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英語史つぶやきチャンネル。英語史研究者の堀田隆一です。
hel活単語リレー、続いてますね。 最近では、何名かの方が枝分かれする形で、いくつか単語リレー続けていらっしゃいますけれども、
今日、私が続けたいのはですね、ありさんの最新回ですね。 こちら、pan これで持ってきましたね。
これ確かに、いくつかの見出しが立っておりまして、 フライパンのパンでもありますよね。それから、パンデミックなどという時のパン。
いわゆる、窃盗時ですよね。としても使われます。 それからですね、驚いたのが、固有名詞としてのイリシア神話、牧羊心ですかね。
pan ここからパニックへと展開されたということで、ここでですね、バトンを渡されたと言いますかね。
どなたかに渡されたということになるんですが、これを受けて立ちましょうということで、panですね。
どういうふうに展開しようかなと思ったんですけれども、こちら、日本語でpanと言えば、まず持って食べるパンですよね。
英語では bread と全く別語源の単語を使うわけなんですけれども、pan として日本語では広く使われています。
これはですね、16世紀にポルトガルから入ってきたですね、ポルトガル語のpanが日本にそのまま入って、カタカナ語として定着したということなわけですね。
ポルトガル語と言えば、その他スペイン語、フランス語などとともに、ラテン語から派生した娘言語たちということで、お互いに姉妹言語なわけですよね。
ラテン語ではパーニスという形だったんです。そしてこのパーニス、パンですね、これが関わっている複合語なりですね、派生語というのがいくつかありまして、それが英語に入ってきてるんですね。
おそらく一番よく知られているところではカンパニーだと思うんですね。これもちろん会社という意味で使いますね。仲間という意味もあります。それからカンパニオンと言いますと、さらに派生語ですね。やはりこれも仲間、一緒にいる人ということなんですが、それもそういう意味になるのは当然なんですね。
ラテン語的にはコムっていうのは一緒にお意味する接頭詞です。英語で言うとwithに相当しますね。パンということなので、つまり一緒にパンをこれ食べる人っていうことなんですよ。その意味で仲間ということですね。そして仲間たちが集まって作る組織が会社ということになるわけですね。
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合コン、合同コンパなんていう時のコンパ、これはもちろん和製英語ですけれども、これも仲間内で集まって楽しむ会のことですよね。ということでですね、なかなか身近な単語にパン入ってるではないかということなんですね。英単語のカンパニーあるいはカンパニオン。
他にはですね、パンツリーという食料貯蔵室あるいは食器室などという単語がありますよね。このパンツリーも究極的にはラテン語から入ってきたということでパン、食べ物に関係するということなんですね。
そして最後なんですけれども、ラテン語パーニスですね。ラテン語のPの音はゲルマン系の言語ではグリムの法則という音の変化によってFに対応するんですね。
ラテン語のFは英語やドイツ語などのゲルマン系言語ではFに対応します。そうするとパンに対応するFで始まる英単語はと言いますと、これはですね、実はですね、フードがそうなんですよ。食べ物ですね。
そして動詞形はフィード、食べ物を与える、餌を与えるということになります。他にはフォスター、これは養育するというような意味もありますよね。それからフォダー、これは家畜のための餌、貝羽などという意味がありましてすべて食べ物なわけですね。
その意味では食べ物の中の食べ物、これがパンというような意味関係なんだろうと思います。ということで次に振りたいのはゲルマン系、そして英語の単語であるフード、これでバトンを渡したいと思います。それではまた!