のような拠点を作られた小比田克彦さんにおいでいただきました。どうもありがとうございました。
小比田克彦
ありがとうございました。
神田智美
さてエンディングです。
これまでアナログレコードについて語っていただきましたが、アナログレコード好きの小比田さんから見て、今のボーカロイドとかってどういうふうに思われていますか?
小比田克彦
好き嫌いで言ったらなかなかちょっと付きつきづらいんですけど、でも音楽って時代によって変わってくるじゃないですか、ジャンルも聴き方も。
だからそういう意味ではむしろ羨ましいかもしれない。
だって別に譜面書けなくてもいろんなことをすぐ誰にでもできちゃうじゃん。あとはセンスの。最終的にはセンスなんだろうけど。
でもそれはなんとかな、僕音楽好きで楽器屋とあるけど、やっぱ技術的に難しいよなっていう時代がもし今この時代に生まれてたら、そっち方向でやっている可能性もゼロじゃないかなと思うんで羨ましいですよね。
神田智美
作るのの簡単さ、手軽さが増しましたよね。
宮路晴夏
みんな携帯一つあれば何かしら作れるっていう感じですもんね。
神田智美
そう思えばすごい時代になりましたね。
では、今日の放送はこの辺で。
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