同人誌作成の経緯
先日、24年ぶりぐらいに漫画同人誌を作りました。
お手伝いしているキャラクターデザイナーの井上ひさとさんを、コミティアという同人誌即売会に出展させるということになって、
コミティアは出展料は安いんですが、1ブースが1つの机の半分、幅90センチしかないということで、2ブース借りようかという話になったんですね。
そこで、じゃあ半分は別なサークルとして、私と娘で出展しようということになりました。
井上さんは結局本は出さずにグッズを販売したんですが、私が井上さんのキャラクターをお借りして書いている4コマ漫画があるので、
それをまとめて書き下ろしのメイキング漫画も書いて、これ9ページ書き下ろしたんですが、コピー本を作ってコミティアで販売したんですね。
最初20部ぐらい作ればいいだろうと言ってたんですが、見本紙とか試し読みとか人にあげるとか考えると30ぐらいは欲しいよねと。
で、結局余裕を持って40部作ったんですが、14部しか売れませんでした。今のところ赤字です。
それはともかくとして、今回同人誌を作っていて感じたのが、漫画もそうなんですが、同人誌の中に入れる文章を書くのにおいてジョークとかユーモアを入れやすいと感じました。
逆にSNSに投稿するような文章では、ジョークとかユーモア的な内容を入れても理解してもらえないんじゃないかなとか、
ジョークなのに本気に取られるとか誤解を生まないかなとか、純粋につまらんとか余計だと思われるだろうなとか考えると、
そういう要素をやっぱりいらないと、削除すると、そういうことが多いですし、それだけ気を使って普段はSNSとかに投稿してるんだなと改めて感じたという部分もあります。
私の情報発信というのがテクニカルな内容、ノウハウとかテクニック的な部分も多いので、ジョークとかユーモア的なものは不要だなとある時から自分の中のルールとして決めていました。
コスパが悪いというか、面白要素を入れるのは時間がかかるし、その割に効果はそこまで大きくないことも多いですし、リスクもあると。
つまらないと思われるとか、伝えたいことがぶれるとかですね。なのでそこは切り捨てようと意識して情報発信しています。意外だと思われるかもしれないですが、本当はジョークとかユーモアとかを入れたいタイプの人間です。
私が会社に入った頃は、まだ内線電話で他の社員の人とやり取りをするような時代で、入社してしばらく経ってからグループウェア的なものでメッセージで社内の人とやり取りするようになったんですね。
で、その時にはただ要件だけで返すとそっけないなと冷たい感じがするなと思って、すべてのメッセージにちょっとしたユーモアとかしゃれっ気を入れていました。でもそれだと時間がかかるので、やっぱりある時から自分の中でやめようとルールを作ってやめたということもありました。
SNSでの情報発信ではどんな人が見るのかがわからないので、全方位的に気を使ったら、結局ジョークとかユーモアの部分は削った方が安全策という結論になりがちですよね。
Facebookだと基本つながってる人は知り合いですし、同世代の人、同業種の人も多いのでユーモアとか入れやすいですが、
同人誌とSNSの違い
Twitterでは何かの表紙に全然違った層の人から見られる可能性もあるので、なかなかジョークを入れるのも難しいなと思います。
で、そういう全方位的に気を使う投稿に慣れていたけど、いざ同人誌を作るにあたって自分の中のモードが自然に切り替わったみたいで、つまらないジョークとか冗談っぽい口調とかを自然に入れられたんですね。
そこに対して自分でどうかなというのもあったんですが、ダメ出しして脳にはいたらなかった。これでいいんじゃないと思えたんですね。
同人誌の場合、興味を持ってくれる人が買ってくれてその上で目にするものなので、不特定多数の人が目にするかもしれないSNSでの情報発信とは全く違いますね。
なので、ホームかアウェイかで言えば、SNSはアウェイの場で、同人誌はホームの場なんだなと実感しました。
有名人の人とか作家の人とかがツイッターで炎上したりしてるのも、そういう人たちがいつものホームの場での発信と同じ感覚でSNSで発信してしまうからなんだと私は思っています。
作家の人たちが自分の出す本とか雑誌の連載とかで自分の意見を言ってる限りでは、そこまで炎上することってあまりないと思うんですが、SNS上だとすぐにたまたま誰かに見つかることで炎上するっていうリスクはありますよね。
今はだいぶその辺みんなわかってきているので周りがアドバイスするとかいうのもあるでしょうし、そういう不要意な炎上みたいなものは減ってるんじゃないかと思います。
あと自分が同人誌を作っている中で冗談とかユーモアがすんなり出てきたというのは、昔の自分の同人誌を読んで若い頃の気分にちょっと戻っていたという影響もあるかもしれません。
昔の自分の同人誌で書いてることとかアイディア勝負で私はやっていたので、そのアイディアとかが純粋に面白いなと思ったんですね。
これ今の時代にもう1回やっても面白いんじゃないかと思ったりして、それをやるんだったらやっぱりネットじゃなくて同人誌なのかなと、同人誌の方がやりやすいのかなと思ったりしました。
まあフォーマットとして漫画になっていれば、ジョークとかユーモア的なものはつまらなかったとしても意外と当たり前に受け入れられそうな感じがするので、漫画というフォーマットであればそれをネットにSNSにあげるのもありなんだろうなというふうにも感じています。
でやっぱりホームの場というのがあるのはとてもいいことだと思いました。ブログをずっとやってるような人たちというのは多分ブログを自分のホームの場だと、落ち着ける場所だと考えているんだろうなと、そうあってほしいなと思います。
誰に見られるかわからない、不特定多数の人に見られる可能性があるというのはブログもそうですが、やっぱりSNSとちょっと違って見たい人が訪れてきて見る場ではあるので、そこは自分のホームの場だと、自分のやりたいような好きな文体で発信できる場ですと。
いうのであればやっぱりそういう場を持ってるというのは羨ましいですね。ニュースレターもそうでしょうね。ニュースレターはいいですね。ホームの場としてまた始めたいですね。ノートはやっぱりブログじゃないですし、ホームの場になる感じはあんまりしないですね。
そういうわけで久しぶりに同人誌を作って、ホームの場所の大切さということに気づかされたという話でした。今回は以上です。足利浩二がお届けしました。