iPadでデジタル下書きとアナログで仕上げる方法
ちょっと前の話ですが、関谷さとこさんというイラストレーターの方が、
絵日記制作の動画をSNSにアップしていました。
それを見て、面白いなと思ったんですが、下書きはiPadで書いていて、
その段階でもう完成品なんじゃないかというようなレベルなんですが、
それをプリントアウトしてトレース台を使ってサインペンでなぞって製書していたことです。
デジタルでiPadで下書きしてアナログで仕上げるというワークフローですね。
で、サインペンでペン入れした後、アルコールマーカーで色を塗って完成させていました。
で、このやり方は結構ありなんじゃないかと思いました。
確かにアナログ画材ならではの仕上がりの良さがありますし、
下書き段階で色々試行錯誤するにはデジタルの方がやりやすいですし、
まさに適材適所かなと。
iPadとApple Pencilなら手書きと同じような感覚で紙と鉛筆のように書いていくことができますし、
デジタルならではの書いた後で位置をずらしたりサイズを変えたりが自由自在なので、
ラフを書く、下書きを書くにはデジタルの良さが活かされるんだろうなと思います。
この関谷さと子さんのワークフローはデジタルとアナログのいいとこどりなやり方だなと感じました。
なおこの関谷さと子さんは普段はデジタルで完結させて納品するお仕事が多いようです。
デジタルでも仕上げられるしアナログでも仕上げられる二刀流とも言えるのかなと思いました。
尾端咲さんの書き方
そして最近尾端咲さんというイラストレーター、グラフィックデザイナーの人も似た書き方をしているらしいと知りました。
尾端咲さんはイラストレーターなんですがGペンとかスクリーントーンとか漫画画材を作品に取り入れているという人で、下書きはiPad、
聖書は原稿用紙にインクを使ってGペンなどで書いていくという書き方をしているらしいです。
面白いのはこの方の場合はそこからさらにデジタルに戻って黒ベタ部分や色をつけたりトーンの処理をするのはフォトショップでやっているそうです。
最後のフォトショップの作業は推測ですが多分iPadではなくMacでやってるんじゃないかなと思うので、
iPadで下書きをしてアナログでペン入れをしてフォトショップでデザインワークとしてこの方グラフィックデザイナーもやってるのでデザインワークとして仕上げをしているのかなと想像しました。
最後までアナログでトーンを実際に貼って仕上げることもあるらしいです。
仕事ではデータ納品が多いのでデジタルが多くなるけど古典などの作品はデジタルを使わずにアナログで仕上げるスタイルが最近多いとのことでした。
最終的にはデジタルで仕上げるけど途中のどっかの段階まではアナログとやっぱり最初は紙と鉛筆だよねというこれまでの常識というか思い込みというかそういうのが変わってきているのかなと。
それはやっぱりデジタルだけど紙と鉛筆のように使える初めてのデバイスであるipadプラスappleペンシルが登場したからなんだろうなと思います。
漫画家の人もペン入れまではアナログでやってそれをスキャンしてあとはデジタルで仕上げるというパターンの人は多いようですが
それに限らずむしろ最初の段階いわゆるネームというラフを書く段階下書きを書く段階をデジタルにするipadとappleペンシルにするというやり方もあるのかなと
先ほどの2人のイラストレーターの方のデジタルとアナログの使い分けを知ったことで思うようになりました。
漫弁という漫画に勉強の弁と書いて漫弁というnhkの番組があります。
漫画家の人が絵を描く様子を定点カメラで撮影してナビゲーター役の漫画家の浦沢直樹さんとその回のメインの漫画家の人がその映像を見ながら対談するという番組です。
今までなかなか見ることのできなかった漫画家の方が作品を作っていく様子が見られてとても興味深い番組です。
でまぁ当然というかアナログで漫画を描いている人が取り上げられることが多いんですね。
でベテランの漫画家の方のアナログでの作画風景を見ているともうこの人たちはデジタルに移行なんかしなくてアナログでずっと書いていっていいんだとそう感じることが多いです。
私はデジタル推進派なのでそういうベテランの漫画家さんたちもデジタルに移行したらいいのにと思っていたんですが、
漫弁でいろんな人のまさに職人芸というようなアナログ画材での漫画を描く様子を見ていると今更道具を変えるとは言えないなと今のままで十分ですと思わせられる迫力があるというか異形の念を抱くという感じでアナログで頑張ってほしいなと思うようになりました。
ただそういう人たちでもネームを書くとか下書きを書くとかアイディアスケッチとかそういう段階をデジタルにすることで効率化できたりプラスになる部分もあるんじゃないかなとむしろそっちの方がペン入れをデジタル化するというよりもいいんだろうなと思います。
なお我が家でもデジタルでラフを作って最終的に仕上げはアナログという作業はやっていました。
例えば子供が小学校の頃の夏休みの宿題のまるまる新聞を作るとかいう時です。
学校から指定の紙をもらってきてその紙で新聞を作るわけですがいきなりそこに書くというのは難しいですよね。
なので私がパソコン上で大体のレイアウトを決めてそれを原寸でプリントアウトしてそれを元に子供がアナログで書いていくみたいなことをやったりしていました。
鉛筆で下書きしてペンでなぞって下書きを消すと消しゴムで消すという作業もアナログ作業としてちょっと面倒なので
iPad上でApple Pencilで娘が下書きを書いてそれをプリントアウトしてトレース台を使ってペンでトレースすると下書きを消す必要ないというようなこともやっていましたね。
娘はApple Pencilには小さい頃から慣れ親しんでいます。
学校の宿題って結構そういうアナログを極めさせるというかアナログで仕上げさせる技術を必要とするものが多いですよね。
作文とかも原稿用紙2枚に収めるとか、一回パソコンで打って文字数確認してそこからアナログで清書したかったりしますよね。
その辺も今後どう変わっていくんだろうというのもありますが、今回はiPadとApple Pencilでラフとか下書き段階をやってアナログ画材で仕上げをすると。
そういうやり方もデジタルアナログのいいとこどりな使い方としていいんじゃないかという話でした。
今回は以上です。足利浩二がお届けしました。