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2024-07-28 10:00

heldio #8. one, only, any は同語源って知ってました?


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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった、英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回扱う話題は、one, only, any は同語源って知ってました?という話題です。
昨日の放送では、なぜoneと書いてoneではなくてoneなの?という素朴な疑問を取り上げました。
これと密接に関係する話題なんですね。
昨日の放送では、ONEと書いてONEでなくONEとなるのは、端的に言えばですね、歴史的にイングランド西部の方言で、本来アーンとかオーンであった発音が、西部の生った発音でウォーンとなったと。
それがウォーンとなり、最終的にワンとなり、これがひょんなことで標準英語、ロンドンの標準英語に持ち込まれた結果としてですね、現代の標準英語でも、こんな綴り字をするのに発音としては西部のものを取ってですね、ワンと読むというような食い違いが生じたというような趣旨でお話ししました。
関連するんですけれども、今回扱うですね、ONE, ONLY, ANY、これすべて、ワン、イチに関係する単語なんですね。語源としては同じ、語根としては共通しているわけなんですけれども、それぞれ綴り字であるとか発音が少々異なっているというところなんですね。
今となっては異なっているように見えるんですが、さかのぼってみれば、小英語の時代にさかのぼってみれば、わりと透明性のある関係、お互いにイチに基づくことがよくわかるという関係になってきたということなんですね。
小英語では、昨日述べたように、イチを意味する単語はアーンという形だったんですね、ANです。長母音でアーンです。これが短くなるとアンですね。これは不定関詞のアンで、さらにNが消えたのがもう一個の不定関詞アということでした。
もともとの数詞としてイチを積極的に意味する数詞としては、アーンがオーン、ウォーン、ウォン、ワンとなって、現代の標準英語のワンに至るということを昨日述べたわけですが、これ多くの方言では普通に発展していればアーン、オーン、オウンとなっているはずなんです。
つまり、本来の確率としては、ワンはワンではなくてオウンと発音されていた可能性が高いのが、西部の発音がなぜか紛れ込んでしまって、現代英語の標準のワンになってしまったという話だったんですが、オウンだった可能性が実は高いんですね。
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その証拠に、実はワンに関連する非常に多くの単語がオウンという発音なんですね。
その一つがオンリーです。オンリーという綴りですが、これはワンに副詞語尾のリをつけただけということなので、ワンの副詞形なんですよね。
これは本来の道筋の発音変化をたどって、アーン、オーン、オウンときて、これにリがついてオウンリーということなんですね。
他に同じタイプとして、アローンがあります。
これは実はオープラスワンという作りなんです。つまり完全に一人一つということで、一人でという意味ですが、オールで強めているだけなんですよね。
なので、アルオーネというところが本来の発音だったんですが、これがオウンになってアローンになったわけです。
これがもし西部の発音だったらアルワンとかオルワンとなっていたはずなんですが、そうなっていません。
これは多数派のオウンという発音にこのアローンは乗ったからですね。アローンということです。
さらにこのアローンからアが消えてしまってローンになります。
寂しいということですね。一人のという意味です。
これにさらにLiがついてローンリーになりました。
これはローンリー、オウの発音になりますよね。
もう一つ、これはあまり知られていないと思うんですが、アタウンという単語があります。
これ知ってますかね。
これは、なだめるというような意味をする動詞なんですけれども、これ語源としては何のことがない。
アットワンなんです。アットは全知です。つまり一つにということなんですね。
本来そこから和解する、つまり一つに、二つの異なっているものを異なる意見を一つにするということ、和解するというところからなだめるということになりました。
それから罪を許す、釈在するという意味が現れたので、
例えばここから出た名詞形、アタウンメントという単語がありますが、これは釈在、許しという意味になりますね。
難しそうな単語ですが、実はアットワンにメントをつけただけという名詞なんです。
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このアットワンに過ぎないものがアタウンという動詞になっているというのは非常に面白い話だと思うんですね。
ここでは発音は決してワンではなくオウンという、本来の一番通常の発音変化であればこうなっていただろうという確率の高いオウンの発音になっています。
一方、別の発音になったものもいくつかあるんですね。
例えば、あまり使われませんが、すぐにとか当面のという意味で、アノンという単語がありますね。
これはアノンとなっていますが、通り上はちょっと逆のように見えるんですが、これはオン、アーンから来ているんですね。
オンは前置です。そして、アーンがワンです。つまり、オンワンということなんです。つまり、一つにということです。
これは、in a minuteとかin a secondぐらいの意味で、すぐにという意味になるわけですね。
それから、遠ざの、とりあえずのという意味でノンスという、Nが加わった形なんですが、こんな単語もありますね。
これなんかもワンに由来する単語なんですが、発音としてはノンス、オンスというオの発音になっています。
それから、このワンの形容詞形というと、何のことやらと思うかもしれませんが、実はこれがanyなんですね。
anyのいくつかのという意味のanyです。これなども発音は変わってしまってますが、anyとnの部分ですね。
anyの部分が実は1を意味するわけですね。さらに、面白いのは、11のえ、最初のい。
いで書きますが、発音としてはいですかね。11のいというのは、実はこれワンなんです。
11の部分はleftということなんです。残されたということです。つまり、10余り1ってことなんですね。
このえなんかにワンの痕跡が残っているということです。
つまり、これほど非近な単語、当たり前の数字ですので、いろんなところに痕跡を残しているということですね。
さらに言いますと、このワンとかアンとかア、これに否定字のnをつけると、これがnonになるわけですね。
何も何がないというnonです。さらにこのnが抜けたのが、実はnoなんです。
これは驚きですよね。つまり、noのoっていうところに、ワンが隠れているということになります。
このように基本的な単語ですから、ワンという数字は、いろんなところに姿を隠して、実は存在しているということになります。
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今回挙げたものをざっと列挙しますね。
もちろん、ワン自体もそうですし、アン、アもそうですし、他にはワンスになっているのもありますね。一度という意味の。
このように、ワンのワードファミリーといいますかね、関連語というのは非常に多くあるわけなんですけれども、
パッと見た限り、綴り字発音としてはつながらない。ですが、語源をたどるとすべてつながっている。
このあたりが語源の面白いところだと思います。ではまた。
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