英語話者の増加傾向
おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、英語話者人口の歴史的増加がすごい、という話題です。
英語を喋る人の数は、歴史的にどんどん増えてきて、現在も増えている最中です。
この話者数という話題ですね。これなかなか歴史的にも、そして現代ですがですね、人口統計というのはなかなか難しいところがありまして、
特に英語が喋れる、英語話者といってもですね、どのくらい喋れるのかというレベルみたいな問題が絡まって、
簡単ではないんですけれども、推計みたいなものはいろいろ出されるんですね。
まず現代の状況、現在の状況を見てみたいと思うんですが、母語話者、ネイティブです、の数で、世界トップの言語は何かというと、これ英語ではありません。
中国語です。母語話者、ネイティブスピーカーの数ということで言えば、中国語が圧倒的、もうダントツです。
これ2017年の人口統計なんですけれども、12億後半ですね、という数がですね、中国語を母語として話すということですね。
2番目は英語かというと、そうでもないですね。2番目は実はスペイン語です。
同じ2017年の統計では、4億3700万ということになってますね。
そして3番目に英語になります。これが3億7200万という数字ですかね。
これ実はですね、十数年前と同じような統計だとですね、英語は2番だったんです。
そして3番目がスペイン語ということで、この十数年の間に抜かれてしまったということなんですね。
母語話者の数としては、なんといってもですね、スペイン本国というよりは南米ですね、南米、中米、この辺りの人口増加率が非常に高いということで、どんどん英語をですね、
に詰め寄ってきたんですが、ついにある年に並んで、そして追い抜いて、今後もこの勢いは止まりませんので、英語が2位に返り咲くということはないだろうと思いますね。
その後、4位、5位にアラビア語とかヒンディ語とか続いて、実は日本語はですね、第9位ということになってますね。
1億2000万近くいるということで、ただこれから日本の人口は少なくなっていきますし、この順位は落ちていくことはほぼ間違いないだろうと思われます。
世界に7000言語ありますから、その中の今トップ10とかですね、日本語が9位なわけですが、これもう超大言語ですよね。これだけですね。下にもう6000もの7000もの言語が続くわけですから、この表で言えばですね。
その英語はですね、世界で最も有力な言語でありますが、母語話者の数から言うと、実は第3位だっていうことですね。
さあ、もちろんですね、英語は母語話者だけではなくて、第2言語としてしゃべる人というのも非常に多いというか最も多い言語です。
そうすると、それを足し合わせるとですね、つまり母語話者数ではなくて、母語を取って英語話者数ということで言いますと、これはどんと大きくなりますね。
英語の歴史的背景
いろんな推計がありますが、15億とか20億に近いとか、ああいう推計があって、これはまあ現代も増えているところなので、20億人近いというのが一つの目安になるかなと思うんですね。
その内訳なんですけれども、先ほど母語話者数で言うと3億7千万という数なんですが、この第2言語、いわゆるESL、English as a Second Languageとしてしゃべる人が大体同じくらいいると。
3億7千万とかですね、大体同じです。
そして外国語として英語をしゃべる人口ですね。
例えば我々日本語語としてしゃべる人が英語を習得してしゃべれるようになったら、そこに1とカウントされるというようなEFLですね。
English as a Foreign Languageとして英語話者に数えられる人が7億5千万と。
そうするとですね、ネイティブの人が1とするとESLの人が1、そしてEFLの人が2というような大体こういう状況になっています。
つまり非ネイティブの方が1対3の割合でずっと多いということなんですね。
この差がますます今後開いていきます。
なぜならばENL、ネイティブラングウィッチ国というのはいわゆる先進国ですから、少子高齢化の時代に入っていきます。
アメリカは少し例外、移民があるので例外ですが、基本的に人口は伸び悩むということですね。
一方ESLとかEFLにはアジアとかアフリカ、南米といった人口増加率が高い地域、国というのがたくさん含まれていますので、
この部分ESLとかEFLと呼ばれる部分がどんどんこれから膨張していくということは間違いありません。
圧倒的に非ネイティブの方がこれからどんどん大きくなっていくということですね。
この現状を確認したんですが、今15億とか20億という数ですね。
ここまで至るのにどうやって拡大してきたかというと、歴史的に見ると非常に激しい拡大の仕方がある時から起こったということがわかるんですね。
500年前に遡りまして、1500年くらいですよね。
当時は英語話者は推計で400万人、つまりイングランドの当時の人口とほぼイコールということなんです。
その外に英語は広がっていなかったので、あくまで島国のブリテン島の、しかもブリテン島の広いとはいえ一角です。
イングランドですね。ここで話されていた言語ということで、その人口がイコール英語話者ということになります。
外国語として英語を勉強するというような人もほとんど、承認ぐらいのものでほとんどいないわけで、1500年の時点では400万ということですね。
100年後、1600年ぐらいです。これシェイクスピアの時代ですけれども、これは600万まで増えます。
そして1700年になるともっと増えて850万。
ただですね、近代に入って自然の人口増ということはありますので、さほど著しい増加ではありません。
850万というのが1700年です。
じゃあその100年後、1800年になりますと、これが一気にですね、3、4倍増えて2000万から4000万というオーダーになります。
2000万人あるいは4000万人というこの辺りになるわけですね。
そしてさらに1900年になるとついに億に達します。
1億2000万というようなことになるわけですね。
そして1900年から100年経た2000年、これがもう十数億ですから、とんでもない伸び率ですね、増加率ということで、
今後の英語の展望
英語ネイティブだけではなくて、ある時からもう17、8世紀ぐらいからは外国語として英語を第2言語として学んだことによって、
英語話者の仲間を利用するという人の人口がどんどん増えてきているということなんですね。
今後ですね、世界人口は70数億ということで、これがどこまで増えるかということになるので、
この直近の2、300年で一気に増えたという、この割合で今後英語話者が増え続けるという、この割合としては同じような勢いで保つことは難しいと思うんですけれども、
絶対数で言えばこれからますます増え続けていくということは確かですね。
先ほども述べたように、English as a Second Languageの国地域、例えば典型がインドなわけですが、インドの人口増加率であるとか、
それからナイジェリアなんていうのが典型的なESL国ですが、やはり人口が多いということですね。
その辺りがどんどんと教育も良くなり、そして英語を使う人々も増えることによって、ちょっと英語ができる人のパーセンテージが少し上がるだけで、
インドとかナイジェリアっていうのは元々の人口、総人口が多いわけですから、ちょっとパーセンテージが上がるだけで、すぐ数百万とか一千万というレベルで増えていくということになりますね。
恐ろしい英語の歴史的増加ということを見てみました。ではまた。