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2023-06-14 10:43

ベクター画像こそAIに作って欲しい(第662回)

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Adobe Illustratorでロゴをトレースするような作業こそAIにやってほしいという話です。ベクター画像とは何かの説明がけっこう長いです。

=== 目次 ===
まず「ベクター画像とは何か」から
ベクター画像の良い点
ベクター画像を作るには
ロゴなどのトレース作業をAIにやってほしい
AI技術を使ったトレースツールの紹介
AIでベクター画像を生成できるツールの紹介
Adobeのベクター画像生成機能も楽しみ
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ベクター画像の概要
画像生成AIが、一枚の作品、写真っぽいものであったり、イラストっぽいものであったりの、
一枚絵を作ってくれるのもいいんですが、今すぐ仕事で使えるという観点から言うと、
むしろ、ベクター画像を作ってくれる方がありがたいケースが多いんじゃないかと、私は思っています。
まず、ベクター画像とは何かという話からします。
ベクター画像、ベクターデータは、ベクトル画像、ベクトルデータ、あるいはアウトラインデータとも呼ばれます。
写真などのビットマップのデータは、ドット、ピクセルで画像が作られています。
一方のベクター画像の場合は、数式を元に画像が生成されていて、拡大してもビットマップ画像のようにギザギザに荒くはならないんですね。
例えば、ビットマップ画像での円は、方眼紙を塗りつぶして描いている円なので、その方眼紙の細かさによって一番きれいに見えるように丸く塗りつぶしているんですが、
それをいざ拡大しようとした時に、今の技術だとある程度きれいな補完を描けることはできるんですが、
元がドットなので限界があるということですね。
ベクター画像の場合は、円の中心点がx軸が何ピクセル、y軸が何ピクセルの位置にあって、半径が何ピクセルある円ですという情報を持っているデータなんですね。
実はテキストデータです。
円の場合はわかりやすいですが、曲線の場合にもベジ曲線と呼ぶんですが、裏側では何やら難しい数式を使って曲線を表現できるようになっていて、そのテキストデータとして図形などを表すことができているんですね。
ベクター画像の良さとしては、拡大縮小してもきれい、荒くならない。その実態はテキストデータなのでデータの容量が軽い。
ロゴデータとかアイコンビクトグラムみたいなものがイメージしやすいと思うんですが、そういうデータは大体ベクターデータで扱いますが、
それを写真の上に乗っけるとか、他の要素とレイアウトするときにそのオブジェクトだけのデータなので背景が透明として抜ける写真や色などの上に乗っけやすい。
そういう扱いやすさもメリットですね。
ベクター画像の利点
あとから色を変更したりの編集がしやすいのもメリットです。
例えばロゴの場合、黒で扱うか白で扱うかを簡単に変えられますし、ベクター画像で作られたイラストの場合、後から部分的に色を変えるというのが簡単なんですね。
パーツごとに線と塗りの情報を持っているので、それを後から変えるのがやりやすい。
ビットマップの画像データになってしまっていたらそれは難しいですよね。
で、このベクター画像を作るには昔はほぼアドビイラストレーター一択でした。
ベクター画像を作るツールといえばイラストレーターと。
ちなみにこのアドビイラストレーターも頭文字を取ってAIと略されるので、ベクター画像こそAIに作ってほしいというタイトルはアドビイラストレーターに作ってほしいというふうにも読めちゃいますね。
アドビイラストレーターのAIで作ってほしいではなく、人工知能のAIに作ってほしいというのが今回の話です。
なかなか話がそこまで行き着きませんが、今ではフィグマとかアフィニティデザイナーとかベクター画像が使えるツールも増えてきていると思います。
iPadで使えるツールも色々あります。
ファイル形式としては昔はアドビイラストレーターで扱うAIファイルあるいはEPSファイルが主流だったんですが、今ではウェブでも使えるSVGという形式もよく使われるようになっています。
あとアドビのPDF形式のファイルもベクター形式でデータを扱います。
で例えばロゴを作るとき、昔はラフを手書きで書いてそれをスキャニングしてイラストレーターでトレースするというのが一般的でした。
トレースというのは下絵を表示させている上からイラストレーターの図形ツールやペンツールを使ってきれいになぞっていくんですね。
もちろん手書きの下絵の通りになぞるというよりは、例えば文字が並んでいるロゴだったら文字の高さは揃えるよねとか角が丸くなっているところは全部その丸まり具合を統一するよねとか
デザインのセオリー、ルールに沿ってきれいに完成させるという作業ですね。
AIによる単純作業の自動化
で今言ったセオリー、ルール的な部分は人間だったら下絵を見た時点である程度わかる、理解できるはずですね。
ただこのトレースの作業はクリエイティブな作業というよりは単純作業なのでこういう作業こそAIがうまくやってくれればいいなと。
人間はクリエイティブなことをやってAIが助手という理想のケースだと思うんですね。
なので画像生成AIに美少女画像とかを生成させるよりもこういう地味な単純作業の部分をAIがやってくれる方が嬉しいしすぐに仕事に行かせる領域だなということを今回言いたかったんですね。
最近AI技術を使ったトレースツールのvectorizer.aiというサービスを見つけて試してみました。
ビットマップ画像をアップロードするとベクター画像に変換してくれます。
ビットマップ画像を自動でトレースしてベクターデータにする機能はイラストレーターにもあるんですが
昔からあってどんどんアップデートされてるんですがそれでもちょっと期待外れというかそこまですごいとは思わせてくれないんですね。
このベクタライザーを使ってみてさっき言っていたロゴを完全にきれいに仕上げるとかそのレベルではないんですが
イラストをベクター化するには十分使えるなと感じました。
私が昔描いたイラストで解像度がそんなに高くない状態で元データを探すのが面倒だという状態のものがたくさんあるんですが
それをAIを使ったアップスケーラーという解像度をアップするサービスを使って大きくした上でこのAIを使ったトレースツールでベクター化してきれいなデータに仕上げるというのができそうな予感がしています。
AIによるイラスト生成
あとAIを使ってベクター画像を生成してくれるサービスリクラフトというのも最近見つけてちょっと使ってみました。
これは画像生成AIのベクター版とも言えるようなもので文字を使ったプロンプトでベクター画像を生成することができます。
ちょっとした添え物として使うようなマーク的なイラストを作ったりするのに便利そうだと思いました。
ベクタライザーもリークラフトも今のところは無料で使えます。
まだベータ版的な位置づけで将来的には有料化を考えているんだろうと思います。
リークラフトはベクター画像以外にも3D風のイラストとかいろいろなテイストのイラストも作ることができます。
ベクター画像として生成したものはSVG形式でダウンロードできるんですが、他のいろんなテイストのイラストはPNGとかでダウンロードすることになります。
あと、Adobeが提供する画像生成AIのAdobe Fireflyにもベクター画像の生成機能が搭載予定です。
最近Photoshopのベータ版にFireflyの機能の一部が搭載されたので、今度はAdobe Illustratorにベクター画像をAIで生成する機能がつく日も近いんじゃないかと思います。
そんな場合、Adobe IllustratorのAIにAI機能が搭載と、AIにAI機能が搭載というネット記事が出てくるのかもしれません。
今回は以上です。足利浩二がお届けしました。
10:43

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