1. 今日の10分de1テーマ
  2. 今日の10分de1テーマ「スピ..
2022-12-08 12:26

今日の10分de1テーマ「スピノザの話のつづき」②

spotify
本職は編集者のエイドリアン太郎が1日1テーマを決めて10分話すpodcastです。 ※ご意見、ご感想、質問や話のお題などありましたら eidoriantarou@gmail.com へお便りください。
[beats by type-AB]
コナトスとは何か
エイドリアン太郎のテーマは、コナトスです。
昨日の続きです。
エイドリアン太郎が言う、それぞれの事物に備わっている力は、コナトスと呼ばれています。
コナトスとは、僕が僕であり続けるための力、ホメオスタシスのような力です。
コナトスが従前に働いている状態というのが、良いこと、善だと考えます。
全員のコナトスが従前に働いている社会というのを安定すると言っています。
逆に、コナトスを踏みにじっている国家は長続きしないと言っています。
踏みにじっているのはどういうことかと言うと、コナトスとは、みんなが持っている別々の力なわけですから、その力は物によって違うわけです。
角がある牛だろうが、角がない牛だろうが、完全な物であって、それぞれは別々の力がある。
角が一本足りない牛は、角があったり一本足りない牛なりの生き方をしているだろうし、足りている牛は足りている牛なりの生き方をしていて、
力は全然違う方向を向いているわけですよね。
それが、誰一人踏みにじられていないという状態は、社会として超安定している。
逆に踏みにじる国家は長続きしないと言っています。
踏みにじるというのは、本来だったらみんな別々の方向を向いている、ベクトル間別々の方向を向いている力というのを、何らか一定の方向にする、
お前斜め向いているから真っ直ぐ前向けみたいな話ですよね、というような国家のことを指しているんだと思うんですけど、
そういうのを聞くとナチスとかを思い出しますよね。
ある種の全体主義的なものを思い出すわけですけど、
そんな安定性に欠けるというのは、まあそうですよね。
そうだなというふうに思います。本の内容をただ話しただけですけど。
あと、このラジオで話したことで言ったら、カオス理論の話とかもちょっと思い出しますね。
物事をシンプルにすると逆に安定性が失われて、カオス状態の時に全体としては安定すると。
一つ一つの細かく見ていくと、めちゃくちゃバラバラなのに、みたいな。
まあそういうような話でもあるかなと。
で、この辺ね、こういうのは結構、自分の組織論的なものにも通じる部分はありません。
何だろうな、なんか一つのですね、リーダーみたいな、これをやるぞっていうのを明確に指し示してですね。
こっちに行くぞ、みんなでこれをやるんだ、選択と集中だ、みたいなことって、
まあ良きこと風に言われてる気がするんですけど、どうかなみたいな感じのこともあってですね。
この全員の力がですね、やっぱり従順に働いていると。
働いている、つまりそれはどういうことかと言ったら、良い組み合わせができているということですよね。
何らかの良い組み合わせがちゃんとできていて、互いが互いに高め合っていたりとか、
悪い組み合わせっていうのは起きないようにですね、排除されていたりして、
まあ誰もですね、踏みつけられていないというようなのが、
そういう状態を維持するためにですね、例えば上に立つ人が配慮しているっていうのが良い組織なのかな、みたいな風に思いますね。
こっちに行くぞ、おお、みたいな、別にそういうこと言われた方が働きやすいだろうけど、
じゃあその方向に合わない奴はパーチだ、みたいになっちゃうと、
まあちょっと安定性に逆に欠ける組織になるんじゃないかな、みたいな風には思うわけですけど。
スピノザの考える自由とは
でですね、次の話としては、スピノザの考える自由とはなんだっていう話になっていくわけですけど、
これはね、与えられている条件の中で必然性に従っていることっていうのは自由だと考えているんですよね。
魚の霊が出ててですね、水の中を魚が泳ぐために体ができているわけですけど、
その体をですね、使って泳いでいるということが自由であると。
魚が俺だって別に陸を歩けるんだって言って、陸も歩けるし空も飛べるぞ、みたいなことを自由って言ってるんじゃなくて、
魚っていう与えられた肉体精神に必然性みたいな条件みたいなものの中で、その必然性に従っていることっていうのが自由だって言ってるんですよね。
必然性に従っていることが自由っていうのが、言葉ずられていくと自由なんかみたいな感じがするわけですけど、そこはやっぱり面白いところですよね。
で、たぶんこの必然性っていうのを、さっき我々は体が何を成し得るかを何も知らないって言ってましたけど、
じゃあ自分が一体どんな必然性を持っているのかっていうのは、ぼーっとしててもわからないわけですよね。
結局それを知っていくには、いろんな実験をするしかないと。
いろんな実験をして、いろんな組み合わせみたいなことを経験して、
自分ってこういう肉体とか精神の条件を持っているんだ。じゃあそれに必然、そういう自分が持っているものに従っていこうってなったら、その人は自由だって言ってるわけですよね。
これを聞くと、思い出すというか、よく思うことがあって、
僕今42ですけど、明らかにですね、若い頃の方が不自由だったなと思うんですよね。
今42でね、結婚してて子供二人いてみたいな感じでですね、仕事終わって会社に勤めててね、一見それもう自由にねえんじゃねえみたいな感じはするわけですけど、
じゃあそれよりですね、遥かに背負うものもなかったですね。
例えば大学生の時と今の自分、どっちが自由だって言われたらですね、明らかに今の方が自由で、大学生の僕の方が絶対不自由なんですよね。
なんでかって言ったら、自分の条件をまだ実験したりじゃないんですよね。
一体自分がどういう必然性を持ってるのかっていうことをですね、分かってないと。
で、なるとですね、七点抜刀するみたいなところがあって、だからなんかみんなね、よく昔のその若い頃のことのこと、黒歴史って言うのって、まあそういうことだと思うんですよね。
自分が一体どういう必然性を持ってるか分からなくてですね、全然自分の必然性に合ってないなと思うことをやっていたりとか、
それを知るためにどんどん実験して失敗する様っていうのが黒歴史だみたいなことはあると思うんですけど、
やっぱりそういう若い頃の方が不自由っていうのを感じるものだと思うんですよね。
でですね、その自由の反対っていうのはじゃあ何かって言ったら強制だと。
強制っていうのは、その人の本質っていうのは踏みにじられている状態を言うと。
スピノザの自由論
これはスピノツアー自身が分かりやすい例を挙げてて、親に虐待された子供が戦争に身を投じ続けるっていうことをスピノツアー自身は見たと。
であれは、じゃあこの戦争に身を投じ続けてるっていうのはその人の意思のように見えるわけですよね。
じゃあ次の戦争は俺もそれも行くみたいな感じで。
なんだけどそれは自由、その人の意思で自由に動いてるんじゃなくて、強制されているとスピノツアーは言うわけですよね。
その自由と強制っていうのをどういうふうに分けてるかっていうと、自由っていうのは能動的なんだって言っていて、強制っていうのは受動的なんだって言ってるんですよね。
で、じゃあ能動と受動っていうのはどういうことかっていうと、自分が原因になっていれば能動だし、他人が原因になっていれば受動だって言うんですよね。
だからその親に虐待された子がですね、大きくなって、戦争に身を投じ続ける、危険な戦争に戦地に身を投じ続けるっていうのは、
その人の自身が原因になっている能動的な行為なのかって言ったら、違うよねと。
それはその親への憎しみみたいなものをですね、もうその親自身がいないとか会えないとかみたいな状況でですね、ぶつける先がなくて、
だから自分自身をですね、痛めつけるように戦争に身を投じ続けてるっていうのは、親が原因だよねと。
だからそれは、その人が自分自身でやってるように見えるかもしれないけど、
受動的で強制されていて、その人自身の本質が踏みにじられてるんだと。
スピノザの自由論(続き)
だからそれは強制されてるんだよ、みたいな話なんですよね。
でですね、なのでですね、そういう自分が原因になっている状態っていうのが望ましいわけですけど、
でも完全に自分が、完全な自由と、全て、自分の行為全ての原因っていうのがですね、
自分自身であるってことは、まあそれはあり得ないと。
何でかって言うと、世界においては、世界においてね、人ごというのは周囲のものから刺激を受け続けてるわけだから、
自分だけが100%原因っていうのはあり得ないわけですよね。
例えば僕はですね、今日ちょっとした打ち合わせがあったんですけど、打ち合わせの時には当然敬語を使ってるんですよね。
じゃあ何で敬語を使ってるかって言ったら、目上の人とか、他者の人とかがいるから敬語を使ってるわけでですね、
それはやっぱ他人が原因になっている、僕の行為なわけですよね、わずかにね。
だから100%自分が原因ですっていう行為などあり得ないって言ってるんですけど、
ただ、自由の度合いを高めることはできるよねって言っていて、
なるべく自分が原因になるっていうことはできるよねと。
そのためにはですね、もう本当これも繰り返しなんですけど、
自分の肉体とか精神をですね、いろいろ試して知っていって、いろんな組み合わせを試していって、
自分の力っていうのがコナテスですよね。
コナテスがより発揮される状態に少しずつ持っていけばいいんだっていうふうなことを言っていますと。
どうですかね、ここまでの内容だけでも、
スピノドさん、ええこと言うな、なんか優しい人なんだろうなって感じが伝わってきますよね。
ということでですね、あと10分経ったんで、またご失礼します。ありがとうございます。
12:26

コメント

スクロール