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2023-11-01 10:23

クリスタの「超解像」アップスケールにユーザーが反感(第702回)

小さな画像を大きく拡大しても、きれいになめらかに拡大できるCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)の新機能がユーザーに批判されていた理由と、AIによるアップスケーラー技術について解説しました。

=== 目次 ===
クリスタは以前生成AIでユーザーから大反対された
今回はきれいに拡大できる機能が反感を買った
絵を描くときのベクターとビットマップ
ビットマップではきれいに拡大するのが難しい
ビットマップでもAIできれいに拡大できるように
発表した自分の絵を守るのがむずかしい時代に
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サマリー

クリスタの新機能による超解像の拡大機能がユーザーの反発を招いています。ユーザーは自分のイラストが悪用される可能性や他人による自作発言を心配しています。

クリスタの新機能が物議を醸す
クリスタこと、クリップスタジオペイントの新機能が、また物議を醸していました。
新しい機能が発表されて、それに反発する人がいたということですね。
以前もクリスタは、生成AIでテキストプロンプトから絵を生成する
画像生成AIパレットという機能を搭載しようとして、ユーザーから大反対されて搭載を見送ったことがあります。
これはクリスタを作っているセルシスが独自開発したわけではなくて
ステーブルディフュージョンの画像生成AI機能を利用しているだけだったんですが
ユーザーからの反発が強くて、今後画像生成AIを用いた機能をクリップスタジオペイントに搭載しませんと宣言していました。
ただこれ今回改めて読んでみたら
ステーブルディフュージョンの学習データが著作者に許可を取っているものではないとか
そういう問題点を書いた上で
このような懸念がある画像生成AIを用いた機能を搭載いたしませんと言っているので
この言い方だと将来的にはそういう懸念のない画像生成AIを用いた機能を
クリップスタジオペイントに搭載することになっても
この宣言が嘘ということにはならないなと気づきました
で今回クリスタに搭載された問題の機能は何かというと
小さな画像を大きく拡大しても綺麗に滑らかに拡大できるという機能です
セルシスの説明によると
画像解像度を変更する際の補完方法に超解像が追加され
極端に拡大しても滑らかな画質で拡大が行えるようになりましたとあります
でこの機能がなぜユーザーから反発されたのかというと
自分がネットに載せたイラストを拡大して悪用されるかもしれないからということです
イラストを画面で見せる分にはそこまで解像度が高くなくても大丈夫なんですが
いざ印刷するとかなるとかなり高い解像度が必要となるんですね
なのでネットに載せているイラストを拡大されてグッズを作られるとか本に載せられるとか
いろんな悪用が考えられるとは思います
以前人がインスタグラムに載せている写真をプリントアウトして
勝手に展示会に展示しているということがあってちょっと話題になっていました
インスタグラムに載せている程度の画像だとそんなに綺麗にプリントアウトできないと思うんですが
綺麗に拡大して解像度を上げられるとなるとそういう話も増えるかもしれませんね
あとやっぱりイラストを書く人は他の人が自分のイラストを自分が書いたと言って発表される
ユーザーの反発と懸念
いわゆる自作発言これをすごく嫌がってる気にしてるのを感じます
まあ当たり前ですよね
ネットに作品を載せるときにわざと解像度を落としているのに
元データと同じような高解像度のものを他人が手に入れられるようになっちゃう
他の人が自分が書いたと言い張る理由の一つになっちゃうんじゃないかといった心配もあるようです
ただ今回のこの超解像の機能
綺麗に拡大できますよという機能に関しては
こんな機能つけるなといらないとセルシスを叩くのは違うんじゃないかという声の方が目立ちます
それはそもそも同じことができるツールが無料のツールとかでいっぱいありますし
フォトショップにもそういう機能があるからという理由が大きいようです
イラストを拡大してどうのという話が今一つピンときてない人もいると思います
デジタルでイラストを書くというときに
大きく分けるとビットマップで書くというのとベクターで書くの2種類があります
ベクターで書くと後から拡大しても綺麗な滑らかな線になったり扱いやすいんですが
手書きで絵を書いている感覚とは全く違う図形を作っていくような方法で絵を書いていくことになりますし
アナログっぽい表現が得意じゃないです
クレヨンとかチョークで書いたような線とか
N5を塗ったような滲んだ色とかできないことはないんですが
そういう表現をする場合はビットマップで書く方が一般的です
でビットマップの方は絵を書くときに最初に解像度
何ピクセルかける何ピクセルのキャンバスの中で絵を書くかを決めてから書いていくんですね
その決めた解像度ピクセル数によって方眼紙の一マスの大きさが変わるイメージです
で絵を書いていくのは方眼紙の一マス一マスにどの色を入れるかと
方眼紙1個のマスを2色で分けて塗ることはできないと
解像度によって絵を構成するピクセル数が決まっているということなんですね
でそれを後から拡大しようとしても
方眼紙の一マス一マスを塗りつぶしたものを2倍にしても
ギザギザが目立つようになるだけですよね
実際お絵かきソフトとかグラフィックソフトで拡大するときには
ある程度滑らかに拡大するための補正が入るんですが
それでもやっぱり極端に大きく小さいものを大きくすると
ギザギザが目立つガビガビしてそんなに綺麗にはできないんですね
ただ最近これもAIの力でかなり綺麗に拡大できるようになってきています
アップスケーラーという言い方をするんですが
AIを使ったアップスケーラーのツールがたくさん出てきていて
無料でも使うことができます
多分AIによって画像の中に映っているものが何かということを
理解した上で細かいディテールをデッチ上げて
綺麗に拡大したように画像を作っているんだと思います
テキストによる指示で画像を生成する画像生成AIが
そんなに高い解像度の画像を作れないので
生成した後の画像をアップスケーラーで拡大してから発表すると
画像生成AIとアップスケーラーがセットで使われるケースが多いんですね
このAIによる画像のアップスケールの技術の進歩は本当にすごいと思っています
私が昔書いたイラストでネットに載せるときに本当に小さい解像度
300ピクセルくらいとか小さいサイズの画像しかなくて
元データを探すのも面倒というものがたくさんあるんですが
そういうイラストを何回かAIによるアップスケーラーで拡大したことがあるんですが
見事にいい感じに拡大してくれました
もちろん拡大する上でディテールはデッチ上げられているので
ちょっとAIっぽい癖があったりもします
特に人の顔の写真とかだとAIでアップスケールすると顔が変わっちゃう
そういうこともありました
そうやって技術の進歩がすごいので
ビットマップの小さな画像も綺麗に拡大されてしまうし
AIを使った別のツールでイラストに被せて載せているクレジットも消してしまえたりするので
確かにネットにイラストを載せている絵師と言われるような人が
自分の絵を守るのにナーバスになるのはしょうがないのかなと思います
ネットのおかげで絵を描く人が活躍できる場が飛躍的に広がったと思うんですが
技術の進歩で自分の絵が悪用される
無断で中国でグッズになってたりとか
そういうことが起こる難しい時代にもなってきてるなと感じています
今回は以上です 足利浩二がお届けしました
10:23

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