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はい、みなさんこんばんは、こんにちは。元公立高校理科教諭のちょぼ先生です。
ちょぼっとサイエンスのお時間となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?ということで
いや今週はですね、寒の戻りということでですね、めちゃくちゃ寒くないですか?もう朝起きるのが本当にね、もう苦痛になるぐらい寒いんですけども
なんかね、まあオープニングでね、私にいつもね寒い寒いってずっと言ってますけども、まあ本当に寒いということでね。
でね、ふと気になったことがあってね、この時期の南極って気温何度ぐらいなんかなって、ふとなんか思いついたというか気になったんですよ。
でね、今はね、もう世界中にも衛星飛んでますから、もう便利な時代になってますからですね、南極の現在の気温とか言ってね、検索するとね、もうポンと出てくるわけですよ。
もうすごいね、時代になりましたよね。で、見てみたらですね、南極の気温ね、何度だと思います?マイナス50度って表記で出てきたんですよ。
もう間違いかなと思った最初ね、え、これ戦事なの?火事なの?って思ったんですけど、もうマイナス50度なんですよ。
最低、次の日の最低気温マイナス40度とかね、日中マイナス40度とか言って、もう桁違いなんですよ。
もうめちゃくちゃ寒い、寒いっていうレベルじゃないですよね。もう身の危険感じるぐらいの寒さなんですけど、
ここまで南極寒いとですね、当然ね、海も凍っちゃうわけなんですよ。海ってね、あの海水ですからナトリウム溶けてますよね。
てかなんか溶けてると、普通凍りにくいんだけど、もう南極だと、南極の海ってね、もう海が凍っちゃうぐらい冷たいんですよ。
マイナス2度で、もう魚もね、凍ってしまうほど寒いんだけども、凍ってしまったらね、泳げないどころから死んでしまいますよね。
でもですね、そんなめちゃくちゃ寒い海の中でも元気な魚がいるんですけども、今日はですね、そのね、南極で独自の進化を遂げて、元気に泳いでいる魚をですね、ご紹介したいと思います。
その名もですね、コオリウオなんですね。もうまさにもうなんかもう、名をタイで表すみたいな魚ですよね。
タイと魚でややこしいけどもね。はい、コオリウオ科に属する魚を総称してコオリウオと言うんですけども、
このお魚ですね、めちゃくちゃすごいんですね。
で、南極大陸っていつできたの?ってことなんですけども、3000年ぐらい前、3000万年ぐらい前に、もう氷の大地になったんですけども、
それ以前はですね、ゴンドワナ大陸とかですね、ひとつなぎあったんですね。
アフリカとか南アメリカとかインドとかオーストラリアと陸続きであったんだけども、徐々に徐々にね、大陸移動していってですね、
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1億4千万年頃に分裂して、5千万年前に南極大陸が孤立して、その後南極大陸の周りをですね、ぐるりと海流がね、周回流になって、
他とね、閉ざされたわけですね。そうするとどんどん寒冷化したということで、3000万年前には氷の大地になっちゃったんですけど、だけど、
それまで温暖な地域だったから、そこに沿岸に住む魚たちはですね、温暖な生き物、温暖な海に適応した生き物だったんだけど、
3000万年前からですね、氷の大地になったので、続々とね、バンバンバンバン死んじゃったわけなんですね。
で、この氷魚はですね、その氷の大地になっていって、寒くなっていく環境に適応するためにですね、氷魚の先祖はある体の仕組みを手に入れます。
その仕組みがですね、不糖タンパク質を作り出したんですね。
タンパク質だから、それはDNAの遺伝子からタンパク質が作られていくので、ある遺伝子に変異が起こって、不糖タンパク質を作り出すことが成功したんですね。
なので、不糖というのは凍らないということなので、マイナス2度でめちゃくちゃ寒い海の中でも凍らないのは、不糖タンパク質という凍らないタンパク質を作り出すことに成功したので、凍らないということなんですよ。
マイナス2度って海を凍っちゃうレベルなんだけど、魚の体の中にも塩分濃度というか、いろんなものが溶けてますから、
溶けているので、でも海水ほどは塩分濃度が高くないので、だいたいマイナス0.6度ぐらいで魚って凍っちゃうんですよ。
なので、マイナス6度ぐらいの環境になってますから、マイナス2度で凍っちゃっているから、それを凍らないようにするために不糖タンパク質というタンパク質を作り出して、凍らないようにしているということなんですね。
この不糖タンパク質は、北極のタラ、コマイという魚にも不糖タンパク質を作り出す魚がいるので、北極と南極、全然場所は違うんですけども、同じように凍らないようにしているというタンパク質を持っているということなんですね。
この氷魚はさらに面白い特徴があって、血液、血が透明なんですよ。血が透明、血が透明と言うと本当に血なの?という感じもするかもしれませんけども、我々って血液赤い色しますよね。
血って赤いというイメージあると思うんですけど、その血液の中に赤血球があって、赤血球の構成成分が色素タンパク質、ヘモグロビンが主な成分なんですね。
この色素タンパク質、色素って色って入っているから、この色素タンパク質、ヘモグロビンは赤い色をしているんですね。
なので血の色は赤い色をしているわけです。
このヘモグロビンが酸素と結合して、体中に心臓を起点にして、頭の先から足の先まで血管通っていますから、それでブワーって張り巡って、酸素を供給してまた戻ってきてという循環をしているわけだけど、
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このヘモグロビンの色が赤い色をしているので血の色は赤い色をしているわけですけど、
コウリオはヘモグロビンを持っていないの?
酸素をどうやって全身に供給しているの?
ヘモグロビンはちゃんと持っているんですよ。
ヘモグロビンはちゃんと持っているんだけど、数が少ないし、そもそも酸素と結合していないというか、ほぼ昔の名残であるけど、今は本当の機能を知らないんですよ。
じゃあどうなっているの?という話ですけど、コウリオは非常に大きな心臓を持っていて、その勢いよく全身に巡らせるんだけど、酸素は結晶成分の中に溶けているんですね。
血液、血液と言うけど、皆さん血液は液体の感じがするかもしれませんけど、赤血球、白血球、結晶板とか形のある成分、形があるんだけどめちゃめちゃ小さいからマイクロレベルだから我々の肉眼には見えないんだけど、
形のある成分と形のない成分、液体成分に分けられるわけで、その液体成分のことを結晶と言うんですけど、アルブミンとかイオンとかいろんなものが中に含まれているんだけど、
純粋に液体のものと固体のものが合わさって血液と言うんですけど、このコウリオは液体成分の結晶のところに酸素が溶け込んでいるらしいんですよ。
赤血球も持っているんだけど、ほぼ少ないしほぼ役目を果たしていない。
結晶成分のところに酸素が溶け込んでいて、それを他の魚類よりも大きい心臓でグワッと勢いよく送り出して全身に血液を巡らしているということと、
あと皮膚からも酸素を供給できるので、酸素の供給というのは皮膚からと大きな心臓を使って勢いよく巡らしているということなんです。
だから血液も透明であるし、そもそも不糖タンパク質を持っているから体なんか凍らないし、元気に泳ぐことができるということなんですね。
このトウリウオの不糖タンパク質を実用社会に利用できないかなということを考えた方がいらっしゃいます。
これは関西大学の川原秀久教授が考えたんですけど、
不糖タンパク質を使えば、いろんな食品とかを冷凍したりすると、お肉とか冷凍すると解凍したときにドリップして、
冷凍する前と味の感覚も違うし、味が落ちるなという感覚がありますよね。
それを不糖タンパク質を使えば氷の結晶を小さくできるので、冷凍して解凍したときにも冷凍する前と同じような状態に戻すことができるということで、
食品の保存方法とか冷凍保存に役立てる研究をしているので、
そういったトウリウオ発信の不糖タンパク質が実用社会に利用される日も近いのかなという研究をしていますので、
不糖タンパク質というものが身近になるかもしれません。
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今日は南極に棲むトウリウオのご紹介いたしましたということで、
めちゃくちゃ寒いけど寒いなりに進化した生き物がいますので、
そういったものを知っていただけるとちょっと面白いかなと思いますので、
ぜひ皆さん南極の気温を調べてみてください。
今めちゃめちゃ寒いから、でもトウリウオは元気。
ということで今日はこの辺にしたいと思います。
それではみなさんさよなら。バイバイ。