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2024-12-09 10:00

heldio #142. ワッフル、ウエハース、ゴーフルはみんな親戚

#英語史 #英語学習 #英語教育 #2重語 #3重語 #フランス語 #オランダ語
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サマリー

ワッフル、ウエハース、ゴーフルは、すべて中期低地ドイツ語に由来する親戚の語です。それぞれ異なる言語を経て日本語に取り入れられています。これらは甘い洋菓子で、形状や意味が微妙に異なりますが、共通の語源を持っています。

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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶應義塾大学の堀田隆一です。 このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。 今回取り上げる話題は、
甘い洋菓子の語源
ワッフル、ウエハース、ゴーフルはみんな親戚、 という話題ですね。
これ実は語源が同一なんです。同じ語源に遡るんです。 3つとも甘いお菓子、食べ物、洋菓子ということですね。
日本語ではワッフル、ウエハースとかウエファースと発音していますが、 それからゴーフルとかゴーフレットなんていうのもありますね。
これいずれも甘い洋菓子という点では共通していますが、物としては、商品としては別ということになっています。
しかし、この単語の語源を遡りますと、これが同一の基源に遡るということなんですね。今日はこの話です。
まずですね、大元の語根の部分ですね。 これは何に遡るかと言いますと、現代の英語のweave、織物を織るのweaveですね。
あれなんかと同根です。それからweb、雲の巣ですよね。 これもある意味自然が作り上げた織物、自然が織ったものというふうに考えれば合点がいきますね。
雲の巣です。このwebとか、今ではワールドワイドウェブ、あのウェブ。 これも雲の巣のような情報のネットワークということですよね。
すべてこのweaveとかwebっていう、この辺りから来てるんですね。 ここから少し語尾がつくなどして、ワッフルという形になるんですね。
これがですね、現代のあのお菓子、ワッフルというお菓子の意味の前にですね、 実はもう一つの自然が作り出した織物であるところの蜂の巣。
これを意味してたんですね、実はね。 確かに食べ物のお菓子のワッフルには蜂の巣状の網目がついてますよね。
あれです。もともと蜂の巣を意味していた。 それが形が似ているっていうことと、あと実際蜂蜜をワッフルにかけて、もっと甘くして食べますよね。
あれなんかなかなかこう、効いてるわけです。洒落が効いてるわけですね。 ワッフルに蜂蜜ということなわけですけれども、こういう形でお菓子のワッフルの意味になったんです。
ところがですね、このワッフルっていうのはもともとの英語なわけではないんです。 これはよその言語から借りたものなんですね。
その言語は何かと言いますと、中期低地ドイツ語と呼ばれる、英語で言うとミドルロージャーマンと呼ばれる中期低地ドイツ語。
これはまあ広い意味では英語であるとか、現代の標準的なドイツ語ですね。 とかオランダ語であるとか、このあたりと広い意味では親戚のゲルマン系の言語なんですが、
この中期低地ドイツ語ですね、ここに古起源がある。 これがお隣のオランダ語を経て英語に入ってきたっていうことなんですね。
これが比較的新しくて17世紀のことです。 つまり大元の中期低地ドイツ語にあった単語がオランダ語を経由して英語に入ってきた。
これがワッフルということなんですね。
今ベルギーワッフルという時のワッフルということになるわけですね。 この大元の中期低地ドイツ語の形ですね、ワッフルを意味する単語が、
今はオランダ語を経由して英語に入ってきたのがワッフルでしたが、 これがですね、
フランス語の古い形ですね、それのとりわけノルマン方言ですね。 オールドノーマンフレンチと言いますが、古いノルマン方言のフランス語を経由して、
少し形が崩れてと言いますか、英語に入ってきたのがこれがなんとウェイファーなんですね。 これ実はこっちの方が先で13世紀末に英語に入ってきています。
これがWAFERと続いてウェイファーという発音ですが、 日本語になって入ってきた時にはこれを日本化して取り入れたのでウェファースとかウエハース
なんていうかなり変わった日本語化した発音で入ってきていますが、 このウェイファー自身も実は古フランス語なまりの語形ですね。 これが英語に入ってきたということです。
さあこのようにして経路が違うんですけれども、 オランダ語経由で入ってきたのがWAFER、そして古フランス語のノルマン方言経由で入ってきたのがウエハースということになります。
そして3つ目です。 大本は一緒です。中期定地ドイツ語の語形なわけですが、これがノルマン方言のフランス語ではなくて標準のフランス語、つまりパリ周辺のフランス語ですね。
ここに入って少しフランス語化した形がこれがゴーフルってやつですね。 フランス語で言うとGAUFREというものですが、これが日本語にも入ってきてゴーフルと呼び直されているわけですね。
日本語への導入
それのちょっと小さいものが設備字がついてゴーフレットと言ったりしますが、このゴーフルということですね。 このフランス語のゴーフルというのは英語には定着しなかったようで、これはつまり英語では今普通には使われないということですね。
ただ日本語にはこの3つの異なる経路で、大本は一緒なんですよ。中期定地ドイツ語の形なんですが、これがいくつかの異なる経路を経て少しなまった、それぞれの言語でなまった形のものがたまたま日本語にはこの西洋の言語を介してですね、3つ違うルートで入ってきたということです。
その一つがワッフルであり、もう一つがウェハースであり、そしてもう一つがゴーフルということなんですが、すべて親戚ということですね。ワッフルとウェハースは確かに蜂の巣の網目状のがありますね。ゴーフルはどうでしたかね。ゴーフルも網が入っているのもあると思うんですけれども、似たようなものとまとめることもできるわけです。微妙に味は違いますが。
つまり日本語においては、この3つのお菓子の名前はですね、30号を成すということになります。大元は一つだけども、経路が違うので少しずつ意味であるとか形がずれた形で別々に入ってきた。3つ違う単語としてある。こういうのを30号と言いますね。
英語の観点からいきますと、最後のフランス語のゴーフルというのは入って定着するということはなかったので、20号ということになりますね。つまりワフルというのとウェイフルのこの2つが英語では入っているということですね。
このウェイフルとですね、ゴーフル、これフランス語ですけれども、この違いについて一言付け足しておきたいと思うんですね。これはいずれも、大元は何度も繰り返しますが中期定地ドイツ語の単語だったんですが、ウェイフルの方はノルマン方言のフランス語を経由して英語に入ったんでした。
そしてゴーフルの方は、この同じ中期定地ドイツ語の形がフランスの中央方言と言いますかね、パリの標準的な方言の形で入ってきた。これが語頭音がですね、前者ノルマン方言はW。それに対してパリの標準的な方言はGという綴りで、ウっていうのとグっていう和行と和行。
これだいぶ違う音のような気がして相当なまってるなということなんですが、実はこのノルマン方言のWの音に対して、フランス標準方言ではGっていうのはかなり規則的な対応でして、これがまた別の経路で英語に2つ入ってきて20号形成してるっていうことが非常に多いんですね。
例えばノルマン方言から入ったウォーゼン、これ番人って意味ですがWを持ってますね。ところがこれに相当する中央のフランス語、標準語で入ってきたのがガーディアンです。つまりウォーゼン、ガーディアン。最初のシーンがWとGというふうに違いますが、その他はなんとなく似てますよね。意味も番人って意味と集合者、守る人って意味で一緒です。
他にはですね、ウォランティ、保証、保証書って意味ですね。ほぼ意味は似ていて、ギャランティっていうのもありますね。これ保証ということです。これもノルマン方言対標準フランス語という違いですね。リワード、リガードなんていうのも実はこの仲間です。こういった20語も英語では少なくありません。それではまた。
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