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2023-10-31 10:54

AIでのベクター画像生成はなにがそんなに画期的なのか(第701回)

Adobe Illustratorでベクター画像をAIで生成できるようになりました。これまでの画像生成AIと何が違って、なぜデザイナー界隈で大きな話題となっているのかを解説しました。

=== 目次 ===
ベクター画像をAIで生成できることのインパクト
Photoshopの画像生成AIも実用性が高い
Illustratorのベクター画像生成でデザイン素材を作れる
今のところクオリティはいまひとつ
ベータ版だけど商用利用はOK
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サマリー

アドビイラストレーターでヘクター画像をAIで生成できるようになったことで、デザイン業界では大きな注目を集めています。ベクター画像の生成機能は、様々なイラストやアイコンを作成するのに向いており、利用するデザイナーにとって大きな助けとなっています。

ベクター画像生成の注目度
アドビイラストレーターでヘクター画像をAIで生成できるようになりました。
アドビイラストレーターのことを略してAIとも呼ぶので紛らわしいんですが、
今回のこのエピソードでのタイトルでは、AIという言葉にアドビイラストレーターのAIと
人工知能のAIとをダブルミーニングにして、
AIでのヘクター画像生成は何がそんなに画期的なのかにしました。
アドビイラストレーターはプロ向けのデザインツールで、
プロのデザイナーがみんな使っているアドビのツールの一つです。
ヘクター画像をAIで生成できるようになったということで、
デザイン業界、界隈では大きな騒ぎになっていました。
発表されてから結構時間が経ったので、今はちょっと落ち着いてる感じはしますね。
発表された当時はデザイナーの間でも賛否分かれていて、
プロのクリエイターをお客さんとしているアドビがクリエイターの利益、
仕事を奪うような機能を搭載しているという批判もありました。
じゃあなんでそんなにヘクター画像をAIで生成できることが
デザイン業界の人たちにインパクトを与えたのかという話ですよね。
これまでのステーブルディフュージョンとかミッドジャーニー、ダーリーといった
1枚絵を作り出す画像生成AIは、まだデザイナーの仕事に直結するようなものではなかったんですね。
でもイラストレーターでヘクター画像をAIで生成できるというのは、
クオリティさえちゃんとしていればすぐ仕事に直結する話なんですね。
なのでインパクトが大きいと。これをウェルカムと思う人もいれば、
自分の仕事が奪われちゃうんじゃないかと思う人もいるということですね。
フォトショップの画像生成AIの機能も仕事に直結するものですが、
そんなに批判されている声は聞かないですね。
フォトショップの画像生成AIは、新たに1枚無の状態から画像を生成するのではなく、
部分的にAIで変更する。画像のサイズをもうちょっと横長にしたいと思って、
横に広げてできた左右の余白の部分をAIでデッチ上げてもらうとか、
画像の中のいらない部分を最初からなかったかのようにうまく消してもらったり、
人物のヘアスタイルを変えるとか、アクセサリーを追加するとか、消すとか、
人物が手に持っている一輪の花をブーケに変えるとか、
そういう画像加工の延長線上みたいなことがAIで便利にできるということで、
画像のレタッチ、修正、加工がやりやすくなったよねと。
クリエイターがうまくAIを助手として使って、
メインとなる女性のモデルをAIで生成するとかじゃなくて、
モデルの写真をより華やかにしたり、加工するのにAIが脇役として活躍するので、
仕事に直結しているけど批判は浴びにくいということなのかなと思います。
ベクター画像の利用と応用
イラストレーターのAIでのベクター画像生成ですが、
これは主役にもなるし、脇役にもなるデザインの要素となる素材を作れる機能ですね。
1枚の絵をバーンと生成させるんじゃなくて、
マスコット的な人物とか、動物のイラストとか、アイコン的なものとかを作れるよという機能です。
素材サイトにもベクター画像の素材というのは色々あるんですが、
これからは素材サイトで探さなくても、自分の欲しいベクター画像を言葉で命令して生成させられるよということですね。
ベクター画像の良さは何かということですが、
まず背景が透明です。そのオブジェクトがグループ化された一つの塊のデータになっているんですが、
ビットマップの画像と違って要素があるかないかなので、ない部分は透明になっていて、
色の上に乗っけたり、写真の上に乗っけたりが綺麗に簡単にできます。
次に拡大縮小しても綺麗です。これは大きなベクター形式のデータの特徴ですね。
そして、修正や変更が楽です。図形の集合体みたいなものなので、パーツパーツで分かれているんですね。
で、そのパーツパーツでパーツごとに消したり、色を変えたりがやりやすいです。
別な要素を足す、プラスするのもやりやすいですね。
写真やビットマップのイラストは後から部分的に色を変えるとかは難しいんですが、
ベクター画像だとその辺の自由度が高いです。
Adobe Illustratorには再配色という機能があって、色々な色が使われているイラスト全体の配色をバランスを保ったまま、
いい感じに変えることができるんですね。
さらにちょっと前の新機能として付いた、AIを利用した生成再配色という機能もあります。
生成再配色では、言葉を使ってどういう配色にするかを指示することができます。
海辺の夏とか、色褪せたエメラルドの海岸とか、そういう言葉で配色を指示することができるんですね。
ただこれそんなに言葉に忠実じゃないことも多いです。
あと、Adobe IllustratorのAIによるベクター画像の生成ですが、これも実際のところクオリティは今一つだと感じています。
一般的な画像生成AIは細部がいい加減だったりすることが多いですが、
このAIによるベクター画像も同じような傾向があって、拡大してみると意外といい加減ということが多いです。
ベクター形式の画像はその性質上をきっちり作っていてほしいところなんですが、
左右対称であってほしいようなところがそうじゃないとか、なんか余計な要素ついてるとか、
AIらしいお茶目な面がベクターでも出ちゃってるなと思いました。
シンプルで小さいアイコンも作るの苦手ですね。
例えばアプリで使われているようなアイコン、虫眼鏡の形をした検索アイコンとか矢印アイコンとか、
そういうものを生成させてみようとしたんですが、全然ダメでした。
ある程度複雑なイラストを作ってもらうのに向いてるんだと思います。
現在このイラストレーターのAIでのベクター画像生成機能はベータ版という扱いになっています。
でもイラストレーターの正規版で使えるようになってるんですね。
そして商用利用もokとなっています。
これリリースされて最初の頃、日本でのデザイナー界隈では、
ベータ版だから商用利用はダメだという情報が広まっていたんですが、
実際のところは商用利用も大丈夫ということでした。
これ、アドビのサイトのFAQで日本語の説明だと分かりにくかったんですが、
英語のページを見ると、
safe for commercial useと商用利用okだと書いてあったんですね。
で、私はそのことに気がついて商用利用okだよと
Xに投稿していたんですが、
アカウントに力がないので誰も拾ってくれなくて、
他の人気のアカウントの人がアドビに問い合わせたところ、
商用利用ダメだと言われたという情報が広まったんですね。
アドビジャパンに正しい情報が降りてきてないということは意外とありがちなので、
私ももっと商用利用okって英語で書いてるじゃないかと、
もっと主張すればよかったかなともやっとしたりもしています。
今回は以上です。足利浩二がお届けしました。
10:54

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